SACDサラウンド・レビュー(969) [サラウンド・サウンド・レビュー]
Doppio espressivo
BIS-2509
Rick Stotijn (double bass)
Johannes Rostamo (cello)
Olivier Thiery (double bass)
Bram van Sambeek (bassoon)
Camerata RCO
録音 2021年8月
BIS
ヴィヴァルディ/ボッテジーニ コントラバス作品集(ドッピオ・エスプレシーヴォ)
ヴィヴァルディ:
・2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV 531 (M.ファン・プローイエンによるチェロ、コントラバスと室内アンサンブル編)
・歌劇「ジュスティーノ」 RV 717 - 第1幕 アリア 「喜びと共に会わん」(M.ファン・プローイエンによるコントラバスと室内アンサンブル編)
・チェロ協奏曲 ホ短調 RV 409 (M.ファン・プローイエンによるファゴット、コントラバスと室内アンサンブル編
ボッテジーニ:
・ロッシーニのカンツォネッタによる幻想曲 - ラ・セレナータ(アンダンテ)(B. フルトークによる2つのコントラバスと弦楽アンサンブル編)
・パッショーネ・アモローサ(B. フルトークによる2つのコントラバスと弦楽アンサンブル編)
・アダージョ、メランコリコとアパッシナート 「エルンストのエレジー」(M.ファン・プローイエンによるコントラバスと室内アンサンブル編)
リック・ストーティン(Rick Stotijn)はオランダのコントラバス奏者。8歳から最初の音楽教育を受ける。アムステルダム音楽院にて父親のPeter Stotijnに師事し、優秀な成績で卒業。その後フライブルク音楽大学(Hochschule in Freiburg)にてBozo Paradzikに師事。アムステルダム・シンフォニエッタとスウェーデン放送響で首席奏者を務めている。またロイヤル・コンセルトヘボウ管、ベルリン放送響、マーラー室内管、ロンドン響には客演首席奏者として招かれるなど幅広く活躍している。
カメラータRCO(Camerata RCO)はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)のプレーヤーたちが、小編成の演奏を楽しむために結成、これまで、オランダ国内のほか、ニューヨーク、ワシントン、東京、ソウル、ウィーン、ローマ、リスボン、マドリードで演奏してきた。
録音レベルはやや大きめ。ヴィヴァルディのコントラバス・コンチェルトではCbはセンターやや右に定位している。ボッテシーニ(トラック4~7)では2台のコントラバスの掛け合いで、低域弦の響きが豊かで美しい。録音場所はSingelkerk, Amsterdam, the Netherlands
サラウンド・パフォーマンス ☆☆☆
音質 ☆☆☆☆☆
チャンネル 5ch
SACDサラウンド・レビュー(968) [サラウンド・サウンド・レビュー]
New Paths
Mari Kodama (piano)
PTC5186976
録音 2022年7月
Pentatone
ブラームス:
・ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.1
・シューマンの主題による16の変奏曲 嬰へ短調 Op.9
・主題と変奏(原曲:弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 Op.18 - 第2楽章)
シューマン :
・ミルテの花 Op.25 - 第1曲 献呈(C. シューマンによるピアノ編)
児玉麻里(Mari Kodama,1966年~)は、大阪府生まれのピアニスト。3歳でピアノを始める。6歳の時に家族とともに渡欧。14歳(1981年)の時にパリ音楽院に入学。ジェルメーヌ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィエーヌ・ジョア・デュティユーに室内楽を学ぶ。同音楽院修了後、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演で本格的な演奏活動を開始し、その後は世界各国のオーケストラとの共演、リサイタルなど精力的な活動を続けている。ピアニストの児玉桃は妹。夫は指揮者のケント・ナガノ。
使用ピアノのヤマハCFXの中低域弦は、濁りのない豊かな響きを伴っている。音像はセンターに集中することがなく、左右への広がり感を感じた。サラウウドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。録音場所はReitstadel, Neumarkt, Germany
