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SACDサラウンド・レビュー(1005) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Stravinsky Violin Concerto, Scherzo a la russe.jpg
Stravinsky
Violin Concerto, Scherzo a la russe
CHSA5340
James Ehnes (violin)
Sir Andrew Davis/BBC Philharmonic
録音 2023年2月
CHANDOS

イーゴリ・ストラヴィンスキー:
・ヴァイオリン協奏曲 K 053
・ロシア風スケルツォ K 070
・組曲第1番 K 045
・組曲第2番 K 038
・ミューズを率いるアポロ K 048

ジェイムズ・エーネス(James Ehnes,1976年1月~)はカナダ出身のヴァイオリニスト。マニトバ州ブランドンに、トランペット奏者のアラン・エーネスの子として生まれ、4歳からヴァイオリンを始める。9歳からフランシス・キャプランに師事し、11歳でカナダ音楽コンクールに優勝。13歳でモントリオール交響楽団と共演した。1993年からはジュリアード音楽院でサリー・トーマスの指導を受け、1997年にペーター・メニン賞を受けて卒業した。2008年にコルンゴールドとバーバー、ウォルトンによる20世紀の隠れた名品と称されるヴァイオリン協奏曲の録音でグラミー賞を獲得。2010年にはカナダ勲章を授与されている。フルトンコレクションより借与されている1715年製ストラディヴァリウス“Ex Marsick”を使用。
James Ehnes_3.jpg


サー・アンドルー・デイヴィス(Sir Andrew Davis,1944年2月~ )は、イギリスの指揮者。エルガーやディーリアス、ヴォーン・ウィリアムズなどの近代イギリス音楽を得意とする。1970年にBBC交響楽団を指揮してデビュー。1975年にトロント交響楽団の音楽監督に就任後、レコーディングを活発に行う。1989年より2000年までBBC交響楽団の音楽監督、2005年から2008年までピッツバーグ交響楽団芸術顧問、2012年からはメルボルン交響楽団の音楽監督に就いている。
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BBCフィルハーモニック(BBC Philharmonic)は、英国放送協会(BBC)傘下にある5つのオーケストラ一つであり、イギリスのマンチェスターを拠点とする。主要コンサート会場はマンチェスターのブリッジウォーターホール。BBC交響楽団( BBC Symphony Orchestra)とは別の団体で、BBCの組織下にはこれ以外にもBBCウェールズ交響楽団(BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団)、BBCスコティッシュ交響楽団ならびにBBCコンサート・オーケストラがある。1926年に2ZYオーケストラとして設立されたものが始まりと言われている(“2ZY”は、当時マンチェスターに開局されたラジオ局のコールサイン)。1991年、BBCフィルハーモニックと改名して、サー・ピーター・マクスウェル・デイヴィスが最初の常任指揮者兼楽団付き作曲家に就任した。ジャナンドレア・ノセダ(Gianandrea Noseda)が2002年から2011年まで首席指揮者、現在は名誉指揮者に就任している。2011年9月よりファンホ・メナ(Juanjo Mena)が首席指揮者に就いている 。最近では東日本大震災直前の2011年3月初旬に来日公演を行った。
BBC Philharmonic_8.jpg


Vnコンチェルトでソロのヴァイオリンはセンターの前に出た位置に定位しており、バックの各楽器は横への広がり感はあるが、奥行方向への広がり感は少ない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はイギリス、サルフォード、メディア・シティ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(1004) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mozart Overtures.jpg
Mozart
Overtures
BIS-2062
Michael Alexander Willens/Kölner Akademie
録音 2022年7月
BIS

モーツァルト:オペラ序曲集
・歌劇「アルバのアスカニオ」 K.111 - 序曲
・歌劇「クレタの王イドメネオ」 K.366 - 序曲
・歌劇「フィガロの結婚」 K.492 - 序曲
・歌劇「後宮からの誘拐」 K.384 - 序曲
・歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」 K.588 - 序曲
・歌劇「劇場支配人」 K.486 - 序曲
・歌劇「ポントの王ミトリダーテ」 K.87 - 序曲
・歌劇「偽りの女庭師」 K.196 - 序曲
・歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 K.527 - 序曲
・歌劇「ルーチョ・シッラ」 K.135 - 序曲
・歌劇「皇帝ティートの慈悲」 K.621 - 序曲
・歌劇「魔笛」 K.620 - 序曲

ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。
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ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にピアノ奏者のロナルド・ブラウティハム、音楽監督のヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
Kölner Akademie_13.jpg


高域弦は音の伸びが有り、濁りのないクリアーな音で、低域弦は重厚な響きを伴っている。音場は左右、奥行方向にも広い。全体的に歯切れのよい演奏で、コンサートホールのセンターで聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(1003) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Telemann Trio Sonatas & Quartets.jpg
Telemann
Trio Sonatas & Quartets
AE-10366
Compagnia Transalpina
録音 2022年3月,4月
Aeolus

テレマン:トリオ・ソナタ&四重奏曲集
・フルート、オーボエとチェンバロのためのソナタ ホ短調 TWV42:e6
・オーボエ、リコーダーとチェンバロのためのソナタ ハ短調 TWV42:c2
・フルート、オーボエとチェンバロのためのソナタ ヘ長調 TWV42:F9
・協奏曲イ短調 TWV43:a3
・リコーダー、オーボエと通奏低音のためのトリオ ヘ長調TWV42:F15
・リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ ト長調       TWV43:G6
・オーボエ、リコーダーと通奏低音のためのソナタ ハ短調TWV42:c7
・リコーダー、オーボエとチェンバロのためのソナタ イ短調 TWV42:a6

コンパーニャ・トランサルピーナ(Compagnia Transalpina)はリコーダー奏者兼音楽監督のアンドレアス・ベーレン(Andreas Bohlen)をメインに、バロック・オーボエのアンドレアス・ヘルム(Andreas Helm)、バロック・ヴァイオリンのスザンネ・ショルツ(Susanne Scholz)、バロック・チェロのダニエル・ロジン(Daniel Rosin)、バロック・バスーンのトマシュ・ヴェソウォフスキ(Tomasz Wesołowski)、ハープシコードのミヒャエル・ヘル(Michael Hell)で構成される古楽器使用したアンサンブル。

アンドレアス・ベーレン(Andreas Bohlen,1983年~)はドイツ、ヴュルツブルク生まれのフランスのリコーダー奏者、ジャズ・サクソフォン奏者。バーゼル・スコラ・カントルムの教授も務める。音楽家の息子として生まれ、6歳からリコーダーを習い始めた。数年後にはアルト・サクソフォンを始める。2007年にアムステルダム音楽院を卒業後、バーゼルの音楽アカデミーでジャズ・サックスも専攻し、イタリアでキャリアを形成した。後年にはロンドンで多くのイタリアのバロック音楽家たちを指導した。現在は古楽、ジャズの両分野において即興演奏に力を入れている。
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教会での古楽器を使った演奏で、フルート、オーボエとチェンバロのためのソナタではリコーダーが左、チェンバロがセンター、オーボエが右に定位しており、奥行き感は少ない。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。録音場所はスイス、Klosterkirche Beinwil

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch


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SACDサラウンド・レビュー(1002) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Beethoven String Quartets Op. 74 & Op. 130.jpg
Beethoven
String Quartets Op.74 & Op.130
BIS-2668
Chiaroscuro Quartet
録音 2022年5月
BIS

