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SACDサラウンド・レビュー(975) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Rachmaninov
Symphony No.3,Vocalise
CHSA5297
John Wilson/Sinfonia of London
録音 2021年9月 

ラフマニノフ:
・交響詩《死の島》 Op.29
・ヴォカリーズ Op.34-14(作曲者自身による管弦楽版)
・交響曲第3番イ短調 Op.44

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
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ダイナミックレンジは広く、音響空間は左右、奥行方向にも広がっている。ヴォカリーズでは高域弦の響きの美しさ、低域弦の重厚な響きが印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はロンドン、キルバーン、セント・オーガスティン教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(974) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Synergy
BIS-2339
Sharon Bezaly (flute)
Michala Petri (recorder)
Björn Gäfvert (harpsichord, organ)
Michael Collins (clarinet)
Walter Auer (flute)
Bram van Sambeek (bassoon)
Urban Svensson,Thomas Dausgaard,Michael Collins/Swedish Chamber Orchestra
録音   2021年8月(Telemann,Saint-Saëns)
     2017年6月(Franz Doppler)
     2021年10月(Villa-Lobos)
     2022年3月,2021年8月(Gustav Mahler)
BIS

フルート協奏曲集(相乗効果)
テレマン:リコーダーとフルートのための協奏曲 ホ短調 TWV52:e1
サン=サーンス:タランテッラ Op.6
フランツ・ドップラー:2つのフルートのための協奏曲 ニ短調(A. アドリアン による2つのフルートと管弦楽編)
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第6番
グスタフ・マーラー:
・管弦楽組曲(J.S. バッハによる)
・管弦楽組曲(J.S. バッハによる) 第2曲 バディネリ (BWV 1067より)

シャロン・ベザリー( Sharon Bezaly 1972年~)はイスラエルのテル・アヴィブ生まれのフルート奏者。11歳でフルートを始め、14歳でメータ指揮イスラエル・フィルと共演してデビュー。巨匠ピエール・ランパルの勧めでパリ音楽院に入学、アラン・マリオン、レイモン・ギオーに師事する。卒業と同時にカメラータ・アカデミカ・ザルツブルクに招かれ、1997年まで首席奏者を務めた後、ソロ活動に転じた。オーレル・ニコレの教えを受けた完璧な循環呼吸奏法に支えられた超絶技巧と豊かな音楽性で絶賛されており、グバイドゥーリナ、アホら現代を代表する作曲家が作品を献呈している。ドイツの権威ある「クラシック・エコー誌」から2002年の最優秀器楽奏者に選出された。日本のムラマツ製24Kゴールドのフルートを使用している。ストックホルム在住。
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ミカラ・ペトリ(Michala Petri,1958年7月~)はデンマーク、コペンハーゲン生まれのリコーダー奏者。5歳でデンマーク放送で初演奏を行なう。1969年よりハノーヴァーの国立音楽演劇大学でフェルディナンド・コンラードに師事。ティボリ・コンサートホールでソリストとしてデビュー以来、権威のある音楽祭にも数多く出演。バロック初期から現代作品にわたる幅広いレパートリーをもち、卓越した技巧は高く評価され、アーノルド、ホルンボー、ノアゴーなどの作曲家が彼女のために曲を書いている。1992年、リュート演奏家のラース・ハンニバルとデュオを結成。最近では2019年12月に来日し、J.S.バッハのソナタへ長調BWV1033などを演奏した。
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トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard, 1963年7月~ )はデンマークの指揮者で、トマス・ダウスガードとも記されることがある。コペンハーゲンに生まれ、同地の王立デンマーク音楽院、ロンドンの王立音楽大学に学ぶ。1997年よりスウェーデン室内管弦楽団の首席指揮者に就任、その後2004年8月にはデンマーク国立響の首席指揮者に就任した。その溢れんばかりのエネルギーと創造性のもと両オーケストラは目覚ましい変化を遂げており、2010年夏のBBCプロムスでは彼の指揮のもと、両オーケストラが出演し観客や評論家より絶賛された。最近では2019年10月に文化村オーチャードホールで行われたBBC Proms JapanのためBBCスコテッシュ交響楽団とともに来日し、マーラーの交響曲第5番などを指揮した

スウェーデン室内管弦楽団(Swedish Chamber Orchestra)はエーレブルー・スウェーデン室内管弦楽団(瑞: Svenska Kammarorkestern Örebro)とも呼ばれ、スウェーデン、エーレブルー市を本拠地とするスカンジナビアで唯一の専任の室内オーケストラである。1995年にエーレブルー室内管弦楽団(Örebro Kammarorkester)とエーレブルー管楽合奏団(Örebro Kammarblåsare)が合併して設立。1997年から現在までトーマス・ダウスゴーが音楽監督を務めている。
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テレマンの二重協奏曲ではリーコーダー、フルートともに少し下がったセンターに、チェンバロは右奥に定位している。サラウンドスピーカーからの音には直接音も含まれている。
録音場所はDjursholms kapell、スウェーデン(2021年10月、2022年3月)
Örebro Konserthus、スウェーデン(2017年6月、2021年8月)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(973) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Ma Cantablie
Selected Scarlatti Harpsichord Sonatas
MDG9212252
Tatjana Vorobjova (harpsichord)
録音 2021年8月
MDG

ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ選集
・ソナタ ニ短調K.77
・ソナタ ニ短調K.9
・ソナタ ニ長調K.490
・ソナタ ロ短調K.87
・ソナタ ヘ短調K.462
・ソナタ 変ホ長調K.193
・ソナタ ハ長調K.308
・ソナタ ヘ短調K.69
・ソナタ ハ長調K.132
・ソナタ イ短調K.451
・ソナタ イ長調K.208
・ソナタ イ長調K.24
・ソナタ ト長調K.144
・ソナタ ト短調K.8
・ソナタ ト長調K.260
・ソナタ 変ロ長調K.544
・ソナタ ニ短調K.18
・ソナタ ニ短調K.32

タチアナ・ヴォロビヨワ(Tatjana Vorobjova) はラトビア、リガ生まれのハープシコード奏者。最初にピアノを習っていたが、 古楽とハープシコードの演奏に興味を持ち、オスロとケルンではケティル ハウグサンド(Ketil Haugsand)に、ブリュッセル王立音楽院のヘルマン シュティンダース(Hermann Stinders)に師事した。 ロバート・ヒル、ボブ・ヴァン・アスペレン、フレデリック・ハース、ジェスパー・クリステンセンのマスタークラスからさらにインスピレーションを得る。彼女は、ケルンでフリーランスのハープシコード奏者として活躍している。 コンサートでは、ケルン フィルハーモニー、コンツェルトハウス ベルリン、そしてドイツ、ベルギー、イギリス、フランス、イタリア、スイス、ラトビアの多くのコンサート ホールで演奏。 通奏低音奏者として、室内オーケストラのシンフォニエッタ ケルン(Sinfonietta Köln)、ノイエス・ライン室内管弦楽団(Neues Rheinisches Kammerorchester)、バロック オーケストラのコンソーシアム・ムジカ・サクラ・ケルン(Consortium Musica Sacra Köln)と定期的に共演している。
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弦をはじくハープシコードの中低位弦の音はオンマイクでの録音のためなのか、教会の残響の影響なのか、少し濁りがちに聴こえる。録音レベルは大きめで、音場はセンターに集中することなく横方向に拡がっている。サラウウドスピーカーからの音にはアンビエンスな音も含んでいる。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(972) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Haydn Sonatas.jpg
Haydn
Sonatas
MDG94022576
Christian Zacharias (piano)
録音 2021年6月
MDG

ハイドン:
・ピアノ・ソナタ第36番ハ長調 Hob.XVI:21
・ピアノ・ソナタ第32番ト短調 Hob.XVI:44
・ピアノ・ソナタ第52番ト長調 Hob.XVI:39
・ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 Hob.XVI:46

クリスティアン・ツァハリアス(Christian Zacharias,1950年4月~)はインドの東部ジャムシェッドプール生まれのドイツ人ピアニスト、指揮者。1961年から69年までカールスルーエ音楽院で亡命ロシア人ピアニストのイレーネ・スラヴィンに学んだのち、1970年から1973年までパリで名匠ヴラド・ペルルミュテールに師事。1969年ジュネーヴ国際音楽コンクール2位受賞、1973年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール2位受賞ののち、1975年パリ・ラヴェル・コンクールで優勝、以後、国際的な活動を展開し、1979年にはEMIと専属契約を結び、数多くのレコーディングをおこなった。その後、弾き振り中心に指揮者としての活動をスタート、1992年にスイス・ロマンド管弦楽団を指揮してデビュー後は各地のオーケストラと共演を重ね、2000年からはローザンヌ室内管弦楽団の首席指揮者を務める一方、2002年、エーテボリ交響楽団の首席客演指揮者も務め、現在ではオペラも指揮するなど活動の幅を広げている。
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ピアノの中、高域弦はクリアでナチュラルな響きを伴っており、あたかも目の前で演奏しているように感じる。サラウンドスピーカーからの音はマイクを少し離して教会のアンビエンスな音を捉えている。使用ピアノはスタインウェイ・コンサート・グランド・ピアノD,1901「Manfred Burki」。録音場所はマリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(971) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Johann Wilhelm Wilms
The Piano Concertos, Vol.2
BIS-2524
Ronald Brautigam (fortepiano)
Michael Alexander Willens/Kölner Akademie
録音 2021年8月
BIS

