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SACDサラウンド・レビュー(949) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Metamorphosen
R.Strauss Korngold Schrecker
CHSA5292
John Wilson/Sinfonia of London
録音 2021年8月
Chandos

メタモルフォーゼン
R.シュトラウス:メタモルフォーゼン TrV 290(23の独奏弦楽器のための習作) TrV290
シュレーカー:間奏曲 嬰ヘ短調 Op.8 (弦楽オーケストラのための)
コルンゴルト:交響的セレナード変ロ長調 Op.39 (弦楽オーケストラのための)

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
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弦楽オーケストラ向けの曲を集めたアルバム。メタモルフォーゼンでは弦の中低音の響きは豊かで、特に低弦の重厚な響きが印象に残ったが、高域弦の音の伸びはあまり感じ無い。
音響空間は左右に広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。
録音場所はロンドン、Klburn、St.Augustine

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(948) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Beethoven String Quartets, Op.18 Nos.4-6.jpg
Beethoven
String Quartets, Op.18 Nos.4-6
BIS2498
Chiaroscuro Quartet
録音 2019年9月
BIS

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番 - 第6番
・弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 Op.18, No.4
・弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op.18, No.5
・弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 Op.18, No.6

キアロスクーロ弦楽四重奏団(Chiaroscuro Quartet)は1stVnのロシア生まれのアリーナ・イブラギモヴァを中心に2005年に結成された。絵画の「明暗法」を意味する名の通り、現代楽器にガット弦を張り、チェロ以外の3人は立って演奏。近年の主な活動は、エジンバラ国際音楽祭のデビュー、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの演奏会、ロンドンの新しい室内楽会場ワナメイカー劇場での演奏会。2013年、ブレーメン音楽祭に共催しているドイツのラジオ放送局のフェルデ賞を受賞、このブレーメン音楽祭には2014年夏にそのオープニングナイトコンサートで再出演が約束されている。この他に、ロンドンのウィグモア・ホール、ヨーク古楽センター、パリのルーヴル・オーディトーリアム、エクサンプロバンスのデ・ジュ・ドゥ・ポーム劇場、ディジョン劇場、リスボンのグルベキアン財団、オールドバラで演奏する。最近では2019年4月に来日し、王子ホールなどで演奏した。
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イブラギモヴァの奏でるVnの高域の伸びは良く、ナチュラルな響きを伴っている。各楽器間の音のバランスも良い。サラウンドスピーカーらの音は大きめで、直接音がかなり含まれる。録音場所はドイツ、ブレーメン、sendesaal

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(947) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
Wind Concertos
LSO0855(2Discs)
Timothy Jones (horn)
Olivier Stankiewicz (oboe)
Andrew Marriner (clarinet)
Jaime Martín/London Symphony Orchestra
録音   2019年10月(K417,314,622,297b)
     2015年10月(K361)
LSO Live

モーツァルト:管楽のための作品集
[CD1]
・ホルン協奏曲 変ホ長調 K.417
・オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
・クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
[CD2]
・協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
・セレナード第10番 変ロ長調 「グラン・パルティータ」 K.361