ベートーヴェン:
・弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調「ハープ」 Op.74
・弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130

キアロスクーロ弦楽四重奏団(Chiaroscuro Quartet)は1stVnのロシア生まれのアリーナ・イブラギモヴァを中心に2005年に結成された。絵画の「明暗法」を意味する名の通り、現代楽器にガット弦を張り、チェロ以外の3人は立って演奏。近年の主な活動は、エジンバラ国際音楽祭のデビュー、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの演奏会、ロンドンの新しい室内楽会場ワナメイカー劇場での演奏会。2013年、ブレーメン音楽祭に共催しているドイツのラジオ放送局のフェルデ賞を受賞、このブレーメン音楽祭には2014年夏にそのオープニングナイトコンサートで再出演が約束されている。この他に、ロンドンのウィグモア・ホール、ヨーク古楽センター、パリのルーヴル・オーディトーリアム、エクサンプロバンスのデ・ジュ・ドゥ・ポーム劇場、ディジョン劇場、リスボンのグルベキアン財団、オールドバラで演奏する。2024年3月に来日し、銀座王子ホールなどで演奏予定。
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各楽器間の音のバランスは良く、定位も良い。イブラギモヴァの奏でる1st Vnは硬質な音にならず、ナチュラルな響きをしている。サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(1001) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Tchaikovsky Symphony No. 5 & Schulhoff.jpg
Tchaikovsky
Symphony No.5 & Schulhoff
FR-752SACD
Manfred Honeck/Pittsburgh Symphony Orchestra
録音 2022年6月 
Reference Recordings

チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64
エルヴィン・シュルホフ:弦楽四重奏のための5つの小品(T. イール、M. ホーネックによる管弦楽編)

マンフレート・ホーネック(Manfred Honeck,1958年9月~ )は、オーストリアの指揮者。ウィーン音楽院でヴァイオリンを学ぶ。1983年からウィーン国立歌劇場管弦楽団ならびにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のヴィオラ奏者を務める。その後指揮者に転向し、1987年クラウディオ・アバドの元でグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団の準指揮者を務める。2007年より2011年までシュトゥットガルト州立歌劇場、2008年から現在までピッツバーグ交響楽団の音楽監督。弟のライナー・ホーネックはウィーン・フィルのコンサートマスターである。
Manfred Honeck_7.jpg


ピッツバーグ交響楽団(Pittsburgh Symphony Orchestra)は、アメリカ合衆国の主要なオーケストラの一つで、ペンシルベニア州ピッツバーグのハインツ・カンパニーによって設立されたハインツ・ホールが本拠地となっている。1895年に設立。主な指揮者はオットー・クレンペラー、フリッツ・ライナー、アンドレ・プレヴィン、ロリン・マゼールなど。アメリカ最古のオーケストラの一つとして知られる。2008年より、マンフレート・ホーネック(Manfred Honeck)を9代目の音楽監督に迎え、新体制がスタートした。
Pittsburgh Symphony Orchestra_9.jpg


ライヴ録音であるが、聴衆のノイズは消されている。ホールトーンが豊かで、音像は左右、奥行方向にも広がっており、各楽器間の音のバランスも良い。特に金管の響きが良く感じられた。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はピッツバーグ、ハインツ・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(1000) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Ravel Daphnis et Chloé_3.jpg
Ravel
Daphnis et Chloé
CHSA5327
John Wilson/Sinfonia of London
Sinfonia of London Chorus
録音 2022年12月
Chandos

ラヴェル:
バレエ音楽《ダフニスとクロエ》全曲(ジョン・ウィルソンによる改訂版)

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
Sinfonia of London_5.jpg


ダイナミックレンジの大きな録音で、教会での収録だが、残響の影響はあまり受けていない。高域弦の音が少し硬く感じられた。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はロンドン、キルバーン、セント・オーガスティン教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(999) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bach Goldberg Variations Reimagined.jpg
J.S.Bach
Goldberg Variations Reimagined
CCSSA44923
Rachel Podger (violin)
Brecon Baroque
録音 2022年7月
Channel classics

J.S. バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988
(C.M. ケリーによるヴァイオリンと室内アンサンブル編)

レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger,1968年~)はイギリス生まれのヴァイオリニスト。ドイツのルドルフ・シュタイナー・スクールで教育を受け、帰国後ギルドホール音楽演劇学校でミカエラ・コンバーティとデイヴィッド・タケノに師事した。在学中からバロック奏法に興味を惹かれ、バロック音楽を専門とするフロレジウムとパラディアン・アンサンブルという楽団の創設に関与する。その後も、このアンサンブルとコンサート・ツアーやレコーディングに参加し、国際的にも高く評価されている。1997年、トレヴァー・ピノックに招かれ、イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレス兼協奏曲ソリストに就任、ますます多忙な日々となった。2015年に英国王立音楽院(RAM)のバッハ賞を受賞。最近では2018年6月~7月開催の調布国際音楽祭2018に来日し、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番などを演奏した。
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ブレコン・バロック(Brecon Baroque)はウェールズ南部の町ブレコンにある大聖堂で行われる音楽祭“ブレコン・バロック・フェスティバル”のために,ポッジャー自身が選び抜いたメンバーを集めて創設した2007年創設の古楽アンサンブル。
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ソロのVnは左前、チェンバロはセンターの下がった位置に定位している。各楽器の定位は良い。ポッジャーの奏でるVnはクリアでナチュラルな響きを伴っている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はロンドン、アッパー・ノーウッド、セント・ジョンズ教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(998) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Shostakovich Symphonies Nos. 12 and 15.jpg
Shostakovich
Symphonies Nos.12 and 15
CHSA5334
John Storgårds/BBC Philharmonic
録音   No.15 2022年8月
     No.12 2022年9月
Chandos

ショスタコーヴィチ:
・交響曲第12番 ニ短調「1917年」 Op.112
・交響曲第15番 イ長調 Op.141

ジョン・ストルゴーズ(John Storgårds,1963年10月~)はフィンランド、ヘルシンキ生まれの指揮者、ヴァイオリニスト。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーにてヴァイオリンをエッサー・ライティオ(Esther Raitio )と、ヨウコ・イグナティウス(Jouko Ignatius)に教えを受ける。その後指揮に興味を持ち1993年~1997年の間、シベリウス・アカデミーにて(Jorma Panula)や( Eri Klas)に指揮法の指導を受ける。2003年からヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団(Helsinki Philharmonic Orchestra)の首席客演指揮者に就き、2008年秋のシーズンからは首席指揮者に就任した。又、2006年から2009年までタンペレ・フィルハーモニー管弦楽団(Tampere Philharmonic Orchestra)の首席指揮者を歴任。アヴァンティ室内管弦楽団(Avanti! Chamber Orchestra)の創設メンバーの一人。2012年からBBCフィルハーモニックの首席客演指揮者に就任した。
John Storgårds_4.jpg


