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金田式電流伝送DCアンプ自作(4) [オーディオ]

パワーIVC本体ケースのパネル穴開け、基板サポート用Lアングルの穴あけなどの加工を行いました。
金田式DCアンプ_IVCパワーアンプ_3.jpg

厚さ3mmのリアパネルのLXRコネクター2か所の穴径20φの穴開けにはてこずりました。ドリルとリーマ、ヤスリを使用しての手作業で、冬時なのに汗だくになりました。
金田式DCアンプ_IVCパワーアンプ_6.jpg

金田式DCアンプ_IVCパワーアンプ_7.jpg


パワーIVC本体ケース部品表
金田式DCアンプ_IVCパワーアンプ_筐体部品表.jpg


底面の配線面側のフレームと天板と底板の取り付けを除いてケースが組み上がったところで、フロントパネル、リアパネルと各基板間の配線、IVCパワーアンプ基板と出力段基板間の配線、保護回路基板とIVCパワーアンプ基板間の配線を行いました。
金田式DCアンプ_IVCパワーアンプ_1.jpg

金田式DCアンプ_IVCパワーアンプ_2.jpg

金田式DCアンプ_IVCパワーアンプ_4.jpg

金田式DCアンプ_IVCパワーアンプ_5.jpg

今後、配線チェックをして、保護回路から順次動作チェック、調整に入り、周波数特性などのデータを測る予定です。

金田式電流伝送DCアンプ自作(3) [オーディオ]

ACアダプタの筐体のパネル及び底板の穴あけ加工と組み立て、パネル部品取り付け、トランスの取付などを行ないました。
金田式DCアンプ_ACアダプタ_1.jpg

電源容量には余裕が有りそうなので、将来もう3台パワーIVCを増設し、4チャンネル・マルチアンプとした場合にも電源を供給可能にする予備用ブッシングも設けました。

フロントパネルとリアパネルの材質はアルミですが板厚が3mmなので6mmφ以上の穴開けには手持ちのドリル歯が無く、リーマで穴を広げる作業に時間を要しました。
金田式DCアンプ_ACアダプタ_4.jpg


フロントパネル、バックパネル、底板の穴開け終了後に筐体の組み立て、パネル部品の取り付け、底板に20mmのスペサーを介し±15V基板、+25V整流基板の取り付け、トランスと基板間、基板とパネル間などの配線を行いました。
金田式DCアンプ_ACアダプタ_2.jpg


その後手持ちのヒューズ2Aをホールダーに入れ、無負荷の状態で電源を投入すると、一瞬でヒューズが切れてしまい、一寸焦りました。考えてみれば、無負荷の状態でも28,000μFものコンデンサーなどがあり、その充電で突入電流が相当に流れるのですね。正式な5Aのものに変えたら、無負荷の状態でありますが、問題なく整流電圧があることを確認しました。
+24V→+27.13V  リップルノイズ 1.96mV P-P
+15V→+17.93V  リップルノイズ 1.84mV P-P
-15V→-17.67V   リップルノイズ  1.88mVP-P
金田式DCアンプ_ACアダプタ_3.jpg

金田式電流伝送DCアンプ自作(2) [オーディオ]

通販などで購入した部品がそろったので、基板の部品実装と回路配線を行いました。

① パワーIVC基板

パワーIVC基板部品表
金田式DCアンプ_パワーIVC基板部品表.jpg

金田式DCアンプ_部品実装_1.jpg

初段の差動アンプは2SK117BLをペアーで使用するため、Idssがそろったものを熱結合することを要求されており、8.4mAのものをネットオークションで購入しました。
定電流回路はNo.228と同じ回路にし、トランジスタの東芝製2SC2240を使用。これもすでにディスコンですが、秋月電子には在庫が有り、単価30円でした。
2段目の差動アンプにはFETでなく、NECのキャンタイプトランジスタ2SA606で、とっくにディスコンになっていますが、若松通商に在庫していました。これもペアーで使用し、熱結合します。
ドライブ段にはNo.228と同じルネサス製2SK214を使用。これもすでに入手性は悪く、ネットオークションで購入。
金田式DCアンプ_部品実装_2.jpg

出力段はNo.222で使用しているローム製SCH2080KEを使用します。これに決めた理由は、同じシリコンカーバイトMOS-FETのSCTMU001は通販での秋月電子、若松通商では同価格の4,980円、SCH2080KEは現在も生産中で秋月電子、若松通商が5,600円、千石電商7,340円で、とても高価。DIGIKEYは3,235円、RSコンポーネンツが2,826円と価格にかなり差が有り、一番安価なRSコンポーネンツから購入しました。
東芝のダイオード1S1588の代替えは秋月電子に在庫していた日立製1S2076にしました。

② 出力段基板
SCH2080KEの実装はNo.222と同じように別基板にしました。
金田式DCアンプ_部品実装_4.jpg


③ 保護回路基板
DC検出部と保護回路制御部を1枚の基板に入れました。今回はバッテーリー駆動しないのでバッテリーチェック回路は省きました。
ルネサスの2SJ217 の代替えは2SJ554を2SK2554の 代替えは2SK2955にし、ツェナーダイオードHZ6C2の代替えは秋月電子に在ったGDZ6.2Bにしました。

保護回路基板部品表
金田式DCアンプ_保護回路基板部品表.jpg

金田式DCアンプ_部品実装_3.jpg



④ACアダプタ

ACアダプタ部品表
金田式DCアンプ_ACアダプタ筐体部品表.jpg


ACアダプタ±15V整流基板
金田式DCアンプ_部品実装_5.jpg
 

ACアダプタ+25V整流基板
金田式DCアンプ_部品実装_6.jpg


基板への実装と導通チェックが終わったので、次はACアダプタのケース加工、組立配線を行おうと思います。

金田式電流伝送DCアンプ自作(1) [オーディオ]

購入した図書や金田式電流伝送DCアンプの作成ブログなどを調べてみて何を作るか検討しました。
ユニバーサル基板にディスクリート部品を実装する方式の金田式DCアンプの作成は、指定部品の半導体のほとんどのものがディスコンになっており、ネットオークションやパーツショップに在庫している高価なものを手に入れるか、別の代替え部品に変える必要があることが判明しました。

DCアンプの初心者としては回路が複雑でなく、製作、調整がしやすく、出力パワーも大きくないもので、MJ 2012年10月、11月に掲載されたNo.222か2013年10月、11月に掲載のNo.228に絞りました。
No.222とNo.228は回路も似ており、出力段にはSiC MOS-FET採用しており、使用部品が共通しているものがほとんどです。
No.222とNo.228とも、ノイズ低減を考慮して、バッテーリーで駆動することを前提として設計されたものですが、今回はACアダプタと称する、外置きの電源ボックスで駆動しようと思います。駆動電圧が低いので出力は大きくありませんが、電源トランスの容量は大きくなく、小型化でき比較的安価で作れそうです。
MJ掲載の金田氏の製作記事には、以前からずっと部品表が掲載されていないのはなぜですかね?

