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SACDサラウンド・レビュー(949) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Metamorphosen
R.Strauss Korngold Schrecker
CHSA5292
John Wilson/Sinfonia of London
録音 2021年8月
Chandos

メタモルフォーゼン
R.シュトラウス:メタモルフォーゼン TrV 290(23の独奏弦楽器のための習作) TrV290
シュレーカー:間奏曲 嬰ヘ短調 Op.8 (弦楽オーケストラのための)
コルンゴルト:交響的セレナード変ロ長調 Op.39 (弦楽オーケストラのための)

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
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弦楽オーケストラ向けの曲を集めたアルバム。メタモルフォーゼンでは弦の中低音の響きは豊かで、特に低弦の重厚な響きが印象に残ったが、高域弦の音の伸びはあまり感じ無い。
音響空間は左右に広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。
録音場所はロンドン、Klburn、St.Augustine

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(948) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Beethoven String Quartets, Op.18 Nos.4-6.jpg
Beethoven
String Quartets, Op.18 Nos.4-6
BIS2498
Chiaroscuro Quartet
録音 2019年9月
BIS

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番 - 第6番
・弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 Op.18, No.4
・弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op.18, No.5
・弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 Op.18, No.6

キアロスクーロ弦楽四重奏団(Chiaroscuro Quartet)は1stVnのロシア生まれのアリーナ・イブラギモヴァを中心に2005年に結成された。絵画の「明暗法」を意味する名の通り、現代楽器にガット弦を張り、チェロ以外の3人は立って演奏。近年の主な活動は、エジンバラ国際音楽祭のデビュー、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの演奏会、ロンドンの新しい室内楽会場ワナメイカー劇場での演奏会。2013年、ブレーメン音楽祭に共催しているドイツのラジオ放送局のフェルデ賞を受賞、このブレーメン音楽祭には2014年夏にそのオープニングナイトコンサートで再出演が約束されている。この他に、ロンドンのウィグモア・ホール、ヨーク古楽センター、パリのルーヴル・オーディトーリアム、エクサンプロバンスのデ・ジュ・ドゥ・ポーム劇場、ディジョン劇場、リスボンのグルベキアン財団、オールドバラで演奏する。最近では2019年4月に来日し、王子ホールなどで演奏した。
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イブラギモヴァの奏でるVnの高域の伸びは良く、ナチュラルな響きを伴っている。各楽器間の音のバランスも良い。サラウンドスピーカーらの音は大きめで、直接音がかなり含まれる。録音場所はドイツ、ブレーメン、sendesaal

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(947) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mozart Wind Concertos_3.jpg
Mozart
Wind Concertos
LSO0855(2Discs)
Timothy Jones (horn)
Olivier Stankiewicz (oboe)
Andrew Marriner (clarinet)
Jaime Martín/London Symphony Orchestra
録音   2019年10月(K417,314,622,297b)
     2015年10月(K361)
LSO Live

モーツァルト:管楽のための作品集
[CD1]
・ホルン協奏曲 変ホ長調 K.417
・オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
・クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
[CD2]
・協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
・セレナード第10番 変ロ長調 「グラン・パルティータ」 K.361

ハイメ・マルティン(Jaime Martín,1965年9月~)はスペインの指揮者、フルート奏者。8歳でフルートを始め、13歳でスペイン国立青年オーケストラのメンバーになった。アカデミー室内管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団でフルートの首席奏者を務める。1998年以来ロンドン・王立音楽大学(Royal College of Music, London)でフルートの教師に就いている。2019年よりロスアンゼルス室内管弦楽団の首席指揮者、2022年からはメルボルン交響楽団の首席指揮者に就任した。
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ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra,略称LSO)は、イギリスのプロのオーケストラのひとつ。ロンドンのオーケストラの中でも中心的存在で、本拠地は、1982年よりロンドンのバービカン・センター。1904年にクィーンズホール管弦楽団のメンバーを中心に、英国初の独立採算、自主運営のオーケストラとして発足。同年6月9日にクィーンズホールにおいて、ハンス・リヒターの指揮で第1回コンサートを開催した。その後、リヒターは首席指揮者に就任し、1911年にエドワード・エルガーにその座を譲るまで楽団の基礎を固める。ロイヤル・フィルとならび、「女王陛下のオーケストラ」としても知られ、名誉総裁にはエリザベス2世が就いている。主な歴代首席指揮者にアンドレ・プレヴィン(1968年~1979年)、 クラウディオ・アバド(1979年~1988年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1987年~1995年)、コリン・デイヴィス(1995年~2006年)ヴァレリー・ゲルギエフ(2007年~2015年)。2017年からサイモン・ラトルが音楽監督に就任。
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コンチェルトでの独奏楽器はセンターやや奥寄りに定位しており、バックのオーケストラとの音のバランスは良い。高域弦は伸びのある響きを伴っている。左右への広がり感はあるが、奥行方向への広がりはあまり感じられない。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。ライブ録音であるが聴衆のノイズは消されている。録音場所は、ロンドン、セント・ルークス、ジャーウッド・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(946) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Saint-Saëns Piano Concertos Nos. 1 & 2.jpg
Saint-Saëns
Piano Concertos Nos.1 & 2
BIS2400
Alexandre Kantorow (piano)
Jean-Jacques Kantorow/Tapiola Sinfonietta
録音   2021年9月(Op.22)
     2020年1月(Op.70,Op.17,Op.89)
     2018年2月(Op.76,Op.73)
BIS

サン=サーンス:
・ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.22
・カプリス・ワルツ 「ウェディング・ケーキ」 Op.76
・アレグロ・アッパッショナート 嬰ハ短調 Op.70
・ピアノ協奏曲第1番 ニ長調 Op.17
・オーヴェルニュ狂詩曲 ハ長調 Op.73
・幻想曲「アフリカ」 Op.89