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス:ピアノ協奏曲集2
・ピアノ協奏曲 ヘ長調 Op.32
・ピアノ協奏曲 変ホ長調 Op.55

ロナルド・ブラウティハム(Ronald Brautigam,1954年10月~)はブラウティガムと呼ばれることもある。オランダの主要なピアノ演奏家の一人。最初はモダンピアノの奏者としてキャリアをスタートしたが、今ではフォルテピアノの演奏家として地位を確立している。アムステルダムに生まれ、スウェーリンク音楽院でヤン・ウィーンに師事。その後、ルドルフ ・ ゼルキンについてアムステルダム、ロンドン、アメリカ合衆国で学んだ。1984 年にオランダの権威ある音楽賞のNederlandse Muziekprijsを受賞した。リッカルド・シャイー、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンク、フランス・ブリュッヘン、フィリップ・ヘレヴェッヘ、クリストファー・ホグウッド、アンドルー・パロット、ブルーノ・ワイルなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのオーケストラと定期的に共演している。最近では2017年2月に来日し、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ・ ソナタの公演を行った。
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ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。
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ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にブラウティハム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
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同じ演奏者の組み合わせによるヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムスのピアノ協奏曲集 1に続く第2集
フォルテピアノはセンター奥寄りに定位している。もともとモダンピアノに比べ音量の少ないので、ミキシングによってもう少し音量を上げてもいいようにも思うが、コンサートの客席で聴いている音だとすると、調度いいのかもしれない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。使用ピアノはPaul McNulty ,1819 Conrad Graf model


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(970) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Francis Poulenc
Orchestral Works
CHSA5260
Bramwell Tovey/BBC Concert Orchestra
録音 2022年3月
Chandos

プーランク:
・シンフォニエッタ FP 141
・1幕の合作バレエ『エッフェル塔の花嫁花婿』より FP 23
 トルヴィールで水浴する女
 将軍の演説
・バレエ音楽「ジャンヌの扇」 パストゥレル(羊飼いの少女) FP 45
・組曲「模範的な動物たち」 FP 111

ブラムウェル・トヴェイ(Bramwell Tovey ,1953年7月~)イギリス生まれのピアニスト、作曲家、指揮者。最初にチューバを王立音楽大学(Royal Academy of Music)にて、ジョン・フレッチャー(John Fletcher)に師事。2000年よりバンクーバー交響楽団の音楽監督。2002年9月から2006年まで、ルクセンブルクフィルハーモニー管弦楽団の指揮者および音楽監督を務めていた。
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BBCコンサート・オーケストラ(BBC Concert Orchestra)は、英国放送協会(BBC)専属のオーケストラのひとつで、その中で唯一のポップス・オーケストラである。1931年にBBCシアター・オーケストラ(BBC Theatre Orchestra)として設立され、1949年からBBCオペラ・オーケストラ(BBC Opera Orchestra)と名乗っていたが、1952年に改組された。クラシック音楽に限らず、ポップス、アンサンブルも得意としている。毎年 BBC プロムスに出演し、サウスバンク センターのアソシエイト・オーケストラとしても活動している。首席指揮者にはブラムウェル・トヴェイ(Bramwell Tovey)が就いている。
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ダイナミックレンジの大きな録音で、音場は左右、奥行方向にも広がっている。スポットマイクを多用したと思われ、各楽器の音のバランス、定位も良い。金管のきらびやかな響きと、低域弦の厚みのある響きが印象に残った。録音場所はイギリス、ワトフォード・コロッセウム

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(969) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Doppio espressivo
BIS-2509
Rick Stotijn (double bass)
Johannes Rostamo (cello)
Olivier Thiery (double bass)
Bram van Sambeek (bassoon)
Camerata RCO
録音 2021年8月
BIS

ヴィヴァルディ/ボッテジーニ コントラバス作品集(ドッピオ・エスプレシーヴォ)

ヴィヴァルディ:
・2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV 531 (M.ファン・プローイエンによるチェロ、コントラバスと室内アンサンブル編)
・歌劇「ジュスティーノ」 RV 717 - 第1幕 アリア 「喜びと共に会わん」(M.ファン・プローイエンによるコントラバスと室内アンサンブル編)
・チェロ協奏曲 ホ短調 RV 409 (M.ファン・プローイエンによるファゴット、コントラバスと室内アンサンブル編

ボッテジーニ:
・ロッシーニのカンツォネッタによる幻想曲 - ラ・セレナータ(アンダンテ)(B. フルトークによる2つのコントラバスと弦楽アンサンブル編)
・パッショーネ・アモローサ(B. フルトークによる2つのコントラバスと弦楽アンサンブル編)
・アダージョ、メランコリコとアパッシナート 「エルンストのエレジー」(M.ファン・プローイエンによるコントラバスと室内アンサンブル編)

リック・ストーティン(Rick Stotijn)はオランダのコントラバス奏者。8歳から最初の音楽教育を受ける。アムステルダム音楽院にて父親のPeter Stotijnに師事し、優秀な成績で卒業。その後フライブルク音楽大学(Hochschule in Freiburg)にてBozo Paradzikに師事。アムステルダム・シンフォニエッタとスウェーデン放送響で首席奏者を務めている。またロイヤル・コンセルトヘボウ管、ベルリン放送響、マーラー室内管、ロンドン響には客演首席奏者として招かれるなど幅広く活躍している。
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カメラータRCO(Camerata RCO)はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)のプレーヤーたちが、小編成の演奏を楽しむために結成、これまで、オランダ国内のほか、ニューヨーク、ワシントン、東京、ソウル、ウィーン、ローマ、リスボン、マドリードで演奏してきた。
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録音レベルはやや大きめ。ヴィヴァルディのコントラバス・コンチェルトではCbはセンターやや右に定位している。ボッテシーニ(トラック4~7)では2台のコントラバスの掛け合いで、低域弦の響きが豊かで美しい。録音場所はSingelkerk, Amsterdam, the Netherlands

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(968) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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New Paths
Mari Kodama (piano)
PTC5186976
録音 2022年7月
Pentatone

ブラームス:
・ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.1
・シューマンの主題による16の変奏曲 嬰へ短調 Op.9
・主題と変奏(原曲:弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 Op.18 - 第2楽章)
シューマン :
・ミルテの花 Op.25 - 第1曲 献呈(C. シューマンによるピアノ編)

児玉麻里(Mari Kodama,1966年~)は、大阪府生まれのピアニスト。3歳でピアノを始める。6歳の時に家族とともに渡欧。14歳(1981年)の時にパリ音楽院に入学。ジェルメーヌ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィエーヌ・ジョア・デュティユーに室内楽を学ぶ。同音楽院修了後、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演で本格的な演奏活動を開始し、その後は世界各国のオーケストラとの共演、リサイタルなど精力的な活動を続けている。ピアニストの児玉桃は妹。夫は指揮者のケント・ナガノ。
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使用ピアノのヤマハCFXの中低域弦は、濁りのない豊かな響きを伴っている。音像はセンターに集中することがなく、左右への広がり感を感じた。サラウウドスピーカーからの音はほぼ直接音が占める。録音場所はReitstadel, Neumarkt, Germany

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(967) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Igor Stravinsky Symphony in C & Symphony in Three Movements.jpg
Igor Stravinsky
Symphony in C & Symphony in Three Movements
CHSA5315
Sir Andrew Davis/BBC Philharmonic
録音   2019年4月(Symphony in C Major)
     2022年3月
CHANDOS