部品の入手性を調べるため部品表を作成しました。

No.222パワーIVC基板部品表(1ch分)
No.222パワーIVC基板部品表.jpg


No.228パワーIVC基板部品表(1ch分)
No.228パワーIVC基板部品表.jpg


両者の主な相違点は定電流回路にNo.222ではFETの2SJ103BL、No.228ではトランジスタの2SC2240を使用し、ドライバー段ではNo.222がトランジスタの2SC959、No.228はFETの2SK214、出力段にはそれぞれシリコンカーバイト製Sic MOS-FETのNo.222が2SK2554またはSCH2080KE、No.228はロームが音楽用に特化し開発したSCTMU001です。

調査した結果、部品の入手しやすさ、価格などを考慮し、代替え部品に変更したり、No.222とNo.228の回路が混ざったもので作成することにしました。

金田式電流伝送DCアンプの自作検討 [オーディオ]

オーディオ関連の自作で次にやることを模索していましたが、「無線と実験」を読んでいて「金田式DCアンプ」の評判が良いので,トライしてみようと資料や情報を集め始めました。

今回購入した図書
①電流伝送方式オーディオDCアンプ プリアンプ&デジタルオーディオ編
電流伝送方式オーディオDCアンプ_プリアンプ&デジタルオーディオ編.jpg

②電流伝送方式オーディオDCアンプ パワーアンプ&DC録音編
電流伝送方式オーディオDCアンプ_パワーアンプ&DC録音編.jpg


金田式電流伝送DCアンプは、2007年まで秋田大学の物理学教室で教鞭をとられていた金田明彦氏が1973年以来、「時空を超えた音楽再現」をめざしDCアンプシリーズを「無線と実験」に連載しつづけています。

以下金田氏のDCアンプ推薦文
「世の中には生の音楽が聞きたくても,なかなか聞けない人が大勢います。その様な人たちの夢を叶えるのが,オーディオであり,DCアンプです。DCアンプは「音楽を再現する」と言うただ一つの目的のために,生まれ,進化して来ました。同じアンプでも利益を第一目的にするメーカー製アンプとは,根本的に音が違うのは,目的が違うからです。」

使用部品についてのこだわり
信号ケーブルや電源コードには情報を正確に伝達する方向があり、導線が作られる過程の熱間圧延などで引き延ばされ結晶の並び方に差が出る、すなわち方向性、異方性が出るとしている。これが音にも影響すると指摘しています。
また、同様に抵抗、コンデンサー等のパーツも方向性を持っているとしており、金田氏設計の回路図にはΔマークでパーツのホット側の向きを示している。

スケルトン抵抗は金田氏が考案した福島双羽電機製造の酸化金属皮膜抵抗器の表面に塗装をしていないもので、秋葉原の若松通商が扱っているようです。0.5Wと2Wが有り、いずれも単価324円と高価です。

巻き線抵抗や酸化金属皮膜抵抗器は巻線や酸化被膜がコイル状になっており、インダクタンス成分があったり, 浮遊容量が大きかったりしてあまり良くないように思いますが、オーディオで扱う周波数では、その影響を受けないのですかね?

オーディオラックの自作(2) [オーディオ]

ウッドポールとM8 連結ボルト、M8 6角ネジは 岡元木材株式会社の楽天サイト
で購入しました。

使用材料
・600×450×24mm ラバーウッド集成材棚板 7枚
オーディオラックの自作_1.jpg


・KP/PPポール用 連結ボルト 4個入り 5組
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・KP/PPポール用 六角ビス (レンチつき) 4個入り 2組
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・丸ポール (PP-250) 実寸:直径35×233mm 8個
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・丸ポール (PP-200) 実寸:直径35×183mm  4個
・丸ポール (PP-150) 実寸:直径35×133mm 12個
・65mm自在キャスター 耐荷重25kg 2個
・65mm固定キャスター 耐荷重25kg 2個
・油性ウレタンニス 透明

キャスターとウレタンニスは近くのホームセンターで調達しました。

最初に最下部棚板の下面と最上部棚板の上面に座グリ加工(穴径18mm、深さ3mm)を計8か所行います。
オーディオラックの自作_5.jpg


棚板はサンダーにてカット面の木口のバリ取り、上面側の面取りを行い、1度目の油性ウレタンニスを塗り、1日おいて400番サンドペーパーにて表面の気泡跡などを平らにした後、2度目のニス塗を行いました。

最下部棚板の上面側に丸ポールを4本立て、下面側からM8六角ビスを六角レンチを使用し固定します。丸ポールの逆側にはM8連結ボルトを15mmほどねじ込んでおきます。
オーディオラックの自作_7.jpg


次に下面側に自在キャスター2個、固定キャスター2個をM5トラスネジにて固定します。
オーディオラックの自作_6.jpg


連結ボルトに次の棚板を差し込み、丸ポールをねじ込み、締め込みます。これを繰り返し最後に最上面の棚板のザグリ加工した上面側からM8六角ビスを六角レンチにて締め付けて完成です。
オーディオラックの自作_8.jpg


オーディオラックの自作_9.jpg


オーディオラックの自作(1) [オーディオ]

オーディオ関連機器が増え、何台もの機器を縦積みに重ねて使っているのが現状で、以前からオーディオラックを導入しようと思っていました。

先日、新宿で飲み会が有り、待ち合わせ時間までに余裕が有ったので、東急ハンズ新宿店の6階にあるDIYコーナーに行ってみました。

板材の売り場を見ていたら、ラバーウッド(パラゴムの木)の集成材でちょうど良さそうのが有り(1820×600×24)、急遽その場でポンチ絵を書き、カットと穴明け加工をお願いしてしまいました。
600×450の棚板にカットすると、板材1枚で4枚分取れます。
オーディオラック棚板板取図.png


板材2枚を使用し、少し背丈が高くなりますが6段のラックを作ろうと思います。在庫が1枚しかなかったので、あと1枚を取り寄せてもらうことにしました。加工を含め10日前後かかるそうです。

棚板同士の接続にはウッド丸ポール(M8鬼目ナット付)を使用し、M8連結ボルトにて連結します。
天板の上面と底板の下面の穴にはM8六角ビスを使用するので、ネジの頭が表面に飛び出さないよう、ザグリ加工をします。
又、底板には耐重量25kg/個のキャスターを4個付ける予定です。

収納機器の重量ですがAVアンプが18.5kg、300Bシングル真空管アンプが16kg、ユニバーサル・プレーヤーが4.9kgや自作機器などを収容すると全部で50kgぐらいはあると思われます。
ケーブルの引き回しを考慮の上、重たいものをなるべく下段に収納させようと思います。

3P×8電源タップの改造 [オーディオ]

