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SACDサラウンド・レビュー(973) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Ma Cantablie
Selected Scarlatti Harpsichord Sonatas
MDG9212252
Tatjana Vorobjova (harpsichord)
録音 2021年8月
MDG

ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ選集
・ソナタ ニ短調K.77
・ソナタ ニ短調K.9
・ソナタ ニ長調K.490
・ソナタ ロ短調K.87
・ソナタ ヘ短調K.462
・ソナタ 変ホ長調K.193
・ソナタ ハ長調K.308
・ソナタ ヘ短調K.69
・ソナタ ハ長調K.132
・ソナタ イ短調K.451
・ソナタ イ長調K.208
・ソナタ イ長調K.24
・ソナタ ト長調K.144
・ソナタ ト短調K.8
・ソナタ ト長調K.260
・ソナタ 変ロ長調K.544
・ソナタ ニ短調K.18
・ソナタ ニ短調K.32

タチアナ・ヴォロビヨワ(Tatjana Vorobjova) はラトビア、リガ生まれのハープシコード奏者。最初にピアノを習っていたが、 古楽とハープシコードの演奏に興味を持ち、オスロとケルンではケティル ハウグサンド(Ketil Haugsand)に、ブリュッセル王立音楽院のヘルマン シュティンダース(Hermann Stinders)に師事した。 ロバート・ヒル、ボブ・ヴァン・アスペレン、フレデリック・ハース、ジェスパー・クリステンセンのマスタークラスからさらにインスピレーションを得る。彼女は、ケルンでフリーランスのハープシコード奏者として活躍している。 コンサートでは、ケルン フィルハーモニー、コンツェルトハウス ベルリン、そしてドイツ、ベルギー、イギリス、フランス、イタリア、スイス、ラトビアの多くのコンサート ホールで演奏。 通奏低音奏者として、室内オーケストラのシンフォニエッタ ケルン(Sinfonietta Köln)、ノイエス・ライン室内管弦楽団(Neues Rheinisches Kammerorchester)、バロック オーケストラのコンソーシアム・ムジカ・サクラ・ケルン(Consortium Musica Sacra Köln)と定期的に共演している。
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弦をはじくハープシコードの中低位弦の音はオンマイクでの録音のためなのか、教会の残響の影響なのか、少し濁りがちに聴こえる。録音レベルは大きめで、音場はセンターに集中することなく横方向に拡がっている。サラウウドスピーカーからの音にはアンビエンスな音も含んでいる。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(972) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Haydn
Sonatas
MDG94022576
Christian Zacharias (piano)
録音 2021年6月
MDG

ハイドン:
・ピアノ・ソナタ第36番ハ長調 Hob.XVI:21
・ピアノ・ソナタ第32番ト短調 Hob.XVI:44
・ピアノ・ソナタ第52番ト長調 Hob.XVI:39
・ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Hob.XVI:46

クリスティアン・ツァハリアス(Christian Zacharias,1950年4月~)はインドの東部ジャムシェッドプール生まれのドイツ人ピアニスト、指揮者。1961年から69年までカールスルーエ音楽院で亡命ロシア人ピアニストのイレーネ・スラヴィンに学んだのち、1970年から1973年までパリで名匠ヴラド・ペルルミュテールに師事。1969年ジュネーヴ国際音楽コンクール2位受賞、1973年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール2位受賞ののち、1975年パリ・ラヴェル・コンクールで優勝、以後、国際的な活動を展開し、1979年にはEMIと専属契約を結び、数多くのレコーディングをおこなった。その後、弾き振り中心に指揮者としての活動をスタート、1992年にスイス・ロマンド管弦楽団を指揮してデビュー後は各地のオーケストラと共演を重ね、2000年からはローザンヌ室内管弦楽団の首席指揮者を務める一方、2002年、エーテボリ交響楽団の首席客演指揮者も務め、現在ではオペラも指揮するなど活動の幅を広げている。
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ピアノの中、高域弦はクリアでナチュラルな響きを伴っており、あたかも目の前で演奏しているように感じる。サラウンドスピーカーからの音はマイクを少し離して教会のアンビエンスな音を捉えている。使用ピアノはスタインウェイ・コンサート・グランド・ピアノD,1901「Manfred Burki」。録音場所はマリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(971) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Johann Wilhelm Wilms
The Piano Concertos, Vol.2
BIS-2524
Ronald Brautigam (fortepiano)
Michael Alexander Willens/Kölner Akademie
録音 2021年8月
BIS

