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SACDサラウンド・レビュー(987) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Rachmaninoff
Symphony No.2
CHSA5309
John Wilson/Sinfonia of London
録音 2022年1月
Chandos


ラフマニノフ:
・幻想的小品集 Op.3 第2曲 前奏曲 嬰ハ短調「鐘」(L. ストコフスキーによる管弦楽編)
・交響曲第2番 ホ短調 Op.27

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
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ダイナミックレンジの大きな録音で、金管のきらびやかな響きと低域弦の重厚な響きが印象に残った。音場は左右、奥行方向にも広く、楽器間の音のバランスも良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はセント・オーガスティン教会、キルバーン、ロンドン
サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(986) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Maurice Ravel
À Moune
CC72916
Pierre Goy(Piano)
Lina Tur Bonet(Baroque Violin)
Marco Testori(Baroque Cello)
録音 2022年3月
Challenge Records

ラヴェル:ヴァイオリンのための作品集
ムーネへのオマージュ
・フォーレの名による子守歌
・ヴァイオリン・ソナタ ト長調
・ヴァイオリンとピアノ・リュテアルのための演奏会用狂詩曲『ツィガーヌ』
・ヴァイオリンとチェロのためのソナタ


リナ・トゥール・ボネ (Lina Tur Bonet) はスペイン、イヴィサト生まれの女性バロック・バイオリン奏者。父の手ほどきで3歳から音楽を始め、フライブルク音楽大学、ウィーン音楽大学で学ぶ。バロックから現代にいたるまで幅広いレパートリーを持つ。多くの著名な演奏家と共演しており、めざましい活躍を見せている。新しい表現の形を求めてアンサンブル「ムジカ・アルケミカ」を設立。
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マルコ・テストーリ (Marco Testori)はイタリアのバロック・チェロ奏者。 幼い頃からピアノ、オルガンを学び始め、その後チェロを学ぶ。1991 年にミラノの G. ヴェルディ音楽院でオルガンとオルガン作曲を専攻し、1993 年にチェロ科を卒業。J. ゴリツキー、M. フラックスマン、E. ブロンツィなどのいくつかのコースを受講した後、古楽の研究を深めた。
1994 年から 2004 年まで、アンサンブルIl Giardino Armonico の首席チェロ奏者を務め、主要な国際フェスティバルに参加。2013年10月からザルツブルク・モーツァルテウム大学でバロック・チェロの教授を務めている。
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ピエール・ゴア(Pierre Goy,1961年~)はスイス、ローザンヌ出身のピアニスト。ローザンヌ音楽院でファウスト・ザドラ(Fausto Zadra)に師事。スイス・ローザンヌ高等音楽院教授、スイス・ジュネーヴ高等音楽院教授を務める。
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ソロのヴァイオリンはセンター前寄りに定位しており、高域の音伸びは良く、クリアな響きを伴っている。トラック5では1910年製フォルテ・ピアノ、プレイエルを使用。トラック6~9のVnとVcのソナタでは両楽器とも前に出た位置に、Vnはやや左、Vcはやや右に定位している。録音場所はベルギー、ブリュッセル、楽器博物館 (MIM)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(985) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Romeo & Juliet
Tchaikovsky on the Piano
BIS-2198
Yevgeny Sudbin (piano)
Bella Sudbin (piano)
録音    2020年2月(Op.37a,Op.10,Op.19,Romeo and Juliet)
     2021年6月(Ruslan and Lyudmila,Op.59,Op.71,Op72)
     2022年7月(Op.66a)
BIS

チャイコフスキー ピアノ作品とトランスクリプション集

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」 序曲(Y. スドビンによるピアノ編)
チャイコフスキー:
・バレエ音楽「くるみ割り人形」 Op.71 第2幕 花のワルツ(Y. スドビンによる4手ピアノ編)
・ドゥムカ ロシアの農村風景 Op.59
・四季 Op.37a (抜粋)
・2つの小品 Op.10
・6つの小品 Op.19 第4曲 夜想曲
・18の小品 Op.72(抜粋)
・バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲 Op.66a 第5曲 ワルツ(S. ラフマニノフ、Y. スドビンによる4手ピアノ編)
・幻想序曲「ロメオとジュリエット」(1880年第3稿)(Y. スドビンによるピアノ編)

