SSブログ

SACDサラウンド・レビュー(780) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mozart Masonic Works.jpg
Mozart
Masonic Works
BIS-2294
John Heuzenroeder(tenor)
Mario Borgioni(bass)
Willi Kronenberg(organ)
Alexander Puliaev(fortepiano)
Michael Alexander Willens/Die Kölner Akademie
録音 2016年12月
BIS

モーツァルト:フリーメイソンのための音楽集
・「われらが喜びを高らかに告げよ」 K.623
・無限なる宇宙の創造者を崇敬する汝らが K.619
・フリーメイソンの喜び K.471
・結社員の旅 K.468
・ヨハネ分団の儀式のための讃歌 「おお聖なる絆」 K.148
・歌劇「エジプトの王ターモス」 K.345 (抜粋)
・汝、宇宙の魂に K.429
・「汝ら、われらの新しき指導者よ」 K.484
・今日こそ共に、愛する兄弟よ K.483
・フリーメイソンのための葬送音楽 K.477

ウィリィ・クローネンベルク( Willi Kronenberg,1962年~)はドイツのオルガン、チェンバロ奏者。ケルンとシュツットガルトでオルガンと教会音楽を学ぶ。 フライブルク音楽大学にてチェンバリストのロバート・ヒル(Robert Hil)に師事。アムステルダムではオルガニストのエワルド・クイマン(Ewald Kooiman)に師事。国際コンクールでいく度か優勝。2007年1月以来、セント・ジョセフ教会聖歌隊(Kirchenchöre St.Joseph)と聖トリニティ教会合唱団(Hl. Dreifaltigkeit in Köln-Poll)の音楽監督を務める。
Willi Kronenberg_1.jpg


アレキサンダー・プリアエフ(Alexander Puliaev, 1962年~)ロシア、 レニングラード生まれのピアニスト。6歳からピアノを習い始めた。1985年にモスクワ音楽院でウラジミール・ナタンソ(Wladimir Natansson)に師事。ソリストと室内楽のミュージシャンとして数年活動後、アムステルダムのスウェリンク音楽院でチェンバロをアンネケ・ウイテボス(Anneke Uittenbosch)に、フォルテピアノをスタンリー・フーグランド(Stanley Hoogland )に師事した。1998年以来、ケルン音楽大学(Musikhochschule Köln)で教鞭を執っている。
Alexander Puliaev_1.jpg


ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。

ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。2013年5月にピアニストのブラウティガム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
Kölner Akademie_8.jpg


フリーメイソンとは今から400年ほど前の16世紀後半から17世紀初頭に、「自由」、「平等」、「友愛」、「寛容」、「人道」という5つの基本理念を掲げ、「メンバー相互の特性と人格の向上」を目的とした友愛結社である。モーツァルトもその一員だったそうで、このアルバムにはモーツァルトが作曲したフリーメイスンのための音楽10曲すべてが収録されている。

高域弦の音の伸びは適度に有るが、編成が小さいためか音場の広がり感があまり感じられない。K.468はオーケストラにオルガンとテナーのソロが入り、K.148とK.619はフォルテピアノが入る。K.345はオーケストラのみの演奏。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングしてアンビエンスな音を捉えている。収録場所はケルン、ドイツ公共放送局・カンマームジークザール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(3)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(779) [サラウンド・サウンド・レビュー]

In Heavenly Harmony.jpg
In Heavenly Harmony
COV 91734
Daniel Auner(Violin)
Hannfried Lucke(Organ)
録音 2017年
Coviello

天上のハーモニー~ヴァイオリンとオルガンによる作品
・ヴィターリ/シャルリエ=ルケ編:シャコンヌ ト短調
・リスト:システィーナ礼拝堂への祈り
・レーガー/ディートハルト・ヘルマン編:ロマンス~ヴァイオリンとオルガンのための
・レーガー:間奏曲 ト短調 Op.80-6
・パラディス/ドゥシュキン編:シシリエンヌ
・ラインベルガー:6つの小品 Op.150~ヴァイオリンとオルガンのための



ダニエル・オーナー(Daniel Auner, 1987年~)はオーストリア、ウイーン出身のヴァイオリニスト。父親はロシアのサンクト・ペテルブルグ出身のピアニスト、母親はオーストリア出身のチェロ奏者。幼少のころからピアノを習い、6歳からヴァイオリンに変更。2000年よりウイーン音楽芸術大学でクリスチャン・アルテンブルガー(Christian Altenburger)に師事。2005年からザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学にてイーゴリー・オジム(Igor Ozim)に師事、2013年に卒業、その後マスタークラスにてボリス・クシュニール(Boris Kuschnir)に師事した。
Daniel Auner_1.jpg