BBCフィルハーモニック(BBC Philharmonic)は、英国放送協会(BBC)傘下にある5つのオーケストラ一つであり、イギリスのマンチェスターを拠点とする。主要コンサート会場はマンチェスターのブリッジウォーターホール。BBC交響楽団( BBC Symphony Orchestra)とは別の団体で、BBCの組織下にはこれ以外にもBBCウェールズ交響楽団(BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団)、BBCスコティッシュ交響楽団ならびにBBCコンサート・オーケストラがある。1926年に2ZYオーケストラとして設立されたものが始まりと言われている(“2ZY”は、当時マンチェスターに開局されたラジオ局のコールサイン)。1991年、BBCフィルハーモニックと改名して、サー・ピーター・マクスウェル・デイヴィスが最初の常任指揮者兼楽団付き作曲家に就任した。ジャナンドレア・ノセダ(Gianandrea Noseda)が2002年から2011年まで首席指揮者、現在は名誉指揮者に就任している。2011年9月よりファンホ・メナ(Juanjo Mena)が首席指揮者に就いている 。最近では東日本大震災直前の2011年3月初旬に来日公演を行った。
BBC Philharmonic_7.jpg


ダイナミックレンジの大きな録音で、12番の冒頭の低域弦の重厚な響き、金管のきらびやかな響きが印象に残った。スポットマイクを多用した録音と思われ、各楽器間の音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

録音場所はイギリス、マンチェスター、Media City UK,Stalford

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SACDサラウンド・レビュー(997) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Beethoven Piano Trios, Vol. 2.jpg
Beethoven
Piano Trios, Vol.2
Sitkovetsky Trio
Alexander Sitkovetsky(Violin)
Isang Enders(Chero)
Wu Qian(Piano)
BIS-2539
録音 2022年5月
BIS

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集 2
・ピアノ三重奏曲第2番 ト長調 Op.1, No.2
・ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調「大公」Op.97

シトコヴェツキー・トリオ(Sitkovetsky Trio)はイギリスのユーディ・メニューイン音楽学校(Yehudi Menuhin School)で学んでいたヴァイオリン奏者のアレクサンドル・シトコヴェツキー(Alexander Sitkovetsky)を中心に韓国系ドイツ人でチェロのイサン・エンダース(Isang Enders)、ピアノの韓国出身のウー・チェン(吴倩)とともに2018年に結成されたピアノトリオ。International Commerzbank Chamber Music Award 2008に優勝。
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アレクサンドル・シトコヴェツキー(Alexander Sitkovetsky,1983年~)はロシア、モスクワ生まれのイギリスのヴァイオリニスト。音楽一家の家庭に育ち、8歳でヴァイオリニストとしてデヴュー、その後ユーディ・メニューイン音楽学校(Yehudi Menuhin School)に招待入学し、ナタリア・ボヤルスカヤ(Natalya Boyarskaya)とフ・クン(Hu Kun)に師事。その後、同校のマスタークラスでメニューインやマキシム・ヴェンゲロフ(Maxim Aleksandrovich Vengerov)などに師事。さらにウイーンでパヴェル・ヴェルニコフ(Pavel Vernikov)の指導を受ける。
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Vnは左、Pfはセンター、Vcは右のいずれも少し下がった位置に定位している。横への広がり感はあまり無いが、各楽器の音のバランは良い。スタジオでの録音であるが、サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングし、アンビエンスな音を捉えている。
録音場所はドイツ、ミュンヘン、Bavaria Musikstudios

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(996) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Joseph & Michael Haydn Overtures and Symphonies.jpg
Joseph & Michael Haydn
Overtures and Symphonies
MDG90122926
Enrico Onofri/Haydn Philharmonie
録音 2023年4月
MDG

J.ハイドン: 交響曲第96番「奇蹟」
M.ハイドン: 交響曲第39番

エンリコ・オノフリ (Enrico Onofri,1 967年4月~)はイタリアのヴァイオリニスト、指揮者。ミラン音楽院でヴァイオリンを学ぶ。クラシックヴァイオリンを学んだあと、バロックヴァイオリンに転向。1987年よりイタリアの古楽アンサンブル「イル・ジャルディーノ・アルモニコ 」の第1ソロコンサートマスターとして活躍。2000年から自身が結成した"Ensemble Imaginarium"の監督を務める。パルマのフィラルモニカ・トスカニーニの首席指揮者、オーストリア=ハンガリーのハイドン・フィルハーモニーの芸術的パートナー指揮者、ミュンヘン室内管弦楽団の副指揮者、オーヴェルニュ国立管弦楽団の副指揮者、リスボンのレアル・カマラ・バロック・オーケストラの首席指揮者。
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ハイドン・フィルハーモニー(Haydn Philharmonie)は1987年に指揮者のアダム・フィッシャーのもと、ウィーン・フィルとハンガリー国立フィルのメンバーによって設立された。鉄のカーテンが崩壊する前の当時、「オーストリア、ハンガリー両国の選りすぐりの音楽家を集め、ハイドンの作品をともに演奏することで音楽的に国境を克服しよう」というフィッシャーの考えのもと、一流の演奏家たちが集合した。2015/2016年シーズンから2021年まで、ニコラ・アルトシュテットが芸術監督を務め、オーケストラの名称も「ハイドン・フィルハーモニー」とだけ表記されるようになる。2023年以降はニコラ・アルトシュテットとエンリコ・オノフリをミュージック・パートナーに迎え、世界を舞台に活動している。本拠地はアイゼンシュタット、エスターハージー城内のハイドン・ザールに置かれている。最近では2023年6月に指揮者のエンリコ・オノフリと共に来日し、紀尾井ホールなどで演奏した。
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音場は左右に広く、コンサートホールの中程で聴く音に近い。各楽器の音像はそれぞれの位置によく定位している。高域弦の響きは硬い音にならず、柔らかさを感じる。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はオーストリア、オシアッハ、ケルンテン州立音楽院、アルバン・ベルク・ザール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(995) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Overtures From Finland.jpg
Overtures From Finland
Rumon Gamba/Oulu Sinfonia
CHSA5336
録音 2022年5月,6月
Chandos

フィンランドの序曲集
ジャン・シベリウス:《カレリア》序曲 Op.10(1893)
ウーノ・クラミ:《荒野の靴職人》序曲(1936)
エルッキ・メラルティン:劇付随音楽《眠れる森の美女》(1904) より 祝典行進曲(序曲) Op.22-30
レーヴィ・マデトヤ:コメディ序曲 Op.53
アルマス・ヤルネフェルト:抒情的序曲(前奏曲)(1892)
エルンスト・ミエルク:劇的序曲 Op.6(1898)
セリム・パルムグレン:《シンデレラ組曲》 Op.21(1903) より 序曲
ロベルト・カヤヌス:交響的序曲(1926)
ヘイノ・カスキ:前奏曲 変ト長調 Op.7-1
アルマス・ヤルネフェルト:前奏曲(1900)

ラモン・ガンバ(Rumon Gamba,1972年11月~)はイギリスの指揮者。ダラム大学で音楽を学び、その後ロンドンの王立音楽院に進み、コリン・メッターズ、ジョージ・ハースト、サー・コリン・デイヴィスに指揮法を学んだ。1998年にBBCフィルハーモニックに入団し、その後副指揮者となった。2002年から2010年までアイスランド交響楽団の首席指揮者兼音楽監督を務めた。2008年10月にスウェーデン北部のノーランズ・オペラ次期首席指揮者兼音楽監督を歴任。2011年3月よりオールボー交響楽団の首席指揮者になった。2022年1月よりオウル交響楽団の首席指揮者を務めている。
Rumon Gamba_3.jpg


