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SACDサラウンド・レビュー(945) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Orgelpunkt
Glocke Bremen Vol.2
Trombone & Organ
MDG9512253
Lea Suter (organ)
Juan Gonzalez Martinez (trombone)
録音 2021年7月,8月
MDG

オルゲルプンクト~ブレーメンのザウアー・オルガンVOL.2

・ロッシーニ/リスト編:スターバト・マーテル~嘆き憂い
・アルノ・ハンセン:Quartett IV
・リヒャルト・エコールド:アダージョ
・フリードリヒ・アウグスト・ベルケ:『復活祭の朝』のモティーフによるファンタジア(ジギスムント・リッター・フォン・ノイコム)
・ハンセン:オペラメロディー集~大混成曲第2番
・グスタフ・アドルフ・メルケル:アリオーソ
・レーガー:ロマンツェ
A.ヘンゼル:
・レチタティーヴォとアダージョ
・アダージョ
・ベルケ:ファンタジア Op.58
・マックス・ペーテルス:エレジー Op.9
・パウル・ヴェシュケ:行進曲

リア・ズーター(Lea Suter)はスイス生まれの女性オルガニスト、チェンバリスト、オルガン製作者。幼い頃からバッハの音楽、鍵盤楽器に興味を持つ。16歳で最初のクラヴィコードを作成し、後にオルガン製作者としてトレーニングを受ける。トランシルヴァニアで17世紀と18世紀のオルガンの修復に取り組んだことが彼女に大きな影響を与え、教会音楽を学び、オルガン、チェンバロ、クラヴィコードの修士号を取得。ハーグ王立音楽院の講師を務める。
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フアン・ゴンザレス・マルティネス(Juan Gonzalez Martinez)はスペインのトロンボーン奏者。CSM「マヌエルマソッティリッテル」でトロンボーンを学び、HfK-ブレーメンでウィムベクにバロック・トロンボーンを学び、2019年にトップマークで修士号を取得した。ハーグ王立音楽院でコンシェルトイベリコ(Concierto Ibérico)、グロスアルテアンサンブル(GlossArte Ensemble)、ウェックマンコンソート(Weckmann-Consort)を創設した。歴史的な楽器を演奏し、ルネッサンスからロマン派時代までの歴史的な演奏スタイルを扱い、元の音を復活させることを目指している。
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オルガンのリア・ズーターはオルゲルプンクト~ブレーメン大聖堂のザウアー・オルガンVOL.1でも演奏していた。
トロンボーンとオルガンとの珍しい組み合わせの演奏。トロンボーン・カルテットとの演奏ではアルト、テナー、バス×2との合奏。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はブレーメン、Die Glocke Bremen

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(944) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
Sonatas For Violin and Piano Op.12
CCSSA44222
Rachel Podger (violin)
Christopher Glynn(piano)
録音 2021年5月
Channel Classics

ベートーヴェン:
・ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1
・ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24『春』
・ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調 Op.96

レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger,1968年~)はイギリス生まれのヴァイオリニスト。ドイツのルドルフ・シュタイナー・スクールで教育を受け、帰国後ギルドホール音楽演劇学校でミカエラ・コンバーティとデイヴィッド・タケノに師事した。在学中からバロック奏法に興味を惹かれ、バロック音楽を専門とするフロレジウムとパラディアン・アンサンブルという楽団の創設に関与する。その後も、このアンサンブルとコンサート・ツアーやレコーディングに参加し、国際的にも高く評価されている。1997年、トレヴァー・ピノックに招かれ、イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレス兼協奏曲ソリストに就任、ますます多忙な日々となった。2015年に英国王立音楽院(RAM)のバッハ賞を受賞。最近では2018年6月~7月開催の調布国際音楽祭2018に来日し、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番などを演奏した。
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クリストファー・グリン(Christopher Glynn,1974年9月~)はイギリス、レスター生まれのピアノ奏者。ライデール・フェスティバル(Ryedale Festival)の芸術監督も務めている。オックスフォードにあるニュー・カレッジにて音楽を学び、フランスでピアノをジョン・ストリート(John Streets)に師事。王立音楽院にてマルコム・マルティノー(Malcolm Martineau)に師事。多くのクラッシックの有名歌手とも共演し、ピアノを伴奏している。
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レイチェル・ポッジャー&クリストファー・グリンのコンビによる共演はこれに継ぐ2作目。
ヴァイオリンはセンター前寄りに、ピアノはセンターの奥寄りに定位している。ポッジャーの奏でるストラディバリウスはクリアで伸びのある響きを伴っている。教会での録音であるが、残響の影響はほとんど受けていない。ブックレットの収録風景の写真では、ヴァイオリンとフォルテ・ピアノにそれぞれ近接のステレオマイク、両者の中ほどの高い位置に2本のマイクを設置している。サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音を捉えている。録音場所はロンドン、、アッパー・ノーウッド、セント・ジョンズ教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(943) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Debussy
Orchestrated
BIS2622
Pascal Rophé/Orchestre National des Pays de la Loire
録音 2020年10月,2021年1月
BIS

クロード・ドビュッシー:
・小組曲(H. ビュッセルによる管弦楽編)
・おもちゃ箱(A. カプレによる管弦楽編)
・子供の領分(A. カプレによる管弦楽編)

