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SACDサラウンド・レビュー(856) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Brahms
Piano Quartet No. 1 & Academic Festival Overture
CC72831
Claudio Vandelli/Würth Philharmoniker
録音 2019年6月
Challenge Classics

ブラームス:
・ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 Op.25(シェーンベルク編曲管弦楽版)
・大学祝典序曲 Op.80

クラウディオ・ヴァンデッリ( Claudio Vandelli ,1967年~)はイタリア、ミラノ生まれの指揮者。ピアノ、クラリネット、指揮をミラノで学び、その後イギリスのクラリネット奏者アントニー・ペイ(Antony Pay)にクラリネットを、指揮をセルジュ・チェリビダッケ(Sergiu Celibidache)やカルロ・マリア・ジュリーニ(Carlo Maria Giulin)などに師事した。1999年には、スイス・ヴェルビエ音楽祭の創設者マルタン・エングストローム(Martin Engstroem)に協力し、ヴェルビエ・フェスティバル・オーケストラ(Verbier Festival Orchestra)の創設に参加。
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ウルト・フィルハーモニー管弦楽団(Würth Philharmoniker)はドイツ、キュンツェルザウ(Künzelsau)にある世界的な部品メーカーであるウルト社(Würth)の本社のホールを本拠地としている、2017年創立の若いオーケストラ。2020年1月より、1967年ミラノ生まれの指揮者クラウディオ・ヴァンデッリが首席指揮者に就任した。
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ダイナミックレンジの大きな録音で、音響空間は大きく、左右、奥行方向にも広がっている。各楽器間の音のバランスも良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音と直接音がほぼ半々。録音場所はCarmen Würth Forum、Reinhold Würth Saal

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(855) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Alles Walzer,Einmal Anders
CC72841
Dora Deliyska (piano)
録音 2019年10月
Challenge Classics

・シューベルト:5つのワルツ(嬰ハ短調 D.365-27/ロ長調 D.365-22/変イ長調 D.365-10/変イ長調 D.365-13/変イ長調 D.365-12)
・シューベルト/リスト編:ワルツ・カプリス『ウィーンの夜会』 S.427-6
・リスト:メフィスト・ワルツ第1番『村の居酒屋での踊り』 S.514
・ヨゼフ・シュトラウス:ワルツ 変ロ長調『ウィーンの子供たち』
・シュルツ=エヴラー:ヨハン・シュトラウス2世『美しく青きドナウ』の主題によるアラベスク
・リゲティ:『ムジカ・リチェルカータ』より『ワルツのテンポで』
・バルトーク:14のバガテルより『ワルツ』 Sz.38-14
・ドビュッシー:ワルツ『レントより遅く』
・ラヴェル:舞踏詩『ラ・ヴァルス』

ドラ・デリイスカ(Dora Deliyska ,1980年~)はブルガリアの女性ピアニスト。オーストリア、ウィーン在住。5歳からピアノを始める。音楽に囲まれて育ち、9歳でリサイタルを開く。ウィーン国立音楽大学でユールク・フォン・ヴィントシュガー(Jürg von Vintschger)、シュテファン・ヴラダー(Stefan Vladar)に師事。イタリアのトスカーナでオクサナ・ヤブロンスカヤ(Oxana Yablonskaya)のクラスで大学院の卒業資格を取得。バッハからリゲティ・ジェルジュまで幅広い時代のレパートリーをカバー。作曲家の比較をしたり、文献と作曲家を結び付けたり、未発表の作品を発見したりとユニークな試みをしている。
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ベーゼンドルファーVc280の高域キーの響きが美しい。録音レベルは大きめで、サラウンドスピーカーからの音は、ほぼ直接音。録音場所はオーストリア、ウィーン、L. Bosendorfer Klavierfabrik

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(854) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Robert Schumann
Piano Trios,Vol.1
BIS2437
Kungsbacka Piano Trio
録音 2018年7月
BIS

シューマン:ピアノ三重奏曲集1
・ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 Op.63
・幻想小曲集 Op.88
・ピアノ三重奏曲第2番 ヘ長調 Op.80

クングスバッカ・ピアノ三重奏団 (Kungsbacka Piano Trio)は1997年創設されたスウェーデンのピアノ三重奏団。最初に演奏したスウェーデンの町クングスバッカ(Kungsbacka)の名前にちなんで名づけられた。メンバーはピアノのクローフォード・フィリップス(Crawford-Phillips)、ヴァイオリンのマリン・ブローマン(Malin Broman)、チェロのイェスパー・スヴェドベルグ(Jesper Svedberg)。ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリアで数多くの音楽祭に参加。1999年のメルボルン国際室内楽コンクールで最優秀賞を受賞し、2008年にはスウェーデン王立音楽アカデミーの通訳賞(Kungl. Musikaliska Akademiens Interpretpris)を受賞している。
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Vnが左、Pfはセンター奥、Vcは右に定位している。Pfはスタィンウェイ、Vnは1709年製ストラディヴァリウス、Vcは1699年製Grancino。残響の多い教会での録音のせいかPfは少し濁りがちに聞こえた。豊かな残響を考慮したためか、サラウンドスピーカーからの音はマイクを近めに設置し、直接音を主に捉えている。録音場所はイギリス、ブリストル、セント・ジョージ教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(853) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Berlioz
Grande messe des morts
CHSA5219
Edward Gardner/Bergen Philharmonic Youth Orchestra & Bergen Philharmonic Orchestra
Bror Magnus Tødenes (tenor)
Choir of Collegiûm Mûsicûm,Bergen Philharmonic Choir,Edvard Grieg Kor
録音 2018年5月
CHANDOS