サウンドハウスの3P×8電源タップPDS8 Classic Proをオーディオ用に改造しました。
ACタップ改造_1.jpg


電源ケーブルとノイズフィルタ・サージフィルタ基板、電源スイッチ、LEDを取り外し、空いた空間にEMCフィルタを収めました。
ACタップ改造_2.jpg

ACタップ改造_3.jpg

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材料
・3P×8電源タップ       PDS8 Classic Pro  サウンドハウス
・ケーブル           CV-S3芯3.5SQ 3m フジクラ
・医療機器グレード・プラグ WF5018        パナソニック電工
16A用EMCフィルタ     EAC-16-102    コーセル
・M4圧着端子
・熱縮チューブ 
・絶縁テープ     

電源スイッチ、LED、ケーブルブッシュは接着剤で固定されているので、これを取るのに少し手間取りました。

フジクラのCV-S3芯ケーブルですが3.5SQ で0.8/7本撚り3本が銅箔シールドと共に構成されており、仕上がり外形13mmとかなり太めで、芯線が太く硬いため、折り曲げ、結線などの加工に苦労しました。
ACタップ改造_4.jpg


ケースのフレームグランドにはプラグのアース線とEMCノイズフィルタのケースグランドを接続しました。
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EMCノイズフィルタは一般的には100KHz以上の高周波のノイズ逓減に有効で、オーディオ機器に使用しても効果はあまり期待できないと言う意見が有ります。
しかし、我が家のオーディオ再生環境では、パソコンやDACなど、10MHz以上のクロックを内部で発生し、動作させている機器が幾つか在り、EMCノイズフィルタを使用することでEMIノイズに対して有効と考えています。

チャンネルデバイダー Behringer CX3400の改造(2) [オーディオ]

背面用基板 OPA1652AIDRに変更後の実装状況
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背面用基板 部品変更後の±15V電源整流部
3300μ/35Vは高さが高いのでリード線を継ぎ足し、寝かせました
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③ カップリングコンデンサー変更
回路図によりますと、背面パネル用基板と前面操作パネル用基板間のアナログ信号の受け渡しは、バランス差動転送ではなく、カップリングコンデンサー47uF/25V(DECON)を介してのアンバランス転送を行っており、これをオーディオ用電解コンデンサー(ニチコンFGシリーズ)に変えました。
背面パネル用基板 C2,3,9,10,11,12,13,14  計8個
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④ トロイダルトランスの入出力にファインメット・シート巻き付け
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改造後の全体写真
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チャンネルデバイダー Behringer CX3400の改造(1) [オーディオ]

マルチアンプ構成でのステレオ音源再生時に、真空管300Bシングルアンプを中高域とし、デジタルアンプLXA-OT3をサブウーハー用に、LXA-OT1をスーパーツイター用として3WAYで使用すべく、Behringerのアナログ・チャンネルデバイダーCX3400を導入しました。

安価なわりに、性能が良いと思っていたBehringerのチャンデバですが、アナログ、デジタル両タイプともネット上での評判はあまり良くないようです。故障が多い、ノイズ特性が良くないなどと、多くのユーザーが書き込みをしています。

上面パネルを取りはずし、中の作りを見てみました、アナログ信号を扱うにしては雑な作りが目立ちました。
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以下、気になった箇所。
① 前面パネル用基板と背面入出力パネル用基板は紙エポキシ系を使用していると見られ、ガラスエポキシ基板(FR4)を使用していない。

② 基板どうしの接続はフラットケーブル3本で接続しており、アナログ信号、±15V電源、GNDの受け渡しもこのケーブルを使用している。特にアナログ信号はシールドされていないのでEMIなどの外部からのノイズの影響が心配。

③ スルーホール2層基板のようだが、ハンダの上りが悪く、ディスクリート部品は手はんだ付の「ちょんづけ」で、スルーホールの上まで十分ハンダが上がっていない状態であった。また、C8の1000μ/35Vの電解コンデンサーは上部の左右が大きく凹んだものが実装されていた。

そこで、購入後、全チャンネルが問題なく動作することを確認後、以下の改造をかけることにしました。

① 入力、出力回路オペアンプ変更 NJM4580(JRC)→OPA1652AID(TI) 計7個
IC3,4,5,6,7,8,9(基板シルク印刷部品番号、回路図のIC番号とは異なる)
CX3400改造_オペアンプ比較表.png


② 電源回路変更
・整流回路ダイオード変更1N4002→11EQS10(日本インター)ショットキーバリアダイオード計4個
D1,2,3,4
CX3400改造_整流用ダイオード比較表.png


・±15Vレギュレータ用電解コンデンサー変更(中国や香港製を使用しているようです)
 容量を大きくし、国産の低ESRのものに変えました。
10μ/25V(KSD)→47μ/25V(東信工業)  C15,16
1000μ/35V(DECON)→3300μ/35V(東信工業) C1,8
尚、シルク部品番号C8に実装されていたDECON製のものはケースの上部が左右から大きな力が加わったように凹んでいました。(写真参照)

背面基板 NJM4580実装部
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NJM4580取り外し後の背面基板
取り外しは、ICに予備ハンダを多めに付けた後、半田ごて2本を使用し、両サイドを同時に熱し、素早く取ります。
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背面基板 電源整流部
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整流用ダイオード、電解コンデンサー取り外し後の背面基板、電源整流部
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取り外した部品
CX3400改造_6.jpg

真空管プリメインアンプ組み立てキットTRK-300の製作(4) [オーディオ]

周波数特性と矩形波入力時の出力波形、リサージュ波形、残留ノイズ波形を撮ってみました。

・周波数特性 (8.2Ω負荷 1KHz時出力2.86V 1W相当) 
TRK-300KIT周波数特性.png


・入力対出力波形(上 矩形波入力波形1.41VP-P、下 出力波形2.0V/div)

8.2Ω負荷、1W相当出力時
入力1KHz
TRK-300_入力対出力_8Ω負荷_1KHz.jpg

入力10KHz
TRK-300_入力対出力_8Ω負荷_10KHz.jpg

入力20KHz
TRK-300_入力対出力_8Ω負荷_20KHz.jpg

入力50KHz
TRK-300_入力対出力_8Ω負荷_50KHz.jpg


8.2Ω+0.22μF負荷、1W相当出力時
入力1KHz
TRK-300_入力対出力_8Ω+0.22μF負荷_1KHz.jpg

入力10KHz
TRK-300_入力対出力_8Ω+0.22μF負荷_10KHz.jpg

入力20KHz
TRK-300_入力対出力_8Ω+0.22μF負荷_20KHz.jpg

入力50KHz
TRK-300_入力対出力_8Ω+0.22μF負荷_50KHz.jpg


・リサージュ波形(8.2Ω負荷 入力対出力位相差)
100Hz
TRK-300_リサージュ波形_100Hz.jpg

1KHz
TRK-300_リサージュ波形_1KHz .jpg

10KHz
TRK-300_リサージュ波形_10KHz.jpg


・残留ノイズ(入力ショート 8.2Ω負荷 2mV/div)
約3mV、100Hzのハムとわずかな真空管ノイズです
TRK-300_残留ノイズ波形_入力ショート.jpg