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス:ピアノ協奏曲集2
・ピアノ協奏曲 ヘ長調 Op.32
・ピアノ協奏曲 変ホ長調 Op.55

ロナルド・ブラウティハム(Ronald Brautigam,1954年10月~)はブラウティガムと呼ばれることもある。オランダの主要なピアノ演奏家の一人。最初はモダンピアノの奏者としてキャリアをスタートしたが、今ではフォルテピアノの演奏家として地位を確立している。アムステルダムに生まれ、スウェーリンク音楽院でヤン・ウィーンに師事。その後、ルドルフ ・ ゼルキンについてアムステルダム、ロンドン、アメリカ合衆国で学んだ。1984 年にオランダの権威ある音楽賞のNederlandse Muziekprijsを受賞した。リッカルド・シャイー、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンク、フランス・ブリュッヘン、フィリップ・ヘレヴェッヘ、クリストファー・ホグウッド、アンドルー・パロット、ブルーノ・ワイルなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのオーケストラと定期的に共演している。最近では2017年2月に来日し、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ・ ソナタの公演を行った。
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ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。
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ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にブラウティハム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
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同じ演奏者の組み合わせによるヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムスのピアノ協奏曲集 1に続く第2集
フォルテピアノはセンター奥寄りに定位している。もともとモダンピアノに比べ音量の少ないので、ミキシングによってもう少し音量を上げてもいいようにも思うが、コンサートの客席で聴いている音だとすると、調度いいのかもしれない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。使用ピアノはPaul McNulty ,1819 Conrad Graf model


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(970) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Francis Poulenc
Orchestral Works
CHSA5260
Bramwell Tovey/BBC Concert Orchestra
録音 2022年3月
Chandos

プーランク:
・シンフォニエッタ FP 141
・1幕の合作バレエ『エッフェル塔の花嫁花婿』より FP 23
 トルヴィールで水浴する女
 将軍の演説
・バレエ音楽「ジャンヌの扇」 パストゥレル(羊飼いの少女) FP 45
・組曲「模範的な動物たち」 FP 111

ブラムウェル・トヴェイ(Bramwell Tovey ,1953年7月~)イギリス生まれのピアニスト、作曲家、指揮者。最初にチューバを王立音楽大学(Royal Academy of Music)にて、ジョン・フレッチャー(John Fletcher)に師事。2000年よりバンクーバー交響楽団の音楽監督。2002年9月から2006年まで、ルクセンブルクフィルハーモニー管弦楽団の指揮者および音楽監督を務めていた。
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BBCコンサート・オーケストラ(BBC Concert Orchestra)は、英国放送協会(BBC)専属のオーケストラのひとつで、その中で唯一のポップス・オーケストラである。1931年にBBCシアター・オーケストラ(BBC Theatre Orchestra)として設立され、1949年からBBCオペラ・オーケストラ(BBC Opera Orchestra)と名乗っていたが、1952年に改組された。クラシック音楽に限らず、ポップス、アンサンブルも得意としている。毎年 BBC プロムスに出演し、サウスバンク センターのアソシエイト・オーケストラとしても活動している。首席指揮者にはブラムウェル・トヴェイ(Bramwell Tovey)が就いている。
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ダイナミックレンジの大きな録音で、音場は左右、奥行方向にも広がっている。スポットマイクを多用したと思われ、各楽器の音のバランス、定位も良い。金管のきらびやかな響きと、低域弦の厚みのある響きが印象に残った。録音場所はイギリス、ワトフォード・コロッセウム

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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