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SACDサラウンド・レビュー(953) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Johann Wilhelm Wilms
The Piano Concertos,Vol.1
BIS2504
Ronald Brautigam
Michael Alexander Willens/Kölner Akademi
録音  2021年4月, 5月(Op.3, Op.26)
    2021年8月(Op.12)
BIS

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス:ピアノ協奏曲集 1
・ピアノ協奏曲 ホ長調 Op.3
・ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.12
・ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.26

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(Johann Wilhelm Wilms,1772年3月~1847年2月)ドイツのゾーリンゲンの近くにあるヴィッツヘルデン(Witzhelden)生まれのオランダの作曲家。父親や長兄からピアノや作曲の教育を受けたが、フルートは独学で習得した。1791年にはアムステルダムに移住し、そこで2つの楽団のフルート奏者を務め、ソリストとして、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ協奏曲のオランダでの初演を行なった。ただ、彼はドイツの国籍を剥奪されたとされているが、その辺りの事情はよく判っていない。彼の作曲した交響曲は番号が振られているものが第7番まで、付いていない物が2作品、そのほかピアノ協奏曲、フルート協奏曲などの作品を遺している。1815年から1932年まで使われていたドイツ国歌の作曲者でもある。
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ロナルド・ブラウティハム(Ronald Brautigam,1954年10月~)はブラウティガムと呼ばれることもある。オランダの主要なピアノ演奏家の一人。最初はモダンピアノの奏者としてキャリアをスタートしたが、今ではフォルテピアノの演奏家として地位を確立している。アムステルダムに生まれ、スウェーリンク音楽院でヤン・ウィーンに師事。その後、ルドルフ ・ ゼルキンについてアムステルダム、ロンドン、アメリカ合衆国で学んだ。1984 年にオランダの権威ある音楽賞のNederlandse Muziekprijsを受賞した。リッカルド・シャイー、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンク、フランス・ブリュッヘン、フィリップ・ヘレヴェッヘ、クリストファー・ホグウッド、アンドルー・パロット、ブルーノ・ワイルなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのオーケストラと定期的に共演している。最近では2017年2月に来日し、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ・ ソナタの公演を行った。
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ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。
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ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にブラウティハム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
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フォルテピアノはセンターの少し下がった位置に定位しており、バックの演奏との音のバランスは良い。高域弦の音の伸びは良く、音響空間は左右に広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(952) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Johann Matthias Sperger
Double Bass Concertos
CC72915
Ján Krigovsky
Collegium Wartberg 430
録音 2021年10月
Challenge Classics