オウル交響楽団(Oulu Sinfonia)はフィンランド中部に位置する都市、オウルで1937年に設立され、1961年に市営のオーケストラになった。現在の名前がオウル交響楽団となったのは2005 年。レパートリーは、クラシックのシーズンコンサートをベースに、オペラ、映画コンサート、民族音楽やジャズのコンサート、さらには家族や子供向けのコンサートなど、多彩な内容で構成されている。首席指揮者は2013~2021年までヨハネス・グスタフソンが2022年1月にラモン・ガンバ(Rumon Gamba)が就任した。
Oulu Sinfonia_2.jpg


19世紀から20世紀にかけて活躍したフィンランドの7人の作曲家による序曲集。スポットマイクを多用したと思われるダイナミックレンジの大きな録音。高域弦の響きが幾分硬く感じられた。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はフィンランド、オウル、マデトヤ・コンサート・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(994) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bach Organ Works Vol. 4.jpg
J.S.Bach
Organ Works, Vol.4
BIS-2541
Masaaki Suzuki
録音 2022年8月
BIS


J.S.バッハ:オルガン作品集 4
・前奏曲とフーガ イ短調 BWV543
・オルガン小曲集 BWV599-644 (抜粋)
・前奏曲とフーガ ハ短調 BWV549
・オルガン小曲集 BWV599-644 (抜粋)

鈴木雅明(Masaaki Suzuki,1954年4月~ )は、バッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督、チェンバロ、オルガン奏者。神戸出身。東京芸術大学作曲科およびオルガン科を経て、アムステルダム・スウェーリンク音楽院においてチェンバロとオルガンをトン・コープマン、ピート・ケーに師事。東京芸術大学古楽科を設立し、2010年まで20年にわたって教鞭を執った。イェール大学音楽大学院および教会音楽研究所招聘教授、神戸松蔭女子学院大学客員教授。BISレーベルでのBCJとの<バッハ:教会カンタータシリーズ>は、2013年2月に全曲演奏・録音が完結し、世界でもまれにみる偉業に大きな話題を呼んでいる。
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1737年クリストフ・トロイトマン作のオルガンはバッハ時代の現存する最も重要な楽器のひとつ。
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パイプとの距離感はあまり感じられない音像だが、ペダルパイプの重低音の響き、特に高音パイプのクリアな響きがあたかも礼拝堂で聴いているような錯覚に陥った。サラウンドスピーカーからの音は大きめで、教会の豊かなアンビエンスな音を捉えている。
録音場所はドイツ、グラウホフ、聖ゲオルク教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(993) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Tchaikovsky Orchestral Works.jpg
Tchaikovsky
Orchestral Works
CHSA5300
Alpesh Chauhan/BBC Scottish Symphony Orchestra
録音 2022年7月
Chandos

チャイコフスキー:管弦楽作品集
・交響的バラード 《地方長官》 Op.78
・幻想曲 《テンペスト》 Op.18
・歌劇《チェレヴィチキ》より 「序曲」と「ポロネーズ」
・交響的幻想曲 《フランチェスカ・ダ・リミニ》 Op.32

アルペシュ・チャウハン(Alpesh Chauhan,1990年~)はインド系英国の指揮者。バーミンガム出身で幼い頃からチェロを学び、地元のバーミンガム市交響楽団のユース・オーケストラで首席奏者を務めた後、指揮の勉強を始め、市響のアシスタント・コンダクターを経て、2017年からイタリア・パルマを本拠地とするトスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任した。その後、バーミンガム・オペラの音楽監督に就任、英国初の「BAME」の音楽監督として注目を集めた。2021/2022シーズンからデュッセルドルフ交響楽団(Düsseldorfer Symphoniker)の首席客演指揮者勤めている。BBCスコティッシュ交響楽団の副指揮者も兼任している。
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BBCスコティッシュ交響楽団(BBC Scottish Symphony Orchestra)は、イギリス・スコットランド最大の都市グラスゴーを本拠地とする、英国放送協会(BBC)傘下のオーケストラの1つである。
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ダイナミックレンジの大きい録音でコンサートホールの中程で聴く音に近い。各楽器間の音のバランスは良い。特にトラック10~13のフランチェスカ・ダ・リミニでの低域弦の重厚な響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はイギリス、グラスゴー、シティ・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(992) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Chopin Ballades Nos 2 & 4, Scherzo No.4 .jpg
Chopin
Ballades Nos 2 & 4, Scherzo No.4
BIS-2619
Anna Zassimova (piano)
録音 2022年7月
BIS

ショパン:
・マズルカ第1番 嬰ヘ短調 Op.6, No.1
・マズルカ第2番 嬰ハ短調 Op.6, No.2
・マズルカ第7番 ヘ短調 Op.7, No.3
・バラード第4番 ヘ短調 Op.52
・夜想曲第6番 ト短調 Op.15, No.3
・マズルカ第43番 ト短調 Op.67, No.2
・マズルカ第30番 ト長調 Op.50, No.1
・マズルカ第31番 変イ長調 Op.50 No.2
・マズルカ第32番 嬰ハ短調 Op.50, No.3
・バラード第2番 ヘ長調 Op.38
・マズルカ第44番 ハ長調 Op.67, No.3
・マズルカ第27番 ホ短調 Op.41, No.1
・マズルカ第28番 ロ長調 Op.41, No.2
・マズルカ第29番 変イ長調 Op.41, No.3
・マズルカ第26番 嬰ハ短調 Op.41, No.4
・ワルツ第8番 変イ長調 Op.64, No.3
・スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
・ワルツ第15番 ホ長調 Op.posth.
・ワルツ第18番 変ホ長調「ソステヌート」 Op.posth.
・カンタービレ 変ロ長調
・モデラート ホ長調

アンナ・ザッシモワ(Anna Zassimova ,1076年10月~)ロシア、モスクワ出身の女性ピアニスト。6歳の時、モスクワのグネーシン音楽学校に入学。ヴラディーミル・トロップに師事。2002年よりドイツに移り、カールスルーエ音楽大学でピアノの研鑽を積んだ。2007年よりカールスルーエ音楽大学でピアノを教えている。とりわけロシア系フランス人の作曲家ゲオルギー・カトゥアールの作品に注目し、その演奏は高い評価を受けている。ショパン、スクリャービン、メトネル、ニコライ・ロスラヴェッツの作品を収録したアルバムをリリースしている。
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スタインウエイの響きはナチュラルで特に中域弦の響きがよく、バラードNo.2の演奏が印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はオーストリア、Lisztzentrum Raiding

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(991) [サラウンド・サウンド・レビュー]

L'Arte Del Virtuoso Vol. 2.jpg
L'Arte Del Virtuoso Vol.2
MDG9262281
Caterva Musica
録音 2022年6月,9月,10月 
MDG

ヴィルトゥオーゾの芸術 Vol.2
ソロ・コンチェルト集

モーツァルト:3つのピアノ協奏曲~第3番変ホ長調KV107(J.C. バッハのソナタ編曲)
マルティン・ザイフェルト:オーボエ協奏曲ハ短調
ヨハン・ジギスムント・ヴァイス:リュートと弦楽のための協奏曲ト短調
フランティシェク・イラーネク:ヴァイオリン協奏曲イ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター:ソナタ・グロッサ(3トランペット、2オーボエ、ティンパニ、弦楽、通奏低音)
ヨゼフ・ヘフナー:キートランペットのための序奏とポロネーズ

