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SACDサラウンド・レビュー(864) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Prokofiev Suites from The Gambler & The Tale of the Stone Flower.jpg
Prokofiev
Suites from The Gambler & The Tale of the Stone Flower
BIS2301
Dima Slobodeniouk/Lahti Symphony Orchestra
録音   2016年10月(The Stone Flower )
    2017年9月(The Gambler )
    2018年3月(Autumnal sketch)
BIS

プロコフィエフ:
・歌劇「賭博者」からの4つ描写と終結 Op.49
・交響的スケッチ「秋」Op.8
・バレエ音楽「石の花」組曲

ディーマ・スロボデニューク(Dima Slobodeniouk,1975年~)はロシア生まれの指揮者。幼いころからヴァイオリンを学び、17歳でフィンランドに移住。ヘルシンキのシベリウスアカデミーで指揮をヨルマ・パヌラ、レイフ・セーゲルスタムたちに師事した。2013年にスペインのラコルーニャのガリシア交響楽団(Orquesta Sinfónica de Galicia )の首席指揮者となり,2016年からはオッコ・カムの後任としてラハティ交響楽団の首席指揮者を務めている。
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ラハティ交響楽団(Lahti Symphony Orchestra)は、フィンランドのラハティ市・シベリウス・ホールに本拠を置くオーケストラである。1910年に設立。1949年にラハティ市の管轄に入る。1988年に首席指揮者に就任したオスモ・ヴァンスカにより、オーケストラ活動が活発になる。レパートリーの中心であるシベリウス作品のレコーディングは高く評価され、フィンランドの一地方オーケストラから国際的なシベリウス・オーケストラへと変貌した。2008年から2011年まで、ユッカ=ペッカ・サラステが首席指揮者を務め、2011年秋以降はオッコ・カムが、2016年秋のシーズンからはディーマ・スロボデニュークが首席指揮者に就任した。
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各楽器間の音のバランスは良く、音響空間は左右、奥行方向にも広い。コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はフィンランド、ラハティ、シベリウス・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(863) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Giuseppe Sammartini Sonatas For Recorder & Basso Continuo.jpg
Giuseppe Sammartini
Sonatas For Recorder & Basso Continuo Vol.1
Andreas Böhlen (recorder)
Michael Hell (harpsichord)
Daniel Rosin (baroque cello)
Pietro Prosser (lute)
AE10306
録音 2018年9月,10月
Aeolus


ジュゼッペ・サンマルティーニ:リコーダー・ソナタ集 Vol.1
・リコーダーと通奏低音のための協奏曲 ヘ長調(パルマ第9番)
・リコーダーと通奏低音のためのソナタ ト短調(パルマ第10番)
・リコーダーと通奏低音のためのシンフォニア ヘ長調(パルマ第6番)
・リコーダーと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調(パルマ第13番)
・リコーダーと通奏低音のためのソナタ ヘ長調(パルマ第8番)
・リコーダーと通奏低音のためのシンフォニア ハ短調(パルマ第14番)
・リコーダーと通奏低音のためのシンフォニア ヘ長調(パルマ第12番)



ジュゼッペ・バルダッサーレ・サンマルティーニ(Giuseppe Baldassare Sammartini,1695年1月~1750年11月)は、イタリア、ミラノ生まれの作曲家、オーボエ奏者。男4人・女4人の8人兄弟の次男だったが、弟のジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニがミラノで活躍したのに対し、ジュゼッペは1728年にロンドンに渡り、そこでオーボエの名手として有名になった。1736年に王太子フレデリック・ルイスに仕え、没するまでその夫人オーガスタ・オブ・サクス=ゴータおよび子供たちの音楽教師をつとめた。

アンドレアス・ベーレン(Andreas Böhlen,1983年~ )はドイツのコーダー奏者、ジャズ・サックス奏者。ジャズをはじめ、ルネサンスやバロック様式における様々な即興演奏に興味を抱いており、自身のグループを率いる他、ヨーロッパ各国の様々な団体や、オーケストラメンバーの一員として活躍。また多数のCD収録への参加、テレビやラジオへの出演、定期的な演奏旅行を行う。現在オーストリアのグラーツ芸術大学の教授として、リコーダーの演奏で後進の指導に当たる。
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録音レベルが大きく、リコーダーが少し前に出すぎている感があり通奏低音のチェンバロとバロックチェロとの音のバランスはチェンバロのほうが大きく、バロックチェロのほうが抑えられているように感じた。リコーダーはやや左寄り、チェンバロはセンター奥、バロックチェロは右寄りに定位している。サラウンドスピーカらの音は直接音とアンビエンスな音が半々。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(862) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Strauss Rosenkavalier Suite.jpg
Strauss
Rosenkavalier Suite
BIS2342
Lan Shui/Singapore Symphony Orchestra
録音  2018年7月(Macbeth)
    2017年8月( Tod und Verklärung)
    2017年5月(Der Rosenkavalier) 
BIS

