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SACDサラウンド・レビュー(851) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
Le Testament Symphonique
AVSA9934(2 Disks)
Jordi Savall/Le Concert des Nations
録音  2017年6月
    2018年6月
Alia Vox

モーツァルト:交響曲による遺言
・交響曲第39番 変ホ長調 KV543
・交響曲第40番 ト短調 KV550
・交響曲第41番 ハ長調 KV551 「ジュピター」

ジョルディ・サヴァール(Jordi Savall,1941~)はスペイン東北部カタルーニャ州バルセロナ県イグアラーダに生まれ。6歳から同市教会の聖歌隊で児童歌手となり、やがてチェロの勉強をはじめ、バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。1974年にオリジナル楽器使用のエスペリオンXX(現エスペリオンXXI)を設立。1987年に声楽アンサンブルのラ・カペイラ・レイアルを、1989年にはコンセール・デ・ナシオンを設立。ルネサンスやバロックなどの作品を得意とするが、近年19世紀の音楽も演奏している。
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ル・コンセール・デ・ナシオン(Le Concert des Nations)はジョルディ・サヴァールの主宰するピリオドアンサンブルで1989年の結成以来、活動の中心をバルセロナに移すと共に、バロック期のスペインないしラテン系諸国の声楽、器楽作品を新鮮な解釈と表現のもとに演奏活動に取り組んでいる。
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1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。高域弦の伸びはあまり無いが、低域弦の重厚な響きと、豊かなホールトーンを感じる。音響空間の広がり感はさほどない。サラウンドスピーカーからの音は低めに抑えられており、アンビエンスがメイン。Disk2にも同じ音源の第40番が入っている。録音場所はスペイン、カタルーニャ州、Collégiale du Château de Cardona


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(850) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Handel
Concerti grossi Op.6 (7-12)
PTC5186738
Bernhard Forck/Akademie fϋr Alte Musik Berlin
録音 2019年2月
Pentatone

ヘンデル:合奏協奏曲集 Op.6 No.7-12 HWV325-330
・合奏協奏曲第7番 変ロ長調 Op.6-7 HWV325
・合奏協奏曲第8番 ハ短調 Op.6-8 HWV326
・合奏協奏曲第9番 ヘ長調 Op.6-9 HWV327
・合奏協奏曲第10番 ニ短調 Op.6-10 HWV328
・合奏協奏曲第11番 イ長調 Op.6-11 HWV329
・合奏協奏曲第12番 ロ短調 Op.6-12 HWV330

ベルンハルト・フォルク( Bernhard Forck,1963年~)はドイツ生まれの指揮者、ヴァイオリニスト。ベルリン、ハンス・アイスラー音楽大学にてエバーハルト・フェルツに師事。1986年、ベルリン交響楽団に入団。同時期にヒストリカル奏法に興味をもち、ピリオド楽器をザルツブルク・モーツァルテウム大学にて、アーノンクールらに学ぶ。ベルリン古楽アカデミー創立当初からのメンバーで、現在3名いるコンサートマスターのひとり。また、ベルリン・バロック・ゾリステンのメンバーとしても活躍しているほか、ハンス・アイスラー音楽大学で指導している。
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ベルリン古楽アカデミー(Akademie für Alte Musik Berlin)は1982年に旧東ベルリンで設立の世界有数のバロック室内オーケストラ。グラミー賞、グラモフォン賞等を受賞し、アルバムは100万枚を超える売り上げている。室内楽からオーケストラ作品まで年間約100回におよぶコンサートに出演している。1984年のベルリン・コンツェルトハウスの再開以来、独自の連続演奏会を行い話題を集め、1994年以降は、ベルリン国立歌劇場やインスブルック古楽際に定期的に客演している。また、多くの指揮者やソリストと共演してきたが、特にルネ・ヤーコプスとは、25年以上にわたり数多く共演している。最近では3年ぶりに、2019年9月にベルンハルト・フォルクと共に来日し、名古屋、兵庫、東京で公演した。
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12曲からなる合奏協奏曲集作品6の前半に続く後半の6曲。小編成のアンサンブルであるが、左右に広がり感のある音響空間。高域弦は伸びが有り、クリアでナチュラルな響きをしている。まるで目の前で演奏しているように感じる録音になっている。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングしてアンビエンスな音を捉えている。録音場所はベルリン、ニコデマス教会(Nikodemus Kirche)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(849) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
Complete Piano Trios Vol.4
CC72782
Van Baerle Trio
録音  2018年6月
    2019年7月(Op.97)
Challenge Classics

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集 Vol.4
・ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調『大公』 Op.97
・アレグレット 変ロ長調 WoO 39
・ピアノ三重奏曲 変ホ長調 WoO 38
・カカドゥ変奏曲 Op.121a

ファン・ベーレ・トリオ(Van Baerle Trio)は2004年にピアニストのハンネス・ミンナール(Hannes Minnaar)、ヴァイオリニストのマリア・ミルシテイン(Maria Milstein)、チェリストのギデオン・デン・ヘルデール(Gideon den Herder)によって創設されたピアノ・トリオ。ファン・ベーレはオランダのアムステルダムにある通りの名前に因んでいる。3名はアムステルダム音楽院(Conservatorium van Amsterdam)学んでいた時に出会い、2011年のConcertgebou Vriendenkrans Competitionに優勝後はヨーロッパ各地で活躍している。
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ファン・ベーレ・トリオによるベートーヴェン・ピアノ三重奏曲全集の第3集に続く第4集。
各楽器の定位感や音のバランスは良いが、奥行き感は少ない。サラウンドスピーカーには直接音がかなり入っている。ピアノは今回もベルギー、クリス・マーネ(Chris Maene)社の平行弦ピアノConcert Grand built in 2017を使用している。録音場所はオランダ、ヒルフェルスム、MCO-1

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(848) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Bruckner
Symphony No.9
FR-733SACD
Manfred Honeck/Pittsburgh Symphony Orchestra
録音 2018年2月
Reference Records

ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB109 (1894年初稿・ノヴァーク版)

マンフレート・ホーネック(Manfred Honeck,1958年9月~ )は、オーストリアの指揮者。ウィーン音楽院でヴァイオリンを学ぶ。1983年からウィーン国立歌劇場管弦楽団ならびにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のヴィオラ奏者を務める。その後指揮者に転向し、1987年クラウディオ・アバドの元でグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団の準指揮者を務める。2007年より2011年までシュトゥットガルト州立歌劇場、2008年から現在までピッツバーグ交響楽団の音楽監督。弟のライナー・ホーネックはウィーン・フィルのコンサートマスターである。
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ピッツバーグ交響楽団(Pittsburgh Symphony Orchestra)は、アメリカ合衆国の主要なオーケストラの一つで、ペンシルベニア州ピッツバーグのハインツ・カンパニーによって設立されたハインツ・ホールが本拠地となっている。1895年に設立。主な指揮者はオットー・クレンペラー、フリッツ・ライナー、アンドレ・プレヴィン、ロリン・マゼールなど。アメリカ最古のオーケストラの一つとして知られる。2008年より、マンフレート・ホーネック(Manfred Honeck)を9代目の音楽監督に迎え、新体制がスタートした。
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ライヴ録音であるが、ダイナミックレンジの大きな録音で、音響空間は奥方向に広く、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っているが、低めに抑えている。聴衆のノイズは消されている。録音場所はピッツバーグ、ハインツ・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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