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SACDサラウンド・レビュー(712) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Rachmaninov Symphony No. 1.jpg
Rachmaninov
Symphony No.1
LSO0784
Valery Gergiev/London Symphony Orchestra
録音 2015年2月
LSO Live

ラフマニノフ:交響曲第1番 ニ短調 Op.13
バラキレフ:交響詩「タマーラ」

交響曲第1番作品13はラフマニノフが最初に完成させた交響曲で1895年8月30日に完成された。2年後の1897年3月15日にペテルブルクでアレクサンドル・グラズノフ指揮ロシア交響楽協会によって初演されたが記録的な大失敗に終わった。この失敗の原因は、一説には初演の指揮を担当したグラズノフの無理解と放漫な演奏によるものといわれ、ラフマニノフ自身それを初演の失敗の原因の一つとしている。この曲が再び注目されることになったのは、作曲者没後の1945年に音楽批評家のアレクサンドル・オッソフスキーによってレニングラードの国立図書館で初演の際のパート譜一式が発見されたのがきっかけだった。それをもとにスコアが復元され、同年10月17日、モスクワ音楽院大ホールにおいて、アレクサンドル・ガウク指揮ソヴィエト国立交響楽団により復活初演され、大成功に終わった。楽譜にはエピグラフとして「新約聖書」の「ローマの信徒への手紙」からの一節が引用されている。4楽章から構成され、演奏時間約42分。

交響詩「タマーラ」(露:Тамара)は、バラキレフが作曲した交響詩で1867年からスケッチが開始されたが、途中で数年間放置された後、1879年に作曲を再開、1882年にようやく完成された。民俗音楽的要素に加え、リストの交響詩のスタイルや、幾つかのライトモティーフを使って作曲されている。演奏時間は約20分から25分。


ヴァレリー・ゲルギエフ(Valery Abisalovich Gergiev, 1953~ )はモスクワでオセット人の両親の家庭に生まれる。その後、北オセチア共和国の首都オルジョニキゼ(現在のウラジカフカス)に移り、オルジョニキゼ音楽学校を卒業後、レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)でイリヤ・ムーシンに師事し、指揮法を学ぶ。同院在学中にカラヤン指揮者コンクール2位、全ソ指揮者コンクール1位の栄誉に輝く。1977年レニングラード音楽院を卒業し、テミルカーノフの助手としてキーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の指揮者となる。1988年、マリインスキー劇場の芸術監督に選出され、同劇場を世界中が注目する一流歌劇場へ発展させた、カリスマ性を備えた現代屈指の指揮者。2007年よりロンドン響首席指揮者。最近では2016年10月にマリインスキー歌劇場管弦楽団と共に来日し、ベルリオーズの劇的交響曲「ロメオとジュリエット」などを公演した。
Valery Gergiev_6.jpg


ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra,略称LSO)は、イギリスのプロのオーケストラのひとつ。ロンドンのオーケストラの中でも中心的存在で、本拠地は、1982年よりロンドンのバービカン・センター。1904年にクィーンズホール管弦楽団のメンバーを中心に、英国初の独立採算、自主運営のオーケストラとして発足。同年6月9日にクィーンズホールにおいて、ハンス・リヒターの指揮で第1回コンサートを開催した。その後、リヒターは首席指揮者に就任し、1911年にエドワード・エルガーにその座を譲るまで楽団の基礎を固める。ロイヤル・フィルとならび、「女王陛下のオーケストラ」としても知られ、名誉総裁にはエリザベス2世が就いている。主な歴代首席指揮者にアンドレ・プレヴィン(1968年~1979年)、 クラウディオ・アバド(1979年~1988年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1987年~1995年)、コリン・デイヴィス(1995年~2006年)。2007年から現在までヴァレリー・ゲルギエフが就いている。
London Symphony Orchestra_8.jpg


ライブでの1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、ホールの1階席のやや後ろよりで聴く音に近い。高域弦の音の伸びはあまり無い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメインでホールの影響か、遅れがちに聴こえる。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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