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SACDサラウンド・レビュー(791) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Debussy Centenary
ARS38240
Vincent Larderet(Piano)
録音 2017年7月
Ars Produktion


ドビュッシー:ピアノ作品集
・映像第1集
・前奏曲集第2集
・聖セバスティアンの殉教 - 交響的断章(V. ラルデルによるピアノ編)(抜粋)

ドビュッシーは全部で4集の「映像」と名付けた作品を作曲しており、第1集と第2集はピアノ曲、第3集は管弦楽曲である。ただし、第3集は単に「管弦楽のための映像」と呼ばれることが多い。この他に、生前には出版されなかったピアノのための1集があり、「忘れられた映像」と呼ばれている。映像 第1集 (Images I)は1904年~05年作曲。初演は1906年3月リカルド・ビニェスによる。映像 第1集 (Images I)は「水に映る影」、「ラモー賛歌」、「動き」の3曲から成り、総演奏時間は約16分。

ドビュッシーの前奏曲集は1909年から10年にかけて書かれた第1集、1910年から13年にかけて作曲された第2集共に12曲から成り、合せて24曲となる。ショパンの前奏曲集を念頭において構成されたと言われており、例えば「版画」や「映像」ではそれぞれの曲に標題が付けられているのに対し、前奏曲集集では各曲の終わりの余白に小さくタイトルが書かれている。これは、各々の曲に対する固定観念に縛られないようにとの、ドビュッシーの配慮である。第2集は作曲が1910年で 出版が1913年で、第1曲「デルフィの舞姫」、第2曲 「ヴェール(帆)」、第3曲「野を渡る風」、第4曲「夕べの大気に漂う音と香り」、第5曲「アナカプリの丘」、第6曲「雪の上の足跡」、第7曲「西風の見たもの」、第8曲 「亜麻色の髪の乙女」、第9曲「とだえたセレナード」、第10曲「沈める寺」、第11曲「パックの踊り」、第12曲「ミンストレル」の12曲から成り、演奏時間は約33分30秒。


ヴァンサン・ラルデル(Vincent Larderet)はフランスのピアニスト。国立リュエル・マルメゾン音楽院(National Conservatory of Music in Rueil Malmaison)にて学び、最優秀技巧賞を受賞。ドイツのリューベック音楽大学(Lübeck’s Musikhochschule)にてピアノをブルーノ・レオナルド・ゲルバー(Bruno-Leonardo Gelber)に師事。同じ時期にバルセロナのマリア・カナルス国際音楽コンクール(Maria Canals in Barcelona)、ラザール・ベルマンが審査員をつとめるイタリアのA.M.A. カラブリア国際ピアノコンクール、フランスのブレスト国際ピアノコンクールなどをはじめとする数々の国際ピアノコンクールに優勝している。また、スイスの若いソリストのための国際オルフェウム財団(International Orpheum Foundation)からも受賞している。
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教会での収録の影響か、少しこもったような音だが、映像第1集の第3曲「動き(Mouvment)」では、スタインウエイDの中高域音の繊細なタッチのピアニッシモからフォルテッシモまでの特徴のある響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。収録場所はドイツ、Wuppertal、kulturzentrum immanuel

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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