ハンフリード・ルケ(Hannfried Lucke,1964年~)はドイツ、フライブルグ生まれのオルガニスト。フライブルグ・音楽大学やザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学、ジュネーブ・音楽院で教会音楽やオルガンを学んだ。2000年よりザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学のオルガン科教授。
Hannfried Lucke_2.jpg


教会でのオルガンとヴァイオリンのソロとの演奏だが、豊かな残響の中でもヴァイオリンの響きはクリアで濁りの無い響きをしており、オルガンとの音のバランスも良い。オルガンの重低音の響きを良く捉えている。収録場所はリヒテンシュタイン、ファドゥーツ、聖フローリン大聖堂
Kathedrale St. Florin orgel_1.jpg



サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(4)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(778) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mendelssohn Works for Cello and Piano.jpg
Mendelssohn
Works for Cello and Piano
BIS-2187
Ronald Brautigam(piano)
Christian Poltéra(Cello)
録音 2016年8月
BIS

メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品集
・協奏的変奏曲 ニ長調 Op.17
・チェロ・ソナタ第1番 変ロ長調 Op.45
・無言歌 Op.109
・アッサイ・トランクィロ
・チェロ・ソナタ第2番 ニ長調 Op.58

クリスチャン・ポルテラ(Christian Poltera,1977年~)スイス、チューリッヒ生まれのチェロ奏者。チェロをナンシー・チャマチェンコ(Nancy Chumachenco)、ボリス・ペルガメンシコフ(Boris Pergamenschikow)師事、その後にハインリヒ・シフ(Heinrich Schiff)に師事。17歳の若さでヨーヨー・マの代役としてダヴィット・ジンマン指揮チューリヒ・トンハレ管弦楽団でエルガーのチェロ協奏曲を演奏。2004年にはボレッティ・ビトーニ賞(Borletti-Buitoni Trust Award)を受賞し、BBCの新世代アーティスト(BBC New Generation Artist)として選出された。トリオ・ツィンマーマンのチェロ担当。使用楽器はストラディヴァリウス「Mara」、1711年製
Christian Poltera_5.jpg


ロナルド・ブラウティハム(Ronald Brautigam,1954年10月~)はブラウティガムと呼ばれることもある。オランダの主要なピアノ演奏家の一人。アムステルダムに生まれ、スウェーリンク音楽院でヤン・ウィーンに師事。その後、ルドルフ ・ ゼルキンについてアムステルダム、ロンドン、アメリカ合衆国で学んだ。1984 年にオランダの権威ある音楽賞のNederlandse Muziekprijsを受賞した。リッカルド・シャイー、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンク、フランス・ブリュッヘン、フィリップ・ヘレヴェッヘ、クリストファー・ホグウッド、アンドルー・パロット、ブルーノ・ワイルなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのオーケストラと定期的に共演している。
Ronald Brautigam_9.jpg


メインマイクを遠目にセッティングし、さらにフォルテピアノとチェロとの位置を前後にずらしたと思われる、奥行き感の有る収録になっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音がメイン。収録場所はドイツ、 Neumarkt in der Operpfalz 、Reitstadel

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(3)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(777) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mozart Divertimento & Preludes to Bach.jpg
Mozart
Divertimento & Preludes to Bach
PTC 5186714
Matt Haimovitz(Cello)
Jonathan Crow(Violin)
Douglas McNabney(Viola)
録音 2005年9月
PentaTone Classics

モーツァルト:
・バッハの作品による6つの前奏曲とフーガ K.404a
・ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563

ジョナサン・クロウ(Jonathan Crow ,1977年10月~)はカナダ出身のヴァイオリニスト。鈴木メソッドにて6歳からヴァイオリンを習う。トロント王立音楽院卒業。2011年のシーズン以来トロント管弦楽団のコンサートマスターを務める。2009年来ニュ・オックスフォード弦楽四重奏団(New Orford String Quarte)のメンバー。トロント大学音楽学部(University of Toronto)のヴァイオリン科教授、トロント・サマー・音楽祭( Toronto Summer Music Festival)の芸術監督を務める。
Jonathan Crow_1.jpg


ダグラス・マックナブネイ(Douglas McNabney)はカナダ、トロント生まれのヴィオラ奏者。1983年から1986年までケベック管弦楽団(Orchestre symphonique de Quebec)のヴィオラ首席奏者を務めた。現在モントリオールに在るマギル大学音楽学部(Schulich School of Music of McGill University) の室内楽教授。
Douglas McNabney_1.jpeg


マット・ハイモヴィッツ(Matt Haimovitz,1970年12月~)はイスラエル生まれのチェリスト。5歳の時に家族と共にアメリカに移住。7歳からチェロを習い始めレナード・ローズ、ヨーヨー・マなどに師事。ドイツ・グラモフォンから天才少年としてデビューし、古典派から現代音楽にいたる幅広いレパートリーをもつ。主にアメリカとカナダで活動している。CD録音に「20世紀チェロ作品集」などがある。
Matt Haimovitz_4.jpg


