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SACDサラウンド・レビュー(912) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Molter
Concertos
Forgotten Treasures,Vol.12
ARS38252
Christopher Palameta( Oboe)
Vladimir Waltham(Cello)
Javier Zafra(Bassoon)
Anna Besson(Flute)
Catherine Martin(Violin)
Michael Alexander Willens/Kölner Akademie
録音 2017年9月
Ars Produktion

忘れられた至宝 Vol.12
モルター:序曲、シンフォニアと協奏曲集
・シンフォニア ハ長調 MWV7.13
・オーボエ協奏曲 ト短調 MWV6.22
・チェロ協奏曲 ハ長調 MWV6.7
・バスーン協奏曲 ロ長調 MWV6.25
・フルート協奏曲 ニ長調 MWV6.17
・ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 MWV6.1
・序曲 ト長調 MWV 3.5

ヨハン・メルヒオール・モルター(Johann Melchior Molter, 1696年2月~1765年1月)は、ドイツ後期バロックから前古典派に至る過渡期の作曲家で、宮廷楽長、ヴァイオリン奏者。最初は父から音楽の手ほどきを受け、その後アイゼナッハのギムナジウムで教育を受けた。カールスルーエにあるバーデン=ドゥルラハ辺境伯の宮廷のヴァイオリン奏者になり、ここで彼はマリア・サロメ・ロールワーゲン (Maria Salome Rollwagen) と結婚し、彼女との間に8人の子供たちをもうけた。1719~1721年にかけてイタリアで作曲を勉強し、アントニオ・ヴィヴァルディ、トマゾ・アルビノーニ、ジュゼッペ・タルティーニ、アレッサンドロ・スカルラッティらから影響を受けた。1722年から1733年まで、カールスルーエの宮廷楽団の楽長を務めた。1734年には、ザクセン=アイゼナハ公国のヴィルヘルム・ハインリヒの宮廷楽団の楽長になった。モルターが残した作品には、オラトリオ、いくつかのカンタータ、オーケストラのための170曲の交響曲、序曲と他の管弦楽曲、歴史上初めて書かれた6曲のクラリネット協奏曲など多くの協奏曲、そして多くの室内楽が含まれる。クラウス・ハフナーによるモルター作品目録(MWV)は、全体で約600曲を数え上げている。


ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。
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ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にブラウティハム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
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教会での収録であるが残響の影響はほとんどない。録音レベルは大きめで、各楽器間の音バランスは良く、スポットマイクを多用したと思われる。サラウンドスピーカーからの音はマイクをあまり遠ざけずに大きめで、直接音が占める。録音場所はドイツ、ヴッパータール、インマヌエル教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch
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SACDサラウンド・レビュー(911) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Weber
Complete Works for Piano and Orchestra
BIS2384
Ronald Brautigam (fortepiano)
Michael Alexander Willens/Kölner Akademie
録音 2018年11月
BIS

ウェーバー:ピアノと管弦楽のための作品全集
・ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.11,J.98
・ピアノ協奏曲第2番 変ホ長調 Op.32,J.155
・コンツェルトシュテュック ヘ短調 Op. 79,J.282

ロナルド・ブラウティハム(Ronald Brautigam,1954年10月~)はブラウティガムと呼ばれることもある。オランダの主要なピアノ演奏家の一人。最初はモダンピアノの奏者としてキャリアをスタートしたが、今ではフォルテ・ピアノの演奏家として地位を確立している。アムステルダムに生まれ、スウェーリンク音楽院でヤン・ウィーンに師事。その後、ルドルフ ・ ゼルキンについてアムステルダム、ロンドン、アメリカ合衆国で学んだ。1984 年にオランダの権威ある音楽賞のNederlandse Muziekprijsを受賞した。リッカルド・シャイー、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンク、フランス・ブリュッヘン、フィリップ・ヘレヴェッヘ、クリストファー・ホグウッド、アンドルー・パロット、ブルーノ・ワイルなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのオーケストラと定期的に共演している。最近では2017年2月に来日し、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ・ ソナタの公演を行った。
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ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens,1952年10月~)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。

ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にフォルテ・ピアノのロナルド・ブラウティハム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
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2管編成の少人数の室内楽団による演奏だが左右への広がり感のある音響空間になっている。ピアノに比べ音の小さなフォルテ・ピアノであるがバックの演奏とのバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音は小さめに抑えておりアンビエンスがメイン。録音場所はDeutschlandfunk Kammermusiksaal,Cologne,Germany

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(910) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Brahms
Symphony No.3 & Serenade No.2
CCSSA43821
Ivan Fischer/Budapest Festival Orchestra
録音 2020年9月
Channel Classics

ブラームス:
・交響曲第3番ヘ長調 Op.90
・セレナード第2番イ長調 Op.16

イヴァン・フィッシャー(Iván Fischer, 1951年1月~ )は、ブダペスト生まれのハンガリーの指揮者。ウィーン音楽院でハンス・スワロフスキーに師事し、ウィーン交響楽団などへの客演で正当な音楽を作っている。ユダヤ系ハンガリー人で、父シャーンドル、兄アダム、従兄弟ジェルジも指揮者という音楽家の家族である。ブダペスト祝祭管弦楽団の創設にかかわり、1983年来音楽監督を務めている。また、2011年からはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の首席指揮者にも就任した。代表盤は音楽監督を務めるブダペスト祝祭管弦楽団との、バルトークやコダーイ、ドヴォルザークの作品など。
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ブダペスト祝祭管弦楽団(Budapest Festival Orchestra)は、ブダペストを本拠地とするハンガリーのオーケストラである。略称は英語ではBFO、ハンガリー語ではBFZ。2008年2月より現在に至るまで、創設者の一人、イヴァン・フィッシャーが音楽監督を務めている。1983年、指揮者のイヴァン・フィッシャーとピアニストのゾルターン・コチシュを音楽監督として創立した。構成する音楽家による自主的な演奏団体である。祝祭の名からもわかるように、当初は年に3、4回程度、ハンガリーの音楽祭などのイベントで演奏する団体であったが、1992年に常設オーケストラとなった。ハンガリー国内において、ベーラ・バルトーク国立コンサートホールやリスト音楽院大ホールで定期的にオーケストラ公演を行っている。また、定期公演中には毎年3月の「ブダペスト春の音楽祭」への出演も含まれる。近年ではザルツブルク音楽祭をはじめ世界各国の音楽祭に出演するなど、国際的な活躍も目立つ。
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ホールトーンの豊かな録音で、低域弦の重厚さと、高域弦の伸びのある響きを伴っている。1ポイントマイクをメインとし、スポットマイクは多用していないと思われる録音で、コンサートホールの中程で聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスな音がメインだが、直接音も感じる。録音場所はブダペスト芸術宮殿(Müpa)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(909) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Franck
Trois Pieces & Trois Chorals
BIS2349
Pétur Sakari (organ)
録音 2020年1月
BIS

フランク:オルガンのための3つの小品と3つのコラール
・オルガンのための3つの小品
・オルガンのための3つのコラール

ピェートゥル・サカリ(Pétur Sakari ,1992年~)はフィンランドのオルガニスト。3歳からチェロを習い、8歳の時、ペッカ・スイッカネンについてオルガンを学ぶ。2005年、13歳でリサイタル・デビュー。その後フィンランドでトーマス・(Tuomas Karjalainen)に師事。2010年からはフランスでオルガンをダニエル・ロス(Daniel Roth)に師事。シベリウス・音楽院ではチェロと民族音楽を学んだ。トゥルク(Turku Organ 2006 )、ラハティ(Lahti Organ 2009)、ポリ(Pori Organ 2010)とトゥルク大聖堂のオルガンフェスティヴァル(Turku Cathedral 2010)に参加、最優秀若手芸術家と最優秀若手オルガニストに選ばれた。
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トラック1ではフランス、オルレアンにあるサン=クロワ大聖堂のパイプ・オルガンの超低音が腹に響く。マイクのセッティングはオルガンからかなり距離を取ったと思われる奥行き感のある収録。録音場所はロワレ県、オルレアン市、サン=クロワ大聖堂(Cathédrale Sainte-Croix, Orléans, France)
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サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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