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SACDサラウンド・レビュー(834) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Russian Masquerade
Prokofiev,Scriabin,Arensky,Tchaikovsky
BIS2365
Sakari Oramo/Ostrobothnian Chamber Orchestra
録音 2017年12月
BIS

ロシアの仮面舞踏会(ロシアの弦楽オーケストラ作品集)
セルゲイ・プロコフィエフ:
つかの間の幻影 Op.22 (R. バルシャイによる管弦楽編)(抜粋)
アレクサンドル・スクリャービン:
24の前奏曲 Op.11 (J. カイパイネンによる弦楽オーケストラ編)(抜粋)
アントン・ステパノヴィチ・アレンスキー:
チャイコフスキーの主題による変奏曲 Op.35a
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー:サマーリン追悼の悲歌


サカリ・オラモ(Sakari Markus Oramo,1965年10月~ )は、フィンランド、ヘルシンキ生まれの指揮者。シベリウス音楽院でヴァイオリンを学び、17歳でアヴァンティ室内管弦楽団の創設に参加する。その後、フィンランド放送交響楽団のコンサートマスターを務める。1989年から3年間、シベリウス音楽院の指揮者ヨルマ・パヌラのクラスに在籍した。1993年、フィンランド放送交響楽団の指揮者が病気のため公演の直前にキャンセルし、代役として指揮台に立った。この成功により、同交響楽団の副常任指揮者の1人となった。1999年、バーミンガム市交響楽団の音楽監督に就任、2003年5月、同交響楽団が主催するフルーフ音楽祭の芸術監督を務めた。2006年より、フィンランドのコッコラ歌劇場の首席指揮者。2008年より、ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を務めている。2013年のシーズンからはオストロボスニア室内管弦楽団の芸術監督に就任。
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オストロボスニア室内管弦楽団(Ostrobothnian Chamber Orchestra)は、フィンランド・コッコラに本拠地を置く弦楽アンサンブルである。1972年、ユハ・カンガスにより国内の音楽学生を集めた学生オーケストラとして設立された。1989年からプロ・オーケストラとしての活動を始め、1993年に「NOMUS(北欧音楽委員会)賞」を受賞。名実ともフィンランドと北欧を代表する弦楽オーケストラとして国際的に知られるようになった。2013年、ユハ・カンガスが名誉指揮者に就くと、後任の芸術監督にはサカリ・オラモ(Sakari Markus Oramo)が就任した。
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高域弦には伸びが有り、低域弦は厚みのある響きを伴っている。音響空間は横への広がり感はあまり無いが、奥行き方向には広がりを感じる。サラウンドスピーカーからの音は低めに抑えられており、アンビエンスな音も捉えている。録音場所はフィンランド、コッコラ、Snellman Hall

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(833) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Vivaldi
Bassoon Concertos
PTC5186539
Gustavo Núñez (bassoon)
Academy of St. Martin in the Fields
録音 2015年4月
Pentatone

ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲集
・ファゴット協奏曲 ハ長調 RV474
・ファゴット協奏曲 ヘ長調 RV488
・ファゴット協奏曲 変ロ長調 「夜」RV501
・ファゴット協奏曲 ハ長調 RV477
・ファゴット協奏曲 イ短調 RV497
・ファゴット協奏曲 ハ長調 RV467


グスターボ・ヌニュス (Gustavo Nunez,1965年2月~)はウルグアイのモンテビデオ生まれ。数年間ヴァイオリンを学んだ後、11歳でファゴットに転向。16歳から王立音楽大学でケリー・カムデンに師事。1984年からハノーヴァー音楽大学特別クラスでクラウス・トゥネーマンに学ぶ。1987年、ジュネーブ国際コンクールでスイス賞、ミュンヘンでカール・マリア・フォン・ウェーバー賞を受賞。1988年にダルムシュタットのオペラハウスに招かれた後、1989年からバンベルク交響楽団の首席ファゴット奏者として活躍。1995年よりロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で首席ファゴット奏者を務める傍ら、現在デュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽院で教鞭をとっている。
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アカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin in the Fields)は、イギリスのオーケストラ。略称はジ・アカデミー(The Academy)。当初は室内楽編成のオーケストラで、17世紀から18世紀の音楽を専門にしてきたが、古楽器オーケストラの台頭や、標準編成のモダン楽器のオーケストラが「古楽奏法」にも取り組む中、編成とレパートリーを拡張して独自の路線を歩み続けている。ロンドンでネヴィル・マリナーが創立し、1959年に最初の演奏会を行なった。当初はセント・マーティン=イン=ザ=フィールズ教会の小編成の、指揮者なしの弦楽合奏団として、バロック音楽演奏の復活に貢献してきた。音楽学者・鍵盤楽器奏者のサーストン・ダートの校訂によるJ・S・バッハの管弦楽組曲や『ブランデンブルク協奏曲』、ヴィヴァルディの『四季』の演奏ではそれまでの演奏に見られない新解釈を示し、当時の音楽界で話題を呼んだ。管楽器を加えるようになってから、演奏曲目に見合うように編成や規模を変更し、バロック音楽だけに留まらず古典派音楽から現代音楽までレパートリーを広げて演奏するようになった。
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ブックレットの録音風景写真と同様にソロのバスーンはセンター前寄り、チェンバロは右奥に定位している。音像は左右、奥行き方向にも広がっている。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングしてアンビエンスな音を捉えている。録音場所はロンドン、セントジョンズ・スミス・スクエア