真空管プリメインアンプ組み立てキットTRK-300の製作(3) [オーディオ]

入力を接続せず、スピーカーにのみ接続し、電源をONにし、左右それぞれのハムバランストリマーを回してハムノイズが最小になるように設定しました。MJ3月号の記事にあるように、スピーカーに耳を近づけると、わずかですがハムノイズがあります。これは300Bシングルアンプの宿命らしいです。

スピーカーなどでやる、使用する前に通電し、長時間放置しておくエージングは、真空管には必要が無いそうなので、いきなり音だしをしてみました。

以下の3種の300Bで聴き比べました

①Triode 300B(中国 曙光電子,ShuguangのOEM)添付品
曙光電子は韓国LGとPhilipsの翼下にあるようです。
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・一般的な評価
300Bのシングルアンプらしい澄み切った高域と滑らかなボーカルが魅力的です。低音は少し膨む。カソードがフィラメントで形成される300Bなどの直熱三極管は、カソードが金属板で形成される傍熱管に比べ、カソードの物理的な強度が不足するため低域が膨らみやすい。大型の送信管(813/FU13)などは、同じ3極管でもフィラメントの強度が高く、低域の膨らみの少ないものが多い。

・私の評価
通電時、真空管に触れると、内部の電極(特にグリッド)が振動を拾っているらしく、マイクロフォニックノイズを発生するので、大音量再生時の振動対策が必要と思われます。単体で指ではじいても中のパーツが振動してカーンと少し濁った響きをします。低音が少し濁り気味に感じました。

②PSVANE 300B Hifi(中国)
レビユーを見るとまずまずの評価なので、並行輸入品をAMAZONサイトで購入しました。マッチドペアで\19,500と格安でした。PSVANEは2011年に同じ中国の桂光電子(Guiguang Tube Factory)の機械設備、生産のチームの一部を買収することにより真空管の製造を始めた会社のようです。
プレートに300Bとしては初めてのプラチナクラッド処理を施すことにより、実効的なプレート損失の増大化が図られ、これまで以上に硬質で透の通るようなサウンドとなっています。英国製高密度フィラメント材を使用、高真空度を引き出す高価な真空ガスを採用、セラミック白磁ベース、ゴールドピン
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・一般的な評価
低音の押し出しの強さがあり、ボーカルまでかなり綺麗に聞こえる。高域がもう一つ伸びていない感じがする。

・私の評価
こちらも真空管に触れるとわずかですが、マイクロフォニックノイズを発生します。単体で指ではじいても中のパーツが振動してカーンと少し濁った響きをします。プレートの構造はTriode 300Bとかなり類似しています。音はTriode 300Bよりは良いように感じました。

③ELECTRIC HARMONIX 300BEH Gold(ロシア)
通称エレハモと呼ばれているロシアのメーカーで、バイアスの安定化と音響特性向上の為、グリッド線に金メッキ(ゴールド・グリッド)したタイプ。
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・一般的な評価
音の透明感を保ちつつ音が分厚い。中音域から高音域にかけて、伸びやかな素晴らしい音質。

・私の評価
今回評価した3種の中では一番良いように感じました。単体で指ではじくとクリアーな、キーンと高い音がします。中の構造がしっかり作られているものと思われます。ジャズのベース音も押し出しの利いた厚みのある音でした。

まだ通電時間が少なく、聴き込むにつれて音が変わってくると思います。あくまでも新品の球の状態でのレビューです。

真空管プリメインアンプ組み立てキットTRK-300の製作(2) [オーディオ]

TRK-300関連の情報を検索していたら、トライオードから純正グレードアップパーツが販売されていることを知り、手配しました。
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初段増幅基板に使用する抵抗14本と0.1μカップリングコンデンサー2個、12AX7のプレートと300Bのグリッド間に挿入するカップリングコンデンサー0.33μのコンデンサー2個です。抵抗はKOA製の電力形被膜抵抗SPR2Cシリーズの2Wらしいですが、トライオードのHPでは特注品となっていました。単価は100円だそうです。カップリング用コンデンサーは添付の標準品のフィルムコンデンサーより外形がかなり大きく、リードを内側に曲げないとスルーホールには入りませんでした。メーカー名はドイツのMundorfと記載されています。

キットに添付されてきた標準パーツを先に実装してしまうと、部品を基板から外す時、パターンを損傷してしまう恐れがあるので、グレードアップパーツが到着を待って、実装の作業にかかりました。

電源基板
TRK-300の製作_10.jpg

部品実装で早速、小さなトラブルを発生しました。電源基板に電解コンデンサーを実装する際ですが、部品表と回路図ではC3が100μF/400Vになっていますが、基板のシルクマークにはC3の表示が無く、C4になっていたため、添付されてきた部品で初段増幅基板のC4に実装すべき22μF/450Vを実装してしまいました。すぐ気が付き基板を傷めず交換できましたが、組立説明書の最後のページに記載された組立説明書の訂正箇所には含まれていませんでした。

初段増幅基板
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部品番号R109とR209は部品表では1/2Wの82KΩで、添付の抵抗も1/2Wで、パターンのスルーホール間隔もこれに合うピッチですが、グレードアップパーツの82KΩは他の12個と同じ2Wタイプが入っており、これもリードを内側に曲げて実装しました。直接音に関係ない抵抗5個は添付のものを実装しました。

シャーシー内配線
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各線材を指定の長さに切り、予備ハンダをします。電源基板と初段増幅基板の端子ピンには必要な線をあらかじめハンダ付しておきます。

電源基板をシャーシーに取り付け、電源トランス、チョークコイル、出力トランス、初段増幅基板間の配線をします。
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初段増幅基板からはフィラメント、出力トランスからのNFB配線、ボリューム用配線をします。
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そのほかにはシャーシーGND端子への配線、バイアス調整用配線、出力トランスと300B用ソケットプレート間、バイアス調整トリマ基板と300B用ソケットグリッド端子、カップリング用コンデンサー0.33μを初段増幅基板と300B用ソケットグリッド端子間にハンダ付します。
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テスターで導通を確認した後、束線バンドで配線の体裁を整えました。
その後ヒューズを取り付け、バイアス調整トリマは反時計回りに止まる位置まで回しておき、電源プラグを差し込み電源を入れ、インジケーターランプが点灯することを確認後、テスターにて300Bのプレート端子電圧(430V)、300Bのグリッド端子電圧(-73V)、フィラメント端子間電圧(5.5V)が来ていることを確認しました。

裏蓋をし、シャーシーを表にひっくり返し、真空管をソケットに挿入し、左右のそれぞれのバイアス調整トリマを時計の針方向に回しながら、メーターの針がセンターになるように設定しました。

真空管プリメインアンプ組み立てキットTRK-300の製作(1) [オーディオ]

