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SACDサラウンド・レビュー(806) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Schubert String Quartets.jpg
Schubert
String Quartets
BIS2268
Chiaroscuro Quartet
録音 2017年3月
BIS

フランツ・シューベルト:
・弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」
・弦楽四重奏曲第9番 ト短調 D.173

弦楽四重奏曲第14番ニ短調は、シューベルトが健康の衰えを自覚した直後の1824年に作曲された。第2楽章変奏曲の旋律が自身の歌曲「死と乙女」を引用していることからこの曲も「死と乙女」と呼ばれている。すべての楽章が短調で書かれ、当時のシューベルトの絶望的な心境が垣間見える。4楽章からなり、演奏時間は約40分

弦楽四重奏曲第9番ト短調は、1815年3月から4月にかけて作曲された。シューベルトが10代の時の作品で仲間内のアンサンブルのために作曲した。ハイドン、モーツァルトの影響が見受けられるものの、シューベルトの個性も明確になりつつある作品で、本格的な短調の作品はこれが最初。同じト短調でも例えばモーツァルトのト短調作品に見られるような悲痛な性格は薄い。4楽章からなり、演奏時間は約25分

キアロスクーロ弦楽四重奏団(Chiaroscuro Quartet)は1stVnのロシア生まれのアリーナ・イブラギモヴァを中心に2005年に結成された。絵画の「明暗法」を意味する名の通り、現代楽器にガット弦を張り、チェロ以外の3人は立って演奏。近年の主な活動は、エジンバラ国際音楽祭のデビュー、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの演奏会、ロンドンの新しい室内楽会場ワナメイカー劇場での演奏会。2013年、ブレーメン音楽祭に共催しているドイツのラジオ放送局のフェルデ賞を受賞、このブレーメン音楽祭には2014年夏にそのオープニングナイトコンサートで再出演が約束されている。この他に、ロンドンのウィグモア・ホール、ヨーク古楽センター、パリのルーヴル・オーディトーリアム、エクサンプロバンスのデ・ジュ・ドゥ・ポーム劇場、ディジョン劇場、リスボンのグルベキアン財団、オールドバラで演奏する。2016年4月に来日し、王子ホールなどで演奏した。
Chiaroscuro Quartet_3.jpg


各楽器はそれぞれの位置に良く定位しており、音のバランスも良い。録音レベルは大きめでサラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。録音場所はドイツ、ケルン、ドイツ放送室内楽ホール(Deutschlandfunk Kammermusiksaal)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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