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SACDサラウンド・レビュー(822) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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JET SET!
PTC5186787
Gudrun Sidonie Otto(soprano)
Simon Murphy(viola)
Simon Murphy/New Dutch Academy Chamber Orchestra
録音 2017年5月(DSD録音)
Pentatone

カール・フリードリヒ・ツェルター:協奏曲 変ホ長調~ヴィオラとオーケストラのための
カール・フリードリヒ・アーベル:
・交響曲 ハ長調 Op.14-1 WK25
・交響曲 変ホ長調 Op.14-2 WK26
W.A.モーツァルト:スザンナのアリア「恋人よ、早くここへ」~歌劇「フィガロの結婚」よりK.492
ヨハン・フリードリヒ・ライヒャルト:交響曲 ト長調
ステファン・ストーレース:アリア「国内平和」~歌劇「ベオグラード包囲」より(サイモン・マーフィー編曲)
ジョヴァンニ・パイジェッロ:アリア「もはや私の心には感じない」~歌劇「水車小屋の娘」より


カール・フリードリヒ・ツェルター( Carl Friedrich Zelter、1758年12月~1832年5月)は、ドイツの作曲家、指揮者、音楽教師。ドイツの文豪ゲーテとは親しい間柄であり、ツェルターの作品にはゲーテの詩に付けられたものもある。彼はその経歴の中で、約200曲のリートとともに、カンタータ、ヴィオラ協奏曲、ピアノ曲を作曲した。

カール・フリードリヒ・アーベル(Carl Friedrich Abel,1723年12月~1787年6月)は、ドイツ出身の古典派音楽の作曲家。ヴィオラ・ダ・ガンバの名手であり、貴重な作品を残した。バッハ一族と交流があり、父親は大バッハの宮廷楽団のガンバ奏者だった。カールもまたバッハの口利きでドレスデンの宮廷に職を得ている。アーベルの作品のなかで、最もよく知られているものの一つが、「6つの交響曲集Op.7」である。

ヨハン・フリードリヒ・ライヒャルト(Johann Friedrich Reichardt,1752年11月~1814年6月)はプロイセン王国の作曲家、音楽評論家。ライヒャルトの作曲家としての名声は、数にして約1500曲に上るリートにほとんどを負っている。原詩の作者はおよそ125人に及ぶ。中でも最も重要なのは、ゲーテの詩に曲付けされた歌曲であり、いくつかのゲーテ歌曲はフランツ・シューベルトにも影響を与えた。

ステファン・ストーレース(Stephen John Seymour Storace、1762年4月~1796年3月)はイギリスの作曲家。ロンドンでイギリス人の母親とイタリア人の父親の間に生まれる。父親はコントラバス奏者、作曲家で、幼少のころはイタリヤで教育を受けた。主な作品は歌劇「ホーンテッドタワー(The Haunted Tower ,1789年)」、「パイレーツ(The Pirates ,1792年)」、「(No song, no supper,1790年)」、など19作品の歌劇とバレエ音楽や室内楽、歌曲などを作曲した。

ジョヴァンニ・パイジエッロ(Giovanni Paisiello, 1740年5月~1816年6月)はイタリアのオペラ作曲家。美声ゆえに多くの注意を惹き付け、ナポリの音楽学校に送られてフランチェスコ・ドゥランテに師事。1763年に音楽学校を終えると劇場のためにいくつかの幕間劇を作曲。知られている限り94曲の歌劇を作曲した。教会音楽も非常に数多く、8曲のミサ曲のほかにたくさんの小曲がある。他に交響曲、ピアノ協奏曲、弦楽四重奏曲など51曲の器楽曲と、数々の独立した小品がある。

グズルン・シドニー・オットー(Gudrun Sidonie Otto,1979年~)はドイツのソプラノ歌手。1986年から1998年までロバート・シューマン音楽院にて声楽、ヴァイオリン、ピアノを習う。その後1998年から2004年まで、ワイマール・フランツ・リスト音楽院(Musik Franz Liszt in Weimar)にて声楽をHelga Bante, Mario Hoffに師事。2007年にラインスベルク城室内オペラ・国際コンクール(Schloss Rheinsberg international singing competition)の現代音楽部門で優勝。3008年から2009年のシーズンに、ドイツ・ オーストリア・ヴェッセン財団から奨学金を受ける。
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サイモン・マーフィー(Simon Murphy,1973年8月~)はオランダを中心に活躍するオーストラリア出身の指揮者、ビオラ奏者、音楽学者。シドニー大学を卒業後、シドニー交響楽団にてDavid Porcelijnやハンス・フォンク(Hans Vonk)に師事し指揮者として研鑽を積んだ。1996年からはオランダに渡り古楽の若手指揮者として活躍している。 新オランダ・アカデミー室内管弦楽団(New Dutch Academy)の指揮者、音楽監督を兼任している。

新オランダ・アカデミー室内管弦楽団(New Dutch Academy)略称NDAは、オランダのハーグを拠点とした2002年創立の古楽の演奏に特化したグループ。古楽器を使用し、18世紀の音楽を中心に演奏しており、国際賞も受賞している。指揮と音楽監督にはサイモン・マーフィーが就いている。

録音レベルは大きめだが、高域弦はみずみずしく、低域弦は豊かな響きをしており、好録音。トラック7、11、12ではソプラノのソロが入るが、楽器との音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。録音場所はオランダ、ハーグ、ゴシック・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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