オーディオ関連製作で次にやることを模索していましたが、久しぶりにハンダこてを握りたくなり、真空管アンプを手掛けることにしました。

弟が所有しているビーム管のKT88プッシュプルの音と聞き比べもしたく、真空管アンプの初心者として、製作が容易で性能もまずまずと言う3極管を使用したキットを探しました。

サンオーディオの2A3シングルのSV-2A3とトライオードの300BシングルのTRK-300にしぼりました。
SV-2A3は改造して300Bに変更可能ということでしたが、最終的にMJ2014年3月号で評価の良かったTRK-300に決めました。
バイアス調整用のメーターが有り、各社の球と取り替え、聴きくらべ”球ころがし“ができます。


TRK-300仕様
•回路形式:A級シングル
•使用真空管:300B×2本、12AX7(ECC83)×2本
•基本回路形式:CR型
•定格出力:8W+8W(8Ω)
•周波数特性:10Hz~50kHz(-2、-4dB)
•SN比:88dB
•入力感度:700mV
•入力インピーダンス:100kΩ
•バイアス方式:固定バイアス
•入力端子:RCAアンバランス4系統(LINE1~4)
•出力インピーダンス:4~8Ω
•消費電力:80W
•サイズ:横310×奥行310×高195mm
•重量:16kg
•付属品:真空管カバー、電源ケーブル
•必要工具類 : ハンダこて、ラジオペンチ、ニッパー、ドライバー等

埼玉、越谷にあるトライオードから直送されてきました。
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TRK-300の製作_2.jpg

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TRK-300の製作_4.jpg

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回路の約6~7割がすでに組み上がっており、こちらでの作業は電源基板と初段増幅基板への部品実装と電源トランス、出力トランスと電源基板間の配線、初段増幅基板周りの配線、300Bのソケット周りの配線などです。

ケースをひっくり返し裏蓋を外すと作業する配線面です
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基板実装部品、線材、端子、ヒューズ等
TRK-300の製作_8.jpg

TA-DA5800ES導入によるサラウンド再生環境の評価 [オーディオ]

SONY製AVアンプTA-DA5800ESの音質は以前使用していたパイオニア製VSA-919AHよりかなり良くなっています。音の粒立ち感、クリア度が増し、何よりも音の濁り感が全くないことです。

残念な点はイコライザー機能が低域部、高域部のみの設定しかできないこと。マニュアルでの位相調整がサブウーハーにしかできないことです。又、PCオーディオとしてUSB-DAC機能を使用した場合、2チャンネルにしか対応していません。

今回の導入で同じ音源でのサラウンド再生は6系統を聴き比べできるようになりました。


現在のサラウンド再生環境ブロック図
現在のサラウンド再生環境ブロック図.jpg


各サラウンド再生の音質評価表
各サラウンド再生の音質評価表.jpg


OPPO BDP-103DJPのアナログ・オーディオ出力経由で再生した場合は、SONY TA-DA5800ESから直接再生した場合に比べ、音のクリアさや高域の伸び、低域の張出し感が劣るように感じました。内蔵DACの性能がSONY TA-DA5800ESのものより劣っていると思われます。また、BDP-103DJPからHDMI経由で再生した場合は、AVアンプ内でDSPを経由するため、音は良いですが、かなり加工されているようです。

SONY製AVアンプTA-DA5800ESの導入 [オーディオ]

我が家のサラウンド再生環境にパイオニア製AVアンプVSA919-AHを導入したのが2010年で5年を経過しました。最近はハイレゾのDSDファイルを直接再生できるAVアンプが世の中の主流になっており、当方も購入しました。
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DSDファイルの再生は、今まで主に、PCからオーディオインターフェースFireface UC経由、及び、OPPO製BDプレーヤBDP-103JDP経由でアナログマルチチャンネル出力をAVアンプで再生していました。

TA-DA5800ESはStereoSound社HIVI誌のベストバイAVセンター部門2012年冬、2013年冬、2014年夏の連続1位及び、VGP2013のAVアンプ部門の金賞を得ており、評判のいい機種です。元SONYに勤務されていた金井隆氏(ハンドルネーム「かないまる」)などが開発し、いろいろな音質の向上つながる対策が取られています。

2012年11月発売から2年半がたっており、そろそろ製造中止になりそうだと言うことで価格もだいぶ下がっており、ファームウエアを最新のものにすると、USBポートを経由し、マルチチャンネル2.6MHzDSD音源を直接再生できる、と言うことで購入に至りました。また、PCにASIOドライバーをインストールすることで2chですがUSB-DACとしても使用できます。

まだエージングの途中で、あまり聴き込んでいませんが、以前使用していたAVアンプよりはだいぶ良さそうです。今後じっくり従来のマルチチャンネル再生システムとの音質の比較をしてみたいと思います。

ファインメット・シートによるAC電源対策
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ファインメット・シートによるACトランスEMC対策
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ファインメット・ビーズによるDC電源ノイズ対策
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Alpair6M用バスレフ・エンクロージャーの自作 [オーディオ]

FE103-sol用ダブルバスレフ・エンクロージャーを自作した3×6板の余材でバスレフ・エンクロージャーを作ってみました。
使用ユニットは口径8cmのMarkAudio Alpair6Mです。Alpair6MはMJの3月,4月号に小澤隆久氏がAlpair6Mと6Pの比較した製作記事とその評価が掲載されており、低域の伸びが有り、ニアフィールドで長時間音楽を聴くのに向いている、狭い部屋向けのAlpair6Mにしました。

使用目的は現在、書斎のPCオーディオ環境でBGMとして聴くために使用している小型バスレフ・エンクロージャーの代替えです。これはStero誌2010年7月号に付録していたFOSTEX製6.5cmユニット・キットP650を使用した、Stero社主催自作スピーカーコンテストの作品展示会・表彰式を見学に行った際に抽選で当たった小型エンクロージャーキットを組み立てたものです。

余材で作ったため容積は大きくとれず、4.4リットルでfdは60Hzに設定しました。

・ユニット仕様
a=3.4cm
f₀=63Hz
m₀=2.57
Q₀=0.38

・エンクロージャー仕様
外形  200(W)×170(D)×220(H)
容量  4.4リットル
材質 シナ合板 15mm
ダクト内径  3.1cm
ダクト長  12cm
Fd   60Hz

SPEDでのシミュレーション結果は
バスレフ_Alpair 6M_SPED_1.pngバスレフ_Alpair 6M_SPED_3.png
バスレフ_Alpair 6M_SPED_2.png

バスレフ_Alpair 6M_SPED_4.png


AlPair 6Mバスレフ_3.jpgAlPair 6Mバスレフ_1.jpg

周波数特性ですが低域ではディップやピークはほとんどなく平坦ですが、1KHz付近でディップとピークが発生しています。内部に補強も施しているのですが、定在波が吸音材では取りきれていないようです。