ストラヴィンスキー:
・グリーティング・プレリュード
・交響曲 ハ調
・ディヴェルティメント(管弦楽版)
・サーカス・ポルカ
・3楽章の交響曲

サー・アンドルー・デイヴィス(Sir Andrew Davis,1944年2月~ )は、イギリスの指揮者。エルガーやディーリアス、ヴォーン・ウィリアムズなどの近代イギリス音楽を得意とする。1970年にBBC交響楽団を指揮してデビュー。1975年にトロント交響楽団の音楽監督に就任後、レコーディングを活発に行う。1989年より2000年までBBC交響楽団の音楽監督、2005年から2008年までピッツバーグ交響楽団芸術顧問、2012年からはメルボルン交響楽団の音楽監督に就いている。
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BBCフィルハーモニック(BBC Philharmonic)は、マンチェスターを本拠地とする英国放送協会(BBC)傘下のオーケストラであり、イギリスの主要オーケストラの一つ。1922年に、「2ZYオーケストラ」として設立されたものが始まりと言われている(“2ZY”は、当時マンチェスターに開局されたラジオ局のコールサイン)。1926年にノーザン・ワイヤレス管弦楽団(Northern Wireless Orchestra)に改称。1931年3月、BBCがロンドンにBBC交響楽団を設立し、それに伴い地方オーケストラを廃止することを決定した。それにより当団は解散させられ、室内楽用のアンサンブルだけが残された。1933年、BBCは1つのオーケストラでは需要をまかないきれないと判断して、地方オーケストラを設立するよう方針変更をした。そして、マンチェスターにオーケストラが復活した。楽団名は、「BBCノーザン・オーケストラ」(BBC Northern Orchestra)とされた。
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ダイナッミックレンジの大きな録音で、メイン・マイクの他にスポット・マイクを多用していると思われる録音。各楽器間の音のバランスは良く、音響空間は左右、奥行方向にも広がっている。録音場所はイギリス、マンチェスター、Media City UK,Salford

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(966) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven-Liszt & Mozart-Alkan
Piano Transcriptions
BIS-2615
Paul Wee (piano)
録音 2021年7月
BIS

・ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 S464/R128(リストによるピアノ編)
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K. 466 (C-V. アルカンによるピアノ編)

ポール・ウェー(Paul Choon Kiat Wee)はシンガポール人とマレーシア人の両親のもとオーストラリア生まれのイギリスのピアニスト、弁護士。4歳でピアノをはじめ、12歳の時にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでデビュー・コンサートを開くなど神童として注目を集める。その後、ニューヨークのマンハッタン音楽学校にてニーナ・スヴェトラノワに師事し研鑽を積むも、ピアニストだけではなく弁護士も目指し、ロンドンの名門オックスフォード大学法学部で法律を学び弁護士の資格を取る。現在ロンドンを拠点に活躍している.
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ベートーヴェンの英雄のフランツ・リストによるピアノソロへの編曲版と、モーツァルトのピアノ・コンチェルト20番のアルカンによるピアノソロへの編曲版。使用しているピアノはスタインウェイDで低域弦の響きは良いが、高域弦の響きがもの足りなく感じた。
録音場所はイギリス、Monmouth、ワイアストーン・コンサート・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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2022年の走り納め [ランニング]

本日の午前中に今年最後のジョギングをしてきました。
午前中は曇りがちでしたが、風もなく、走り始めはウインドブレーカーを着ていたのですが、そのうちに汗をかきだし脱ぎました。

年間走行距離は2,144.7Kmで5年ぶりに2,000Kmをオーバーしました。風邪にもかからず、ほぼ隔日(182日)に11.6km/日走ることができました。

記録を取り出してからの走行距離は64,243.8Kmになり、地球1周半を超えています。
去年で後期高齢者になり、歳をとるにつれて体力の衰えを年々感じております。一歩一歩の歩幅が落ちてきており、ジョギングスピードは7.5分/Kmぐらいになりました。
ジョギングは体力の許す限り、今後も続けてみようと思います。


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SACDサラウンド・レビュー(965) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Stravinsky
Ballets
LSO5096(2Disks)
Sir Simon Rattle/London Symphony Orchestra
録音 2017年9月
LSO Live

ストラヴィンスキー:
Disk1
・バレエ音楽「火の鳥」(原典版)
Disk2
・バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
・バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)

サイモン・ラトル(Sir Simon Denis Rattle, 1955年1月~ )は、リヴァプール生まれのイギリスの指揮者。幼い頃からピアノと打楽器を学び、イングリッシュ・ナショナル・ユース管弦楽団では打楽器奏者を務めた。1971年にロンドンの王立音楽アカデミーに入学し、指揮を学んだ。1974年、ジョン・プレイヤー国際指揮者コンクールに優勝し、ボーンマス交響楽団およびボーンマス・シンフォニエッタの副指揮者に就任した。2002年9月から2018年6月までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督を務めた。2017年9月からロンドン交響楽団の音楽監督を務める。
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ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra,略称LSO)は、イギリスのプロのオーケストラのひとつ。ロンドンのオーケストラの中でも中心的存在で、本拠地は、1982年よりロンドンのバービカン・センター。1904年にクィーンズホール管弦楽団のメンバーを中心に、英国初の独立採算、自主運営のオーケストラとして発足。同年6月9日にクィーンズホールにおいて、ハンス・リヒターの指揮で第1回コンサートを開催した。その後、リヒターは首席指揮者に就任し、1911年にエドワード・エルガーにその座を譲るまで楽団の基礎を固める。ロイヤル・フィルとならび、「女王陛下のオーケストラ」としても知られ、名誉総裁にはエリザベス2世が就いている。主な歴代首席指揮者にアンドレ・プレヴィン(1968年~1979年)、 クラウディオ・アバド(1979年~1988年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1987年~1995年)、コリン・デイヴィス(1995年~2006年)ヴァレリー・ゲルギエフ(2007年~2015年)。2017年からサイモン・ラトルが音楽監督に就任。
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ライブ録音であるが、編集により聴衆のノイズは消されている。1ポイントマイクをメインに、スポットマイクを適度に配した録音と思われ、各楽器間の音のバランスは良い。音響空間は奥行方向にも広がっている。サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音が少ない。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(964) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Tutta sola
Rachel Podger
CCSSA44422
録音 2022年3月
Channel Classics

無伴奏ヴァイオリンのためのバロック作品集

J.S.バッハ/チャド・ケリー編:トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565(イ短調に移調)
ヨハン・ヨーゼフ・フィルスマイア:パルティータ第6番~無伴奏ヴァイオリンのための『室内向けの技巧豊かなる協和』 (1715)より
ニコラ・マッテイス2世:ファンタジア ハ短調:控えめに
ペドロ・ロペス・ノゲイラ:『ノゲイラ写本』より
・プレルーディオ(プレリュード)
・ファンテジア(ファンタジア)
・フィリョータ(少女)
作曲者不詳:『クラーゲンフルト写本』(1680年代中盤)より
・クラント/ドゥーブル~組曲ト短調より
・サラバンド/ドゥーブル~組曲ト短調より
・ジグ~組曲ト短調より
ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ:伴奏のないヴァイオリン独奏のための組曲イ長調
ジョン・ウォルシュ編:(無伴奏の)ヴァイオリンのためのプレリュードとヴォランタリー選集より
・コレッリのプレリュード
・ジェミニアーニのプレリュード
・ヴィターリのプレリュード
・ロナーティのプレリュード
・パーセルのプレリュード
ジュゼッペ・タルティーニ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第17番ニ長調 B.D2~30のソナタ』より

レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger,1968年~)はイギリス生まれのヴァイオリニスト。ドイツのルドルフ・シュタイナー・スクールで教育を受け、帰国後ギルドホール音楽演劇学校でミカエラ・コンバーティとデイヴィッド・タケノに師事した。在学中からバロック奏法に興味を惹かれ、バロック音楽を専門とするフロレジウムとパラディアン・アンサンブルという楽団の創設に関与する。その後も、このアンサンブルとコンサート・ツアーやレコーディングに参加し、国際的にも高く評価されている。1997年、トレヴァー・ピノックに招かれ、イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレス兼協奏曲ソリストに就任、ますます多忙な日々となった。2015年に英国王立音楽院(RAM)のバッハ賞を受賞。最近では2018年6月~7月開催の調布国際音楽祭2018に来日し、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番などを演奏した。
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アルバム『守護天使』に続くポッジャーのバロック無伴奏ヴァイオリン作品第2集。

ポッジャーの奏でるヴァイオリンはクリアで美しい響きを伴っている。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音が占め、教会での録音であるが、残響はほとんど感じられない。録音場所はイギリス南東部ケント州フォークストーン、セント・メアリー&セント・アーンスワイト教区教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(963) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Scriabin The Poem of Ecstasy.jpg
Scriabin
The Poem of Ecstasy
BIS-2362
Yevgeny Sudbin (piano)
Lan Shui/Singapore Symphony Orchestra, Singapore Symphony Youth Choir, Singapore Symphony Chorus
録音   2017年7/8月(Op.54,Op.60)
     2006年8月(Op.53)
BIS