ベルリオーズ:
・死者のための大ミサ曲(レクイエム) Op.5


ブルール・マグヌス・トーデネス(Bror Magnus Tødenes ,1993年~)ノルウェー中西部のアイクスン生まれのテノール歌手。17歳の時、トロンハイムのノルウェー科学技術大学(NTNU)の音楽学部が主宰する才能発掘プログラム「若い音楽家」に参加、学士課程に学び、2年目を終えた2014年の秋からローマの聖チェチーリア音楽院でイタリア・オペラとベルカント・スタイルの歌唱を学んだ。2015年にレナータテバルディ国際音声コンクールで(Renata Tebaldi International Voice Competition)最優秀賞と聴衆賞の両方を受賞している。
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エドワード・ガードナー(Edward Gardner,1974年11月~)はイギリスの指揮者。幼少のころは、グロスター大聖堂の聖歌隊員であったとともにピアノ、オルガン、クラリネットをも習得。ケンブリッジ大学キングス・カレッジで合唱指揮の学位を取得。2005年にBBC交響楽団とオールドバラ音楽祭で華やかなデビューを飾って以来、オーケストラから継続的に招待をされており、2008年にはBBCプロ ムスでのデビュー及びバービカン・センターにてサーリ・アホの「アドリアーナ・マーテル」の英国初演を行った。2007年以来イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)の音楽監督を務める。
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ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団(Bergen Philharmonic Orchestra)は、ノルウェーの都市ベルゲンに本拠を置くオーケストラである。1765年に音楽協会「ハーモニエン」(Musikselskabet Harmonien)として設立。1983年に現在名になる。歴代の指揮者として、エドヴァルト・グリーグ、カルステン・アンデルセン、アルド・チェッカート、ドミトリー・キタエンコ、シモーネ・ヤングらが務めた。2003年から現在までアンドルー・リットン(Andrew Litton)が首席指揮者兼芸術顧問を務めている。
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ホールトーンが豊かで、音響空間は左右、奥行方向にも広がっており、コンサートホールの中ほどで聴く音に近い。特に低域弦の厚みのある響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音は、ノルウェー、ベルゲン、グリーグ・ホール(Grieghallen)でのライヴ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch
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SACDサラウンド・レビュー(852) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Brahms
The Five Sonatas for Violin & Piano Vol.2
Ulf Wallin (violin)
Roland Pöntinen (piano)
録音 2017年5月
BIS

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集 2
・クラリネット・ソナタ 変ホ長調 Op.120, No.2 (ヴァイオリンとピアノ版)
・ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.100
・ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.108

ウルフ・ヴァリン(Ulf Wallin,1945年~)はスウェーデン出身のヴァイオリニスト。ストックホルムの王立音楽院およびウィーン国立音楽大学で教鞭をうける。ウィーンでは名匠シュナイダーハンに師事。ドイツのデトモルト音楽学校や1996 年以来ベルリンのハンス ・ アイスラー音楽大学でヴァイオリンの教授をしている。
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ローランド・ペンティネン(Roland Peter Pöntinen, 1963年5月~ )は、スウェーデンのピアニスト。父親はレニングラード(現サンクトペテルブルク)近郊イングリアの出身のフィン語話者で、ソ連からの亡命者であった。アドルフ・フレドリク音楽学校に学び、ストックホルム・スウェーデン王立音楽院にてアラン・グンナル・ハルハーゲンに師事。その後インディアナ大学ブルーミントン校に留学し、メナヘム・プレスラーやジェルジー・シェボク、エリザーベト・レオンスカヤに師事する。1981年にストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団と共演してデビューを果たし、その後欧米や韓国、南米、オーストラリアやニュージーランドの主要なオーケストラと共演してきた。レパートリーは幅広く、ソリストとしてショパン、サティ、スクリャービン、ラフマニノフ、シェーンベルク、ベルク、プーランクを、室内楽奏者としてシューマン、ブラームス、グリーグ、ヤナーチェク、シェーンベルク、ヴェーベルン、ヒンデミット、ショスタコーヴィチ、ジョリヴェ、トゥービン、シュニトケの作品を含めており、録音数も非常に多い。
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ヴァイオリン・ソナタ第1集に続く第2集。
ソロのヴァイオリンはセンターの少し下がった位置に、ピアノはセンターややや右寄りの下がった位置にそれぞれ定位している。ヴァイオリンはとてもナチュラルでクリアな響きをしており、ピアノとの音のバランスも良い。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングして、アンビエンスな音を捉えている。録音場所はスウェーデン、ピテオー、スタジオ・アクースティクム

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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