カテルヴァ・ムジカ(Caterva Musica)はドイツのルール地方の西部に位置するヴェストファーレンで活動する古楽アンサンブル。ルール地方の交響楽団にてフルタイムで演奏しているプロのミュージシャン、またはフリーランスのミュージシャンやソリストとして活動しているプロのミュージシャンで構成される。17 世紀から 18 世紀の音楽を中心に演奏している。
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ソロ・コンチェルト集、ヴィルトゥオーゾの芸術 Vol.1に続く第2弾

18世紀に活躍した6名の作曲家の協奏曲をメインとしたアルバム。
モーツァルトのチェンバロ協奏曲ではチェンバロはセンターの少し下がった位置に定位しており、他の楽器との音のバランスは良い。オーボエ協奏曲でのチェンバロはセンターやや右寄りに定位している。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。
録音場所はドイツ、Konzerthaus Der Abtei Marienmünster(マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル           6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(990) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Haydn String Quartets Op. 33 Nos 1-3.jpg
Haydn
String Quartets Op.33 Nos1-3
BIS-2588
Chiaroscuro Quartet
録音 2021年10月
BIS

ハイドン:
・弦楽四重奏曲第31番 ロ短調 Op.33, No.1, Hob.III:37
・弦楽四重奏曲第30番 変ホ長調「冗談」 Op.33, No.2, Hob.III:38
・弦楽四重奏曲第32番 ハ長調「鳥」 Op.33, No.3, Hob.III:39

キアロスクーロ弦楽四重奏団(Chiaroscuro Quartet)は1stVnのロシア生まれのアリーナ・イブラギモヴァを中心に2005年に結成された。絵画の「明暗法」を意味する名の通り、現代楽器にガット弦を張り、チェロ以外の3人は立って演奏。近年の主な活動は、エジンバラ国際音楽祭のデビュー、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの演奏会、ロンドンの新しい室内楽会場ワナメイカー劇場での演奏会。2013年、ブレーメン音楽祭に共催しているドイツのラジオ放送局のフェルデ賞を受賞、このブレーメン音楽祭には2014年夏にそのオープニングナイトコンサートで再出演が約束されている。この他に、ロンドンのウィグモア・ホール、ヨーク古楽センター、パリのルーヴル・オーディトーリアム、エクサンプロバンスのデ・ジュ・ドゥ・ポーム劇場、ディジョン劇場、リスボンのグルベキアン財団、オールドバラで演奏する。最近では2019年4月に来日し、王子ホールなどで演奏した。
Chiaroscuro Quartet_8.jpg


各楽器間の音の分離は良く、混濁のない響きをしており、少し下がった位置に定位している。特に、イブラギモヴァの弾く1st Vnはクリアな響きを伴っている。録音場所はイギリス、Menuhin Hall, The Yehudi Menuhin School, Stoke d'Abernon

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(989) [サラウンド・サウンド・レビュー]

JS Bach Partita No. 3 & French Suites Nos. 2,3 &5.jpg
J.S. Bach
Partita No.3 & French Suites Nos.2,3 & 5
MDG9032280
Christian Zacharias (piano)
録音 2021年6月
MDG

J.S.バッハ:
パルティータ 第3番 イ短調 BWV827
フランス組曲 第2番 ハ短調 BWV813
フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816
フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV814

クリスティアン・ツァハリアス(Christian Zacharias,1950年4月~)はインドの東部ジャムシェッドプール生まれのドイツ人ピアニスト、指揮者。1961年から69年までカールスルーエ音楽院で亡命ロシア人ピアニストのイレーネ・スラヴィンに学んだのち、1970年から1973年までパリで名匠ヴラド・ペルルミュテールに師事。1969年ジュネーヴ国際音楽コンクール2位受賞、1973年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール2位受賞ののち、1975年パリ・ラヴェル・コンクールで優勝、以後、国際的な活動を展開し、1979年にはEMIと専属契約を結び、数多くのレコーディングをおこなった。その後、弾き振り中心に指揮者としての活動をスタート、1992年にスイス・ロマンド管弦楽団を指揮してデビュー後は各地のオーケストラと共演を重ね、2000年からはローザンヌ室内管弦楽団の首席指揮者を務める一方、2002年、エーテボリ交響楽団の首席客演指揮者も務め、現在ではオペラも指揮するなど活動の幅を広げている。
Christian Zacharias_8.jpg


ピアノはセンターのややさがった位置に定位している。高域弦はクリアでナチュラルな響きを伴っているが、中域弦の響きがすこしこもりがちに聴こえるのは残響の豊かな教会での録音のせいか?サラウンドスピーカーからの音はマイクを少し離して教会のアンビエンスな音を捉えている。録音場所はマリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル           6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(988) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mahler Symphony No.9.jpg
Mahler
Symphony No.9
BIS-2476
Osmo Vänskä/Minnesota Orchestra
録音 2022年3月
BIS

マーラー:交響曲第9番 ニ長調

オスモ・ヴァンスカ(Osmo Vänskä,1953年2月~ )は、フィンランドの指揮者。元はクラリネット奏者であり、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団で活動していたが、シベリウス音楽アカデミーでヨルマ・パヌラに師事して指揮を学んだ後、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、指揮者としての活動を本格的に開始した。1985年にラハティ交響楽団の首席客演指揮者に就任、さらに1988年に同楽団の音楽監督に就任し、2008年に退くまで、フィンランドの一地方オーケストラに過ぎなかった同楽団を世界的なオーケストラに育て上げた。同楽団とのシベリウスの交響曲や管弦楽曲の録音は、世界的に評価が高い。1993年から1996年までアイスランド交響楽団、1996年から2002年までBBCスコティッシュ交響楽団のそれぞれ首席指揮者を務めた。また、2003年より2013年までミネソタ管弦楽団の音楽監督を務め、同楽団とベートーヴェンの交響曲の全曲録音を行った。2012年の2月に来日し、シベリウスの交響曲第2番などを読響と共演した。
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ミネソタ管弦楽団(Minnesota Orchestra)は、ミネソタ州ミネアポリスを拠点とするアメリカ合衆国のオーケストラ。1903年にミネアポリス交響楽団(Minneapolis Symphony Orchestra)として設立され、同年11月5日に最初の演奏会を行なった。1968年にミネソタ管弦楽団に名称を変更した。主な歴代首席指揮者はユージン・オーマンディ、アンタル・ドラティ、大植英次(1995年~2002年)、オスモ・ヴァンスカ (2003年~2013年、2014年5月から再任~2021年/22年のシーズンで退任)現在はデンマークの指揮者トーマス・ソンダーガード(Thomas Søndergård)が音楽監督に就いている。
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音像は左右、奥行方向にも広がっており、各楽器間の分離は良く、定位もしっかり決まっている。コンサートホールの中程で聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はミネアポリス、オーケストラ・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch


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SACDサラウンド・レビュー(987) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Rachmaninoff Symphony No. 2.jpg
Rachmaninoff
Symphony No.2
CHSA5309
John Wilson/Sinfonia of London
録音 2022年1月
Chandos