パスカル・ロフェ(Pascal Rophe,1960年~ )はフランス、パリ生まれの指揮者。パリ国立高等音楽院を卒業し、1988年ブザンソン国際コンクールに優勝してデビュー。その後アンサンブル・アンテルコンタンポランで修行を積み、現代音楽の権威としての地位を確立。ダラピッコラ、デュティユー、デュサパンなどの作品もレコーディングして高い評価を得ている。パリ管、BBC 響、サンタ・チェチーリア管などに定期的に客演している。オペラでも、リヨン歌劇場、ジュネーヴ歌劇場、ローマ歌劇場などで《ペレアスとメリザンド》《カルメル派修道女の対話》などを指揮している。
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フランス国立ロワール管弦楽団(Orchestre National des Pays de la Loire)は仏文化省の音楽部監督であった作曲家のランドスキが1971年に創設。歴代の音楽監督にはデルヴォー、スダーンらがおり、2014年のシーズンからにパスカル・ロフェが同ポストに就任した。母国フランスの作曲家はもとよりチャイコフスキーやマーラー、ストラヴィンスキー等も得意としている。
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母国フランスの作曲家を得意とするパスカル・ロフェ&フランス国立ロワール管の組み合わせの演奏はラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013の公演三日目でドビュッシーの牧神の午後への前奏曲、海、ラヴェルの高雅で感傷的なワルツ、同2017でストラヴィンスキーのバレエ「火の鳥」とラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲の公演第一日目ラヴェルのピアノ協奏曲 とボレロの公演三日目を計3回生で聴いたことがある。

1ポイントマイクをメインとし、スポットマイクを適度に配置した録音と思われる。ダイナミックレンジは大きく、各楽器間の音のバランスは良く、左右への広がり感がある。特に、金管はきらびやかな響きを伴い、打楽器はリアリティーのある音をしている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はフランス、le Centre de congrès d'Angers

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(942) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Schnittke Concerto For Piano and Strings & Prokofiev Symphony No. 2.jpg
Schnittke
Concerto For Piano and Strings
TCO0003
Yefim Bronfman (piano)
Franz Welser-Möst/Cleveland Orchestra
録音 2020年1月,10月
Cleveland Orchestra

シュニトケ:ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲
プロコフィエフ:交響曲第2番 ニ短調 Op.40


イェフィム・ナウモヴィチ・ブロンフマン(Yefim Naumovich Bronfman,1958年4月~ )は、ロシア系イスラエル人のピアニスト。ユダヤ系の両親の下に生まれる。母はヴァイオリニスト、父はピアニストであった。1973年、15歳でイスラエルに移住。現在は米国籍を取得している。1975年に、ズービン・メータが指揮するモントリオール交響楽団と共演して、国際的にデビューを果たした。カーネギー・ホールへのデビューは1989年であり、1991年にアイザック・スターンと一連の演奏会を行なった。1997年には、エサ=ペッカ・サロネン指揮のロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団との共演による、バルトークのピアノ協奏曲集の録音によって、グラミー賞を獲得。室内楽演奏でも活躍している。
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フランツ・ウェルザー=メスト (Franz Welser-Möst,1960年8月~)は、オーストリアの指揮者。14歳で地元の音楽高校に入学し、作曲家バルドゥイン・ズルツァーに学ぶ。当初の志望は、指揮者ではなくヴァイオリニストだったが、交通事故で背骨を3ヶ所も折る重傷を負い、ヴァイオリニスト志望の断念し、志望を指揮者に転向。ミュンヘン音楽大学でヘルマン・ミヒャエルに指揮法を師事。1979年のカラヤン国際指揮者コンクールでは参加者中最年少ながら、セミ・ファイナリストの一人に選ばれる。1990年、クラウス・テンシュテットの後任としてロンドン・フィルの音楽監督に就任する。1992年にはロンドン・フィルとともに初来日を果たす。1998年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演へのデビューを成功のうちに果たし、2002年からはアメリカの名門クリーヴランド管弦楽団の音楽監督を務めている。2010年にはウィーン国立歌劇場の音楽総監督に就任した。2010年、ウィーン国立音楽大学指揮科教授に就任した。2011年と2013年にはウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを指揮した。2023年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを指揮することも予定されている。
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クリーヴランド管弦楽団( The Cleveland Orchestra)は、アメリカ合衆国のオハイオ州クリーヴランドを本拠地とするオーケストラ。1918年にアデラ・プレンティス・ヒューズにより、ニコライ・ソコロフを常任指揮者に迎えて創立された。冬季はクリーヴランドのセヴェランス・ホールで、夏季はカヤホガフォールズのブロッサム・ミュージック・センターで、ジョージ・セルが1968年に創設した「ブロッサム音楽祭」のレジデントオーケストラとして演奏を行なっている。歴代指揮者としてジョージ・セル(1946年 - 1970年)、ピエール・ブーレーズ(1970年 - 1972年)、ロリン・マゼール(1972年 - 1982年)、クリストフ・フォン・ドホナーニ(1984年 - 2002年)などが、2002年から現在までフランツ・ウェルザー=メストが就いている。
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ブックレットにライヴ録音時の写真が掲載されているが、コロナ禍の中、ステージをいっぱいに使い、それぞれの演奏者間を離してフルオーケストラを配置している。シュニトケではピアノはセンター前寄りに定位しており、スポットマイクを多用したと思われ、2ch録音だが左右への広がり感のある録音になっている。
録音場所はシュニトケがクリーヴランド、セヴェランス・ホール。プロコフィエフがフロリダ、マイアミ、Knight Concert Hall

サラウンド・パフォーマンス  ーーーー
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          2ch


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