軸上0.3m ピンクノイズF特                 ダクト軸上0.1m ピンクノイズF特
Alpair 6M-PinkNoise_03m-PinkNoise.jpgAlpair 6M-PinkNoise_duct 0.1m-PinkNoise.jpg

Linnが放送するインターネット・ラジオの音質について [オーディオ]

先日、弟から「Linnがインターネット・ラジオを介して無料のストリーミング音楽音源を配信しており、音質も良い」と言う情報を得たので早速、聴いてみました。

Linnは英国スコットランドのグラスコーにある音響機器メーカーで、この放送はリン・プロダクトが運営するネットラジオ局が傘下のリン・レコードの宣伝を兼ねて配信している。クラシックの曲はリン・レコードが発売しているメディアの音源に限られるが、古楽からロマン派まで幅広い。
それらをMP3の320Kbpsのビットレートで配信している。

聴いた感想ですが、音質も、解像度もまあまあで、低音域もしっかり出ていました。
聴いたのは狭い書斎でのPCオーディオ環境ですが、インターネット・サーフィンをしながら聴くBGMとして使えそうです。

URLをクリックすると下の画面が表示されるので「ファイルを開く」をクリック
Explorer画面.png


再生ソフトはVLCメディアプレーヤを使用
再生中は上部に曲名も表示される
Linn Internet Radio再生 by VLCメディアプレーヤ.png


USB-DACはMonitor03USを使用。
再生モニタMU-Panel画面 WAVE,384kHZでアップサンプリング再生している。
Linn Internet Radio再生 by MUSILAND.png


URLはジャンル別に分かれている
・クラシック
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnclassical/playlist.pls
・ジャズ
http://radio.linnrecords.com/cast/tunein.php/linnjazz/playlist.pls

FOSTEX製FE103-solを使用したスピーカーボックスの自作(7) [オーディオ]

吸音材の量の調整と第2ダクトの長さを決めるチューニングが終わったので、未接着だった片方の側板を接着しました。
油性ウレタン透明ニスを2度塗り、乾燥後#400の紙やすりで表面を整え、3回目のニス塗を実施しました。その後、#1000と#1500の水研ぎ紙にて表面研磨をしました。
FE103-sol_20.jpgFE103-sol_21.jpg

エージングの途中ですが再度周波数特性を計測しました。1.8KHz付近に出ていた大きなディップはだいぶ少なくなっており、片方の側板が完全に圧着されていないことによる定在波の発生でした。高域特性もわずかに改善されました。

今回はピンクノイズと、サインスイープによる波形を取ってみました。
right 軸上30cmピンクノイズ               right 軸上30cmサインスイープ
FE103-sol-Right_PinkNoise_1.jpgFE103-sol-Right_SinSweep_2.jpg

Left 軸上30cmピンクノイズ               Left 軸上30cmサインスイープ
FE103-sol-Left_PinkNoise_3.jpgFE103-sol-Left_SinSweep_4.jpg

Left 第2ダクト軸上10cmのサインスイープ特性
FE103-sol-Left_SinSweep_Port2_5.jpg

FOSTEX製FE103-solを使用したスピーカーボックスの自作(6) [オーディオ]

ボックス内部にウレタンニスを塗り、片方の側板は接着しない状態にて、測定ソフトMySpeakerを使用して再生周波数特性を取ってみました。

第2ダクトの長さは180mmと160mmの2種、吸音材(ガラスウール)を第1空気室のみの場合と第2空気室にも入れた場合の2種との組み合わせの計4種です。

第2ダクト長180mm、吸音材は第1空気室のみ    第2ダクト長180mm、吸音材を第2空気室にも追加
FE103-sol_DoubleBackload_吸音材量中_p2_180mm-WhiteNoise.jpgFE103-sol_DoubleBackload_吸音材量大_p2_180mm-WhiteNoise.jpg

第2ダクト長160mm、吸音材は第1空気室のみ    第2ダクト長160mm、吸音材を第2空気室にも追加
FE103-sol_DoubleBackload_吸音材量中_p2_160mm-WhiteNoise.jpgFE103-sol_DoubleBackload_吸音材量大_p2_160mm-WhiteNoise.jpg

測定結果ですが、シミュレーションとほぼ同じように50Hz付近から音は出ており、低域での大きなディップやピークはなさそうです。
1.8KHz付近に大きなディップが出ていますが、ボックス内部で発生する定在波の影響だと思います。

吸音材を第2空気室にも入れると50Hz付近の低域特性が2dBほど下がるので、入れるのはやめようと思います。第2ダクトの長さは160mmの方がわずかに50Hz付近の特性が持ち上がりますが、低域のばらつきが少ない180mmに決めたいと思います。

吸音材は第1空気室のみ

FE103-sol_18.jpg


吸音材を第2空気室にも入れた場合

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FOSTEX製FE103-solを使用したスピーカーボックスの自作(5) [オーディオ]

バッフルのスピカー用穴のテーパー加工
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塩ビ管VU65(呼び径65mm,外形76mm,近似内径71mm)をカットしました
FE103-sol_14.jpg

バスレフポート1 設計長49mm 塩ビ管カット34mm
バスレフポート2 設計長181mm 塩ビ管カット166mm

塩ビ管の板への接着はセメダインPM165R(木材、硬質プラスチック、コンクリート用)を使用しました。
FE103-sol_13.jpg


とりあえず、音だしをしてみました。
FE103-sol_17.jpg


低域が思ったようには出ていないようですが、女声ボーカルは濁りのないとてもクリアーな音でした。
吸音材の調整、バスレフポート長の調整でチューニングして特性のベストの状態を確認後に側板を接着し、ニス塗作業に移ります。
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FOSTEX製FE103-solを使用したスピーカーボックスの自作(4) [オーディオ]

木口のサンダーによる平面化を行い、木工用ボンドとハタガネを使用し、組み立て始めました。
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FE103-sol_9.jpg

FE103-sol_12.jpg

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前回作ったD-55の組み立てには相当時間がかかりましたが、今回は簡単で、短時間で組み立てできました。

側面板の片方は初期のチューニングが終わるまでは接着しません。
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2枚のバッフルを接着後、ヤスリでスピーカー用の穴は内側に広がるように、バスレフポート用の穴は外側に広がるようにそれぞれテーパーをかけて整えます。

第2ダクトは完全固定せず、何種類かの長さを試聴比較して決定しようと思います。

塗装は透明ウレタンニス(油性)を2度塗り後、#400のサンドペーパーで研磨し、もう一度ニス塗り後、仕上げは水研ぎサンドペーパーの#1500で鏡面仕上げにしようと思います。

FOSTEX製FE103-solを使用したスピーカーボックスの自作(3) [オーディオ]

その後図面を変更し、バッフルの45°テーパー加工部の追加と3×6板の余材をぎりぎりまで使うように変更追加し、小型バスレフ用にも取れるようにしました。
FE103-sol_ダブルバスレフ板取り図改.png


