SSブログ

SACDサラウンド・レビュー(872)

Vivaldi & Piazzolla The Four Seasons.jpg
Vivaldi & Piazzolla
The Four Seasons
PTC5186746
Arabella Steinbacher (violin)
Munich Chamber Orchestra
録音 2018年7月 
Pentatone

アストル・ピアソラ:ブエノスアイレスの四季 (P. フォン・ヴァインハルトによるヴァイオリンと弦楽編)
アントニオ・ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 「四季」 Op.8


アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Arabella Miho Steinbacher, 1981年11月~)はドイツのヴァイオリンニスト。ミュンヘンでドイツ人の父親と日本人の母親との間に生まれた。ヴァイオリンを始めたのは3歳からで、9歳時にはミュンヘン音楽大学にてアナ・チュマチェンコのもとで学んだ。ドロシー・ディレイやイヴリー・ギトリスにも師事した経歴を持つ。2000年にハノーファーで開催されたヨーゼフ・ヨアヒム・ヴァイオリン・コンクールで入賞、翌年にはバイエルン州より奨学金を授与された。ソリストとしてのキャリアは、2004年パリでの劇的で予期せぬデビューに始まる。急病のチョン・キョンファに代わって、舞台に立ち、ネヴィル・マリナー指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンの協奏曲を演奏し、大成功を収める。その後も、彼女の成功が継続している理由は、20曲以上の協奏曲を含む、その多彩で奥深いレパートリーにある。即ち、全ての古典派やロマン派時代の主要な協奏曲に加えて、バーバー、バルトーク、ベルク、グラズーノフ、ハチャトリアン、ミヨー、プロコフィエフ、シュニトケ、ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキー、シマノフスキー、ハルトマン、そしてグバイドゥリーナの「オフェルトリウム」と多様である。CDでの受賞には、エコー・クラシック賞(ドイツでのグラミー賞)の年間ヤング・アーティスト賞、<ル・モンド・デュ・ラ・ミュジーク>のレ・ショック・デュ・モワ賞、そして二つのドイツ・レコード批評家賞がある。
Arabella Miho Steinbacher_10.jpeg


ミュンヘン室内管弦楽団(独:Münchener Kammerorchester)は、ドイツ・ミュンヘンを本拠地とする室内オーケストラ。1950年にクリストフ・シュテップ(Christoph Stepp)により設立される。1955年より1995年までハンス・シュタットルマイア(Hans Stadlmair)が、1995年から2006年までクリストフ・ポッペン(Christoph Poppen)が芸術監督を務め、2006年よりアレクサンダー・リープライヒ(Alexander Liebreich)が芸術監督を務めている。二人いるコンサートマスターには日本人の笠井友紀(Yuki Kasai)も就いている。
Munich Chamber Orchestra_2.jpg


ピアソラとヴィヴァルディの四季をそれぞれを交互に組み合わせている。アラベラ・美歩が奏でるVnは日本音楽財団貸与の1716年ストラディヴァリウス「ブース」を使用しており、高域の響きが美しい。バックのオーケストラとの音のバランスは良い。アンビエンスが豊かな教会での収録であるが、それほど邪魔をしていない。サラウンドスピーカらの音はアンビエンスがメイン。録音場所はドイツ、ミュンヘン、ゼンドリンク、昇天教会(Himmelfahrtskirche)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(4)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(871) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Shostakovich A Light In The Dark.jpg
Shostakovich
A Light In The Dark
ARS38256
Sabine Weyer (piano)
Erich Polz/Nordwestdeutsche Philharmonie
録音 2017年10月
Ars Produktion


ショスタコーヴィチ:
・祝典序曲 Op.96
・ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 Op.102
・交響曲第9番 変ホ長調 Op.70

ザビーネ・ウェイアー(Sabine Weyer,1988年5月~)ルクセンブルク生まれの女性ピアニスト。7歳から地元の音楽院でピアノの勉強を始め、2007年にディプロムシュペリオール(Prix Supérieur du Conservatoire d’Esch-sur-Alzette)を受賞。2012年6月まで、ブリュッセルのフランダース音楽院(Flemish Conservatory)で学び、アレキサンダー・マザー(Alexandar Madzar)に師事し、修士号を取得。2015年にウィーンで開催された国際音楽コンクール(Grand Prize Virtuoso Competition)で一位を獲得。
Sabine Weyer_2.jpg


エルチヒ・ポルツ(Erich Polz,1985年~)はオーストリアの指揮者。ウィーン音楽院で指揮を学ぶ。グラーツ音楽祭(Festival in Graz)でデビュー。2013年以来、チロリアン・フェスティバル(Tiroler Winterfestspielen)のディレクターを務めている。2013年創設のウィーンの室内オーケストラMODUS 21の首席指揮者。2017年ザンクトガレン・交響楽団(St. Gallen Symphony Orchestra)のニューイヤーコンサートを主導した。
Erich Polz_1.jpg