ハイメ・マルティン(Jaime Martín,1965年9月~)はスペインの指揮者、フルート奏者。8歳でフルートを始め、13歳でスペイン国立青年オーケストラのメンバーになった。アカデミー室内管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団でフルートの首席奏者を務める。1998年以来ロンドン・王立音楽大学(Royal College of Music, London)でフルートの教師に就いている。2019年よりロスアンゼルス室内管弦楽団の首席指揮者、2022年からはメルボルン交響楽団の首席指揮者に就任した。
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ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra,略称LSO)は、イギリスのプロのオーケストラのひとつ。ロンドンのオーケストラの中でも中心的存在で、本拠地は、1982年よりロンドンのバービカン・センター。1904年にクィーンズホール管弦楽団のメンバーを中心に、英国初の独立採算、自主運営のオーケストラとして発足。同年6月9日にクィーンズホールにおいて、ハンス・リヒターの指揮で第1回コンサートを開催した。その後、リヒターは首席指揮者に就任し、1911年にエドワード・エルガーにその座を譲るまで楽団の基礎を固める。ロイヤル・フィルとならび、「女王陛下のオーケストラ」としても知られ、名誉総裁にはエリザベス2世が就いている。主な歴代首席指揮者にアンドレ・プレヴィン(1968年~1979年)、 クラウディオ・アバド(1979年~1988年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1987年~1995年)、コリン・デイヴィス(1995年~2006年)ヴァレリー・ゲルギエフ(2007年~2015年)。2017年からサイモン・ラトルが音楽監督に就任。
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コンチェルトでの独奏楽器はセンターやや奥寄りに定位しており、バックのオーケストラとの音のバランスは良い。高域弦は伸びのある響きを伴っている。左右への広がり感はあるが、奥行方向への広がりはあまり感じられない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。ライブ録音であるが聴衆のノイズは消されている。録音場所は、ロンドン、セント・ルークス、ジャーウッド・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(946) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Saint-Saëns
Piano Concertos Nos.1 & 2
BIS2400
Alexandre Kantorow (piano)
Jean-Jacques Kantorow/Tapiola Sinfonietta
録音   2021年9月(Op.22)
     2020年1月(Op.70,Op.17,Op.89)
     2018年2月(Op.76,Op.73)
BIS

サン=サーンス:
・ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22
・カプリス・ワルツ 「ウェディング・ケーキ」 Op.76
・アレグロ・アッパッショナート 嬰ハ短調 Op.70
・ピアノ協奏曲第1番 ニ長調 Op.17
・オーヴェルニュ狂詩曲 ハ長調 Op.73
・幻想曲「アフリカ」 Op.89

アレクサンドル・カントロフ(Alexandre Kantorow, 1997年~)パリ生まれのロシアのピアニスト。名ヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフを父にもつ。5歳からピアノを習い始め、パリのスコラ・カントルム音楽院にてIgor Laszkoに師事。その後パリ国立高等音楽院にてフランク・ブラレイ(Frank Braley)、上田晴子(Haruko Ueda)に師事。 16歳のときにナントおよびワルシャワでのラ・フォル・ジュルネでシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露し、抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させた。2019年チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門において優勝。2022年6月に来日し、大阪と東京でリサイタルを行った。
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ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow,1945年10月~ )は、カンヌ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。アルメニア系ロシア人の両親の下に生まれた。ニース音楽院を経て、パリ国立高等音楽院を卒業する。1964年 第11回パガニーニ国際コンクール、1968年のティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。グレン・グールドにコンクール時の演奏を絶賛され、19歳にてカーネギーホールでデビューリサイタルを開いた後は、世界中でソリスト、室内楽奏者として活躍。オーヴェルニュ室内管弦楽団、フィンランドのタピオラ・シンフォニエッタの芸術監督を始めとし、グラナダ市交響楽団、パリ室内管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団の首席客演指揮者を経験。パリ国立高等音楽院のヴァイオリン科教授を務めるほか、世界中でマスタークラスを開き、教育にも情熱的に力を入れている。
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タピオラ・シフォニエッタ(Tapiola Sinfonietta)は1987年に創設され、エスポー市管弦楽団とも呼ばれる。フィンランドの首都ヘルシンキに隣接したエスポーという市のタピオラ・ホールを拠点とする。芸術監督をオスモ・ヴァンスカ、ジャン=ジャック・カントロフなどが歴任している。
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カントロフ親子の共演によるサン=サーンスのピアノ協奏曲第1弾に続く第2弾。

ピアノはセンターの少し下がった位置に定位しており、バックの演奏との音のバランスは良い。1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、コンサートホールの中程で聴く音に近い。音響空間は左右、奥行方向にも広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。使用ピアノはスタインウエーD。録音場所はフィンランド、エスポー、タピオラ・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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