シュペルガー: コントラバス協奏曲集
・コントラバス協奏曲第2番ニ長調
・コントラバス協奏曲第3番変ロ長調
・コントラバス協奏曲第4番ヘ長調

ヨハネス・マティアス・シュペルガー(Johannes Matthias Sperger,1750年3月~1812年5月)は、南部モラヴィア出身(チェコ)のオーストリアの作曲家。コントラバスのヴィルトゥオーソ。1767年からウィーンでコントラバス奏者や作曲家としての教育を受け、1777年からプレスブルク大司教の宮廷楽師に採用される。翌1778年からウィーン音楽家協会に入会するかたわら、その演奏会にたびたび自作を掲げて独奏者として出演。1783年から1786年までルートヴィヒ・フォン・エルデーディ伯爵の宮廷礼拝堂の一員となった。1789年にメクレンブルク宮廷楽団の首席コントラバス奏者に着任。きわめて多作な作曲家として、少なくとも44曲の交響曲とおびただしい数の協奏曲(そのうちコントラバス協奏曲が18曲)のほか、ソナタ、ロンド、舞曲、カンタータ、合唱曲、アリアなどを残す。
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ヤン・クリゴフスキー(Jan Krigovsky) は、スロバキア出身のコントラバス奏者で、音楽イベントの主催者、プロモーター、アート ディレクター、マネージャー、プロデューサー、出版者、ドラマトゥルク、詩人。 ソリストとしてのほか、Catalá Ensamble Trio、Alea、コレギウム・ヴァルトベルク(Collegium Wartberg)などの現代音楽のアンサンブルでも演奏しています。 コントラバス・グループのコンサート・マスターとして、ロンドン交響楽団、モダンタイムス1800、ウィーン・アカデミーなどのいくつかのオーケストラと共演。 ソリストとして、ユーリ・バシュメタ、レオシュ・スヴァロフスキー、マルティン・ハセルボック、ジョルディ・サヴァリャ、エヴァルト・ダネルらの指揮の下、オーケストラとも共演した。
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コレギウム・ヴァルトベルク430(Collegium Wartberg 430)はコントラバス奏者のヤン・クリゴフスキーが創立したアンサンブル。プロのソリスト、ミュージシャン、歌手、ダンサーなどからなり、スロバキアのメンバーに加え、外国のオーケストラや音楽アンサンブル、ジャズやその他の音楽ジャンルに関心のあるマニアや愛好家が自発的に参加している。 いままではコンツェルトハウス ウィーン、ブルックナーハウス リンツ、スロバキア フィルハーモニー管弦楽団などのコンサート ホールや、ヨーロッパのいくつかの国とアメリカで演奏している。
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1st Vn×3,2nd Vn×3 ,Va×2,Vc×1,Db×1,Ob×2,Hn×2,Tp×2,chemb、他の楽器の組み合わせでの小編成のアンサンブルでの協奏曲。2番で使用しているコントラバスはチェロに近い音がして低域弦の響きが物足りなく感じた。サラウンドスピーカーからの音は低めでアンビエンスがメイン。使用しているコントラバスは協奏曲第2番ではアントン・ポッシュ製、1736年、ウィーン、 協奏曲第3番にはヨハン・ヤコブス・エルトル製、1789年、プレスブルグ、 協奏曲第4番には制作者不明、1810年頃、ウィーン製をそれぞれ変えて演奏している。録音場所はスロバキア、ブラスチヴァ宮殿、鏡の間

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(951) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Messiaen,Ravel,Schoenberg
PTC 5186 949
Francesco Piemontesi(Piano)
Jonathan Nott/ Orchestre de La Suisse Romande
録音  2020年11月(Ravel)
    2020年12月(Messiaen)
    2021年2月(Schoenberg)
Pentatone

モーリス・ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
オリヴィエ・メシアン :異国の鳥たち
アルノルト・シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42


フランチェスコ・ピエモンテージ (Francesco Piemontesi,1983年7月~)は、スイス、ロカルノ出身のピアニスト。ハノーファー音楽演劇大学でアリエ・ヴァルディに師事し、セシル・ウーセ、アレクシス・ワイセンベルク、アルフレート・ブレンデルと共演。数々の国際コンクールにおいて優勝や入賞の実績を重ね、とりわけ2007年のエリザベート王妃国際音楽コンクールでの3位入賞は国際的に大きな注目を集めた。2009年にボルレッティ=ブイトーニ財団のフェローシップ賞を受賞。2009年から2011年までBBCニュー・ジェネレーション・アーティストにも選ばれた。
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ジョナサン・ノット(Jonathan Nott, 1962年12月~)イギリスの指揮者。当初ケンブリッジ大学で音楽学を専攻したのち、マンチェスターのロイヤル・ノーザン音楽大学で声楽とフルートを学ぶ。後に指揮に転向し、ロンドンに学ぶ。フランクフルト歌劇場などでカペルマイスターを務めた。2000年バンベルク交響楽団の首席指揮者に就任。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など欧州の主要オーケストラに客演している。幅広いレパートリーを持ち、現代音楽にも強みを発揮する。バンベルク交響楽団とはたびたび来日しており、2009年にはブラームス・チクルスを展開した。また、NHK交響楽団とたびたび共演している。2014年9月、東京交響楽団第3代音楽監督に就任。2017年1月からはスイス・ロマンド管弦楽団音楽監督に就任した。
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スイス・ロマンド管弦楽団( L’Orchestre de la Suisse Romande)は1918年エルネスト・アンセルメによってジュネーヴで結成された楽団。1938年にはローザンヌ放送管弦楽団を吸収し,発展した。アンセルメの指導のもとで繊細で透明な音質を特色とする独特の個性をもつ楽団に仕上げられた。1967年アンセルメの引退後,音楽監督に1970~1977年サヴァリッシュ,1978~1985年ホルスト・シュタイン、85~97年アルミン・ジョルダン、ファビオ・ルイジ、2005年より2012年までマレク・ヤノフスキが、2012年7月から2015年まではネーメ・ヤルヴィ、2017年1月からはジョナサン・ノット(Jonathan Nott)が就任した。2012/2013年のシーズンより2017年夏まで山田和樹が首席客演指揮者を務めた。
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ピアノはセンターの少し下がった位置に定位しており、他の楽器との音のバランスは良い。音響空間は左右に広く、適度にスポットマイクを配置した録音と思われる。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はスイス、ジュネーブ、ヴィクトリア・ホール