ラフマニノフ:
・幻想的小品集 Op.3 第2曲 前奏曲 嬰ハ短調「鐘」(L. ストコフスキーによる管弦楽編)
・交響曲第2番 ホ短調 Op.27

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
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ダイナミックレンジの大きな録音で、金管のきらびやかな響きと低域弦の重厚な響きが印象に残った。音場は左右、奥行方向にも広く、楽器間の音のバランスも良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はセント・オーガスティン教会、キルバーン、ロンドン
サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(986) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Maurice Ravel À Moune.jpg
Maurice Ravel
À Moune
CC72916
Pierre Goy(Piano)
Lina Tur Bonet(Baroque Violin)
Marco Testori(Baroque Cello)
録音 2022年3月
Challenge Records

ラヴェル:ヴァイオリンのための作品集
ムーネへのオマージュ
・フォーレの名による子守歌
・ヴァイオリン・ソナタ ト長調
・ヴァイオリンとピアノ・リュテアルのための演奏会用狂詩曲『ツィガーヌ』
・ヴァイオリンとチェロのためのソナタ


リナ・トゥール・ボネ (Lina Tur Bonet) はスペイン、イヴィサト生まれの女性バロック・バイオリン奏者。父の手ほどきで3歳から音楽を始め、フライブルク音楽大学、ウィーン音楽大学で学ぶ。バロックから現代にいたるまで幅広いレパートリーを持つ。多くの著名な演奏家と共演しており、めざましい活躍を見せている。新しい表現の形を求めてアンサンブル「ムジカ・アルケミカ」を設立。
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マルコ・テストーリ (Marco Testori)はイタリアのバロック・チェロ奏者。 幼い頃からピアノ、オルガンを学び始め、その後チェロを学ぶ。1991 年にミラノの G. ヴェルディ音楽院でオルガンとオルガン作曲を専攻し、1993 年にチェロ科を卒業。J. ゴリツキー、M. フラックスマン、E. ブロンツィなどのいくつかのコースを受講した後、古楽の研究を深めた。
1994 年から 2004 年まで、アンサンブルIl Giardino Armonico の首席チェロ奏者を務め、主要な国際フェスティバルに参加。2013年10月からザルツブルク・モーツァルテウム大学でバロック・チェロの教授を務めている。
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ピエール・ゴア(Pierre Goy,1961年~)はスイス、ローザンヌ出身のピアニスト。ローザンヌ音楽院でファウスト・ザドラ(Fausto Zadra)に師事。スイス・ローザンヌ高等音楽院教授、スイス・ジュネーヴ高等音楽院教授を務める。
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ソロのヴァイオリンはセンター前寄りに定位しており、高域の音伸びは良く、クリアな響きを伴っている。トラック5では1910年製フォルテ・ピアノ、プレイエルを使用。トラック6~9のVnとVcのソナタでは両楽器とも前に出た位置に、Vnはやや左、Vcはやや右に定位している。録音場所はベルギー、ブリュッセル、楽器博物館 (MIM)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(985) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Romeo & Juliet
Tchaikovsky on the Piano
BIS-2198
Yevgeny Sudbin (piano)
Bella Sudbin (piano)
録音    2020年2月(Op.37a,Op.10,Op.19,Romeo and Juliet)
     2021年6月(Ruslan and Lyudmila,Op.59,Op.71,Op72)
     2022年7月(Op.66a)
BIS

チャイコフスキー ピアノ作品とトランスクリプション集

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」 序曲(Y. スドビンによるピアノ編)
チャイコフスキー:
・バレエ音楽「くるみ割り人形」 Op.71 第2幕 花のワルツ(Y. スドビンによる4手ピアノ編)
・ドゥムカ ロシアの農村風景 Op.59
・四季 Op.37a (抜粋)
・2つの小品 Op.10
・6つの小品 Op.19 第4曲 夜想曲
・18の小品 Op.72(抜粋)
・バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲 Op.66a 第5曲 ワルツ(S. ラフマニノフ、Y. スドビンによる4手ピアノ編)
・幻想序曲「ロメオとジュリエット」(1880年第3稿)(Y. スドビンによるピアノ編)

エフゲニー・スドビン(Yevgeny Sudbin, 1980年~)ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。幼少の頃から優れた音楽的才能を発揮し、1987年にはサンクトペテルブルク音楽院へ入学。90年にベルリンで研鑽を積んだ後、97年よりロンドンに居を構え、王立音楽院でクリストファー・エルトンに師事。その間にイタリア、コモ湖国際ピアノアカデミー参加、マレイ・ペライヤ、クロード・フランク、レオン・フライシャー、スティーヴン・ハフ、アレキサンダー・ザッツにも師事する。 06年にヨーロッパ、北欧ツアーのほか、大絶賛されたカナダとアメリカツアーを実現、フリック・コレクション・シリーズでニューヨーク・デビューを果す。2007年アメリカのアスペン音楽祭、フランスのラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ニューヨークのメトロポリタン博物館ピアノ・フォルテ・シリーズでデビューをする。2010年10月、アムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールデビューを果たす。2011年1 月、初来日し埼玉と東京のリ サイタルは絶賛を博す。最近では2019年5月に来日し、日フィルとメトネル、ピアノ協奏曲第2番を共演した。

トラック2の「くるみ割り人形」花のワルツとトラック12の「眠りの森の美女」ワルツは13歳の愛娘のベッラ・スドビン(高音部)と連弾をしている。



音像は前寄り、センターに定位しているが、横方向への広がり感もある。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングして、アンビエンスな音を捉えている。使用ピアノはスタインウェイD

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(984) [サラウンド・サウンド・レビュー]

C.P.E. Bach Sonatas For Keyboard & Violin.jpg
C.P.E. Bach
Sonatas For Keyboard & Violin
CCSSA41523
Rachel Podger (violin)
Kristian Bezuidenhout (Cembalo)
録音 2022年5月
Cannel Classics

C.P.E. バッハ:
・ヴァイオリン・ソナタ ト短調 BWV1020 (伝 C.P.E. バッハのH.542.5)
・ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Wq.78, H.514
・アリオーソ イ長調 Wq.79, H.535
・ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Wq.76, H.512
・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ ニ長調 Wq.71, H.502

レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger,1968年~)はイギリス生まれのヴァイオリニスト。ドイツのルドルフ・シュタイナー・スクールで教育を受け、帰国後ギルドホール音楽演劇学校でミカエラ・コンバーティとデイヴィッド・タケノに師事した。在学中からバロック奏法に興味を惹かれ、バロック音楽を専門とするフロレジウムとパラディアン・アンサンブルという楽団の創設に関与する。その後も、このアンサンブルとコンサート・ツアーやレコーディングに参加し、国際的にも高く評価されている。1997年、トレヴァー・ピノックに招かれ、イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレス兼協奏曲ソリストに就任、ますます多忙な日々となった。2015年に英国王立音楽院(RAM)のバッハ賞を受賞。最近では2018年6月~7月開催の調布国際音楽祭2018に来日し、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番などを演奏した。
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クリスティアン・ベズイデンホウト(Kristian Bezuidenhout,1979年~ )は、南アフリカ生まれのオーストラリアのピアニスト。南アフリカのキングウィリアムズタウンで幼少期を過ごした後、1988年に家族でオーストラリアに移住した。オーストラリアで音楽の勉強を始め、その後アメリカのイーストマン音楽学校(Eastman School of Music)で学んだ。レベッカ・ペニーズにピアノ演奏の手解きを受けた彼は、チェンバロをアーサー・ハース(Arthur Haas)に、そしてフォルテピアノをマルコム・ビルソン(Malcolm Bilson)に師事して初期の鍵盤楽器を探究した。21歳でブルージュの国際古楽コンクールで第1位及び聴衆賞を獲得したことで、国際的に認識された。フライブルク・バロック管弦楽団やコンチェルト・ケルン、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント及びレザール・フロリサン等の客演ピアニストとして共演している。現在は、ロンドン在住。
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ポッジャーの奏でるVnはクリアーな響きをしており、センター前寄りに定位している。チェンバロはセンター奥寄りに定位しているが、横方向への広がり感がある。レベルは大きめで、あたかも目の前で演奏しているように感じる。セント・ジョンズ教会、アッパー・ノーウッド、ロンドン