サラウンド・パフォーマンス ☆☆☆
音質 ☆☆☆☆
チャンネル 5ch
SACDサラウンド・レビュー(967) [サラウンド・サウンド・レビュー]
Igor Stravinsky
Symphony in C & Symphony in Three Movements
CHSA5315
Sir Andrew Davis/BBC Philharmonic
録音 2019年4月(Symphony in C Major)
2022年3月
CHANDOS
ストラヴィンスキー:
・グリーティング・プレリュード
・交響曲 ハ調
・ディヴェルティメント(管弦楽版)
・サーカス・ポルカ
・3楽章の交響曲
サー・アンドルー・デイヴィス(Sir Andrew Davis,1944年2月~ )は、イギリスの指揮者。エルガーやディーリアス、ヴォーン・ウィリアムズなどの近代イギリス音楽を得意とする。1970年にBBC交響楽団を指揮してデビュー。1975年にトロント交響楽団の音楽監督に就任後、レコーディングを活発に行う。1989年より2000年までBBC交響楽団の音楽監督、2005年から2008年までピッツバーグ交響楽団芸術顧問、2012年からはメルボルン交響楽団の音楽監督に就いている。
BBCフィルハーモニック(BBC Philharmonic)は、マンチェスターを本拠地とする英国放送協会(BBC)傘下のオーケストラであり、イギリスの主要オーケストラの一つ。1922年に、「2ZYオーケストラ」として設立されたものが始まりと言われている(“2ZY”は、当時マンチェスターに開局されたラジオ局のコールサイン)。1926年にノーザン・ワイヤレス管弦楽団(Northern Wireless Orchestra)に改称。1931年3月、BBCがロンドンにBBC交響楽団を設立し、それに伴い地方オーケストラを廃止することを決定した。それにより当団は解散させられ、室内楽用のアンサンブルだけが残された。1933年、BBCは1つのオーケストラでは需要をまかないきれないと判断して、地方オーケストラを設立するよう方針変更をした。そして、マンチェスターにオーケストラが復活した。楽団名は、「BBCノーザン・オーケストラ」(BBC Northern Orchestra)とされた。
ダイナッミックレンジの大きな録音で、メイン・マイクの他にスポット・マイクを多用していると思われる録音。各楽器間の音のバランスは良く、音響空間は左右、奥行方向にも広がっている。録音場所はイギリス、マンチェスター、Media City UK,Salford
サラウンド・パフォーマンス ☆☆☆☆
音質 ☆☆☆☆
チャンネル 5ch
SACDサラウンド・レビュー(966) [サラウンド・サウンド・レビュー]
Beethoven-Liszt & Mozart-Alkan
Piano Transcriptions
BIS-2615
Paul Wee (piano)
録音 2021年7月
BIS
・ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 S464/R128(リストによるピアノ編)
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K. 466 (C-V. アルカンによるピアノ編)
ポール・ウェー(Paul Choon Kiat Wee)はシンガポール人とマレーシア人の両親のもとオーストラリア生まれのイギリスのピアニスト、弁護士。4歳でピアノをはじめ、12歳の時にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでデビュー・コンサートを開くなど神童として注目を集める。その後、ニューヨークのマンハッタン音楽学校にてニーナ・スヴェトラノワに師事し研鑽を積むも、ピアニストだけではなく弁護士も目指し、ロンドンの名門オックスフォード大学法学部で法律を学び弁護士の資格を取る。現在ロンドンを拠点に活躍している.
ベートーヴェンの英雄のフランツ・リストによるピアノソロへの編曲版と、モーツァルトのピアノ・コンチェルト20番のアルカンによるピアノソロへの編曲版。使用しているピアノはスタインウェイDで低域弦の響きは良いが、高域弦の響きがもの足りなく感じた。
録音場所はイギリス、Monmouth、ワイアストーン・コンサート・ホール
サラウンド・パフォーマンス ☆☆☆
音質 ☆☆☆☆
チャンネル 5ch