SSブログ

SACDサラウンド・レビュー(904) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Louis Couperin Edition Vol.4.jpg
Louis Couperin Edition Vol.4
AE10184
Bob van Asperen
録音 2008年
Aeolus

クラヴサン組曲集Vol.4
ルイ・クープラン:
・組曲ト短調
・組曲ニ短調
・組曲ハ長調
・組曲ホ短調
・組曲ロ短調
・組曲ニ長調
・パヴァーヌ 嬰ヘ短調
・ファンタジー ホ短調(フリギア旋法)

ボブ・ファン・アスペレン(Bob van Asperen,1947年10月~)は、オランダ、アムステルダム生まれのチェンバロ奏者、オルガン奏者、指揮者。アムステルダム音楽院にてグスタフ・レオンハルトに師事した後、国際的な演奏活動に取り掛かる。オトテール四重奏団やラ・プティット・バンドの一員であるとともに、古楽器オーケストラ「メラント81」(Melante '81)の設立者でもある。1988年にアムステルダム・スウェーリンク音楽院の教授に就任し、門人にピーテル=ヤン・ベルダーらがいる。主要なレパートリーに、ジョン・ブルやヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク、アントニ・ファン・ノールトがあり、録音数も数多い。とりわけバッハのクラヴィーア曲の解釈で名高い。
Bob van Asperen_5.jpg


クープランのクラヴサン組曲集Vol.3に続く組曲第4集
録音レベルは大きめ。ブックレットに録音時のマイクのセッティングの写真が載せられており、教会の礼拝堂の後部のオルガンと礼拝席の背面側の空間にチェンバロを配置している。使用マイクはメインマイク、アンビエンス用マイクを含め5本以上使用しているように見える。ピアノの録音と同じようにオンマイクでの収録と思ったが、チェンバロとの距離はオフマイク気味にしている。使用楽器はヨハネス・ルッカース1640年製のオリジナル・チェンバロ。録音場所はドイツ、ノルトライン・ヴェストファーレン州、Kirche Wertherbruch

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(3)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(903) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mahler Symphony No.10.jpg
Mahler
Symphony No.10
BIS2396
Osmo Vänskä/Minnesota Orchestra
録音 2019年6月
BIS

グスタフ・マーラー:交響曲第10番 嬰ヘ短調(1989年クック版)

オスモ・ヴァンスカ(Osmo Vänskä,1953年2月~ )は、フィンランドの指揮者。元はクラリネット奏者であり、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団で活動していたが、シベリウス音楽アカデミーでヨルマ・パヌラに師事して指揮を学んだ後、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、指揮者としての活動を本格的に開始した。1985年にラハティ交響楽団の首席客演指揮者に就任、さらに1988年に同楽団の音楽監督に就任し、2008年に退くまで、フィンランドの一地方オーケストラに過ぎなかった同楽団を世界的なオーケストラに育て上げた。同楽団とのシベリウスの交響曲や管弦楽曲の録音は、世界的に評価が高い。1993年から1996年までアイスランド交響楽団、1996年から2002年までBBCスコティッシュ交響楽団のそれぞれ首席指揮者を務めた。また、2003年より2013年までミネソタ管弦楽団の音楽監督を務め、同楽団とベートーヴェンの交響曲の全曲録音を行った。2012年の2月に来日し、シベリウスの交響曲第2番などを読響と共演した。
Osmo Vänskä_7.jpg


ミネソタ管弦楽団(Minnesota Orchestra)は、ミネソタ州ミネアポリスを拠点とするアメリカ合衆国のオーケストラ。1903年にミネアポリス交響楽団(Minneapolis Symphony Orchestra)として設立され、同年11月5日に最初の演奏会を行なった。1968年にミネソタ管弦楽団に名称を変更した。主な歴代首席指揮者はユージン・オーマンディ、アンタル・ドラティ、大植英次(1995年~2002年)、オスモ・ヴァンスカ (2003年~2013年、2014年5月から再任~2021年のシーズンで終了予定)など。
Minnesota Orchestra_4.jpg


交響曲第7番「夜の歌」に続くヴァンスカ&ミネソタ管の組み合わせによるマーラーの交響曲シリーズ第7弾。

1ポイントマイクをメインとしてスポットマイクは多用していないと思われる録音で、音響空間は左右、奥行方向にも広く、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。高域弦の音の伸びが有り、ホールトーンは適度にある。サラウンドスピーカーからの音には直接音も含まれている。録音場所はミネソタ州、ミネアポリス、オーケストラ・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(3)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(902) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Orgelpunkt Sauer Organ Die Glocke Bremen.jpg
Orgelpunkt
Sauer Organ Die Glocke Bremen
MDG9512201
Stephan Leuthold(Track 1,2,4,8,9)
Felix Mende(Track 3)
Lea Suter(Track 5-7)
David Schollmeyer(Track 10-12)
録音 2020年8月
MDG