前半はバッハの「前奏曲とフーガ」をモーツァルトが弦楽三重奏に編曲したもので、各楽器の音色はクリアーで自然な響きをしている。PentatoneレーベルとカナダのOxingale Recordsレーベルとの共同企画「PENTATONE OXINGALE Series」。収録はカナダ、ケベック、聖オーギュスタン教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(3)  コメント(0) 

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO2018(2) [クラシック音楽鑑賞]

丸ビル1Fマルキューブでのエリアコンサートを聴いてから
LFJ2018_2_1.jpg


LFJ2018_2_2.jpg

LFJ2018_2_3.jpg

LFJ2018_2_4.jpg


公演3日目の今日、以下の公演を聴いて来ました。

■公演番号M312(ホールA)
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」から第4楽章
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 Op.40

ピアノ ボリス・ベレゾフスキー
指揮 ドミトリー・リス
演奏 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番 作品40は、フランス滞在中の1926年に完成された。ロシアを去ってからのラフマニノフが作曲した数少ない曲のひとつである。1914年には本曲のスケッチがはじめられていたが、1917年にロシアを離れて以降、ラフマニノフはほとんど創作活動を行っていなかった。しかし、ニコライ・メトネルのすすめでアメリカ各地を演奏旅行中の1924年から本曲の創作を再開した。本曲はメトネルに献呈されている。メトネルは翌1927年に完成した自作のピアノ協奏曲第2番作品50を献呈することで返礼した。
3楽章から成り演奏時間は約23分

ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky,1969年1月~)はモスクワ出身のロシアのピアニスト。モスクワ音楽院卒。1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。超絶技巧と力強さ、独自の洞察力と豊かな感性を兼ね備えた才能あふれる音楽家として高い評価を得ている。ミュンヘン・フィル、ニューヨーク・フィル、ロンドン・フィル等世界的オーケストラと度々共演。

ドミトリー・リス(Dmitri Liss,1960年~)旧ソヴィエト生まれ。モスクワ音楽院で、モスクワ・フィルの音楽監督であったD.キタエンコに学び、彼のアシスタント・コンダクターとして指揮者のキャリアをスタートさせる。1984年卒業後、クズバス響の首席指揮者にロシアで最も若い指揮者として就任。1995年ザグレブの第1回ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで優勝。それ以来、ウラル・フィルの芸術監督兼首席指揮者を務めている。その間、1997~1999年アメリカ・ロシア・ユースオーケストラの首席指揮者、1998~2003年ロシア・ナショナル響のアソシエイト・コンダクターにも就任。ロシア・ナショナル管、モスクワ・フィル、モスクワ放送響、サンクトペテルブルク・フィル、KBS響、ベルゲン・フィル、トロンハイム響、オランダ放送響、ハーグ・レジデンティ管などに招かれ、著名な音楽祭やホールにて共演を重ねている。

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団は1936年創設。本拠はウラル山脈中央東麓のエカテリンブルク。1995年に指揮者ドミトリー・リスを迎えた。2010年にゲルギエフによりマリインスキー劇場に招かれ、西欧の国際音楽祭でも度々演奏。これまでロストロポーヴィチ、庄司紗矢香らと共演。

ドヴォルザークの新世界交響曲は第4楽章のみだったが、フィナーレはロシアの交響楽団が得意とする金管のパワーあふれる演奏だった。ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番は4曲あるピアノ協奏曲の中では、あまり演奏されないテクニックを必要とする曲だが、ベレゾフスキーは見事に弾きこなしている印象を受けた。昨日と同じホールAだがピアノ位置は、聴いている位置とほほ同じ高さの、1階席の前から3分の1あたりのセンターの席だったので倍音の響きがより豊かに感じた。アンコールにラフマニノフの「プレリュードト短調Op.23-5」を弾いてくれた。

■公演番号M314(ホールA)
チャイコフスキー:イタリア奇想曲 Op.45
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26

ピアノ アンドレイ・コロベイニコフ
指揮 ドミトリー・リス
演奏 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

アンドレイ・コロベイニコフ(1986年~)モスクワ生まれのピアニスト。5歳でピアノを始め、2001年、15歳でモスクワ音楽院入学、アンドレイ・ディエフに師事し、19歳で卒業。7歳で第3回チャイコフスキー記念青少年音楽コンクール優勝。それ以来、国内外における多くの著名コンクールで入賞を重ね、2004年第3回スクリャービン国際コンクール優勝、2005年第2回ラフマニノフ国際コンクール第2位及び聴衆賞受賞など、国内外のコンクールで21もの受賞暦をもち、この若さにして既に24カ国で演奏している。2006年ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭でフランス・デビュー、その成功によりナント、リオ・デ・ジャネイロ、東京のラ・フォル・ジュルネに招かれた。2007年1月には、ウラディーミル・アシュケナージ指揮でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏しロンドン・デビューを果たし、同年12月には台北でズデネク・マカル指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団と共演している。

チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」を久しぶりに聴いたが、冒頭のコルネットとトランペットの晴れやかなファンファーレは生で聴くと素晴らしく、フィナーレも力の入った演奏で盛り上がった。プロコフィエフのP協のコロベイニコフはテクニックのある弾きなれた演奏に感じた。アンコールには彼の得意とするスクリャービンの「12のエチュード10番Op.8 -10変ニ長調」。

nice!(3)  コメント(0) 

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO2018(1) [クラシック音楽鑑賞]

東京国際フォーラムで3日から5日までの3日間にわたり開催されている、今年から呼び名が「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」から変わった「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO」に行ってきました。
LFJ2018_1_1.jpg

今年のテーマは「モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」です。

LFJ2018_1_2.jpg

LFJ2018_1_3.jpg

LFJ2018_1_4.jpg

LFJ2018_1_5.jpg


公演2日目の今日、以下の公演を聴いて来ました。

■公演番号M245(ホールC)
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」Op.62
シベリウス:悲しきワルツ
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64


指揮/ヴァイオリン ジュリアン・ラクリン 
演奏 ロイヤル・ノーザン・シンフォニア


ジュリアン・ラクリン(1974年12月~)ヴァイオリンニスト、指揮者。リトアニア・ヴィリニュス出身。1978年に両親に連れられオーストリアに移住。1983年にウィーン音楽院に入学するが、ロシアゆかりのヴァイオリン教育をボリス・クシュニールから受ける傍ら、ピンカス・ズーカーマンからも個人指導を受ける。幼少期から優れたヴァイオリニストとして注目され、80年代には最年少のソリストとしてウィーン・フィルと共演。ソリストとして世界的な指揮者・オーケストラから招かれる傍ら、M.ヤンソンスからの助言をきっかけに指揮者としても活躍。現在、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアの首席客演指揮者。

ロイヤル・ノーザン・シンフォニアはゲイツヘッドを拠点とする、イギリス唯一の常設の室内オーケストラ。1958年創設。過去にフィッシャーやH.シフらがシェフを務めた。現在、音楽監督フォークト、首席客演指揮者ラクリン、桂冠指揮者ツェートマイヤーに率いられている。近年、女王エリザベス2世から「ロイヤル」の称号を贈られた。

ヴァイオリニストで最近は指揮者もしているジュリアン・ラクリンが指揮と協奏曲ではソロを弾きながら指揮をした。ロイヤル・ノーザン・シンフォニアは2管編成の小編成での序曲「コリオラン」の演奏であったが、あまり違和感はなかった。ラクリンの指揮はアクションが大きく、Vnコンチェルトではソロ演奏の合間に弓を指揮棒にして奮闘している感が有った。



■公演番号M215(ホールA)
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21


ピアノ  アブデル・ラーマン・エル=バシャ
指揮   廖國敏 
演奏   シンフォニア・ヴァルソヴィア


アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1958年10月~)はレバノン出身のピアニスト。10歳でオーケストラと初共演し、アラウから絶賛された。パリ国立音楽院でサンカンに師事。1978年、エリーザベト王妃国際コンクールで優勝。ベルリン・フィル、イギリス室内管等と共演。2013年、自身2度目となるベートーヴェンのソナタ全曲録音を達成。優れた作曲家でもある。

廖國敏(リオ・クォクマン)マカオ出身の指揮者。将来を有望視される若手指揮者の一人。ジュリアード音楽院留学中、カーティス音楽学校とニューイングランド音楽院でも指揮を学んだ。2014年、スヴェトラーノフ指揮者コンクール優勝。これまで、フィラデルフィア管、フランス放送フィル、オタワ国立芸術センター管、NHK響などを指揮。

シンフォニア・ヴァルソヴィアは1984年、メニューインがポーランド室内管弦楽団をもとに設立。作曲家・指揮者のペンデレツキが97年から音楽監督、2003年から芸術監督を務めている。2010年に開始したLFJワルシャワのレジデント・オーケストラでもある。これまで、アバド、デュトワ、アルゲリッチ、ルプー、クレーメルらと共演。

前から5列目のほぼセンターの演奏者の表情をまじかで観れる席だったが、ピアノからやや低い席だったので、音質的にはもう少し後ろの席が良かったかもしれない。アンダンテ・スピアナートは冒頭がピアノのソロで、途中から弦楽器がが加わり、さらに管が加わる1楽章のピアノ協奏曲。



nice!(2)  コメント(0)