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SACDサラウンド・レビュー(774) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Rachmaninov, Shchedrin
Piano Concertos
MAR0587
Denis Matsuev (piano)
Mariinsky Orchestra/Valery Gergiev
録音   2014年11月(Rachmaninov)
     2015年4月(Stravinsky,Shchedrin)
Mariinsky

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1
ストラヴィンスキー:カプリッチョ(1949年版)
シチェドリン:ピアノ協奏曲第2番

ロディオン・シチェドリン(Rodion Konstantinovich Shchedrin, 1932年12月~)はロシア人の作曲家でモスクワの音楽家の家庭に生まれる。父親は音楽理論の教師であり、また作曲家であった。モスクワ合唱教室に学んだ後、モスクワ音楽院でユーリ・シャポーリンとニコライ・ミャスコフスキーに作曲を、ヤコフ・フリエールにピアノを学ぶ。作曲家としての目立った活動に加えて、ピアノやオルガンのヴィルトゥオーゾとしても活動しており、自作の6つのピアノ協奏曲のうち半数は自らの演奏で初演した。ソ連崩壊後は、国際的な演奏旅行や協同制作の機会を利用しており、現在では、年間の活動の拠点をミュンヘンとモスクワに分けて過ごしている。 作曲家としての長年の功労に対して、1989年にベルリン芸術アカデミーより正会員に任命され、1992年には当時のボリス・エリツィン大統領よりロシア国家賞を授与された。
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デニス・マツーエフ(Denis Matsuev,1975年6月~)はロシアのシベリア地方に位置するバイカル湖沿岸の都市イルクーツクの音楽一家に生まれる。4歳でピアノを始め、たちまち素晴らしい才能を現す。1984年、9歳の時にハイドンのピアノ協奏曲でデビュー。地元の芸術学校を経て、モスクワ音楽院付属中央音楽学校に転入。在学中に南アフリカのローデンポート国際音楽コンクールでグランプリを獲得。94年、モスクワ音楽院に入学し、ナセドキン、ドレンスキーに師事。1998年に行われた第11回チャイコフスキー国際コンクール、ピアノ部門で優勝した。最近では2017年12月にはゲルギエフ、マリインスキー劇場管弦楽団と共に来日し、ラフマニノフのピアノ協奏曲を第1番から第4番までを演奏した。
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ヴァレリー・ゲルギエフ(Valery Abisalovich Gergiev, 1953~ )はモスクワでオセット人の両親の家庭に生まれる。その後、北オセチア共和国の首都オルジョニキゼ(現在のウラジカフカス)に移り、オルジョニキゼ音楽学校を卒業後、レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)でイリヤ・ムーシンに師事し、指揮法を学ぶ。同院在学中にカラヤン指揮者コンクール2位、全ソ指揮者コンクール1位の栄誉に輝く。1977年レニングラード音楽院を卒業し、テミルカーノフの助手としてキーロフ劇場(現マリインスキー劇場)の指揮者となる。1988年、マリインスキー劇場の芸術監督に選出され、同劇場を世界中が注目する一流歌劇場へ発展させた、カリスマ性を備えた現代屈指の指揮者。2007年よりロンドン響首席指揮者。

マリインスキー劇場管弦楽団(Mariinsky Orchestra)、旧称キーロフ管弦楽団は、ロシア・サンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場付属のオーケストラである。ピョートル大帝の治世のもと18世紀に創設。ロシアで最も古い音楽団体として、由緒ある歴史を誇る。マリインスキー劇場は、19~20世紀の名作オペラやバレエが多数生まれた場所であり、ボロディン「イーゴリ公」、ムソルグスキー「ボリス・ゴドノフ」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」「眠りの森の美女」のほか、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ等がオペラやバレエの初演を行った。最近では2017年12月にはゲルギエフと共に来日した。

マリインスキー劇場ホールでのライヴ録音で、聴衆のノイズは完全に消されているが、編集による音質の劣化はあまり感じらせない出来。高域弦の音の伸びはあまり感じられないが、ピアノはナチュラルで良い響きをしている。ストラヴィンスキーでは豊かなホールトーンのある収録になっている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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