エフゲニー・スドビン(Yevgeny Sudbin, 1980年~)ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。幼少の頃から優れた音楽的才能を発揮し、1987年にはサンクトペテルブルク音楽院へ入学。90年にベルリンで研鑽を積んだ後、97年よりロンドンに居を構え、王立音楽院でクリストファー・エルトンに師事。その間にイタリア、コモ湖国際ピアノアカデミー参加、マレイ・ペライヤ、クロード・フランク、レオン・フライシャー、スティーヴン・ハフ、アレキサンダー・ザッツにも師事する。 06年にヨーロッパ、北欧ツアーのほか、大絶賛されたカナダとアメリカツアーを実現、フリック・コレクション・シリーズでニューヨーク・デビューを果す。2007年アメリカのアスペン音楽祭、フランスのラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ニューヨークのメトロポリタン博物館ピアノ・フォルテ・シリーズでデビューをする。2010年10月、アムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールデビューを果たす。2011年1 月、初来日し埼玉と東京のリ サイタルは絶賛を博す。最近では2019年5月に来日し、日フィルとメトネル、ピアノ協奏曲第2番を共演した。

トラック2の「くるみ割り人形」花のワルツとトラック12の「眠りの森の美女」ワルツは13歳の愛娘のベッラ・スドビン(高音部)と連弾をしている。



音像は前寄り、センターに定位しているが、横方向への広がり感もある。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングして、アンビエンスな音を捉えている。使用ピアノはスタインウェイD

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(984) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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C.P.E. Bach
Sonatas For Keyboard & Violin
CCSSA41523
Rachel Podger (violin)
Kristian Bezuidenhout (Cembalo)
録音 2022年5月
Cannel Classics

C.P.E. バッハ:
・ヴァイオリン・ソナタ ト短調 BWV1020 (伝 C.P.E. バッハのH.542.5)
・ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Wq.78, H.514
・アリオーソ イ長調 Wq.79, H.535
・ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Wq.76, H.512
・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 Wq.71, H.502

レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger,1968年~)はイギリス生まれのヴァイオリニスト。ドイツのルドルフ・シュタイナー・スクールで教育を受け、帰国後ギルドホール音楽演劇学校でミカエラ・コンバーティとデイヴィッド・タケノに師事した。在学中からバロック奏法に興味を惹かれ、バロック音楽を専門とするフロレジウムとパラディアン・アンサンブルという楽団の創設に関与する。その後も、このアンサンブルとコンサート・ツアーやレコーディングに参加し、国際的にも高く評価されている。1997年、トレヴァー・ピノックに招かれ、イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレス兼協奏曲ソリストに就任、ますます多忙な日々となった。2015年に英国王立音楽院(RAM)のバッハ賞を受賞。最近では2018年6月~7月開催の調布国際音楽祭2018に来日し、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番などを演奏した。
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クリスティアン・ベズイデンホウト(Kristian Bezuidenhout,1979年~ )は、南アフリカ生まれのオーストラリアのピアニスト。南アフリカのキングウィリアムズタウンで幼少期を過ごした後、1988年に家族でオーストラリアに移住した。オーストラリアで音楽の勉強を始め、その後アメリカのイーストマン音楽学校(Eastman School of Music)で学んだ。レベッカ・ペニーズにピアノ演奏の手解きを受けた彼は、チェンバロをアーサー・ハース(Arthur Haas)に、そしてフォルテピアノをマルコム・ビルソン(Malcolm Bilson)に師事して初期の鍵盤楽器を探究した。21歳でブルージュの国際古楽コンクールで第1位及び聴衆賞を獲得したことで、国際的に認識された。フライブルク・バロック管弦楽団やコンチェルト・ケルン、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント及びレザール・フロリサン等の客演ピアニストとして共演している。現在は、ロンドン在住。
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ポッジャーの奏でるVnはクリアーな響きをしており、センター前寄りに定位している。チェンバロはセンター奥寄りに定位しているが、横方向への広がり感がある。レベルは大きめで、あたかも目の前で演奏しているように感じる。セント・ジョンズ教会、アッパー・ノーウッド、ロンドン

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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