スクリャービン:
・法悦の詩 Op.54
・ピアノ・ソナタ第5番 Op.53
・プロメテウス Op.60

エフゲニー・スドビン(Yevgeny Sudbin, 1980年~)ロシアのサンクトペテルブルク生まれ。幼少の頃から優れた音楽的才能を発揮し、1987年にはサンクトペテルブルク音楽院へ入学。90年にベルリンで研鑽を積んだ後、97年よりロンドンに居を構え、王立音楽院でクリストファー・エルトンに師事。その間にイタリア、コモ湖国際ピアノアカデミー参加、マレイ・ペライヤ、クロード・フランク、レオン・フライシャー、スティーヴン・ハフ、アレキサンダー・ザッツにも師事する。 06年にヨーロッパ、北欧ツアーのほか、大絶賛されたカナダとアメリカツアーを実現、フリック・コレクション・シリーズでニューヨーク・デビューを果す。2007年アメリカのアスペン音楽祭、フランスのラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ニューヨークのメトロポリタン博物館ピアノ・フォルテ・シリーズでデビューをする。2010年10月、アムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールデビューを果たす。2011年1 月、初来日し埼玉と東京のリ サイタルは絶賛を博す。最近では2019年5月に来日し、日フィルとメトネル、ピアノ協奏曲第2番を共演した。
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ラン・シュイ(Lan Shui,1957年~)は中国、杭州に生まれの指揮者。5歳からヴァイオリンを始め、1985年に北京中央管弦楽団の演奏会でプロの指揮者としてデビューし、その後北京交響楽団の指揮者に選任された。1990年にはロサンゼス・フィルとの共演で指揮者デヴィッド・ジンマンに認められ、ボルチモア交響楽団の副指揮者に就任。ニューヨーク・フィルで巨匠クルト・マズアのアシスタントを務めるなど、その後も研鑚を積み、現在では世界各地のオーケストラにも招かれている。1997年から2019年までシンガポール交響楽団の音楽監督を務めていたが2020年からは桂冠指揮者になった。又、コペンハーゲン・フィルハモニック(Copenhagen Philharmonic)の首席指揮者、(Denmark's Aalborg Symphony)の首席客演指揮者を兼ねている。
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シンガポール交響楽団(Singapore Symphony Orchestra, 略SSO)は1979年に創設されたシンガポールのオーケストラ。音楽監督はラン・シュイ(Lan Shui)が1997年から2019年まで務めていた。2020年7月から首席指揮者にハンス・グラーフ(Hans Graf)が就任予定。また、首席客演指揮者はアンドルー・リットン(Andrew Litton)。団員のほとんどがシンガポール出身。2002年までヴィクトリア・コンサートホールで定期演奏会が行われたが、現在は同年に完成したエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイを本拠地として構えている。年間約100回のコンサートを開催している。これまで、中国、マレーシア、日本、イタリア、スペイン、イギリス、ギリシャ、トルコ、アメリカで海外公演を行った。
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1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、スポットマイクは多用していないと思われる。音場は左右に広く、ホールの中程で聴く音に近い。ピアノ・ソナタでのピアノはセンターの少し下がった位置に定位している。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(962) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Poulenc, Prokofiev & Britten Sinfoniettas.jpg
Poulenc, Prokofiev & Britten
Sinfoniettas
BIS-2601
Dima Slobodeniouk/Sinfonia Lahti
録音 2021年1月
BIS

プーランク:シンフォニエッタ FP 141(1947)
プロコフィエフ:シンフォニエッタ イ長調 Op.5(1909/1914 rev./1929 Op.48)
ブリテン:シンフォニエッタ Op.1(1932/1936)(小管弦楽版)


ディーマ・スロボデニューク(Dima Slobodeniouk,1975年~)はロシア生まれの指揮者。幼いころからヴァイオリンを学び、17歳でフィンランドに移住。ヘルシンキのシベリウスアカデミーで指揮をヨルマ・パヌラ、レイフ・セーゲルスタムたちに師事した。2013年にスペインのラコルーニャのガリシア交響楽団(Orquesta Sinfónica de Galicia )の首席指揮者となり,2016年からはオッコ・カムの後任としてラハティ交響楽団の首席指揮者を務めている。
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ラハティ交響楽団(Lahti Symphony Orchestra)は、フィンランドのラハティ市・シベリウス・ホールに本拠を置くオーケストラである。1910年に設立。1949年にラハティ市の管轄に入る。1988年に首席指揮者に就任したオスモ・ヴァンスカにより、オーケストラ活動が活発になる。レパートリーの中心であるシベリウス作品のレコーディングは高く評価され、フィンランドの一地方オーケストラから国際的なシベリウス・オーケストラへと変貌した。2008年から2011年まで、ユッカ=ペッカ・サラステが首席指揮者を務め、2011年秋以降はオッコ・カムが、2016年秋のシーズンからはディーマ・スロボデニュークが首席指揮者に就任した。
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1ポイントマイクをメインとし、スポットマイクは多用していないと思われる録音で、録音レベルは少々高めだが、高域弦の伸びは良い。音場は奥行方向にも広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はフィンランド、ラハティ、シベリウスホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(961) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Schubert Symphony Nos 5 & 6.jpg
Schubert
Symphony Nos 5 & 6
CC72803
Jan Willem de Vriend/Residentie Orkest the Hague
録音 2022年1月
Challenge Classics

シューベルト:交響曲全集第4集

・交響曲第5番 変ロ長調 D.485
・交響曲第6番 ハ長調 D.589

ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(Jan Willem de Vriend,1963年~ )はオランダの指揮者。ヴァイオリニストとしても超一流の実力を誇っている。近年では指揮者としての名声が欧米諸国を中心にますます高まっている。2006年からネザーランド交響楽団の首席指揮者兼、芸術監督を務めている。2015年からはハーグ・レジデンティ管弦楽団の首席指揮者に就いている。
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ハーグ・レジデンティ管弦楽団(Residentie Orkest the Hague)はハーグ・フィルハーモニック・オーケストラ(Hague Philharmonic Orchestra)とも呼ばれており、オランダの事実上の首都ハーグにあるオーケストラである。オランダの名指揮者ヘンリ・ヴィオッタによって1904年に創立される。1911年のリヒャルト・シュトラウス・フェスティバルにおいてシュトラウス自身が彼の作品を指揮し、その後もストラヴィンスキー、レーガー、ラヴェル、ヒンデミット等の作曲家を招聘している。1949年から1973年までの長きにわたり、ウィレム・ヴァン・オッテルローが首席指揮者、音楽監督をつとめ、このオーケストラの水準を大きく向上させた。オッテルローの指揮により、フィリップスやコンサート・ホール・ソサエティ等に多くの音源が残されている。その後、後述のようにライトナー、スヴェトラーノフ等が後を継ぎ、2005年より2012年までネーメ・ヤルヴィ、2015年からはヤン・ヴィレム・デ・フリエンド(Jan Willem de Vriend)が首席指揮者をつとめている。
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ステレオマイクの他にスポットマイクを多用したと思われる録音で、各楽器間の音のバランスは良い。音像は左右、奥行方向にも広がっている。低域弦の豊かな響き、高域弦の伸びの良さが感じられる。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はオランダ、ハーグ、コンサートホール・アマーレ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(960) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mendelssohn Sinfonia VII Dble Conc For Violin, Piano & Orch.jpg
Mendelssohn
Project Volume 3
Sinfonia VII Dble Conc For Violin, Piano & Orch
MDG9122256
Stephen Waarts (violin)
Annika Treutler (piano)
Dogma Chamber Orchestra
録音 2021年8月
MDG

メンデルスゾーン:
・弦楽のための交響曲(シンフォニア)第7番ニ短調
・ヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲ニ短調

ステファン・ワーツ(Stephen Waarts, 1996年7月~)。オランダのヴァイオリニスト。カーティス音楽院でヴァイオリンの研鑽を積む。2013年のモントリオール国際コンクールで第2位受賞。2014年のメニューイン国際コンクールで優勝。2015年のエリザベート王妃国際コンクールでファイナリストまで進出。幅広いレパートリーを誇り、バッハ、バルトーク、シマノフスキ、フォーレ、イザイ、パガニーニの作品を弾きこなす才能あふれるヴァイオリニストです。アムステルダムのコンセルトヘボウ、ニューヨークのカーネギーホールなど世界トップクラスのコンサートホールでリサイタルを行っている。
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アニカ・トロイトラー(Annika Treutler, 1990年~)。ドイツの女性ピアニスト。4歳のときよりピアノを始める。2006年からロストック音楽院(Hochschule für Musik und Theater Rostock)でマティアス・キルシュネライトに師事し、ディプロマ試験に合格。2010年にベルリン・ドイツ交響楽団と協演しピアニストとしてデビュー。2014年モントリオール国際音楽コンクールで3位入賞。
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ミハイル・グレヴィチ(Mikhail Gurewitsch ,1975年~)はロシア生まれのドイツのヴァイオリニスト。子供の頃サンクトペテルブルクのリムスキーコルサコフ音楽院(Rimsky-Korsakov Conservatory)でヴァイオリンのレッスンを受け、その後同大学に入学。卒業後、ドイツのデトモルト音楽大学(Hochschule für Musik in Detmold)で、トーマス・クリスチャン(Thomas Christian)に師事した。ドグマ室内オーケストラのコンサートマスター兼音楽監督、創設者。
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ドグマ室内オーケストラ(Dogma Chamber Orchestra)はヴァイオリニストのミハイル・グレヴィチが2004年に創設した室内楽団。1995年にラースフォントリアー周辺の映画監督のグループが発表したドグマ95マニフェストにちなんで名付けられた。
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メンデルスゾーン・プロジェクトVOL.1VOL.2に続く同シリーズ第3弾。
ブックレットに掲載された録音風景の写真では、おおよそ4~5mの高い位置に数本のマイクを設置しており、距離感のある録音になっている。トラック5~7のダブル・コンチェルトではソロのヴァイオリンはセンター左寄り、ピアノはセンター右寄りで、それぞれアンサンブルより前に出た位置に定位している。録音場所はドイツ、Konzerthaus Der Abtei Marienmünster(マリエンミュンスター修道院コンツェルトハウス)

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(959)

Telemann Recorder Sonatas.jpg
Telemann
Recorder Sonatas
BIS-2555
Dan Laurin (recorder)
Anna Paradiso (harpsichord)
Mats Olofsson (cello)
録音 2021年4月 
BIS

テレマン:リコーダー・ソナタ集

・音楽の練習帳 リコーダー・ソナタ ハ長調 TWV41:C5
・リコーダー・ソナチネ イ短調 TWV41:a4
・リコーダー・ソナタ ヘ短調 TWV41:f2
・6つの新しいソナチネ ソナチネ ハ短調 TWV41:c2
・忠実な音楽の師 リコーダー・ソナタ ヘ長調 TWV41:F2
・音楽の練習帳 リコーダー・ソナタ ニ短調 TWV41:d4
・忠実な音楽の師 リコーダー・ソナタ ヘ短調 TWV41:f1
・忠実な音楽の師 リコーダー・ソナタ ハ長調 TWV41:C2

ダン・ラウリン(Dan Laurin,1960年~)はスウェーデン生まれのリコーダー奏者。オーデンセ音楽院、コペンハーゲン音楽院で学んだ。Drottningholm Baroque Ensemble、バッハ・コレギアム・ジャパンやベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などの世界中の演奏団と共演している。ストックホルム王立音楽大学(Stockholm’s Royal University College of Music)のリコーダー教授。2011年にスェーデン王立音楽アカデミーより"Interpretation Prize" を受賞。
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マッツ・オーロフソン(Mats Olofsson,1968年~)はスウェーデン生まれのチェロ奏者。ストックホルム音楽大学(Royal Music Academy in Stockholm)、でエレメール・ラヴォタ(Elemér Lavotha)とローレンス・レッサー(Laurence Lesser)に師事し、ダニール・シャフラン(Daniil Shafran)とミクロス・ペレニ(Miklós Perényi)のマスタークラスに参加した。また、バロック・チェロをフィービー・カライ(Phoebe Carrai)に師事した。イェブレ交響楽団(Gävle Symphony Orchestra)の首席チェロ奏者。ステンハンマル四重奏団(Stenhammar Quartet)のメンバーでもある。
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アンナ・パラディソ(Anna Paradiso,1976年~)はイタリア生まれのチェンバロ奏者。夫であるリコーダー奏者ダン・ラウリンらと共にバロック・アンサンブル「Paradiso Musicale」を創設。
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リコーダーはセンター前寄り、チェロはセンター右寄り、ハープシコードはセンター奥に定位しており、横への広がり感はあまりない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメインで低めに抑えられている。録音場所はDuvbo kyrka,Sundbyberg,Sweden

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(958) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bruckner Symphony No. 9_1.jpg
Bruckner
Symphony No.9
CCSSA42822
Iván Fischer/Budapest Festival Orchestra
録音 2021年3月
Channel Classics


ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 WAB.109/143

イヴァン・フィッシャー(Iván Fischer, 1951年1月~ )は、ブダペスト生まれのハンガリーの指揮者。ウィーン音楽院でハンス・スワロフスキーに師事し、ウィーン交響楽団などへの客演で正当な音楽を作っている。ユダヤ系ハンガリー人で、父シャーンドル、兄アダム、従兄弟ジェルジも指揮者という音楽家の家族である。ブダペスト祝祭管弦楽団の創設にかかわり、1983年来音楽監督を務めている。また、2011年からはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の首席指揮者にも就任した。代表盤は音楽監督を務めるブダペスト祝祭管弦楽団との、バルトークやコダーイ、ドヴォルザークの作品など。
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ブダペスト祝祭管弦楽団(Budapest Festival Orchestra)は、ブダペストを本拠地とするハンガリーのオーケストラである。略称は英語ではBFO、ハンガリー語ではBFZ。2008年2月より現在に至るまで、創設者の一人、イヴァン・フィッシャーが音楽監督を務めている。1983年、指揮者のイヴァン・フィッシャーとピアニストのゾルターン・コチシュを音楽監督として創立した。構成する音楽家による自主的な演奏団体である。祝祭の名からもわかるように、当初は年に3、4回程度、ハンガリーの音楽祭などのイベントで演奏する団体であったが、1992年に常設オーケストラとなった。ハンガリー国内において、ベーラ・バルトーク国立コンサートホールやリスト音楽院大ホールで定期的にオーケストラ公演を行っている。また、定期公演中には毎年3月の「ブダペスト春の音楽祭」への出演も含まれる。近年ではザルツブルク音楽祭をはじめ世界各国の音楽祭に出演するなど、国際的な活躍も目立つ。
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演奏会の中ほどの席で聴く音に近く、1ポイントマイクをメインとした録音で、スポットマイクは使用していないと思われる。ダイナミックレンジは大きく、音響空間は左右、奥行方向にも広がっている。高域弦の音の伸びも良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(957) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Beethoven Piano Concerto No. 4, Consecration of the House Overture & Variations, WoO 80.jpg
Beethoven
Piano Concerto No.4,Consecration of the House Overture & Variations
MDG9012216
Lauma Skride (piano)
Peter Gulke/Brandenburger Symphoniker
録音 2020年11月
MDG

ベートーヴェン:
・献堂式序曲 Op.124
・ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
・創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80

ラウマ・スクリデ(Lauma Skride,1982年3月~)。ラトビア、リガ生まれの女性ピアニスト。5歳からピアノを始める。リガにあるエミールス・ダールズィンシュ音楽学校、ハンブルク音楽演劇大学の、フォルカー・バンフィールド教授の下でピアノの研鑽を積む。ヴァイオリニストとの共演が多く、ヴァイオリニストの姉のバイバ・スクリデ、レティシア・モレノ、スザンナ・ヨーコ・ヘンケルらと共演している。2009 年には hr 交響楽団でデビューし、ハンブルガー交響楽団やニュルンベルク国立フィルハーモニーなどのオーケストラに客演した。
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ペーター・ギュルケ(Peter Gülke,1934年4月~)はドイツ、ワイマール出身の指揮者、音楽学者。フランツ・リスト音楽大学(HochschulefürMusikFranzLiszt)でチェロと音楽学を学ぶ。1958年にライプツィヒで哲学の博士号を取得し、1985年にベルリン工科大学で専門論文を発表した。 1976年にSächsischeStaatsoperDresdenの指揮者になり、1981年にワイマール交響楽団の首席指揮者に任命され。1986年から1996 年までヴッパータール交響楽団(City of Wuppertal)の首席指揮者。1996年から2001年まで、フライブルク音楽大学では指揮を教えていた。2015年から2020年までブランデンブルク交響楽団の首席指揮者を務めていた。
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ブランデンブルク交響楽団(Brandenburger Symphoniker)は本拠地をドイツ、ブランデンブルクのBrandenburgerTheaterに置き、定期的にコンサートを行っている。1810年にフュージリアーと擲弾兵連隊のプロイセン軍の音楽家によって設立された。1866年から、ブランデンブルク劇場オーケストラ(Orchester des Brandenburger Theaters)と呼ばれていた。ドイツ再統一後、ブランデンブルク交響楽団と名付けられた。定期的にコンサートを行っており、産業博物館、ブランデンブルク大聖堂、ザンクトパウリ修道院、ベッツゼーでの野外での特別コンサートも開催している。ブランデンブルク州の他の都市でも定期的に演奏し、ドイツ国内および海外でもゲスト出演している。2020年より首席指揮者はOlivier Tardy。
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1ポイントマイクをメインとした録音で、ソロのピアノ以外にスポットマイクは使用していないと思われる。演奏会のセンターで聴く音に近い。ピアノ協奏曲でのピアノは少し下がったところのセンターに定位しており、バックの演奏との音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音は直接音も感じるが、アンビエンスがメイン。録音場所はブランデンブルク・シアター