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(950) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Sibelius & Nielsen
Violin Concertos
BIS2620
Johan Dalene (violin)
John Storgårds/Royal Stockholm Philharmonic Orchestra
録音 2021年6月
BIS

カール・ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 Op.33
ジャン・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47


ユーハン・ダーレネ(Johan Dalene,2000年8月~)はスウェーデン、ノルヒェーピング生まれのヴァイオリニスト。4歳でヴァイオリンを習い始め、7歳でプロのオーケストラと共演した。ストックホルム音楽大学(Royal College of Music in Stockholm)ではパー・エノクソン(Per Enoksson)とジャニーヌ・ヤンセン(Janine Jansen)に師事し、ドラ・シュヴァルツベルク(Dora Schwarzberg)、パメラ・フランク(Pamela Frank)、ゲルハルト・シュルツ(Gerhard Schulz)、ヘニング・クラガード(Henning Kraggerud)など、数多くの著名な教師とのマスタークラスにも参加した。2019年にはジャニーヌヤンセンとクレッシェンドプログラムのメンバーに加わり、ロンドンのウィグモアホール、およびユトレヒトの国際室内楽フェスティバルで演奏した。2019年に開かれたカール・ニールセン国際音楽コンクールで優勝。同年11月には初来日した。
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ジョン・ストルゴーズ(John Storgårds,1963年10月~)はフィンランド、ヘルシンキ生まれの指揮者、ヴァイオリニスト。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーにてヴァイオリンをエッサー・ライティオ(Esther Raitio )と、ヨウコ・イグナティウス(Jouko Ignatius)に教えを受ける。その後指揮に興味を持ち1993年~1997年の間、シベリウス・アカデミーにて(Jorma Panula)や( Eri Klas)に指揮法の指導を受ける。2003年からヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団(Helsinki Philharmonic Orchestra)の首席客演指揮者に就き、2008年秋のシーズンからは首席指揮者に就任した。又、2006年から2009年までタンペレ・フィルハーモニー管弦楽団(Tampere Philharmonic Orchestra)の首席指揮者を歴任。アヴァンティ室内管弦楽団(Avanti! Chamber Orchestra)の創設メンバーの一人。2012年からBBCフィルハーモニックの首席客演指揮者に就任した。
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ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Stockholm Philharmonic Orchestra)は、スウェーデンのストックホルムのストックホルム・コンサートホール(Konserthuset)を本拠地とするオーケストラである。ノーベル賞授賞式で演奏することでも知られている。1902年に設立される。1992年にそれまでのストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(Stockholms Filharmoniska Orkester)から、「王立(Kungliga)」を冠した現在名となる。歴代の指揮者としてヴァーツラフ・ターリヒ、フリッツ・ブッシュ、ハンス・シュミット=イッセルシュテット、アンタル・ドラティ、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、パーヴォ・ベルグルンド、アンドルー・デイヴィス、パーヴォ・ヤルヴィらがいる。2000年から2008年までアラン・ギルバートが首席指揮者兼芸術顧問を務め、2008年からはサカリ・オラモが就任している。
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録音レベルは小さめ。ソロのヴァイオリンはセンターの少し下がった位置に定位しており、響きはナチュラルで音の伸びは良い。1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、音響空間は左右、奥行方向にも広い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。
使用ヴァイオリンは1736年製ストラディヴァリウス
録音場所はスウェーデン、ストックホルム・コンサートホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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