北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 (Nordwestdeutsche Philharmonie)はドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州ヘルフォルトに本拠を置くオーケストラである。1946年にリンツ帝国ブルックナー管弦楽団とプラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の元楽団員によってバート・ピルモントに設立された団体を前身とし、1950年にヘルフォルト交響楽団と合併して成立。当初、都市同盟交響楽団(Städtebund-Symphoniker)を名乗ったが、1951年に現在名に改称した。歴代の指揮者にヴィルヘルム・シュヒター、ヘルマン・シェルヘン、上岡敏之、アンドリス・ネルソンスなどがいる。
Nordwestdeutsche Philharmonie_1.jpg


全体的に録音レベルは大きめで、メインマイクの他にスポットマイクを多用したと思われる録音で、各楽器間の音のバランスは良い。ピアノ協奏曲ではスタインウェーD274を使用。
サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。録音場所はドイツ,Herford, Stadtpark, Schutzenhof

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

nice!(3)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(870) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Roussel Le Festin d’Araignée & Dukas L’Apprenti Sorcier.jpg
Roussel
Le Festin d’Araignée
Dukas
L’Apprenti Sorcier
BIS2432
Pascal Rophé/Orchestre National des Pays de la Loire
録音 2018年7月
BIS

ポール・デュカス:
・序曲「ポリュクト」
・交響詩「魔法使いの弟子」
アルベール・ルーセル:
蜘蛛の饗宴 Op.17


パスカル・ロフェ(Pascal Rophe,1960年~ )はフランス、パリ生まれの指揮者。パリ国立高等音楽院を卒業し、1988年ブザンソン国際コンクールに優勝してデビュー。その後アンサンブル・アンテルコンタンポランで修行を積み、現代音楽の権威としての地位を確立。ダラピッコラ、デュティユー、デュサパンなどの作品もレコーディングして高い評価を得ている。パリ管、BBC 響、サンタ・チェチーリア管などに定期的に客演している。オペラでも、リヨン歌劇場、ジュネーヴ歌劇場、ローマ歌劇場などで《ペレアスとメリザンド》《カルメル派修道女の対話》などを指揮している。
Pascal Rophe_3.jpg


フランス国立ロワール管弦楽団(Orchestre National des Pays de la Loire)は仏文化省の音楽部監督であった作曲家のランドスキが1971年に創設。歴代の音楽監督にはデルヴォー、スダーンらがおり、2014年のシーズンからにパスカル・ロフェが同ポストに就任した。母国フランスの作曲家はもとよりチャイコフスキーやマーラー、ストラヴィンスキー等も得意としている。
Orchestre National des Pays de la Loire_3.jpg


母国フランスの作曲家を得意とするパスカル・ロフェ&フランス国立ロワール管の組み合わせの演奏はラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013の公演三日目でドビュッシーの牧神の午後への前奏曲、海、ラヴェルの高雅で感傷的なワルツ、同2017でストラヴィンスキーのバレエ「火の鳥」とラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲の公演第一日目ラヴェルのピアノ協奏曲 とボレロの公演三日目を計3回生で聴いたことがある。

コンサートホールの中ほどで聴く音に近い録音で、スッポットマイクは多用していないと思われる。音響空間は左右、奥行方向にも広い。録音レベルは低めで、サラウンドスピーカらの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(4)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(869) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bruckner Symphony No. 6 (1881 Version).jpg
Bruckner
Symphony No.6 (1881 Version)
BIS2404
Thomas Dausgaard/Bergen Philharmonic Orchestra
録音 2018年6月
BIS

ブルックナー:交響曲第6番 イ長調 WAB106 (ノヴァーク版)

トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard, 1963年7月~ )はデンマークの指揮者で、トマス・ダウスガードとも記されることがある。コペンハーゲンに生まれ、同地の王立デンマーク音楽院、ロンドンの王立音楽大学に学ぶ。1997年よりスウェーデン室内管弦楽団の首席指揮者に就任、その後2004年8月にはデンマーク国立響の首席指揮者に就任した。その溢れんばかりのエネルギーと創造性のもと両オーケストラは目覚ましい変化を遂げており、2010年夏のBBCプロムスでは彼の指揮のもと、両オーケストラが出演し観客や評論家より絶賛された。最近では2019年10月に文化村オーチャードホールで行われたBBC Proms JapanのためBBCスコテッシュ交響楽団とともに来日し、マーラーの交響曲第5番などを指揮した。
Thomas Dausgaard_5.jpg


ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団(Bergen Philharmonic Orchestra)は、ノルウェーの都市ベルゲンに本拠を置くオーケストラである。1765年に音楽協会「ハーモニエン」(Musikselskabet Harmonien)として設立。1983年に現在名になる。歴代の指揮者として、エドヴァルト・グリーグ、カルステン・アンデルセン、アルド・チェッカート、ドミトリー・キタエンコ、シモーネ・ヤングらが務めた。2003年から現在までアンドルー・リットン(Andrew Litton)が首席指揮者兼芸術顧問を務めている。
Bergen Philharmonic Orchestra_6.jpg


ワンポイント・マイクをメインにスポットマイクはほとんど使用していない録音と思われる。コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音はノルウェー、ベルゲン、グリーグホールでのセッション

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(4)  コメント(0)