SACDサラウンド・レビュー(163) [サラウンド・サウンド・レビュー]
Veracini
Overtures and Concertos Vol. 1
777302
Federico Guglielmo/L'Arte dell'Arco
録音2005年11月
CPO
ヴェラチーニ:序曲と協奏曲集1
・序曲第6番 変ロ長調
・ヴァイオリン・ソナタ第6番 イ短調
・ヴァイオリン協奏曲 イ長調
・ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op. 1 No. 7
・序曲第2番 ヘ長調
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(Francesco Maria Veracini, 1690年2月~1768年10月)はイタリア後期バロック音楽のヴァイオリニスト・作曲家。
フィレンツェに薬剤師の家庭に生まれる。叔父アントニオにヴァイオリンを学び、しばしばともに共演するようになる。1711年にヴェネツィアで《8つの楽器のためのコンチェルト》を作曲し、神聖ローマ皇帝カール6世のための祭礼で演奏される。ヴァイオリン・ソナタや歌劇、オラトリオのほかに、ヴァイオリン協奏曲やリコーダーと通奏低音のためのソナタ、「序曲」こと管弦楽組曲も作曲した。6つの「序曲」は、ドレスデンのフリードリヒ・アウグスト王子のために作曲され、そのうち最後の変ホ長調の「序曲」は、ユニゾンで演奏されるメヌエット楽章が挿入されて目立っている。対位法に関する論文も著している(『音楽の実践の勝利Il trionfo della pratica musicale 』)。他の作曲家の作品の校訂もしており、その際に独自の「改良」を加えている。
フェデリコ・グリエルモ(Federico Guglielmo,1968年~)はイタリアのパドヴァ生まれのヴァイオリンニスト、指揮者。ヴェネツィアのベネデット・マルチェッロ音楽院を出て、サルバトーレ・アッカルドやアイザック・スターンに教えを受けた。現代を代表するヴィヴァルディ奏者として数々の栄誉ある音楽賞も受賞している。新イタリア合奏団などのリーダーとしても知られている。
ラルテ・デラルコ(L'Arte dell'Arco)1994年に創設されたイタリア・ヴェネツィアのピリオド楽器を使用したバロックアンサンブルで、彼らの目指すところは、イタリアのバロック音楽を新たな観点から捉えなおし、それらに新しい光を当てることである。彼らのレパートリーの中でも、ヴェネツィアの作曲家の作品群は特別な意義を持っており、ジョヴァンニ・ガブリエーリ(Giovanni Gabrieli, c.1554~1612)からタルティーニに到るまでの音楽を、現代的な感覚で活き活きと演奏できる優れた多様性を持ち合わせている。
ヴァイオリン協奏曲のグリエルモの奏でるソロ・ヴァイオリンはきびきびとした演奏で音も良く出ている。
バックの演奏は高音の伸びはあるが、少しギラつき感がある。中低域弦の音の響きは豊かで、残響も適度に有り、全体的には好録音である。録音レベルは大きめ。
サラウンドパフォーマンス ☆☆☆
音質 ☆☆☆☆
チャンネル 5.1ch
2012-11-10 16:13
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