小型バスレフ用には底板の2枚だけは取れず、そのうちに近くのホームセンターで、MDFなどの板材を買ってきて、自分でカットしてみようと思います。

板のカットは新宿の東急ハンズに頼むことにし、事前に電話で3×6板15mm厚のシナ合板の在庫があることを確認し、先週に図面を持参し、カットの依頼をしてきました。カットには3日程かかり、昨日に送付されてきました。
FE103-sol_4.jpg

FE103-sol_5.jpg

FE103-sol_6.jpg

加工精度は±1mmですが、出来栄えは結構良かったです。木口もあまりざらつきはありませんでした。サンダーで木端を平にする程度で良さそうです。

FOSTEX製FE103-solを使用したスピーカーボックスの自作(2) [オーディオ]

先月のうちにFostexから直送されてきていたのですが、設計が滞っていて、やっと板取図と構造図を描いてみました。
FE103-sol_3.jpg
FE103-sol_1.jpg
FE103-sol_2.jpg

前の設計案でスタガード・デュアル・バックロードホーンも検討していましたが、結局ダブルバスレフにすることにしました。

当初からの変更は、バッフルを2枚重ねにし、補強することにより、奥行きが250mmから265mmになることと、バスレフダクトを円筒にしたことです。

                      構造図
FE103-sol_ダブルバスレフ構造図.png

                      板取図
FE103-sol_ダブルバスレフ板取り図.png


ダクトは塩ビ管VU65を使用しようと思います。
板のカットをどこに頼もうか思案中です。

マルチチャンネル対応USB-DACについて [オーディオ]

2chのDSDネイティブが再生できるUSB-DACはいろいろと発売されていますが、マルチチャンネルに対応し、DSDフォーマット(ISOファイル、DSDIFF、DSFなど)のデータが再生できるUSB-DACは、Webなどを調べてもあまり発売されていないようです。

一般のAVアンプ内などで行われているような、PCMに変換されることがなく、DSDネイティブが再生でき、筐体に入った物はカナダのexaSound Audio Design社のe28 DACが唯一のようです。

マルチチャンネルファンとしては安価なマルチチャンネルDSDネイティブが再生できるUSB-DACの早期発売を望むばかりです。

ちなみにマルチチャンネル(5.1ch)のDSDフォーマットのデータを転送するのに必要なスピードは
DSD64= 16.8 Mbits/s, DSD128= 33.6 Mbits/s, DSD256= 67.2Mbits/sだそうです。

GoogleでMultichannel USB-DACで検索してみると、以下のサイトが見つかりました。

英国 XMOS社開発キット XK-USB-AUDIO-U16-MC-AB DIGI-KEY ¥45,662
これは8chまで再生できますが最高PCM192KHz/32bitにしか対応していないようです。

スイス RigiSystems社開発キットUSBPAL $400USD  
スペックは
384KHz (DxD) and 64x (2.8MHz) and 128x DSD (5.6MHz)
とDSDに対応しているようだが、nativeという言葉は見当たらない。

香港 MiniDSP multichannel USB audio interface  USBStreamer $105
USBStreamer is a native 24/192kHz multi-channel USB audio to Toslink/I2S/ADAT interface
とnativeと言う言葉があるがDSDという単語はみつからない。

ロシアのEssence社の EvolveというHDMI入力の製品$249.95
LPCM 24bit/96-192KHzに対応

米国 Mytek Digital 8x192 AD/DAC $3,895
8chのDSD対応AD/DAコンバータです。



筐体に収められた唯一の製品は
カナダ exaSound Audio Design社e28 DAC $3,299
DAC capable of achieving DSD playback at native sampling rates up to 11.2896 / 12.288 MHz (DSD256)
と、あるがネイティブでのマルチチャンネル再生ができるとは書いていないようだ。

exaSound Audio Design社e28 DACのレビュー記事は以下です。
http://www.computeraudiophile.com/content/539-exasound-e28-multichannel-usb-dac-review/

http://positive-feedback.com/Issue73/exasound_e28.htm

DSD対応DAC、Playerのデーターベースはこちら




サラウンド再生環境の現状 [オーディオ]

以前に示した我が家のサラウンド環境から現状はだいぶ変わりましたので、構成図を書いてみました。

サラウンド環境改構成図.jpg


大きく変わったのはPCオーディオの導入に伴い、オーディオインターフェースFireface UCを購入し(2012年年末)、外付けUSBハードディスクに記憶させたマルチチャンネルのISOイメージファイルやDSF、DIFFなどのDSD音源をプレーヤーソフトfoobar2000を使用し、PCで再生できるようにしたこと。

PCで再生と同時にSACDプレーヤーにても再生し、6回路2接点切替器にて切り替えながら、音の違いを比較できるようにしたこと。

その後、サブウーハーの鳴らない4.0chや5.0chの音源再生での低域再生強化をしたかったので、20cmフルレンジスピーカーFE208EΣを使用したバックロードホーンD-55改の自作をしたこと。

Sony製SACDプレーヤー(SCD-X501)の5.1chアナログ出力からSACDとCDを聴いていたのをやめ、OPPO製ユニバーサルプレーヤーBDP-103DJPを新たに導入。マルチチャンネル音源をRCAケーブル経由のアナログでの再生(BDP-103DJPをDACとして使用)する場合と、HDMIケーブルを介してデジタルで画像と音声をAVアンプに転送し、内蔵のDACで再生した場合の音の違いの比較ができるようにしました。

BDP-103DJPはファンレスの静音設計で、USBポートに外付けハードディスクやUSBメモリを接続し、マルチチャンネル2.8MHzのDSD音源(DSF,DSDIFF)や画像付音楽データ(AAC)をPCを介さないで再生できるので、気にいっています。


FOSTEX製FE103-solを使用したスピーカーボックスの自作(1) [オーディオ]

FOSTEX製10cmフルレンジユニット「FE103」販売50周年を記念して限定生産され、2014年4月に発売されたFE103-solが今年に限定再生産されると知って手配しました。

「太陽のようないつも身近にある」、そんな愛着を持つことを願い、"FE103-Sol"と命名されたそうです。
主な仕様は
形式 10cmコーン形フルレンジユニット
インピーダンス FE103-Sol(8):8Ω
          FE103-Sol(16):16Ω
最低共振周波数 FE103-Sol(8):85Hz
            FE103-Sol(16):88Hz
再生周波数帯域 f0~40kHz
出力音圧レベル 90dB/1w(m)
入力(MUS.)  15W(NOM.5W)
m0         FE103-Sol(8):2.5g
           FE103-Sol(16):2.4g
Q0         FE103-Sol(8):0.44
           FE103-Sol(16):0.54
実効振動半径   4.0cm
マグネット質量  226g
総質量   0.65kg
バッフル開口寸法 φ93

詳細は以下参照ください
http://www.fostex.jp/products/fe103-sol/

バスレフ、バックロードどちらにも適合した8Ωタイプを選んだのですが、2月末ごろの到着予定日までに決め、詳細設計したいと思います。用途はサラウンド・バック用スピーカーとしてです。