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(983) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Schubert Symphonies Nos.1 and 4.jpg
Schubert
Symphonies Nos.1 and 4
CHSA5265
Edward Gardner/City of Birmingham Symphony Orchestra
録音 2022年7月
CHANDOS

シューベルト:
交響曲第1番 ニ長調 D.82
交響曲第4番 ハ短調 D.417《悲劇的》
歌劇《フィエラブラス》序曲 Op.76 D.796

エドワード・ガードナー(Edward Gardner,1974年11月~)はイギリスの指揮者。幼少のころは、グロスター大聖堂の聖歌隊員であったとともにピアノ、オルガン、クラリネットをも習得。ケンブリッジ大学キングス・カレッジで合唱指揮の学位を取得。2005年にBBC交響楽団とオールドバラ音楽祭で華やかなデビューを飾って以来、オーケストラから継続的に招待をされており、2008年にはBBCプロ ムスでのデビュー及びバービカン・センターにてサーリ・アホの「アドリアーナ・マーテル」の英国初演を行った。2007年以来イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)の音楽監督を務める。
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バーミンガム市交響楽団( City of Birmingham Symphony Orchestra, 略称:CBSO)は、イギリスのバーミンガムを拠点とするオーケストラ。1920年にバーミンガム市管弦楽団(City of Birmingham Orchestra)として発足。1948年に現在の楽団名に改称された。1980年~1998年にサイモン・ラトルが首席指揮者・音楽監督を務めた。ラトルの後は、フィンランドの指揮者サカリ・オラモが、2008年よりアンドリス・ネルソンスが音楽監督を務め、2023年4月より、山田和樹が首席指揮者に就任した。2023年6月より山田和樹就任記念の来日ツアー公演を行う予定。
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ステレオマイクをメインとした録音で、スポットマイクは多用されていないと思われる。音像は左右、奥行方向にも広く、コンサートホールの中程で聴く音に近い。高域弦の音の伸びはあまり無いが、各楽器間の音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はバーミンガム、タウンホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(982) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Respighi The Birds & Ancient Dances and Airs.jpg
Respighi
The Birds & Ancient Dances and Airs
BIS-2540
John Neschling/Orchestre Philharmonique de Liège
録音 2021年7月
BIS

レスピーギ:
・組曲「鳥」 P.154
・リュートのための古風な舞曲とアリア 第1組曲 P.109
・リュートのための古風な舞曲とアリア 第2組曲 P.138
・リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲 P.172

ジョン・ネシュリング(John Neschling,1947年~)はサンパウロ生まれのブラジルの指揮者。シェーンベルクやボダンツキーの血を引くという人物であり、スワロフスキー、バーンスタインの薫陶を受けたというキャリアの持ち主。1997年以来、サンパウロ交響楽団の音楽監督を務めていたが、2009年に楽団事務局のトップと争い同ポストを解任させられた。2013年1月よりサンパウロ市立劇場(Municipal Theatre of São Paulo)の芸術監督に就いた。
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リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre Philharmonique Royal de Liège)はベルキー、リエージュ王立音楽院付属の国立の管弦楽団。1960年設立でリエージュを本拠地とする。2011年9月より2019年まではクリスチャン・アルミンク(Christian Arming)が、2019年からはゲルゲイ・マダラス(Gergely Madaras)が音楽監督に就いている。
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ジョン・ネシュリング&リエージュ・フィルによるレスピーギの管弦楽作品集の第5弾に続く第6弾。

音像は左右、奥行方向にも広がっており、コンサート・ホールの中程で聴く音に近い。高域弦の音の伸びは良く、各楽器間のバランスも良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はベルギー、リエージュ、Salle Philharmoique

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(981) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Hollywood Soundstage.jpg
Hollywood Soundstage
CHSA5294
Sinfonia of London, John Wilson
録音 2021年9月
CHANDOS

コルンゴルト:《女王エリザベス》 序曲
デイヴィッド・ラクシン:《ローラ殺人事件》 テーマ
ハーバート・ストサート&ハロルド・アーレン:《オズの魔法使い》 組曲
フレデリック・ロウ:《マイ・フェア・レディ》 より 「トランシルヴァニアのマーチ」&「大使館のワルツ」
マックス・スタイナー:《情熱の航路》 組曲
ジョニー・マンデル:《いそしぎ》 メイン・タイトル
フランツ・ワックスマン:《レベッカ》 組曲(世界初録音)
アルフレッド・ニューマン:《百万長者と結婚する方法》 ストリート・シーン

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
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ハリウッド・サウンドステージというタイトルどうりの映画音楽集。
ダイナミックレンジの大きな録音で、残響が多い教会での録音だが、その影響はあまり受けていない。メイン・マイクの他にスポットマイクを多用したと思われ、音響空間は左右、奥行方向にも広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はロンドン、キルバーン、セント・オーガスティン教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(980) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Khachaturian
The Concertante Works for Piano
BIS-2586
Iyad Sughayer (piano)
Andrew Litton/BBC National Orchestra of Wales
録音 2021年10月
BIS

ハチャトゥリアン:
・ピアノ協奏曲変ニ長調
・仮面舞踏会(A. ドルハニャンによるピアノ編)
・ピアノと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ

イヤード・スギャエル(Iyad Sughayer,1993年10月~)ヨルダン系パレスチナ人のピアニスト。ヨルダンの首都アンマン生まれ。チェタム音楽学校(Chetham’s School of Music)、ロイヤル ノーザン カレッジ オブ ミュージック(Royal Northern College of Music)、トリニティ ラバン コンセルバトワール オブ ミュージック アンド ダンス(Trinity Laban Conservatoire of Music and Dance)で学んだ。 2019 年に RNCM でインターナショナル アーティスト ディプロマを取得し、同年にシティ ミュージック ファンデーション アーティストになる。 2021年、ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージックのアソシエイトに就任。ソリストとしては、BBCフィルハーモニー管弦楽団、マンチェスター・カメラータ、欧州連合室内管弦楽団、カイロおよびアンマン交響楽団を含む主要なオーケストラと共演。
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アンドルー・リットン(Andrew Litton, 1959年~ )はアメリカ合衆国の指揮者。1992年よりダラス交響楽団の音楽監督に就任(2006年に任期満了)。シモーネ・ヤングの後を継いで2003年~2008年の間、ノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督兼首席指揮者に就任。2003 年~2017 年まで、ミネソタ管弦楽団のソマーフェスト コンサートの芸術監督を務め、2017年~2018年のシーズンからはコロラド交響楽団の芸術顧問および首席客演指揮者
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BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団(BBC National Orchestra of Wales)は、イギリス・ウェールズの首都カーディフを本拠地とする、英国放送協会(BBC)傘下のオーケストラの一つである。1928年にカーディフ・ステーション管弦楽団(Cardiff Station Orchestra)として設立された。当時は2管編成にも満たない規模だった。1936年にBBCウェールズ管弦楽団(BBC Welsh Orchestra)に改組された。1974年にBBCウェールズ交響楽団に改名、1993年に現在の名称になった。1987年に尾高忠明が首席指揮者に就任後、編成を拡大した。またBBCプロムスに参加、シャンドス、ニンバス、BISレーベルにレコーディングを行う。1996年以降、マーク・ウィッグルスワース、リチャード・ヒコックス、ティエリー・フィッシャー、 トーマス・センデゴーが首席指揮者となり、尾高は桂冠指揮者を務めている。
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ピアノはセンター前寄りに定位しており、音場は左右、奥行方向にも広がっている。高域弦の響きは濁りがちに聴こえた。サラウンドスピーカーからの音には直接音も交じっている。録音場所はBBC Hoddinott Hall,Cadiff,Wales

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch
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SACDサラウンド・レビュー(979) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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L'Arte Del Virtuoso Vol.1
MDG9262277
Caterva Musica
録音   2022年6月
     2022年9月
MDG

ヴィルトゥオーゾの芸術 Vol.1 ソロ・コンチェルト集

ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲(RV441)ハ短調
ニコラ・フィオレンツァ :チェロ協奏曲 ヘ長調
ヨハン・ゴットリープ・グラウン:ヴィオラ協奏曲(Cv:VIII:116) 変ホ長調
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ:ホルン協奏曲(QV 5)嬰ニ長調
ヨハン・メルヒオール・モルター:ティンパニとオーケストラのための交響曲

カテルヴァ・ムジカ(Caterva Musica)はドイツのルール地方の西部に位置するヴェストファーレンで活動する古楽アンサンブル。ルール地方の交響楽団にてフルタイムで演奏しているプロのミュージシャン、またはフリーランスのミュージシャンやソリストとして活動しているプロのミュージシャンで構成される。17 世紀から 18 世紀の音楽を中心に演奏している。
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ヴィヴァルディのリコーダー協奏曲では、リコーダーはセンターの前に、チェンバロは右寄り、高域弦は左、低域弦は右に定位しており、左右方向の音像は広い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はドイツ、Konzerthaus Der Abtei Marienmünster(マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(978) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Vaughan Williams,Howells,Delius & Elgar
Music for Strings
CHSA5291
John Wilson/Sinfonia of London
録音   2021年8月
     2022年1月
CHANDOS

弦楽のための作品集
ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
ハウエルズ:弦楽オーケストラのための協奏曲
ディーリアス:去り行くつばめ
エルガー:序奏とアレグロ Op.47

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
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ヴォーン・ウィリアムズでは低域弦のピチカットの重厚な響きとソロのヴァイオリンのクリアな響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はロンドン、キルバーン、セント・オーガスティン教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(977) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Bachs Königin
Holland Baroque
PTC5186971
録音 2021年9月
PENTATONE

J.S.バッハ(ユディト&ティネケ・ステーンブリンク編曲):
トリオ・ソナタ第5番 BWV529
第1楽章:アレグロ
第2楽章:ラルゴ
第3楽章:アレグロ
・コラール「わが魂は主をたたう」 BWV648
・トリオ・ソナタ第2番 BWV526より
第1楽章:ヴィヴァーチェ
第3楽章:アレグロ
・オルガン協奏曲 BWV592より第1楽章:アレグロ
・協奏曲 BWV974より第2楽章:アダージョ
・オルガン協奏曲 BWV592より第3楽章:プレスト
・コラール「汝のうちに喜びあり」 BWV615
・パッサカリア BWV582
・大フーガ BWV542/2
・コラール「主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ」BWV617

オランダ・バロック(Holland Baroque) は旧名オランダ・バロック協会(Holland Baroque Society)と称していたオランダの古楽アンサンブル。常任の指揮者を置かずプロジェクトごとに古楽界の名手を招いている若手の古楽器奏者たちの精鋭集団。
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教会での録音であるが、残響の影響をほとんど受けていない。特に高域弦の響きには濁りがなく、クリアで伸びの良い音をしている。トリオ・ソナタNo.5の2楽章でのソロのチェンバロはセンターの少し下がった位置に定位している。音像は左右に大きく広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はアムステルダム、デ・ヴァルシェ教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(976) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Saint-Saëns
Violin Works
BIS-2489
Cecilia Zilliacus (violin)
Christian Ihle Hadland (piano)
Stephen Fitzpatrick (harp)
録音  2021年3月(Op.75,Op102)
     2021年8月(Op.124,Op38)
BIS

カミーユ・サン=サーンス:
・ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ短調 Op.75
・ヴァイオリン・ソナタ第2番 変ホ長調 Op.102
・幻想曲 イ長調 Op.124
・子守歌 変ロ長調 Op.38(S. フィッツパトリックによるヴァイオリンとハープ編)

セシリア・シリアクス(Cecilia Zilliacus, 1972年9月~)はスウェーデンの女性ヴァイオリニスト。ストックホルムのKungsholmens GymnasiumとKungliga Musikhogskolanで学んだ。1997年、スウェーデン王立音楽院のコンクール「ソリスト賞」と、ノルウェーのトロンハイムで開催された「北欧ソリスト・ビエンナーレ」で優勝。北欧諸国およびヨーロッパで活動している。ソリストとしては、スウェーデンのほとんどの交響楽団をはじめ、BBCウェールズ、エストニア国立交響楽団、オランダ放送交響楽団、ザグレブ・フィルなど、北欧やヨーロッパの多くのオーケストラと共演している。
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クリスチャン・イーレ・ハドラン(Christian Ihle Hadland,1983年~)は、ノルウェー南西部の都市、スタヴァンゲル出身のピアニスト。11歳でルーガラン音楽院に入学し、その後イジー・フリンカに教わってから、フリンカの弟子、オスロのアンスネスの下で学んだ。ソリストとしてノルウェー国内はもとより、ロンドン響、バイエルン放送響に客演、室内楽奏者としてトルルス・モルク、ラーシュ・アネシュ・トムテル、クレメンス・ハーゲン、クリスチャン・ポルテラ、ルネー・フレミングらと共演を重ねた。
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スティーヴン・フィッツパトリック(Stephen Fitzpatrick)はイギリス生まれのハープ奏者。4歳でピアノを、7歳でハープを始めた。ロンドンの王立音楽大学で両方の楽器を学び、後にロンドンでマリサ・ロブレス、ハーグでエドワード・ウィッセンバーグ、シカゴでサラ・バレンにハープのみを学びました。2010年より、モーツァルテウム大学でハープの教授に任命され、2018年からロンドンの王立音楽大学で定期コースで教えています。
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ヴァイオリン・ソナタでのヴァイオリンはセンター前寄り、ピアノはセンターの下がった位置に定位している。幻想曲と子守歌ではヴァイオリンとハープともにセンターの少し下がった位置に定位している。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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