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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014(2) [クラシック音楽鑑賞]

一昨日に続き5日の最終日公演に行ってきました。
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■公演番号312(ホールA)
バーバー:弦楽のためのアダージョ Op.11
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
ボリス・ベレゾフスキー(P)
ジャン=ジャック・カントロフ(指揮) シンフォニア・ヴァルソヴィア

ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky,1969年1月~)はモスクワ出身のロシアのピアニスト。モスクワ音楽院卒。1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。超絶技巧と力強さ、独自の洞察力と豊かな感性を兼ね備えた才能あふれる音楽家として高い評価を得ている。ミュンヘン・フィル、ニューヨーク・フィル、ロンドン・フィル等世界的オーケストラと度々共演。

ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow,1945年10月~)アルメニア系ロシア人の両親の下にカンヌ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。パリ国立高等音楽院卒。デビュー直前にグールドより演奏を大絶賛されたエピソードは有名。パガニーニ国際、ジュネーヴ国際コンクール覇者。タピオラ・シンフォニエッタの芸術監督、グラナダ市管弦楽団の音楽監督、ローザンヌ室内管弦楽団の首席客演指揮者等を経験。

シンフォニア・ヴァルソヴィアはポーランド・ワルシャワに本拠地があるオーケストラである。 1984年にユーディ・メニューインがポーランド室内響をもとに設立。アバド、デュトワ、アルゲリッチ、ゴールウェイ、ルプー、クレーメル、ロストロポーヴィチらと共演。97年にペンデレツキを音楽監督に迎え(03年~芸術監督)、08年にミンコフスキが音楽監督に就任。

サミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」は弦楽四重奏第1番の2楽章から自身が編曲したもので、哀れみ深い曲調から、故ケネディ大統領の葬儀の際や、9.11の慰霊祭、阪神神戸震災時の追悼曲として知られている。重々しいが、とても美しい旋律を持つこの曲が益々好きになった。

ベレゾフスキーとカントロフ、シンフォニア・ヴァルソヴィアの組み合わせで演奏を聴くのは2012年のL.F.Jでのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番以来2年振りであった。
大柄の身体のベレゾフスキーは、今回も決して手を抜かないエネルギッシュな演奏を聴かせてくれた。

■公演番号343(ホールC)
モーツァルト:
・ディヴェルティメントニ長調K.136
・ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノム」
アンヌ・ケフェレック(P)
ジョシュア・タン(指揮)横浜シンフォニエッタ

アンヌ・ケフェレック(Anne Queffélec, 1948年1月~ )は、パリ生まれのフランスのピアニスト。5歳でピアノの演奏を始め、1964年にパリ音楽院に入学。1965年にピアノで、1966年には室内楽でそれぞれプルミエ・プリ(1等賞)をとる。その後、パウル・バドゥラ=スコダ、イェルク・デームス、アルフレート・ブレンデルに師事し、1968年にはミュンヘン国際音楽コンクールで優勝した。それ以後も、国際舞台の中心で演奏をつづけ、経歴を重ねる。ソロのコンサート・ピアニストとして有名であるばかりではなく、室内楽の分野でもよく知られている。

ジョシュア・タン(Joshua Kangming Tan,1976年~)はシンガポールの指揮者。北京NCPA オーケストラのレジデント・コンダクターを経て、現在、貴陽交響楽団アシスタント・ディレクターとシンガポール交響楽団アソシエート・コンダクターを兼任。2008年ミトロプーロス国際指揮者コンクール第2位入賞を果たし、近年カーネギーホールや上海、台湾でのデビューを機に国際舞台へと躍り出た。ジュリアード音楽院で学び、同院の学生では初めてのチャールズ・シフ賞を受賞。デプリースト、デュトワ、ジンマン、マズアらに師事し、シンガポール響、ジュリアード管、サンクトペテルブルク響、上海響、ボン・ベートーヴェン管などを指揮している。

横浜シンフォニエッタ(Yokohama Sinfonietta)は1998年にTOMATOフィルハーモニー管弦楽団として東京藝術大学学内にて創立された。学内外での演奏が評判を呼び、後に横浜シンフォニエッタへと改称、横浜に活動拠点を置くプロフェッショナルオーケストラに転身した。以来国内外で演奏活動を展開し、13年2月には ラ・フォル・ジュルネ発祥の地、仏ナントに日本の楽団として初めて招聘され7公演を行い、「フランスのオーケストラよりもフランスのサウンドがする」と絶賛された。CDリリースも多数、テレビ出演をはじめメディアにも度々取り上げられるなど、世界の最先端を行くイノベーション・オーケストラとして注目を集め、13年にはその功績を高く評価され横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞。創立当初より音楽監督に山田和樹、13年より首席指揮者に鈴木優人を擁する。

ケフェレックの演奏を聴くのは、去年のL.F.Jでのサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番に続いて2回目でした。美貌の持ち主の彼女は小柄で高齢にもかかわらず、モーツァルトが21歳の時に作曲した第9番の協奏曲をしっかりしたタッチで丁寧に弾いていた。モーツァルトの時代のピアノはフォルテ・ピアノだったろうが今回使用していたのはスタインウエーのフルコンサート用ではなく中型のピアノであった。3楽章でVaの人が弓を落としてしまい、少し興ざめしたが、初めて聞いた横浜シンフォニエッタは弦の演奏がうまいと感じた。アンコールには彼女の得意とするフランスの作曲家のサティを演奏してくれた。

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アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタン氏によるクラシック・ソムリエ・トーク
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