設計候補①ダブルバスレフ
一般的なダブルバスレスポートの計算式は以下が使われているようです。

Fd1=160√(S1/Vc1(L1+r1)) [Hz]
Fd2=160√(S2/(Vc1+Vc2) x (L2+r2)) [Hz]

Fd1,Fd2=第1ダクト、第2ダクトの共振周波数(Hz)
S1,S2=第1ダクト、第2ダクトの面積(cm²)
L1,L2=第1ダクト、第2ダクトの長さ(cm)
r1,r2=第1ダクト、第2ダクトの半径、または半径換算値(cm)
Vc1,Vc2=第1空気室、第2空気室の実効内容積(リットル)
設計に注意する点は
・第1ダクトの共振周波数は第2ダクト共振周波数の2~3倍
・第2ダクトの共振周波数はスピーカーユニットの最低再生周波数の0.7~1倍

ダブルバスレフ機械系等価回路は
ダブルバスレフ機械系等価回路.png


●設計案
サイズ:W200xH450xD250mm
板厚:15mm
SPEDというスピーカー設計ソフトでのシミュレーション結果
ダブルバスレフ_FE103-sol_SPED_1.pngダブルバスレフ_FE103-sol_SPED_3.png
ダブルバスレフ_FE103-sol_SPED_2.png

ダブルバスレフ_FE103-sol_SPED_4.png


候補②スタガード・デュアル・バックロードホーン
2種類の音道を備えたバックロードホーンです

●設計案
サイズ:W180xH900xD350mm
空気室容積:***リットル
スロート:***c㎡x2
開口(ショートホーン):***c㎡
開口(ロングホーン):***c㎡
ホーン長(ショート):***cm
ホーン長(ロング):***cm
板厚:15mm 

物が来るまで時間が有るので、じっくり検討してから製作にかかろうと思います。

LXA-OT3オペアンプ音質評価 [オーディオ]

トロイダルトランスを使ったドロッパー電源で駆動するデジタルアンプLXA-OT3のオペアンプを交換し、音質の違いを評価してみました。

下記の表のようにスペック的には、ナショナルセミコンダクタ製のLME49860NAが抜きん出ています。雑誌の記事やWebなどを見てみますと、新日本無線(JRC)のMUSES02の評価が良いようですが、今回は予算の都合もあり、MUSES01とMUSES02はスペックのみの比較となりました。

オーディオ用オペアンプ音質比較表.jpg

THD=全高調波歪率(f=1KHz) VOS=入力オフセット電圧 SR=スルーレート

JRC製のMUSES8820DとMUSES02をデーターシートで比較してみると、電気的な仕様は全く同じで、チャンネル・セパレーションだけが異なるので、中のチップは同じものを使用しているようです。価格に3,000円の差があるのは、リードフレームに無酸素銅を使用していることや、パッケージングなどの後工程の差だと思われます。

MUSES02チャンネルセパレーション                   MUSES8820チャンネルセパレーション
MUSES02_チャンネルセパレーション.jpgMUSES8820_チャンネルセパレーション.jpg

新日本無線のMUSES02の紹介記事で特長が書かれています。
評価結果は、あくまでも個人的な感想ですが、スペックのノイズ特性や歪の少ないものが良いかというと、そうでもなく、原音を忠実に再生すると言う面ではFET入力の方が優れているように感じ、クラシックはバイポーラ入力型、女性ボーカルはFET入力型が良いと思いました。FETは入力インピーダンスが高いので、前段の出力側との関係で音が変わるのですかね?

トロイダルトランスを使用したオーディオ用電源ボックスの自作(3) [オーディオ]

弟からシンクロスコープを借りて、購入時付属していたスイッチング方式のACアダプタとのノイズ波形の比較をしてみました。

Fireface UCに付属していたACアダプタは無負荷時でも以下の写真のように周期約1000Hzのリップルノイズに重畳した22.85mV(P-P)ものスパイクノイズが乗っていました。
Fireface付属ACアダプタノイズ_1.jpg

Fireface付属ACアダプタノイズ_2.jpg

・Firface UC用電源+12V波形
①無負荷時波形
電圧レンジを最小にしても計測ギリギリの約0.23mVです。
+12V_無負荷.jpg

②Firface UCに供給して音源再生中の波形
6.7mV(P-P)周期1.925μS(519KHz)のリップルノイズ
+12V_再生中.jpg

供給しているケーブルのFirface UC側にファインメット・ビーズを入れているので、実際の高周波ノイズはもっと逓減されていると思います。


・LXA-OT3用電源+14V波形
①無負荷時波形
ノイズ波形としては計測ギリギリの約0.34mVまで落ちています。
+14V_無負荷時.jpg

②LXA-OT3に電源供給時(音源再生せず)
LXA-OT3からと思われる5.28mV(P-P)、周期3.24μS(308KHz)のリップルが乗っています。
+14V_負荷時.jpg

③LXA-OT3に電源供給時(音源再生時)
音源を再生していない時とほぼ同じ5.48mV(P-P)、周期3.24μS(308KHz)のリップルが乗っています。
+14V_再生時.jpg

トロイダルトランスを使用したオーディオ用電源ボックスの自作(2) [オーディオ]

タカチのケースの穴あけ加工はドリルとヤスリのみで加工しました。アルミの薄い板なので、時間はそうはかかりませんでした。
その後ハーネス関連部品を取り付けてみました。
電源ボックス自作_6.JPG

電源ボックス自作_7.JPG


ケースのサイズは小さめの物を選択したので、Raspberry Pi基板の収納はあきらめました。

インレット、パワースイッチ、フューズ、基板間などの配線を終え、無負荷の状態で各出力が出ていることを確かめました。
その後負荷を接続し、電圧をチェックしました。
電源ボックス自作_8.JPG

電源ボックス自作_9.JPG


DC14V出力はLXA-OT3用の電源スイッチ(ボリュームと兼用)を投入しても電圧の変動はありませんでしたが、Fireface用のDC 12VはFirefaceに供給するとキャパオーバーになったと思われ、電圧が10Vぐらいに下がり、LM217も熱くなっていました。LM217のスッペックを見直したのですが1.5Aの電流出力能力はジャンクション熱抵抗を放熱フィンなどで下げた状態で、VI – VOが3V以上有るなら1.5Aは出るはずです。VIは計算値だと15.56Vなので、VI – VO は3.56VあるのでFireface用の12V出力は出ると思われます。逆にDC14Vが出ているのが不思議です。放熱用ヒートシンクを使うか、レギュレーターをワンランク上のLM350Tに変えてみようかな?
電源ボックス自作_11.JPG

電源ボックス自作_10.JPG

付属のスイッチングレギュレータタイプのACアダプタとの音の違いやノイズ比較は弟からシンクロスコープを借りたりしてじっくり評価し、ノイズ逓減の微調整もしてみようと思っています。


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