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日本のオーケストラの実力は? [クラシック音楽鑑賞]

残念ながら、音楽評論家の少なからずは、日本のオーケストラの現状は欧米の一流オーケストラに比べ、基礎的な技術や、音楽的表現力が、依然として大きな隔たりがあると評価しています。

わたしは、日本のオーケストラは、少なくとも弦楽器については、技術的、音楽的表現力にも、欧米の一流オーケストラと比較して決して、ひけをとらないと思います。
なぜならば海外で活躍している演奏家は、ベルリン・フィルのコンサートマスターに抜擢されたヴァイオリンの安永 徹(1983年~2009年3月)や樫本大進(2010年12月~)、第一ヴァイオリン奏者では町田琴和がいます。また、ヴィオラ奏者の清水直子は、2001年よりセクションリーダーとして活躍中です。
ヨーロッパ系の演奏者以外を採用しないウィーン・フィルを除いて大概のオーケストラでは弦の日本人奏者が活躍しています。

一方、管楽器ではオーボエ奏者が目立つぐらいで他の楽器、特に金管楽器は少ないのが現状です。オーボエ奏者ではフランクフルト放送交響楽団、ケルン放送交響楽団の首席奏者と活躍した元オーボエ奏者の宮本文昭、吉田智春(ケルン放送交響楽団首席)、 若尾圭介(ボストン交響楽団)、 渡辺克也(ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク首席)、 井上圭子(国立パリ・オペラ座管弦楽団)、 吉井瑞穂(マーラー室内管弦楽団首席)など結構います。

金管楽器奏者に日本人が適さない理由は,骨格や歯列の良さなどの身体的特徴が欧米人と異なることが関係しているという説もあるそうです。

ある批評家は、日本でも実力がトップとされるN響でも、欧米の一流に比べて、音色に豊かさがない、あるいはパワーが不足していると、批評しています。

そこで日本のレコード芸術誌で評論家40人が評価したものと、イギリスGramophon誌が世界各地から名高い評論家に投票を依頼し、評価したオーケストラのランキングを比較のため以下に示します。

・「オーケストラ・ランキング2008」レコード芸術5月号

1位:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(313点)
2位:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(308点)
3位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(285点)
4位:バイエルン放送交響楽団(193点)
5位:シカゴ交響楽団(146点)
6位:ドレスデン国立管弦楽団(138点)
7位:ロンドン交響楽団(113点)
8位:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(106点)
9位:ベルリン国立管弦楽団(104点)
10位:パリ管弦楽団(102点)
11位:ニューヨーク・フィル
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35位:東京交響楽団
37位:NHK交響楽団

上位の3位までが圧倒的に高得点を獲得しており他を引き離しています。


・イギリス「グラモフォン」誌2008年12月号のランキング

1位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2位:ベルリン・フィル
3位:ウィーン・フィル
4位:ロンドン交響楽団
5位:シカゴ交響楽団
6位:バイエルン放送響
7位:クリーブランド管弦楽団
8位:ロサンゼルス・フィル
9位:ブダペスト祝祭管弦楽団
10位:シュターツカペレ・ドレスデン
11位:ボストン交響楽団
12位:ニューヨーク・フィル
13位:サンフランシスコ交響楽団
14位:マリインスキー歌劇場管弦楽団
15位:ロシア・ナショナル管弦楽団
16位:サンクトペテルブルク・フィル
17位:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
18位:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
19位:サイトウ・キネン・オーケストラ
20位:チェコ・フィル

19位にサイトウ・キネン・オーケストラが入っているが、普段メンバーはそれぞれ別のオーケストラやソロで活躍しており、フェスティバルや海外公演の時のみ編成されるオーケストラである。

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