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SACDサラウンド・レビュー(758) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Grandissima Gravita
CCSSA 39217
Rachel Podger/Brecon Baroque
録音 2016年9月
Channel Classics

グランディッシマ・グラヴィタ~18世紀のヴァイオリン・ソナタ集
ピゼンデル:ヴァイオリン・ソナタ ハ長調
タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ イ短調op.2-5
ヴェラチーニ:
・ヴァイオリン・ソナタ ト短調op.2-5
・ヴァイオリン・ソナタ ニ短調op.2-12
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン・ソナタ イ長調op.2-2

ヨハン・ゲオルク・ピゼンデル(Johann Georg Pisendel, 1687年12月~1755年11月)はドイツ後期バロック音楽の作曲家・ヴァイオリニスト。長年にわたってドレスデンにおいて、当時ヨーロッパ随一のオーケストラであったザクセン宮廷楽団においてコンサートマスターを務めた。ピゼンデルは当時の最も進歩的なドイツ人ヴァイオリン奏者であり、アルビノーニやヴィヴァルディ、テレマンのような人たちからヴァイオリン協奏曲を献呈されている。門弟にヨハン・ゴットリープ・グラウンとフランツ・ベンダがいる。ヤン・ディスマス・ゼレンカとは親友同士で、ゼレンカの死後にその作品の出版に尽力した。作品は、残された数こそ少ないものの、いずれも質が高い。10曲のヴァイオリン協奏曲、4曲のコンチェルト・グロッソ、2つのヴァイオリン・ソナタのほか、トリオ・ソナタとシンフォニアが1曲ずつある。

フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(Francesco Maria Veracini, 1690年2月~1768年10月)はイタリア後期バロック音楽のヴァイオリニスト・作曲家。フィレンツェに薬剤師の家庭に生まれる。叔父アントニオにヴァイオリンを学び、しばしばともに共演するようになる。1711年にヴェネツィアで《8つの楽器のためのコンチェルト》を作曲し、神聖ローマ皇帝カール6世のための祭礼で演奏される。作品は、ヴァイオリン・ソナタや歌劇、オラトリオのほかに、ヴァイオリン協奏曲やリコーダーと通奏低音のためのソナタ、「序曲」こと管弦楽組曲も作曲した。
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レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger,1968~)はイギリス生まれのヴァイオリニスト。ドイツのルドルフ・シュタイナー・スクールで教育を受け、帰国後ギルドホール音楽演劇学校でミカエラ・コンバーティとデイヴィッド・タケノに師事した。在学中からバロック奏法に興味を惹かれ、バロック音楽を専門とするフロレジウムとパラディアン・アンサンブルという楽団の創設に関与する。その後も、このアンサンブルとコンサート・ツアーやレコーディングに参加し、国際的にも高く評価されている。1997年、トレヴァー・ピノックに招かれ、イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレス兼協奏曲ソリストに就任、ますます多忙な日々となった。最近ではバッハ・フェスティバル2012に来日し、無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータなどを演奏した。
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ブレコン・バロック(Brecon Baroque)はウェールズ南部の町ブレコンにある大聖堂で行われる音楽祭“ブレコン・バロック・フェスティバル”のために,ポッジャー自身が選び抜いたメンバーを集めて創設した。2007年創設の若いアンサンブルで、ポッジャーを含め、ヴァイオリンのボヤン・チチッチ、ヨハネス・プラムゾーラー、ヴィオラのジェーン・ロジャーズ、フルートのケイティー・バーチャー、オーボエのアレグザンドラ・ベラミー、チェンバロのスフィオントケヴィッチの計7名。 1パートを各1人受け持っている。
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ポッジャーの弾くヴァイオリンはとてもナチュラルでクリアーな響きをしており、目の前で弾いているようななまめかしい音である。チェンバロや他の楽器との音のバランスも良い。録音場所はロンドン、ハムステッド、St Jude-on-the-Hill教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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