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          2+2+2方式

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SACDサラウンド・レビュー(956) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Haydn & Hindemith Cello Works.jpg
Haydn & Hindemith
Cello Works
BIS-2507
Christian Poltéra (cello)
Christian Poltéra/Munich Chamber Orchestra
録音 2021年4月
BIS

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン:
・チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2
・チェロ協奏曲第1番 ハ長調 Hob.VIIb:1
・交響曲第13番 ニ長調 Hob.I:13
パウル・ヒンデミット:葬送音楽(チェロと弦楽オーケストラ版)

クリスチャン・ポルテラ(Christian Poltera,1977年~)スイス、チューリッヒ生まれのチェロ奏者。17歳の若さでヨーヨー・マの代役としてダヴィット・ジンマン指揮チューリヒ・トンハレ管弦楽団でエルガーのチェロ協奏曲を演奏。トリオ・ツィンマーマンのチェロ担当。使用チェロはストラディヴァリウス‘Mara’(1711年)
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ミュンヘン室内管弦楽団(独:Münchener Kammerorchester)は、ドイツ・ミュンヘンを本拠地とする室内オーケストラ。1950年にクリストフ・シュテップ(Christoph Stepp)により設立される。1955年より1995年までハンス・シュタットルマイア(Hans Stadlmair)が、1995年から2006年までクリストフ・ポッペン(Christoph Poppen)が芸術監督を務め、2006年よりアレクサンダー・リープライヒ(Alexander Liebreich)が芸術監督を務めている。二人いるコンサートマスターに2018年から笠井友紀(Yuki Kasai)も就いている。
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カバー表紙の裏面に録音風景の写真が載っているが、教会の背部パイプオルガンの近くのスペースでの演奏で、フロント、バック用のステレオマイクの他、各パートの高い位置にスポットマイクをセッティングしている。ソロのチェロは少し前に出た位置に定位し、ナチュラルで豊かな響きを伴い、バックの高域弦はクリアで伸びのある響きを伴っている。
録音場所はドイツ, München-Sendling Himmelfahrtskirche

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(955) [サラウンド・サウンド・レビュー]

J.S. Bach Concertos for Harpsichord & Strings Vol.2.jpg
J.S. Bach
Concertos for Harpsichord & Strings, Vol.2
BIS2481
Masato Suzuki (harpsichord)
Bach Collegium Japan
録音 2019年7月
BIS

J.S. バッハ:チェンバロ協奏曲集 Vol.2
・チェンバロ協奏曲 ヘ長調 BWV1057
・チェンバロ協奏曲 イ長調 BWV1055
・チェンバロ協奏曲 ト短調 BWV1058
・チェンバロ協奏曲 ニ長調 BWV1054

鈴木優人(Masato Suzuki,1981年~)はオランダ・デンハーグ生まれ。東京藝術大学作曲科卒業、同大学院古楽科にてオルガンを父・鈴木雅明に師事。2007年オランダ・ハーグ王立音楽院修士課程オルガン専攻を首席で修了。同年9月より同音楽院即興演奏科を栄誉賞付きで日本人として初めて修了。アムステルダム音楽院チェンバロ科にも学ぶ。現在、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとして、また室内楽やチェンバロやオルガンソロなど国内外で演奏活動を展開している。
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バッハ・コレギウム・ジャパン(Bach Collegium Japan, BCJ)は、バロック音楽を専門とする日本のオーケストラおよび合唱団である。1990年に鈴木雅明によって設立され、1995年以来ヨハン・ゼバスティアン・バッハのカンタータのシリーズをBISレーベルより発売しており、リリースは数十枚にのぼる。BCJは毎年バッハのカンタータと器楽曲のプログラムを演奏している。2000年のバッハ没後記念250年には、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、テルアビブ、ライプツィヒ、メルボルンといった都市のフェスティバルに参加し、国際的に活動の幅を広げている。最近では、イタリア、スペイン、アメリカ合衆国、韓国、ドイツでバッハのカンタータ、マニフィカト、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲を含んだ演奏会を行っている。1999年、モービル音楽賞受賞。2014年、サントリー音楽賞受賞。
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鈴木優人とバッハ・コレギウム・ジャパンの組み合わせによるバッハのチェンバロ協奏曲集第1集に次ぐ第2集。

BWV1057ではVn×2,Va,Vc,Cb各1,Cemb,Rec×2の編成。VnとVaは左、Cembはセンター、リコーダーは右寄り、VcとCbはセンター右寄りに定位している。横への広がり感はあるが、少人数の編成のためか、奥行方向への広がり感はあまりない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所は東京、ヤマハホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(954) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Johannes Brahms
The Piano Trios
99251
homas Albertus Irnberger(Vn)
Lilya Zilberstein (piano)
David Geringas(Vc)
録音 2021年4月
Gramola

ブラームス:ピアノ三重奏曲集
Disc 1
・ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 Op.8
・ピアノ三重奏曲第2番 ハ長調 Op.87
Disc 2
・ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 Op.101
・クラリネット三重奏曲 イ短調 Op.114

トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Thomas Albertus Irnberger,1985年~)はオーストリア、ザルツブルグ生まれのヴァイオリニスト。7歳からヴァイオリン、8歳でピアノを習い始めた。才能を認められ、わずか9歳でザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学の特待生として入学を許される。15歳でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でビルケント交響楽団(BilkentSymphony Orchestra)と共演し、センセーショナルなデビューを果たす。リンツ・ブルックナー音楽院でヨゼフ・ザバイーニに、パリでギトリスに、その他シトコヴェツキー、アルベルト・リジー、イーゴリ・オイストラフといった巨匠たちに師事した。
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ダヴィド・ゲリンガス(David Gilevich Geringas,1946年7月~)は、リトアニアのヴィリニュス生まれのチェロ奏者。現在はドイツ国籍。1963年にモスクワ音楽院に入学、ロストロポーヴィチのもとで8年間学ぶ。1970年のチャイコフスキー国際コンクールで優勝をしてから世界的な注目を浴び、同年には旧西ドイツ主要都市への演奏旅行、1973年にはハンガリーへの演奏旅行をするなど華やかな音楽活動を開始する。1975年には西ドイツに移住する。北ドイツ放送交響楽団のソロ・チェリストを務めるかたわら、ハンブルク音楽院の教授として後進の指導に当たり、1980年からはリューベック音楽大学で教鞭をとっている。
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リーリャ・ジルベルシュテイン( Lilya Efimovna Zilberstein,1965年4月~)は、旧ソ連モスクワ生まれのドイツのピアニスト。1971年からグネーシン音楽大学に学ぶ。1987年にボルツァーノのブゾーニ国際ピアノコンクールに優勝して国際的な注目を集めた。1988年に卒業後まもなくイタリアに演奏旅行を行い、フィレンツェ歌劇場にてデビューを果たす。ドイツ・デビューはミュンヘンで頂点を飾った。その後はハンブルクに定住して、ソリストとして演奏活動や録音活動を追究している。また、クラウディオ・アバドやマルタ・アルゲリッチ、マキシム・ヴェンゲーロフらとも共演してきた。
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Vnは左、Pfはセンター奥寄り、Vcは右に定位しており、音の分離は良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメインで低めに抑えている。録音場所はオーストリア、ザルツブルグ、モーツァルト・ザール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(953) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Johann Wilhelm Wilms
The Piano Concertos,Vol.1
BIS2504
Ronald Brautigam
Michael Alexander Willens/Kölner Akademi
録音  2021年4月, 5月(Op.3, Op.26)
    2021年8月(Op.12)
BIS

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス:ピアノ協奏曲集 1
・ピアノ協奏曲 ホ長調 Op.3
・ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.12
・ピアノ協奏曲 ニ長調 Op.26

ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(Johann Wilhelm Wilms,1772年3月~1847年2月)ドイツのゾーリンゲンの近くにあるヴィッツヘルデン(Witzhelden)生まれのオランダの作曲家。父親や長兄からピアノや作曲の教育を受けたが、フルートは独学で習得した。1791年にはアムステルダムに移住し、そこで2つの楽団のフルート奏者を務め、ソリストとして、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ協奏曲のオランダでの初演を行なった。ただ、彼はドイツの国籍を剥奪されたとされているが、その辺りの事情はよく判っていない。彼の作曲した交響曲は番号が振られているものが第7番まで、付いていない物が2作品、そのほかピアノ協奏曲、フルート協奏曲などの作品を遺している。1815年から1932年まで使われていたドイツ国歌の作曲者でもある。
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ロナルド・ブラウティハム(Ronald Brautigam,1954年10月~)はブラウティガムと呼ばれることもある。オランダの主要なピアノ演奏家の一人。最初はモダンピアノの奏者としてキャリアをスタートしたが、今ではフォルテピアノの演奏家として地位を確立している。アムステルダムに生まれ、スウェーリンク音楽院でヤン・ウィーンに師事。その後、ルドルフ ・ ゼルキンについてアムステルダム、ロンドン、アメリカ合衆国で学んだ。1984 年にオランダの権威ある音楽賞のNederlandse Muziekprijsを受賞した。リッカルド・シャイー、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンク、フランス・ブリュッヘン、フィリップ・ヘレヴェッヘ、クリストファー・ホグウッド、アンドルー・パロット、ブルーノ・ワイルなどの著名な指揮者のもと、主要なヨーロッパのオーケストラと定期的に共演している。最近では2017年2月に来日し、モーツァルトやベートーヴェンのピアノ・ ソナタの公演を行った。
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ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(Michael Alexander Willens)はアメリカの指揮者。ジュリアード音楽院にて指揮をジョン・ネルソン(ジュリアード音楽院)、レナード・バーンスタイン(タングルウッド)などに学ぶ。リンカーンセンターのグレート・パフォーマーズ・シリーズやドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、イタリアなどの主要な音楽祭に出演。ケルン・アカデミーの音楽監督。
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ケルン・アカデミー(Kölner Akademie)は指揮者のミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズによって、1996年に創設されたドイツのケルンを拠点とするオーケストラ。レパートリーは17世紀から21世紀までの音楽で、それらの作品をその時代の演奏解釈のもとに時代に合った楽器(バロック、クラシックなど)を使い分ける。歴史的研究を追求し、作曲家の意図を引き出すことを心がけるその演奏は新鮮で自然に聴こえ、作品の本来の姿を生き生きと響かせる。 2013年5月にブラウティハム、ヴィレンズと共に来日し、モーツアルトのピアノ協奏曲などを演奏した。
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フォルテピアノはセンターの少し下がった位置に定位しており、バックの演奏との音のバランスは良い。高域弦の音の伸びは良く、音響空間は左右に広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(952) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Johann Matthias Sperger
Double Bass Concertos
CC72915
Ján Krigovsky
Collegium Wartberg 430
録音 2021年10月
Challenge Classics

シュペルガー: コントラバス協奏曲集
・コントラバス協奏曲第2番ニ長調
・コントラバス協奏曲第3番変ロ長調
・コントラバス協奏曲第4番ヘ長調

ヨハネス・マティアス・シュペルガー(Johannes Matthias Sperger,1750年3月~1812年5月)は、南部モラヴィア出身(チェコ)のオーストリアの作曲家。コントラバスのヴィルトゥオーソ。1767年からウィーンでコントラバス奏者や作曲家としての教育を受け、1777年からプレスブルク大司教の宮廷楽師に採用される。翌1778年からウィーン音楽家協会に入会するかたわら、その演奏会にたびたび自作を掲げて独奏者として出演。1783年から1786年までルートヴィヒ・フォン・エルデーディ伯爵の宮廷礼拝堂の一員となった。1789年にメクレンブルク宮廷楽団の首席コントラバス奏者に着任。きわめて多作な作曲家として、少なくとも44曲の交響曲とおびただしい数の協奏曲(そのうちコントラバス協奏曲が18曲)のほか、ソナタ、ロンド、舞曲、カンタータ、合唱曲、アリアなどを残す。
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ヤン・クリゴフスキー(Jan Krigovsky) は、スロバキア出身のコントラバス奏者で、音楽イベントの主催者、プロモーター、アート ディレクター、マネージャー、プロデューサー、出版者、ドラマトゥルク、詩人。 ソリストとしてのほか、Catalá Ensamble Trio、Alea、コレギウム・ヴァルトベルク(Collegium Wartberg)などの現代音楽のアンサンブルでも演奏しています。 コントラバス・グループのコンサート・マスターとして、ロンドン交響楽団、モダンタイムス1800、ウィーン・アカデミーなどのいくつかのオーケストラと共演。 ソリストとして、ユーリ・バシュメタ、レオシュ・スヴァロフスキー、マルティン・ハセルボック、ジョルディ・サヴァリャ、エヴァルト・ダネルらの指揮の下、オーケストラとも共演した。
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コレギウム・ヴァルトベルク430(Collegium Wartberg 430)はコントラバス奏者のヤン・クリゴフスキーが創立したアンサンブル。プロのソリスト、ミュージシャン、歌手、ダンサーなどからなり、スロバキアのメンバーに加え、外国のオーケストラや音楽アンサンブル、ジャズやその他の音楽ジャンルに関心のあるマニアや愛好家が自発的に参加している。 いままではコンツェルトハウス ウィーン、ブルックナーハウス リンツ、スロバキア フィルハーモニー管弦楽団などのコンサート ホールや、ヨーロッパのいくつかの国とアメリカで演奏している。
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1st Vn×3,2nd Vn×3 ,Va×2,Vc×1,Db×1,Ob×2,Hn×2,Tp×2,chemb、他の楽器の組み合わせでの小編成のアンサンブルでの協奏曲。2番で使用しているコントラバスはチェロに近い音がして低域弦の響きが物足りなく感じた。サラウンドスピーカーからの音は低めでアンビエンスがメイン。使用しているコントラバスは協奏曲第2番ではアントン・ポッシュ製、1736年、ウィーン、 協奏曲第3番にはヨハン・ヤコブス・エルトル製、1789年、プレスブルグ、 協奏曲第4番には制作者不明、1810年頃、ウィーン製をそれぞれ変えて演奏している。録音場所はスロバキア、ブラスチヴァ宮殿、鏡の間

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(951) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Messiaen,Ravel,Schoenberg
PTC 5186 949
Francesco Piemontesi(Piano)
Jonathan Nott/ Orchestre de La Suisse Romande
録音  2020年11月(Ravel)
    2020年12月(Messiaen)
    2021年2月(Schoenberg)
Pentatone

モーリス・ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
オリヴィエ・メシアン :異国の鳥たち
アルノルト・シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42


フランチェスコ・ピエモンテージ (Francesco Piemontesi,1983年7月~)は、スイス、ロカルノ出身のピアニスト。ハノーファー音楽演劇大学でアリエ・ヴァルディに師事し、セシル・ウーセ、アレクシス・ワイセンベルク、アルフレート・ブレンデルと共演。数々の国際コンクールにおいて優勝や入賞の実績を重ね、とりわけ2007年のエリザベート王妃国際音楽コンクールでの3位入賞は国際的に大きな注目を集めた。2009年にボルレッティ=ブイトーニ財団のフェローシップ賞を受賞。2009年から2011年までBBCニュー・ジェネレーション・アーティストにも選ばれた。
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ジョナサン・ノット(Jonathan Nott, 1962年12月~)イギリスの指揮者。当初ケンブリッジ大学で音楽学を専攻したのち、マンチェスターのロイヤル・ノーザン音楽大学で声楽とフルートを学ぶ。後に指揮に転向し、ロンドンに学ぶ。フランクフルト歌劇場などでカペルマイスターを務めた。2000年バンベルク交響楽団の首席指揮者に就任。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など欧州の主要オーケストラに客演している。幅広いレパートリーを持ち、現代音楽にも強みを発揮する。バンベルク交響楽団とはたびたび来日しており、2009年にはブラームス・チクルスを展開した。また、NHK交響楽団とたびたび共演している。2014年9月、東京交響楽団第3代音楽監督に就任。2017年1月からはスイス・ロマンド管弦楽団音楽監督に就任した。
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スイス・ロマンド管弦楽団( L’Orchestre de la Suisse Romande)は1918年エルネスト・アンセルメによってジュネーヴで結成された楽団。1938年にはローザンヌ放送管弦楽団を吸収し,発展した。アンセルメの指導のもとで繊細で透明な音質を特色とする独特の個性をもつ楽団に仕上げられた。1967年アンセルメの引退後,音楽監督に1970~1977年サヴァリッシュ,1978~1985年ホルスト・シュタイン、85~97年アルミン・ジョルダン、ファビオ・ルイジ、2005年より2012年までマレク・ヤノフスキが、2012年7月から2015年まではネーメ・ヤルヴィ、2017年1月からはジョナサン・ノット(Jonathan Nott)が就任した。2012/2013年のシーズンより2017年夏まで山田和樹が首席客演指揮者を務めた。
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ピアノはセンターの少し下がった位置に定位しており、他の楽器との音のバランスは良い。音響空間は左右に広く、適度にスポットマイクを配置した録音と思われる。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はスイス、ジュネーブ、ヴィクトリア・ホール


サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(950) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Sibelius & Nielsen
Violin Concertos
BIS2620
Johan Dalene (violin)
John Storgårds/Royal Stockholm Philharmonic Orchestra
録音 2021年6月
BIS

カール・ニールセン:ヴァイオリン協奏曲 Op.33
ジャン・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47


ユーハン・ダーレネ(Johan Dalene,2000年8月~)はスウェーデン、ノルヒェーピング生まれのヴァイオリニスト。4歳でヴァイオリンを習い始め、7歳でプロのオーケストラと共演した。ストックホルム音楽大学(Royal College of Music in Stockholm)ではパー・エノクソン(Per Enoksson)とジャニーヌ・ヤンセン(Janine Jansen)に師事し、ドラ・シュヴァルツベルク(Dora Schwarzberg)、パメラ・フランク(Pamela Frank)、ゲルハルト・シュルツ(Gerhard Schulz)、ヘニング・クラガード(Henning Kraggerud)など、数多くの著名な教師とのマスタークラスにも参加した。2019年にはジャニーヌヤンセンとクレッシェンドプログラムのメンバーに加わり、ロンドンのウィグモアホール、およびユトレヒトの国際室内楽フェスティバルで演奏した。2019年に開かれたカール・ニールセン国際音楽コンクールで優勝。同年11月には初来日した。
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ジョン・ストルゴーズ(John Storgårds,1963年10月~)はフィンランド、ヘルシンキ生まれの指揮者、ヴァイオリニスト。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーにてヴァイオリンをエッサー・ライティオ(Esther Raitio )と、ヨウコ・イグナティウス(Jouko Ignatius)に教えを受ける。その後指揮に興味を持ち1993年~1997年の間、シベリウス・アカデミーにて(Jorma Panula)や( Eri Klas)に指揮法の指導を受ける。2003年からヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団(Helsinki Philharmonic Orchestra)の首席客演指揮者に就き、2008年秋のシーズンからは首席指揮者に就任した。又、2006年から2009年までタンペレ・フィルハーモニー管弦楽団(Tampere Philharmonic Orchestra)の首席指揮者を歴任。アヴァンティ室内管弦楽団(Avanti! Chamber Orchestra)の創設メンバーの一人。2012年からBBCフィルハーモニックの首席客演指揮者に就任した。
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ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Stockholm Philharmonic Orchestra)は、スウェーデンのストックホルムのストックホルム・コンサートホール(Konserthuset)を本拠地とするオーケストラである。ノーベル賞授賞式で演奏することでも知られている。1902年に設立される。1992年にそれまでのストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(Stockholms Filharmoniska Orkester)から、「王立(Kungliga)」を冠した現在名となる。歴代の指揮者としてヴァーツラフ・ターリヒ、フリッツ・ブッシュ、ハンス・シュミット=イッセルシュテット、アンタル・ドラティ、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、パーヴォ・ベルグルンド、アンドルー・デイヴィス、パーヴォ・ヤルヴィらがいる。2000年から2008年までアラン・ギルバートが首席指揮者兼芸術顧問を務め、2008年からはサカリ・オラモが就任している。
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録音レベルは小さめ。ソロのヴァイオリンはセンターの少し下がった位置に定位しており、響きはナチュラルで音の伸びは良い。1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、音響空間は左右、奥行方向にも広い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。
使用ヴァイオリンは1736年製ストラディヴァリウス
録音場所はスウェーデン、ストックホルム・コンサートホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(949) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Metamorphosen
R.Strauss Korngold Schrecker
CHSA5292
John Wilson/Sinfonia of London
録音 2021年8月
Chandos

メタモルフォーゼン
R.シュトラウス:メタモルフォーゼン TrV 290(23の独奏弦楽器のための習作) TrV290
シュレーカー:間奏曲 嬰ヘ短調 Op.8 (弦楽オーケストラのための)
コルンゴルト:交響的セレナード変ロ長調 Op.39 (弦楽オーケストラのための)

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
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弦楽オーケストラ向けの曲を集めたアルバム。メタモルフォーゼンでは弦の中低音の響きは豊かで、特に低弦の重厚な響きが印象に残ったが、高域弦の音の伸びはあまり感じ無い。
音響空間は左右に広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。
録音場所はロンドン、Klburn、St.Augustine

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(948) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
String Quartets, Op.18 Nos.4-6
BIS2498
Chiaroscuro Quartet
録音 2019年9月
BIS

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番 - 第6番
・弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 Op.18, No.4
・弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op.18, No.5
・弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 Op.18, No.6

キアロスクーロ弦楽四重奏団(Chiaroscuro Quartet)は1stVnのロシア生まれのアリーナ・イブラギモヴァを中心に2005年に結成された。絵画の「明暗法」を意味する名の通り、現代楽器にガット弦を張り、チェロ以外の3人は立って演奏。近年の主な活動は、エジンバラ国際音楽祭のデビュー、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの演奏会、ロンドンの新しい室内楽会場ワナメイカー劇場での演奏会。2013年、ブレーメン音楽祭に共催しているドイツのラジオ放送局のフェルデ賞を受賞、このブレーメン音楽祭には2014年夏にそのオープニングナイトコンサートで再出演が約束されている。この他に、ロンドンのウィグモア・ホール、ヨーク古楽センター、パリのルーヴル・オーディトーリアム、エクサンプロバンスのデ・ジュ・ドゥ・ポーム劇場、ディジョン劇場、リスボンのグルベキアン財団、オールドバラで演奏する。最近では2019年4月に来日し、王子ホールなどで演奏した。
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イブラギモヴァの奏でるVnの高域の伸びは良く、ナチュラルな響きを伴っている。各楽器間の音のバランスも良い。サラウンドスピーカーらの音は大きめで、直接音がかなり含まれる。録音場所はドイツ、ブレーメン、sendesaal

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(947) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Mozart
Wind Concertos
LSO0855(2Discs)
Timothy Jones (horn)
Olivier Stankiewicz (oboe)
Andrew Marriner (clarinet)
Jaime Martín/London Symphony Orchestra
録音   2019年10月(K417,314,622,297b)
     2015年10月(K361)
LSO Live

モーツァルト:管楽のための作品集
[CD1]
・ホルン協奏曲 変ホ長調 K.417
・オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
・クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
[CD2]
・協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
・セレナード第10番 変ロ長調 「グラン・パルティータ」 K.361

ハイメ・マルティン(Jaime Martín,1965年9月~)はスペインの指揮者、フルート奏者。8歳でフルートを始め、13歳でスペイン国立青年オーケストラのメンバーになった。アカデミー室内管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団でフルートの首席奏者を務める。1998年以来ロンドン・王立音楽大学(Royal College of Music, London)でフルートの教師に就いている。2019年よりロスアンゼルス室内管弦楽団の首席指揮者、2022年からはメルボルン交響楽団の首席指揮者に就任した。
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ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra,略称LSO)は、イギリスのプロのオーケストラのひとつ。ロンドンのオーケストラの中でも中心的存在で、本拠地は、1982年よりロンドンのバービカン・センター。1904年にクィーンズホール管弦楽団のメンバーを中心に、英国初の独立採算、自主運営のオーケストラとして発足。同年6月9日にクィーンズホールにおいて、ハンス・リヒターの指揮で第1回コンサートを開催した。その後、リヒターは首席指揮者に就任し、1911年にエドワード・エルガーにその座を譲るまで楽団の基礎を固める。ロイヤル・フィルとならび、「女王陛下のオーケストラ」としても知られ、名誉総裁にはエリザベス2世が就いている。主な歴代首席指揮者にアンドレ・プレヴィン(1968年~1979年)、 クラウディオ・アバド(1979年~1988年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1987年~1995年)、コリン・デイヴィス(1995年~2006年)ヴァレリー・ゲルギエフ(2007年~2015年)。2017年からサイモン・ラトルが音楽監督に就任。
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コンチェルトでの独奏楽器はセンターやや奥寄りに定位しており、バックのオーケストラとの音のバランスは良い。高域弦は伸びのある響きを伴っている。左右への広がり感はあるが、奥行方向への広がりはあまり感じられない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。ライブ録音であるが聴衆のノイズは消されている。録音場所は、ロンドン、セント・ルークス、ジャーウッド・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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