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SACDサラウンド・レビュー(231) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Biber
Violin Sonatas
777 124-2
Anton Steck(Barockvioline)
Hille Perl(Viola da gamba)
Lee Santana(Erzlaute,Chitarrone)
Christian Rieger(Cemb, Org)
録音2004年2月
CPO

H.I.F.ビーバー:
・ソナタ ハ短調 (1681)
・ソナタ ニ長調(Kremsier Sign.A600/IV:174)
・ソナタ ホ長調(Archiv des Minoritenkonvents,Wien)
・ソナタ ロ短調(Kremsier Sign.A572/IV:136)
・ソナタ ト長調(Kremsier Sign.A572/IV:136)
・シャコンヌ ニ長調(Archiv Kremsier)
G.ムッファト:ソナタ ニ長調

ハインリヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー(Heinrich Ignaz Franz von Biber,1644年8月~1704年5月)は、オーストリアの作曲家でヴァイオリニスト。
北ボヘミア・ヴァルテンベルクでドイツ系の家庭に生まれた。1668年から1670年の間、チェコのクロムニェジーシュ城のヴァイオリニストを務めた後、ザルツブルクの宮廷楽団のヴァイオリニストとなり、次いで1684年には、同楽団の宮廷楽長となった。代表作に『ロザリオのソナタ』などがある。ヴァイオリンの技巧にすぐれ、彼のヴァイオリン作品には当時としてはかなり高度な技術を必要とするものも多い。スコルダトゥーラという調弦を変えて演奏する技巧を多用した。息子のカール・ハインリヒもザルツブルク宮廷楽団の楽長を務めた作曲家であった。
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ゲオルク・ムッファト(Georg Muffat, 1653年6月~1704年2月)はバロック音楽の作曲家。サヴォイア公国、現在スキー観光地として有名なフランスのムジェーヴ (Megève) に生まれる。父方はスコットランド系、母方はフランス系だが、本人はドイツ人の自意識を持っていた。1663年から1669年までジャン=バティスト・リュリに師事し、アルザス・ロレーヌ地方でオルガニストに就任。その後ウィーンに滞在するが、公職に就くことができず、1677年にプラハを訪れ、それからザルツブルクに行き、約10年にわたってザルツブルク大司教の宮廷に仕える。1680年ごろにイタリアを訪ねてベルナルド・パスクィーニにオルガンを師事する傍ら、アルカンジェロ・コレッリに会い、その作品に非常に好感を覚えるようになる。1690年から没するまでパッサウ司教の宮廷楽長を務め、同地で他界した。
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アントン・シュテック(Anton Steck,1965~)はドイツのバイオリンニスト、指揮者。カールスルーエでヴァイオリンをJörg-Wolfgang Jahnに、ケルンでバロック・ヴァイオリンをReinhard Goebelに教えを受けた後、ムジカ・アンティクア・ケルンのコンサートマスター、マルク・ミンコフスキ率いるルーブル宮音楽隊でコンサートマスター、2005年~2008年までコンチェルト・ケルンのコンサートマスターを歴任。1996年にはシュパンツィヒ四重奏団を結成して弦楽四重奏も活動の場にしている。
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ヒッレ・パール(Hille Perl,1965年~)はドイツ、ブレーメン生まれのビオラ・ダ・ガンバの女性奏者。父のヘルムート・パールはモーツァルトに特化(18世紀の演奏習慣)した音楽学者であった。5歳の時ジキスヴァルト・クイケンの演奏会を聴いて影響を受け、ビオラ・ダ・ガンバを習うことに決めた。ハンブルクで初めペレ・ロスに、高等音楽院ではイングリット・スタンパに師事。さらにブレーメン古楽アカデミーでヤープ・テル・リンデンとサラ・カニングハムのもとで研鑚を積む。1990年に卒業後、独奏者、室内楽奏者として世界各地で演奏活動を開始。ザ・ハープ・コンソートとフライヴルク・バロック・オーケストラのメンバーでもあり、リュート奏者のリー・サンタナとのデュオも注目されている。17,18世紀のソロ、合奏曲に特化した世界でも最高のビオラ・ダ・ガンバ奏者として認められている。
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リー・サンタナ(Lee Santana,1959年~)はアメリカ、フロリダ生まれのリュート奏者、作曲家。現在ドイツ、ブレーメンに在住。10代よりロックやジャズ・ギタリストとして活動した後、古典ギターからリュートに目覚め、現在ではヒッレ・パールやフライヴルク・バロック・オーケストラなどのメンバーだけでなく、隠れたリュート作品の発掘や、自ら作曲も行っている。自作の作品ではリュートの美しさを強調した和音と半音階を巧みに取り入れ、独特のレイド・バック感とトリップ感が交錯したものである。
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クリスティアン・リーガー(Christian Rieger)はドイツのチェンバロ、オルガン奏者。マリア・ベルクマンにピアノを師事、後にカールスルーエ音楽大学でオルガンをアンドレアス・シュレーダー、指揮をマルティン・シュミットに学び古楽への興味が増し、チェンバロの演奏を本格的に開始、二度にわたるドイツ学術交流会の奨学金を受け、バーゼル・スコラ・カントールムでオルガンをジャン・グロード・ツェンダー、チェンバロをアンドレアス・シュタイアーに師事。1994年にムジカ・アンティクヮ・ケルンのメンバーとなる。2000年からは歴史的鍵盤楽器を専門としたソロ活動に重点をおいている。デトモルト音楽大学、ザルツブルク・モーツァルテウムなどで教鞭を執り、2004年にはエッセンのフォルクバング大学の教授に任命される。2008年にエッセンとベルリンでJ.S.バッハの鍵盤楽器全曲演奏会を行ない、2010年2月のベルリン古楽アカデミーの日本ツアーに参加している。
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各楽器に個別のマイクをそれぞれにセッティングしたと思われる録音で、ヴァイオリンをメインに各楽器もそれぞれが主張している。ヴァイオリンは少々メタリック感のある音であるが音質は良い。録音レベルは大きめで、音像は小さく、各楽器間の距離感は無いが、定位はしている。センタースピーカーおよびサラウンドスピーカーからの音のレベルは小さい。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆
音質               ☆☆☆☆
チャンネル            5ch

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