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SACDサラウンド・レビュー(772) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Silver Voice
Opera Arias played by Flute and Orchestra
CHSA5211
Katherine Bryan (flute)
Bramwell Tovey/Orchestra of Opera North
録音 2017年5月
Chandos

銀の声~フルートによるオペラ・アリア集
・モーツァルト/R.ヤンセンス編:『魔笛』によるファンタジー
・プッチーニ:歌劇『ジャンニ・スキッキ』より 「私のお父さん」
・グノー:歌劇『ファウスト』より宝石の歌「なんと美しいこの姿」
・モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』より「どこにあるの美しい時は」
・ドヴォルザーク:歌劇『ルサルカ』より「月に寄せる歌」
・グノー:歌劇『ロメオとジュリエット』より「私は夢に生きたい」
・ガーシュウィン:歌劇『ポーギーとベス』より「サマータイム」
・ドリーブ:歌劇『ラクメ』より「花の二重唱」
・レハール:オペレッタ『メリー・ウィドウ』より「ヴィリアの歌」
・プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」
・ビゼー/F.ボルヌ編:カルメン・ファンタジー

キャスリン・ブライアン(Katherine Bryan, 1982年~)はイギリスの女性フルート奏者。マンチェスターのChetham's School of Musicに就学中の15歳でAudi Young Musician competitionに優勝し、認められ、ハーディング指揮アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(ASMF)と共演してコンチェルト・デビューをした。その後、奨学金を受けてアメリカのジュリアード音楽院に進み、ジーン・バックストレッサー(Jeanne Baxtresser)やキャロル・ウィンセンス(Carol Wincenc)に師事。2001年と2002年には、札幌のパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)に参加した。2003年春には21歳の若さでロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管のフルート首席奏者に就任した。
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ブラムウェル・トヴェイ(Bramwell Tovey ,1953年7月~)イギリス生まれのピアニスト、作曲家、指揮者。最初にチューバを王立音楽大学(Royal Academy of Music)にて、ジョン・フレッチャー(John Fletcher)に師事。2000年よりバンクーバー交響楽団の音楽監督。2002年9月から2006年まで、ルクセンブルクフィルハーモニー管弦楽団の指揮者および音楽監督を務めていた。
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オペラ・ノース管弦楽団(Orchestra of Opera North, English Northern Philharmonia)別名イングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニア。1978年イギリスのリーズに英国芸術審議会の要請により創設されたオペラ・ノースの専属オケ。首席指揮者スティーヴン・スローン。イングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニアの名称は録音時の名称。
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リーズ・タウンホールでのセッション録音であるが、高域弦の音の伸び、低域弦の響きの豊かさはいまいち。ソロのフルートとバックのオーケストラの音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(771) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Brahms
Piano Concerto No.1, Violin Concerto
RCO17001(2 Disks)
Frank Peter Zimmermann (violin)
Emanuel Ax (piano)
Bernard Haitink/Royal Concertgebouw Orchestra/RCO Chamber Soloists
録音   2010年3月(Violin Concerto),12月(Piano Concerto)
     2016年6月( Piano Quartet)
RCO Live


・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
・シューマン:ピアノ四重奏曲変ホ長調 Op.47
・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 Op.15