リヒャルト・シュトラウス:
・交響詩「マクベス」 Op.23
・歌劇「ばらの騎士」組曲 Op.59,TrV227
・交響詩「死と変容」 Op.24,TrV158


ラン・シュイ(Lan Shui,1957年~)は中国、杭州に生まれの指揮者。5歳からヴァイオリンを始め、1985年に北京中央管弦楽団の演奏会でプロの指揮者としてデビューし、その後北京交響楽団の指揮者に選任された。1990年にはロサンゼス・フィルとの共演で指揮者デヴィッド・ジンマンに認められ、ボルチモア交響楽団の副指揮者に就任。ニューヨーク・フィルで巨匠クルト・マズアのアシスタントを務めるなど、その後も研鑚を積み、現在では世界各地のオーケストラにも招かれている。1997年から2019年までシンガポール交響楽団の音楽監督を務めていたが2020年からは桂冠指揮者になった。又、コペンハーゲン・フィルハモニック(Copenhagen Philharmonic)の首席指揮者、(Denmark's Aalborg Symphony)の首席客演指揮者を兼ねている。
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シンガポール交響楽団(Singapore Symphony Orchestra, 略SSO)は1979年に創設されたシンガポールのオーケストラ。音楽監督はラン・シュイ(Lan Shui)が1997年から2019年まで務めていた。2020年7月から首席指揮者にハンス・グラーフ(Hans Graf)が就任予定。また、首席客演指揮者はアンドルー・リットン(Andrew Litton)。団員のほとんどがシンガポール出身。2002年までヴィクトリア・コンサートホールで定期演奏会が行われたが、現在は同年に完成したエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイを本拠地として構えている。年間約100回のコンサートを開催している。これまで、中国、マレーシア、日本、イタリア、スペイン、イギリス、ギリシャ、トルコ、アメリカで海外公演を行った。
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スポットマイクは多用していないと思われる録音で、音響空間は左右、奥方向に広がっており、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。低域弦は厚みがあり、広域弦は伸びが有る響きをしている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はシンガポール、エスパラネード・コンサートホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(861) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Kaleidoscope Beethoven Transcriptions.jpg
Kaleidoscope
Beethoven Transcriptions
PTC5186841
Mari Kodama (piano)
録音 2019年10月
Pentatone


ベートーヴェン:トランスクリプション集
・弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」Op.59-1~第2楽章(サン=サーンスによるピアノ編)
・弦楽四重奏曲第6番 Op.18-6~第2楽章(サン=サーンスによるピアノ編)
・弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2番」Op.59-2~第3楽章(バラキレフによるピアノ編)
・弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 第5楽章 カヴァティーナ( バラキレフによるピアノ編)
・弦楽四重奏曲第16番 Op.135~第2楽章(ムソルグスキーによるピアノ編)
・弦楽四重奏曲より 第16番 Op.135~第3楽章(ムソルグスキーによるピアノ編)
モーツァルト:クラリネット五重奏曲 K.581~第4楽章 アレグレットと変奏曲(ベートーヴェンによるピアノ編)

児玉麻里(Mari Kodama,1966年~)は、大阪府生まれのピアニスト。3歳でピアノを始める。6歳の時に家族とともに渡欧。14歳(1981年)の時にパリ音楽院に入学。ジェルメーヌ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィエーヌ・ジョア・デュティユーに室内楽を学ぶ。同音楽院修了後、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演で本格的な演奏活動を開始し、その後は世界各国のオーケストラとの共演、リサイタルなど精力的な活動を続けている。ピアニストの児玉桃は妹。夫は指揮者のケント・ナガノ。
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特に低音から中音までのキーは濁りの無い自然な響きをしており、目の前で演奏しているように聴こえる。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングし、アンビエンスな音を捉えている。録音場所はオランダ、ヒルフェルムス、MCOスタジオ1

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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