オルゲルプンクト~ブレーメン大聖堂のザウアー・オルガン

メンデルスゾーン:6つの前奏曲とフーガ第1番ホ短調op.35-1
マルコ・エンリコ・ボッシ:主題と変奏op.115
リスト:コンソレーション
J.S.バッハ:幻想曲とフーガBWV542
ジャン・アラン:幻想曲第2番
デュリュフレ:
・シシリエンヌ
・組曲op.5~トッカータ
ジョゼフ・ジョンゲン:
・マイのうたop.53-1
・スケルツェットop.108-1
ルイ・ヴィエルヌ:交響曲第6番op.59~終楽章

ステファン・ロイトホルト(Stephan Leuthold)ドレスデン、ハノーバー、シュトゥットガルトでオルガンと教会音楽を学び、ソリスト試験を修了。フライベルクで開催された第3回ゴットフリートシルバーマン・オルガンコンクールで最優秀賞を受賞。2014年1月1日以来、ブレーメン大聖堂のオルガニストを務めている。
Stephan Leuthold_1.jpg


フェリックス・メンデ(Felix Mende,1987年~)フランクフルト、ケルンとライプツィヒで教会音楽とオルガンを学び、2015年に教会音楽の修士号を取得。現在はライプツィヒのフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽劇場大学でマーティン・シュミディング(Martin Schmeding)教授とトーマス・レナルツ(Thomas Lennartz)教授と共にオルガンマスタークラスに所属している。2015年8月からフルタイムのオルガニストを務めるシュトゥットガルトのシュトゥットガルトKMDケイヨハンセンの音楽アシスタントとして、ランデスキルシュヴュルテンベルクで教会音楽のインターンシップを修了。
Felix Mende_1.jpg


1928年に完成した時、その響きを聴いた聴衆や評論家からは大絶賛されたというブレーメン大聖堂にあるドイツの名オルガン製作者ヴィルヘルム・ザウアー(1831年~1916年)製作のオルガンを4人の奏者が弾いている。

J.S.バッハ、メンデルスゾーン、リスト以外は近代の作曲家5人のオルガン作品。オルガンとの奥行感を感じる録音になっており、大聖堂での演奏であるが残響はそれほど豊かには感じない。サラウンドスピーカーからの音は低めに抑えられている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

nice!(2)  コメント(0) 

SACDサラウンド・レビュー(901) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Saint-Saëns Piano Concertos 3, 4 & 5.jpg
Saint-Saëns
Piano Concertos 3, 4 & 5
BIS2300
Alexandre Kantorow (piano)
Jean-Jacques Kantorow/Tapiola Sinfonietta
録音  2016年9月(No.4,5)
    2018年1,2月(No.3)
BIS

カミーユ・サン=サーンス:
・ピアノ協奏曲第3番 変ホ長調 Op.29
・ピアノ協奏曲第4番 ハ短調 Op.44
・ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 「エジプト風」 Op.103

アレクサンドル・カントロフ(Alexandre Kantorow, 1997年~)パリ生まれのロシアのピアニスト。名ヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフを父にもつ。5歳からピアノを習い始め、パリのスコラ・カントルム音楽院にてIgor Laszkoに師事。その後パリ国立高等音楽院にてフランク・ブラレイ(Frank Braley)、上田晴子(Haruko Ueda)に師事。 16歳のときにナントおよびワルシャワでのラ・フォル・ジュルネでシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露し、抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させた。2019年チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門において優勝。
Alexandre Kantorow_5.jpg


ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow,1945年10月~ )は、カンヌ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。アルメニア系ロシア人の両親の下に生まれた。ニース音楽院を経て、パリ国立高等音楽院を卒業する。1964年 第11回パガニーニ国際コンクール、1968年のティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。グレン・グールドにコンクール時の演奏を絶賛され、19歳にてカーネギーホールでデビューリサイタルを開いた後は、世界中でソリスト、室内楽奏者として活躍。オーヴェルニュ室内管弦楽団、フィンランドのタピオラ・シンフォニエッタの芸術監督を始めとし、グラナダ市交響楽団、パリ室内管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団の首席客演指揮者を経験。パリ国立高等音楽院のヴァイオリン科教授を務めるほか、世界中でマスタークラスを開き、教育にも情熱的に力を入れている。
Jean-Jacques Kantorow_5.jpg


タピオラ・シフォニエッタ(Tapiola Sinfonietta)は1987年に創設され、エスポー市管弦楽団とも呼ばれる。フィンランドの首都ヘルシンキに隣接したエスポーという市のタピオラ・ホールを拠点とする。芸術監督をオスモ・ヴァンスカ、ジャン=ジャック・カントロフなどが歴任している。

チャイコフスキー国際コンクールに優勝したアレクサンドルと父親ジャン=ジャックとの共演での収録。ジャン=ジャックの指揮はラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014の2回経験した。

音響空間は左右、奥行方向にも広い。ピアノはセンターの少し下がった位置に定位している。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はフィンランド、タピオラ・コンサートホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

nice!(3)  コメント(0)