フランク・ペーター・ツィンマーマン(Frank-Peter Zimmermann,1965年2月~)はドイツのデュイスブルク生まれのヴァイオリニスト。ヴァイオリニストの母親から手ほどきを受け5歳からヴァイオリンを始める。なお父親はチェリストであった。1975年、10歳でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を弾いてデビュー。1976年にエッセンのフォルクヴァング音楽院に入学、ヴァレリー・グラドフに師事する。同年には全国青少年音楽家コンクールで優勝して「天才少年出現」として評判になる。その後、ベルリン芸術大学でサシュコ・ガヴリーロフに師事する。1979年、14歳でルツェルン音楽祭に出演。1983年、世界のメジャー・オーケストラや一流指揮者との共演を開始。2008年にはドイツ連邦共和国功労勲章一等功労十字章を受章。2013/14シーズンは、トーンハレ管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスとしてジンマンやフォン・ドホナーニと共にシーズンを通してコンサートを行うとともに、パーチェとのリサイタルやトリオ・ツィンマーマンの演奏会を行っている。使用楽器はPortigon AGのサポートにより、かつてクライスラーが所有していた1711年製ストラディヴァリウス。
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エマニュエル・アックス(Emanuel Ax,1949年6月~)はアメリカのニューヨーク在住のピアニスト。ユダヤ系ポーランド人で、ウクライナのリヴィウに生まれ。6歳のとき父の手ほどきでピアノの学習を開始する。8歳の時に家族とともにワルシャワへ移り、さらに2年後にカナダのウィニペグへ移住する。1961年にニューヨークに移住し、ジュリアード音楽院のミェチスワフ・ムンツに師事した。また、父の薦めによりコロンビア大学へも入学し、フランス語を専攻した。1972年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで7位、1974年にテルアヴィヴ・アルトゥール・ルービンシュタイン国際コンクールに優勝する。1979年にはニューヨーク・エイヴリー・フィッシャー賞を獲得する。夫人はピアニストの野崎洋子
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ベルナルト・ハイティンク(Bernard Johan Herman Haitink, 1929年3月~)オランダ、アムステルダム出身で同地の音楽学校に学ぶ。1954年から1955年までフェルディナント・ライトナーに指揮を師事するまでは、地元のオーケストラでヴァイオリンを弾いていた。1955年にオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の次席指揮者(1957年より首席指揮者)に就任。1961年から1988年までアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の、1967年から1979年までロンドン・フィルハーモニー管弦楽団のそれぞれ首席指揮者に就任。1978年から1988年までグラインドボーン音楽祭の、1987年から2002年までロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督を務める。1991年にエラスムス賞を受賞。1995年からボストン交響楽団の首席客演指揮者となり、2004年に名誉指揮者となっている。1999年にはアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の名誉指揮者の称号を得ている。
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ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(オランダ語: Koninklijk Concertgebouworkest )は、オランダ・アムステルダムに本拠を置くオーケストラである。オランダ語における略称は KCO であるが、英語表記のRoyal Concertgebouw Orchestraの頭文字を取って RCO と表記される事もある。旧称アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。首席指揮者は最近ではマリス・ヤンソンスが2004年~2015年まで、2016年からダニエレ・ガッティが就いている。
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ブラームスの2曲はライヴでの収録であるが、アムステルダム・コンセルトヘボウの豊かなホールトーンをうまく捉えている。ソロのヴァイオリン、ピアノともバックのオーケストラとの音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音も含むが直接音がメイン。シューマンのピアノ四重奏曲はアムステルダム、ヴァールゼ教会でのセッションによる収録。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(770) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Respighi
Vetrate di chiesa
BIS-2250
John Neschling/Orchestre Philharmonique Royal de Liège
録音 2016年3月,4月
BIS

オットリーノ・レスピーギ:
・ボッティチェッリの三連画 P.151
・日没 P.101
・交響的印象「教会のステンドグラス」 P.150

ジョン・ネシュリング(John Neschling,1947年~)はサンパウロ生まれのブラジルの指揮者。シェーンベルクやボダンツキーの血を引くという人物であり、スワロフスキー、バーンスタインの薫陶を受けたというキャリアの持ち主。1997年以来、サンパウロ交響楽団の音楽監督を務めていたが、2009年に楽団事務局のトップと争い同ポストを解任させられた。2013年1月よりサンパウロ市立劇場(Municipal Theatre of São Paulo)の芸術監督に就いた。
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リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre Philharmonique Royal de Liège)はベルキー、リエージュ王立音楽院付属の国立の管弦楽団。1960年設立でリエージュを本拠地とする。2011年9月よりクリスチャン・アルミンク(Christian Arming)が音楽監督に就いている。
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ジョン・ネシュリング&リエージュ・フィルによるレスピーギの管弦楽作品集の第4弾。
音響空間の大きな収録でコンサートホールの中ほどで聴く音に近い。高域弦の音の伸びは適度に有り、低域弦の響きは豊かである。サラウウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(769) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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J.S.BACH
Musical Offering
BIS-2151
Masaaki Suzuki
Bach Collegium Japan,members
録音 2016年8月
BIS

J.S.バッハ:
・音楽の捧げもの BWV1079
・ゴルトベルク変奏曲 BWV988 - アリア
・ゴルトベルク変奏曲の主題に基づく14のカノン BWV1087
・フルート・ソナタ ト長調 BWV1038

