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SACDサラウンド・レビュー(845) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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J.S.Bach
6 Flute Sonatas
6.220673
Michala Petri (Recorder)
Hille Perl (Viola da gamba)
Mahan Esfahani (Harpsichord)
録音 2019年6月
OUR Recordings


J.S. バッハ:リコーダー・ソナタ集 BWV 1030-1035
・フルート・ソナタ ロ短調 BWV 1030
・フルート・ソナタ 変ホ長調 BWV 1031
・フルート・ソナタ イ長調 BWV 1032
・フルート・ソナタ ハ長調 BWV 1033
・フルート・ソナタ ホ短調 BWV 1034
・フルート・ソナタ ホ長調 BWV 1035

ミカラ・ペトリ(Michala Petri,1958年7月~)はデンマーク、コペンハーゲン生まれのリコーダー奏者。5歳でデンマーク放送で初演奏を行なう。1969年よりハノーヴァーの国立音楽演劇大学でフェルディナンド・コンラードに師事。ティボリ・コンサートホールでソリストとしてデビュー以来、権威のある音楽祭にも数多く出演。バロック初期から現代作品にわたる幅広いレパートリーをもち、卓越した技巧は高く評価され、アーノルド、ホルンボー、ノアゴーなどの作曲家が彼女のために曲を書いている。1992年、リュート演奏家のラース・ハンニバルとデュオを結成。最近では2019年12月に来日し、J.S.バッハのソナタへ長調BWV1033などを演奏した。
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ヒレ・パール(Hille Perl,1965年~)ブレーメン生まれのヴィオラ・ダ・ガンバ奏者。父のヘルムート・パールはモーツァルトに特化(18世紀の演奏習慣)した音楽学者であった。5歳の時ジキスヴァルト・クイケンの演奏会を聴いて影響を受け、ヴィオラ・ダ・ガンバを習うことに決めた。ハンブルクで初めペレ・ロスに、高等音楽院ではイングリット・スタンパに師事。さらにブレーメン古楽アカデミーでヤープ・テル・リンデンとサラ・カニングハムのもとで研鑚を積む。1990年に卒業後、独奏者、室内楽奏者として世界各地で演奏活動を開始。ザ・ハープ・コンソートとフライヴルク・バロック・オーケストラのメンバーでもあり、リュート奏者のリー・サンタナとのデュオも注目されている。17,18世紀のソロ、合奏曲に特化した世界でも最高のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者として認められている。ブレーメン芸術大学の教授も務めている。
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マハン・エスファハニ(Mahan Esfahani,1984年~)はイラン系アメリカ人の チェンバロ奏者。BBCラジオ3の「ニュー・ジェネレーション・アーティスト」に選ばれ、同じくボルレッティ・ブイトーニ・トラストのフェローシップ賞もチェンバロ奏者として初受賞。ソリストおよび客演指揮者として、これまでにイングリッシュ・コンサート、マンチェスター・カメラータ、シアトル・バロック管弦楽団に招かれるほか、BBCプロムス、レーゲンスブルク古楽音楽祭、ゲッティンゲン・ヘンデル音楽祭、ミラノのモーツァルト週間、ニューヨークのメトロポリタン美術館、サンフランシスコ古楽協会等で演奏を行っている。最近では2018年12月に来日し、川瀬賢太郎(指揮)、日本センチュリー交響楽団との共演でナイマンのチェンバロ協奏曲などを演奏した。
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OUR Recordingsはリコーダーのミカラ・ペトリ(Michala Petri)とギターのラース・ハンニバル(Lars Hannibal)の主宰により2006年に創設されたデンマークのレーベル。ナクソス傘下。

アルト・リコーダーがセンターやや左よりのやや下がった位置に、チェンバロは中央の奥に、ヴィオラ・ダ・ガンバは中央右寄りのやや下がった位置に定位している。各楽器の音のバランスは良い。教会での録音で全体的に低域音の響きが豊かで、サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音が占める。録音場所はコペンハーゲン、Garnisons Kirke

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(844) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Schubert
Music for Violin, Vol.1
BIS2363
Ariadne Daskalakis (violin)
Paolo Giacometti (fortepiano)
Michael Alexander Willens/Die Kölner Akademie
録音  2017年12月
    2018年2月(Violin Sonata,Fantasy)
BIS

シューベルト:ヴァイオリン作品集 1
・ヴァイオリンと弦楽のためのロンド イ長調 D.438
・ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 D.345
・ポロネーズ 変ロ長調 D.580
・ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) ト短調 Op.137 No.3, D.408
・幻想曲 ハ長調 D. 934 Op.159

アリアドネ・ダスカラキス(Ariadne Daskalakis,1969年12月~)はギリシャ移民の両親のもと、ボストンに生まれたアメリカの女性ヴァイオリニスト。シモン・ゴールドベルクやトーマス・ブランディスに師事、1990年代初頭から各地のコンクールで入賞。仲間と2009年にケルンの古楽グループのアンサンブル・ヴィンテージ・ケルン(Ensemble Vintage Koln)を結成。2002年よりケルン音楽大学(Cologne Conservatory of Music and Dance)のヴァイオリン教授。

パオロ・ジャコメッティ(Paolo Giacometti, 1970年~)はイタリア、ミラノ生まれのピアニスト。幼少期よりオランダに移り住み、アムステルダム・スヴェーリンク音楽院に進む。同音楽院ではヤン・ワインに師事し、首席で卒業。さらに音楽を学ぶ過程で、ジェルギー・シェベックから多大な影響とインスピレーションを受けた。オランダ国内、および国際コンクールで、数々の賞を受賞。現在、ユトレヒト音楽院のピアノ科教授として、後進の指導にも熱意を注いでいる。ピリオド楽器とモダン楽器の両方を弾きこなし、ソロ・ピアニストとしても、また室内楽のメンバーとしても、世界の舞台で活躍している。

ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens,1952年10月~)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。
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ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にフォルテ・ピアノのロナルド・ブラウティハム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
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トラック1~3のソロのヴァイオリンはとてもクリアな響き、バックのオーケストラはナチュラルで厚みのある響きをしている。小編成のアンサンブルなので横への広がり感は少ないが、奥行を感じる録音になっている。トラック4~10のヴァイオリン・ソナタではヴァイオリンがセンター前寄り、フォルテ・ピアノがセンター奥に定位している。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。
 
サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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