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(832) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven/Hillborg
CHAMBER WORKS
PTC5186718
Calder Quartet
録音 2018年5月
Pentatone

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番ニ長調 Op.18-3
ヒルボリ:コングスガード変奏曲
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 Op.131

アンデシュ・ヒルボリ (Anders Hillborg,1954年5月~)はスウェーデンの作曲家。1976年から1982年までストックホルム音学大学(KungligaMusikhögskolan)にて作曲、対位法、電子音楽を学んだ。スウェーデンのマルメ音楽アカデミー(Musikhögskolan i Malmö)にて作曲科の教授に就いている。作曲家としては管弦楽曲、合唱曲、室内楽、映画やポピュラー音楽などを作曲。
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カルダー四重奏団(Calder Quartet)は1998年創立のアメリカ、ロスアンジェルスを拠点として活躍する弦楽四重奏団。南カリフォルニア大学出身で構成され、アメリカの彫刻家アレクサンダー・カルダー(Alexander Calder)からその名を取っている。メンバーはヴァイオリンのベンジャミン・ジェイコブソン(Benjamin Jacobson)、アンドリュー・バルブルック(Andrew Bulbrook)、ヴィオラのジョナサン・モーシェル(Jonathan Moerschel)、チェロのエリック・バイヤーズ(Eric Byers)で構成されている。
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小編成の弦楽四重奏団だが横への広がり感がある録音で、各楽器の定位もしっかりしている。特に1st Vnはクリアで瑞々しい響きを伴っている。サラウンドスピーカーからの音は低めに抑え、マイクは遠目にセッティングし、アンビエンスな音を捉えている。録音場所はロサンジェルス、コルバーン音楽学校ジッパー・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(831) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Brahms
The Five Sonatas for Violin & Piano Vol.1
BIS 2369
Ulf Wallin(violin)
Roland Pöntinen(piano)
録音 2017年5月
BIS

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1集
・クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.120 No.1(ヴァイオリンとピアノ版)
・ヴァイオリン・ソナタ イ短調 「F.A.E.ソナタ」 第3楽章 スケルツォ ハ短調 WoO 2
・ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78「雨の歌」
・5つの歌 Op. 72 第3曲 おお涼しい森よ(ヴァイオリンとピアノ編)
・4つのリート Op. 46 第4曲 ナイチンゲールに寄せて(ヴァイオリンとピアノ編)

ウルフ・ヴァリン(Ulf Wallin,1945年~)はスウェーデン出身のヴァイオリニスト。ストックホルムの王立音楽院およびウィーン国立音楽大学で教鞭をうける。ウィーンでは名匠シュナイダーハンに師事。ドイツのデトモルト音楽学校や1996 年以来ベルリンのハンス ・ アイスラー音楽大学でヴァイオリンの教授をしている。
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ローランド・ペンティネン(Roland Peter Pöntinen, 1963年5月~ )は、スウェーデンのピアニスト。父親はレニングラード(現サンクトペテルブルク)近郊イングリアの出身のフィン語話者で、ソ連からの亡命者であった。アドルフ・フレドリク音楽学校に学び、ストックホルム・スウェーデン王立音楽院にてアラン・グンナル・ハルハーゲンに師事。その後インディアナ大学ブルーミントン校に留学し、メナヘム・プレスラーやジェルジー・シェボク、エリザーベト・レオンスカヤに師事する。1981年にストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団と共演してデビューを果たし、その後欧米や韓国、南米、オーストラリアやニュージーランドの主要なオーケストラと共演してきた。レパートリーは幅広く、ソリストとしてショパン、サティ、スクリャービン、ラフマニノフ、シェーンベルク、ベルク、プーランクを、室内楽奏者としてシューマン、ブラームス、グリーグ、ヤナーチェク、シェーンベルク、ヴェーベルン、ヒンデミット、ショスタコーヴィチ、ジョリヴェ、トゥービン、シュニトケの作品を含めており、録音数も非常に多い。
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ヴァイオリン、ピアノともセンターの少し下がった位置に定位している。サラウンドスピーカーからの音は、マイクを遠目にセッティングしてアンビエンスな音を捉えている。録音場所はスウェーデン、ピテオー、スタジオ・アクースティクム

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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