鈴木雅明(Masaaki Suzuki,1954年4月~ )は、バッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督、チェンバロ・オルガン奏者。神戸出身。東京芸術大学作曲科およびオルガン科を経て、アムステルダム・スウェーリンク音楽院においてチェンバロとオルガンをトン・コープマン、ピート・ケーに師事。東京芸術大学古楽科を設立し、2010年まで20年にわたって教鞭を執った。イェール大学音楽大学院および教会音楽研究所招聘教授、神戸松蔭女子学院大学客員教授。BISレーベルでのBCJとの<バッハ:教会カンタータシリーズ>は、2013年2月に全曲演奏・録音が完結し、世界でもまれにみる偉業に大きな話題を呼んでいる。

バッハ・コレギウム・ジャパン(Bach Collegium Japan, BCJ)は、バロック音楽を専門とする日本のオーケストラおよび合唱団である。1990年に鈴木雅明によって設立され、1995年以来ヨハン・ゼバスティアン・バッハのカンタータのシリーズをBISレーベルより発売しており、リリースは数十枚にのぼる。BCJは毎年バッハのカンタータと器楽曲のプログラムを演奏している。2000年のバッハ没後記念250年には、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、テルアビブ、ライプツィヒ、メルボルンといった都市のフェスティバルに参加し、国際的に活動の幅を広げている。1999年、モービル音楽賞受賞。2014年、サントリー音楽賞受賞。
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音楽の捧げものでは左から1st Vn、2nd VnまたはVa、フルート、右にVc、センター奥にChmbが定位している。教会での収録であるが、サラウンドスピーカーからのアンビエンスな音は少な目で、ほぼ直接音が占める。収録場所はオランダ、ハーグ、Old Catholic Church

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(768) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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The Cello in Wartime
BIS-2312
Steven Isserlis(cello)
Connie Shih(piano)
録音 2016年11月
BIS

戦時のチェロ曲
ドビュッシー:チェロ・ソナタ L.144
ブリッジ:チェロ・ソナタ H.125
フォーレ:チェロ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.109
ヴェーベルン:チェロとピアノのための3つの小品 Op.11
サン=サーンス:白鳥
ヒューバート・パリー:イェルサレム
アイヴァー・ノヴェロ:「Keep the Home Fires Burning」
トラディショナル:「神よ国王を護り賜え」

スティーヴン・イッサーリス(Steven Isserlis, 1958年12月~ )は、イギリス、ロンドン生まれのチェロ奏者。10歳からロンドンの国際チェロセンターでジェーン・コーワンに師事。1976年、アメリカのオバーリン大学に留学。1993年、アメリカでピアティゴルスキー芸術賞を受賞。同年、イギリスのロイヤル・フィルハーモニック協会から年間最優秀器楽演奏家賞を受賞。多岐にわたるレパートリーと、ガット弦を用いた個性的な音色によって有名。
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コニー・シー(Connie Shih)カナダ生まれのピアニスト。9歳でシアトル交響楽団とメンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番を共演し、オーケストラ・デビュー。1993年、30歳以下の最も優れたアーティストに贈られるシルヴァ・ゲルバー賞を受賞。ソリストとして、カナダ、アメリカ、ヨーロッパ各地のオーケストラと共演し、ソロ・リサイタルもカナダ、アメリカ、アイスランド、イギリス、スペイン、イタリア、ドイツ、さらに中国で数多く開いている。また、室内楽もタベア・ツィンマーマン、イザベル・ファウストなど多くの世界的な音楽家たちと演奏し、中でもチェロのスティーヴン・イッサーリスとの度重なる共演は高く評価されている。
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「白鳥」「イェルサレム」「Keep the Home Fires Burning」「神よ国王を護り賜え」の4曲を第一次世界大戦時にイギリス陸軍兵士が戦場で弾いた、弾薬箱を胴に使い、持ち運びの際には弓などを箱の中にしまえるようになっているトレンチ・チェロを用いて録音をしている。
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チェロ、ピアノともほぼセンターに定位しているが、両者に奥行き感の差異はあまり感じられない。サラウンドスピーカからの音はアンビエンスのある音で、楽器から距離感がある。トレンチ・チェロの音は意外と良い音をしている。収録はイギリス、サフォーク州、ポットン・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch


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