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SACDサラウンド・レビュー(793) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Perspectives 7
BIS2307
Andreas Haefliger(piano)
録音 2017年7月
BIS

アルバン・ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1
リスト:2つの伝説 S175/R17 第1曲 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

ピアノ・ソナタ Op.1はアルバン・ベルクが作品番号付きで生前に発表した唯一のピアノ曲である。ベルクのピアノ曲は、他には「自作主題による変奏曲」(1908年)など数曲の小品とピアノ・ソナタの断章が残っているだけである。単一楽章のピアノ・ソナタで、ロ短調を主調とするが、四度音程の堆積からなる和音、半音階技法、全音音階の頻繁な多用によって、調性感は安定しない。伝統的なソナタ形式の枠組みに従い、呈示部、展開部、再現部の三部分から成り立っている反面、ブラームス流およびシェーンベルク流の「発展的変奏の原理」に依拠することで、冒頭の単一の楽想からすべての部分を派生させ、作品の統一感を確保している。恩師アルノルト・シェーンベルクのもとでのいわば卒業制作として、1907年から1908年にかけて作曲された。出版は1911年、初演は1911年4月24日、ウィーンにおいてエッダ・ヴェルンドルフにより行われたが、当時としては以下のように革新的な書法だったことから、聴衆が暴動を起こしたといわれる。この時、弦楽四重奏曲作品3も同時に初演された。演奏時間は約11分

リストの2つの伝説 S.175 は1861年から1863年にかけて、ローマで作曲された2曲から成るピアノ曲。この作品はキリスト教に題材を採ったもので、ローマで心労を味わっていたリストが聖人の堅い信仰心に感銘を受け、アッシジのフランチェスコとパオラのフランチェスコ(英語版)という二人の聖人にまつわる伝説を音化したものである。公開初演は1865年8月29日に、リスト自身の独奏でペシュトにおいて行われた。第1曲は65年、第2曲は1866年に出版され、娘コジマ・フォン・ビューローに献呈された。

アンドレアス・ヘフリガー(Andreas Haefliger,1962年~)は、ドイツ、ベルリン生まれのスイスのピアニスト。父親はテノール歌手であったエルンスト・ヘフリガー。アメリカ、ジュリアード音楽院でハーバート・ステッシンに師事。1988年にニューヨークでデビューした後、欧米の主要なオーケストラの多くと共演してきた。1993年にウィグモア・ホールにおいてロンドン・デビューを果たし、翌1994年にはフィルハーモニア管弦楽団と共演してプロムスに初めて出演した。ルツェルン音楽祭やザルツブルク音楽祭、ウィーン音楽週間にもしばしば出演している。録音活動にも積極的で、モーツァルトやシューマン、ワーグナー、フランク、グバイドゥーリナ、マリナ・ピッチニーニの作品を録音している。
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スタインウェイDによる演奏で、リストの2つの伝説 ではトレモロの高域弦の美しい響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音も感じられるが、低めに抑えてある。録音はウィーン、コンツェルトハウス、モーツァルトザール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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