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SACDサラウンド・レビュー(915) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
Overtues & Wellington's Victory
Raffaela Lintl (soprano)
Frederic Böhle
Markus Bosch/Cappella Aquileia
555302-2
録音 2020年7月
CPO

ベートーヴェン:劇場のための音楽集 第3集
劇音楽「エグモント」 Op.84
序曲「コリオラン」 Op.62
序曲「献堂式」 Op.124
序曲「命名祝日」 Op.115
ウェリントンの勝利 Op.91


マルクス・ボッシュ(Marcus Bosch ,1969年10月~)はドイツの指揮者。ヴィースバーデン歌劇場のカペルマイスター(1996年~2000年)、ザールブリュッケン歌劇場の監督(2000年~2002年)を歴任、2002年~2011年までアーヘン市にあるアーヘン交響楽団、2011/2012年のシーズンからニュルンベルク州立劇場の総音楽監督に就任するなど、着実に未来のドイツ系実力派指揮者の道を歩んでいる。1990年には合唱団ザ・ヴォカペッラ・コーラスを設立した。
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カペッラ・アクイレイア(Cappella Aquileia)はドイツ南西部、ミュンヘンとシュトゥットガルトのほぼ中間に位置するバーデンヴュルテンベルク州の都市ハイデンハイムで開催されている、ハイデンハイム・オペラ・フェスティバルのために2011年に設立されたオーケストラ。マルクス・ボッシュが同音楽祭の音楽監督を2010年より務めており、彼の妥協を許さない音楽を実現するために、ヨーロッパ各地からトップ・アーティストが集結し質の高い演奏で評価されている。またカペラ・アクイレイアの活動は同音楽祭だけに留まらず、ヨーロッパを中心にハイデンハイム・オペラ・フェスティバルの大使として演奏ツアーを行い、2014年5月にはフランスのサン=マロ音楽祭に出演した。
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音響空間は左右、奥行方向に広い。エグモントの2,4,6,8,11,13トラックにはドイツ語での語りが入る。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はFestspielhaus Congress Centrum Heidenheim

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(914) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Saint-Saëns
Symphonies Nos. 1 & 2
BIS2460
Jean-Jacques Kantorow/Orchestre Philharmonique de Liège
録音   2019年4月,12月
    2020年10月
BIS

サン=サーンス:
・交響曲 イ長調
・交響曲第1番 変ホ長調 Op.2
・交響曲第2番 イ短調 Op.55


ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow,1945年10月~ )は、カンヌ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。アルメニア系ロシア人の両親の下に生まれた。ニース音楽院を経て、パリ国立高等音楽院を卒業する。1964年 第11回パガニーニ国際コンクール、1968年のティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。グレン・グールドにコンクール時の演奏を絶賛され、19歳にてカーネギーホールでデビューリサイタルを開いた後は、世界中でソリスト、室内楽奏者として活躍。オーヴェルニュ室内管弦楽団、フィンランドのタピオラ・シンフォニエッタの芸術監督を始めとし、グラナダ市交響楽団、パリ室内管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団の首席客演指揮者を経験。パリ国立高等音楽院のヴァイオリン科教授を務めるほか、世界中でマスタークラスを開き、教育にも情熱的に力を入れている。
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リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre Philharmonique Royal de Liège)はベルキー、リエージュ王立音楽院付属の国立の管弦楽団。1960年設立でリエージュを本拠地とする。2011年9月より2019年まではクリスチャン・アルミンク(Christian Arming)が、2019年からはゲルゲイ・マダラス(Gergely Madaras)が音楽監督に就いている。
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1ポイントマイクをメインとしスッポットマイクはあまり使用してないと思われる録音で、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。ホールトーンは適度にあり、音響空間は左右、奥行方向にも広いが高域弦の音の伸びはあまり感じない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はベルギー、リエージュ、Salle Philhamonique

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(913) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
Violin Sonatas Vol.2
Sonatas 5-7
BIS2527
Frank Peter Zimmermann
Martin Helmchen
録音 2020年2月
BIS

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第2集
・ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 「春」 Op.24
・ヴァイオリン・ソナタ第6番 イ長調 Op.30, No.1
・ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 Op.30, No.2

フランク・ペーター・ツィンマーマン(Frank-Peter Zimmermann,1965年2月~)はドイツのデュイスブルク生まれのヴァイオリニスト。ヴァイオリニストの母親から手ほどきを受け5歳からヴァイオリンを始める。なお父親はチェリストであった。1975年、10歳でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を弾いてデビュー。1976年にエッセンのフォルクヴァング音楽院に入学、ヴァレリー・グラドフに師事する。同年には全国青少年音楽家コンクールで優勝して「天才少年出現」として評判になる。その後、ベルリン芸術大学でサシュコ・ガヴリーロフに師事する。1979年、14歳でルツェルン音楽祭に出演。1983年、世界のメジャー・オーケストラや一流指揮者との共演を開始。2008年にはドイツ連邦共和国功労勲章一等功労十字章を受章。2013/14シーズンは、トーンハレ管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスとしてジンマンやフォン・ドホナーニと共にシーズンを通してコンサートを行うとともに、パーチェとのリサイタルやトリオ・ツィンマーマンの演奏会を行っている。使用楽器はPortigon AGのサポートにより、かつてクライスラーが所有していた1711年製ストラディヴァリウスLadyinchiquin。
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マルティン・ヘルムヒェン(Martin Helmchen, 1982年~)ドイツのベルリン生まれ。6歳よりピアノを習う。ベルリン音大、ガリーナ・イヴァツォーヴァ氏に師事の後、2001年よりハノーファー音大、アリエ・ヴァルディ氏の元で学ぶ。2001年クララ・ハスキル・コンクール優勝。最近では2016年10月にヴァイオリニストのユリア・フィッシャーとともに来日し、東京オペラシティ、トッパンホールでブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番などを演奏した。
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ツィンマーマン&ヘルムヒェンによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲録音集第1弾に続く第2弾。ヴァイオリンとピアノの音のバランスよく、ヴァイオリンはセンター前寄りに、ピアノはクリス・マーネ平行弦ピアノでセンター奥寄りに定位している。ツィンマーマンの奏でるストラディヴァリウスの高域弦の響きが美しい。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングしてアンビエンスな音を捉えている。

録音場所はドイツ、デュツセルドルフ、Robert-Schumann Saal, Kunstpalast

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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