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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012(2) [クラシック音楽鑑賞]

L.F.J有料公演の第2日目、5月4日に公演番号225のチャイコフスキー、ラフマニノフ
の作品と公演番号215のショスタコーヴィチを聴いて来ました。
ラ・フォル・ジュルネ_4.jpg

■公演番号225
・チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 op.33
 エドガー・モロー (チェロ)
 アレクサンドル・ルーディン(指揮) ムジカ・ヴィーヴァ
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 op.40
 アレクセイ・ヴォロディン(ピアノ)
 アレクサンドル・ルーディン(指揮) ムジカ・ヴィーヴァ

エドガー・モロー(1994年~)フランスのチェロ奏者。17歳の若さで昨年の2011年第14回チャイコフスキー・コンクール2位および現代作品最優秀演奏者賞。パリ国立高等音楽院にてP.ミュレールに師事。ブルネロ、ビルスマ、ゲリンガスらのマスタークラスを受講。ヴェルヴィエ音楽祭アカデミーにも参加している。

アレクセイ・ヴォロディン(Alexei Volodin,1977年~)ロシアのピアニスト。サンクトペテルブルク生まれ。超絶技巧と優れた楽曲解釈、美しい響きが特徴。グネーシン音楽大学、モスクワ音楽院で学ぶ。2003年スイスの第9回ゲーザ・アンダ国際コンクール優勝。2011年ルツェルン音楽祭デビュー。 ゲルギエフ一押しのソリストとして世界の桧舞台で活躍中。

会場がB7で、演奏会専用ホールで無く、講演会などでも使用されるスロープの無い、音響効果があまり考慮されていない会場だったので、残響が少なく、いわゆるホールトーンは、ほとんど無かった。しかし、ピアノの音は残響が多すぎると濁ると言われているので、そういう点からすると良かったのかもしれない。
チャイコフスキーのロココ風の主題による変奏曲は、ゆっくりとしたテンポの出だしからエドガー・モローのチェロは高域の繊細な音をしっとりと鳴らす演奏で、終盤になってテンポは速くなり彼のうまさが垣間見えた。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番のヴォロディンの演奏は、前日のベレゾフスキーを聴いた後なのでもうひとつであった。技巧的には優れているが、もう少し感情の入った、盛り上がった演奏をしてほしかった。3楽章では打楽器で小太鼓、トライアングル、タンバリンなどが登場するが、ムジカ・ヴィーヴァでは打楽器奏者のメンバーが足りないのか、日本人の助っ人と思われる男女各1名がその演奏に参加していた。

■公演番号215  
・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77
 庄司紗矢香 (ヴァイオリン)
 ドミトリー・リス(指揮) ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

ドミトリー・リス(Dmitri Liss 1960年~)旧ソヴィエト生まれ。モスクワ音楽院で、モスクワ・フィルの音楽監督であったD.キタエンコに学び、彼のアシスタント・コンダクターとして指揮者のキャリアをスタートさせる。1984年卒業後、クズバス響の首席指揮者にロシアで最も若い指揮者として就任。1995年ザグレブの第1回ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで優勝。それ以来、ウラル・フィルの芸術監督兼首席指揮者を務めている。その間、1997~1999年アメリカ・ロシア・ユースオーケストラの首席指揮者、1998~2003年ロシア・ナショナル響のアソシエイト・コンダクターにも就任。ロシア・ナショナル管、モスクワ・フィル、モスクワ放送響、サンクトペテルブルク・フィル、KBS響、ベルゲン・フィル、トロンハイム響、オランダ放送響、ハーグ・レジデンティ管などに招かれ、著名な音楽祭やホールにて共演を重ねている。

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団は1936年創設。本拠はウラル山脈中央東麓のエカテリンブルク。95年に指揮者ドミトリー・リスを迎えた。2010年にゲルギエフによりマリインスキー劇場に招かれ、西欧の国際音楽祭でも度々演奏。これまでロストロポーヴィチ、庄司紗矢香らと共演。

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番は4楽章まであり、全体に神経質な緊張感と苦悩に満ちた短調のこの曲は、タンブリン、タムタム(どら)、シロフォン、チェレスタ、ハープなども使用され、曲の長さ・内容・オーケストレーションとも大規模であり、交響曲に匹敵すると言われている。
ショスタコーヴィチの協奏曲第1番は庄司紗矢香、リスとウラル・フィルの組み合わせで昨年8月に録音し、CDとして発売されており、庄司にとってはお手のものであり、かなり弾きこなしている感じがした。3楽章のカデンツァでは庄司の本領が発揮された演奏だったが、息を殺したような静寂の中ソロのVnの響きを聴衆の咳をする雑音が、かき乱したのが残念であった。全体的には庄司が操る1715年製ストラディヴァリウス「ヨアヒム」は良く鳴っており、音に透明感があり、印象的であった。

ラ・フォル・ジュルネ_5.jpg


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