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ラ・フォル・ジュルネ TOKYO2018(2) [クラシック音楽鑑賞]

丸ビル1Fマルキューブでのエリアコンサートを聴いてから
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公演3日目の今日、以下の公演を聴いて来ました。

■公演番号M312(ホールA)
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」から第4楽章
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番 ト短調 Op.40

ピアノ ボリス・ベレゾフスキー
指揮 ドミトリー・リス
演奏 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番 作品40は、フランス滞在中の1926年に完成された。ロシアを去ってからのラフマニノフが作曲した数少ない曲のひとつである。1914年には本曲のスケッチがはじめられていたが、1917年にロシアを離れて以降、ラフマニノフはほとんど創作活動を行っていなかった。しかし、ニコライ・メトネルのすすめでアメリカ各地を演奏旅行中の1924年から本曲の創作を再開した。本曲はメトネルに献呈されている。メトネルは翌1927年に完成した自作のピアノ協奏曲第2番作品50を献呈することで返礼した。
3楽章から成り演奏時間は約23分

ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky,1969年1月~)はモスクワ出身のロシアのピアニスト。モスクワ音楽院卒。1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。超絶技巧と力強さ、独自の洞察力と豊かな感性を兼ね備えた才能あふれる音楽家として高い評価を得ている。ミュンヘン・フィル、ニューヨーク・フィル、ロンドン・フィル等世界的オーケストラと度々共演。

ドミトリー・リス(Dmitri Liss,1960年~)旧ソヴィエト生まれ。モスクワ音楽院で、モスクワ・フィルの音楽監督であったD.キタエンコに学び、彼のアシスタント・コンダクターとして指揮者のキャリアをスタートさせる。1984年卒業後、クズバス響の首席指揮者にロシアで最も若い指揮者として就任。1995年ザグレブの第1回ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで優勝。それ以来、ウラル・フィルの芸術監督兼首席指揮者を務めている。その間、1997~1999年アメリカ・ロシア・ユースオーケストラの首席指揮者、1998~2003年ロシア・ナショナル響のアソシエイト・コンダクターにも就任。ロシア・ナショナル管、モスクワ・フィル、モスクワ放送響、サンクトペテルブルク・フィル、KBS響、ベルゲン・フィル、トロンハイム響、オランダ放送響、ハーグ・レジデンティ管などに招かれ、著名な音楽祭やホールにて共演を重ねている。

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団は1936年創設。本拠はウラル山脈中央東麓のエカテリンブルク。1995年に指揮者ドミトリー・リスを迎えた。2010年にゲルギエフによりマリインスキー劇場に招かれ、西欧の国際音楽祭でも度々演奏。これまでロストロポーヴィチ、庄司紗矢香らと共演。

ドヴォルザークの新世界交響曲は第4楽章のみだったが、フィナーレはロシアの交響楽団が得意とする金管のパワーあふれる演奏だった。ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番は4曲あるピアノ協奏曲の中では、あまり演奏されないテクニックを必要とする曲だが、ベレゾフスキーは見事に弾きこなしている印象を受けた。昨日と同じホールAだがピアノ位置は、聴いている位置とほほ同じ高さの、1階席の前から3分の1あたりのセンターの席だったので倍音の響きがより豊かに感じた。アンコールにラフマニノフの「プレリュードト短調Op.23-5」を弾いてくれた。

■公演番号M314(ホールA)
チャイコフスキー:イタリア奇想曲 Op.45
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26

ピアノ アンドレイ・コロベイニコフ
指揮 ドミトリー・リス
演奏 ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

アンドレイ・コロベイニコフ(1986年~)モスクワ生まれのピアニスト。5歳でピアノを始め、2001年、15歳でモスクワ音楽院入学、アンドレイ・ディエフに師事し、19歳で卒業。7歳で第3回チャイコフスキー記念青少年音楽コンクール優勝。それ以来、国内外における多くの著名コンクールで入賞を重ね、2004年第3回スクリャービン国際コンクール優勝、2005年第2回ラフマニノフ国際コンクール第2位及び聴衆賞受賞など、国内外のコンクールで21もの受賞暦をもち、この若さにして既に24カ国で演奏している。2006年ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭でフランス・デビュー、その成功によりナント、リオ・デ・ジャネイロ、東京のラ・フォル・ジュルネに招かれた。2007年1月には、ウラディーミル・アシュケナージ指揮でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏しロンドン・デビューを果たし、同年12月には台北でズデネク・マカル指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団と共演している。

チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」を久しぶりに聴いたが、冒頭のコルネットとトランペットの晴れやかなファンファーレは生で聴くと素晴らしく、フィナーレも力の入った演奏で盛り上がった。プロコフィエフのP協のコロベイニコフはテクニックのある弾きなれた演奏に感じた。アンコールには彼の得意とするスクリャービンの「12のエチュード10番Op.8 -10変ニ長調」。

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ラ・フォル・ジュルネ TOKYO2018(1) [クラシック音楽鑑賞]

東京国際フォーラムで3日から5日までの3日間にわたり開催されている、今年から呼び名が「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」から変わった「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO」に行ってきました。
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今年のテーマは「モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」です。

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公演2日目の今日、以下の公演を聴いて来ました。

■公演番号M245(ホールC)
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」Op.62
シベリウス:悲しきワルツ
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64


指揮/ヴァイオリン ジュリアン・ラクリン 
演奏 ロイヤル・ノーザン・シンフォニア


ジュリアン・ラクリン(1974年12月~)ヴァイオリンニスト、指揮者。リトアニア・ヴィリニュス出身。1978年に両親に連れられオーストリアに移住。1983年にウィーン音楽院に入学するが、ロシアゆかりのヴァイオリン教育をボリス・クシュニールから受ける傍ら、ピンカス・ズーカーマンからも個人指導を受ける。幼少期から優れたヴァイオリニストとして注目され、80年代には最年少のソリストとしてウィーン・フィルと共演。ソリストとして世界的な指揮者・オーケストラから招かれる傍ら、M.ヤンソンスからの助言をきっかけに指揮者としても活躍。現在、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアの首席客演指揮者。

ロイヤル・ノーザン・シンフォニアはゲイツヘッドを拠点とする、イギリス唯一の常設の室内オーケストラ。1958年創設。過去にフィッシャーやH.シフらがシェフを務めた。現在、音楽監督フォークト、首席客演指揮者ラクリン、桂冠指揮者ツェートマイヤーに率いられている。近年、女王エリザベス2世から「ロイヤル」の称号を贈られた。

ヴァイオリニストで最近は指揮者もしているジュリアン・ラクリンが指揮と協奏曲ではソロを弾きながら指揮をした。ロイヤル・ノーザン・シンフォニアは2管編成の小編成での序曲「コリオラン」の演奏であったが、あまり違和感はなかった。ラクリンの指揮はアクションが大きく、Vnコンチェルトではソロ演奏の合間に弓を指揮棒にして奮闘している感が有った。



■公演番号M215(ホールA)
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21


ピアノ  アブデル・ラーマン・エル=バシャ
指揮   廖國敏 
演奏   シンフォニア・ヴァルソヴィア


アブデル・ラーマン・エル=バシャ(1958年10月~)はレバノン出身のピアニスト。10歳でオーケストラと初共演し、アラウから絶賛された。パリ国立音楽院でサンカンに師事。1978年、エリーザベト王妃国際コンクールで優勝。ベルリン・フィル、イギリス室内管等と共演。2013年、自身2度目となるベートーヴェンのソナタ全曲録音を達成。優れた作曲家でもある。

廖國敏(リオ・クォクマン)マカオ出身の指揮者。将来を有望視される若手指揮者の一人。ジュリアード音楽院留学中、カーティス音楽学校とニューイングランド音楽院でも指揮を学んだ。2014年、スヴェトラーノフ指揮者コンクール優勝。これまで、フィラデルフィア管、フランス放送フィル、オタワ国立芸術センター管、NHK響などを指揮。

シンフォニア・ヴァルソヴィアは1984年、メニューインがポーランド室内管弦楽団をもとに設立。作曲家・指揮者のペンデレツキが97年から音楽監督、2003年から芸術監督を務めている。2010年に開始したLFJワルシャワのレジデント・オーケストラでもある。これまで、アバド、デュトワ、アルゲリッチ、ルプー、クレーメルらと共演。

前から5列目のほぼセンターの演奏者の表情をまじかで観れる席だったが、ピアノからやや低い席だったので、音質的にはもう少し後ろの席が良かったかもしれない。アンダンテ・スピアナートは冒頭がピアノのソロで、途中から弦楽器がが加わり、さらに管が加わる1楽章のピアノ協奏曲。



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