アレクサンドル・カントロフ(Alexandre Kantorow, 1997年~)パリ生まれのロシアのピアニスト。名ヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフを父にもつ。5歳からピアノを習い始め、パリのスコラ・カントルム音楽院にてIgor Laszkoに師事。その後パリ国立高等音楽院にてフランク・ブラレイ(Frank Braley)、上田晴子(Haruko Ueda)に師事。 16歳のときにナントおよびワルシャワでのラ・フォル・ジュルネでシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露し、抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させた。2019年チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門において優勝。2022年6月に来日し、大阪と東京でリサイタルを行った。
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ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow,1945年10月~ )は、カンヌ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。アルメニア系ロシア人の両親の下に生まれた。ニース音楽院を経て、パリ国立高等音楽院を卒業する。1964年 第11回パガニーニ国際コンクール、1968年のティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。グレン・グールドにコンクール時の演奏を絶賛され、19歳にてカーネギーホールでデビューリサイタルを開いた後は、世界中でソリスト、室内楽奏者として活躍。オーヴェルニュ室内管弦楽団、フィンランドのタピオラ・シンフォニエッタの芸術監督を始めとし、グラナダ市交響楽団、パリ室内管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団の首席客演指揮者を経験。パリ国立高等音楽院のヴァイオリン科教授を務めるほか、世界中でマスタークラスを開き、教育にも情熱的に力を入れている。
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タピオラ・シフォニエッタ(Tapiola Sinfonietta)は1987年に創設され、エスポー市管弦楽団とも呼ばれる。フィンランドの首都ヘルシンキに隣接したエスポーという市のタピオラ・ホールを拠点とする。芸術監督をオスモ・ヴァンスカ、ジャン=ジャック・カントロフなどが歴任している。
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カントロフ親子の共演によるサン=サーンスのピアノ協奏曲第1弾に続く第2弾。

ピアノはセンターの少し下がった位置に定位しており、バックの演奏との音のバランスは良い。1ポイントマイクをメインとした録音と思われ、コンサートホールの中程で聴く音に近い。音響空間は左右、奥行方向にも広がっている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。使用ピアノはスタインウエーD。録音場所はフィンランド、エスポー、タピオラ・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(945) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Orgelpunkt Glocke Bremen Vol.2.jpg
Orgelpunkt
Glocke Bremen Vol.2
Trombone & Organ
MDG9512253
Lea Suter (organ)
Juan Gonzalez Martinez (trombone)
録音 2021年7月,8月
MDG

オルゲルプンクト~ブレーメンのザウアー・オルガンVOL.2

・ロッシーニ/リスト編:スターバト・マーテル~嘆き憂い
・アルノ・ハンセン:Quartett IV
・リヒャルト・エコールド:アダージョ
・フリードリヒ・アウグスト・ベルケ:『復活祭の朝』のモティーフによるファンタジア(ジギスムント・リッター・フォン・ノイコム)
・ハンセン:オペラメロディー集~大混成曲第2番
・グスタフ・アドルフ・メルケル:アリオーソ
・レーガー:ロマンツェ
A.ヘンゼル:
・レチタティーヴォとアダージョ
・アダージョ
・ベルケ:ファンタジア Op.58
・マックス・ペーテルス:エレジー Op.9
・パウル・ヴェシュケ:行進曲

リア・ズーター(Lea Suter)はスイス生まれの女性オルガニスト、チェンバリスト、オルガン製作者。幼い頃からバッハの音楽、鍵盤楽器に興味を持つ。16歳で最初のクラヴィコードを作成し、後にオルガン製作者としてトレーニングを受ける。トランシルヴァニアで17世紀と18世紀のオルガンの修復に取り組んだことが彼女に大きな影響を与え、教会音楽を学び、オルガン、チェンバロ、クラヴィコードの修士号を取得。ハーグ王立音楽院の講師を務める。
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フアン・ゴンザレス・マルティネス(Juan Gonzalez Martinez)はスペインのトロンボーン奏者。CSM「マヌエルマソッティリッテル」でトロンボーンを学び、HfK-ブレーメンでウィムベクにバロック・トロンボーンを学び、2019年にトップマークで修士号を取得した。ハーグ王立音楽院でコンシェルトイベリコ(Concierto Ibérico)、グロスアルテアンサンブル(GlossArte Ensemble)、ウェックマンコンソート(Weckmann-Consort)を創設した。歴史的な楽器を演奏し、ルネッサンスからロマン派時代までの歴史的な演奏スタイルを扱い、元の音を復活させることを目指している。
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オルガンのリア・ズーターはオルゲルプンクト~ブレーメン大聖堂のザウアー・オルガンVOL.1でも演奏していた。
トロンボーンとオルガンとの珍しい組み合わせの演奏。トロンボーン・カルテットとの演奏ではアルト、テナー、バス×2との合奏。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はブレーメン、Die Glocke Bremen

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(944) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
Sonatas For Violin and Piano Op.12
CCSSA44222
Rachel Podger (violin)
Christopher Glynn(piano)
録音 2021年5月
Channel Classics

ベートーヴェン:
・ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調 Op.12-1
・ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24『春』
・ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調 Op.96

レイチェル・ポッジャー(Rachel Podger,1968年~)はイギリス生まれのヴァイオリニスト。ドイツのルドルフ・シュタイナー・スクールで教育を受け、帰国後ギルドホール音楽演劇学校でミカエラ・コンバーティとデイヴィッド・タケノに師事した。在学中からバロック奏法に興味を惹かれ、バロック音楽を専門とするフロレジウムとパラディアン・アンサンブルという楽団の創設に関与する。その後も、このアンサンブルとコンサート・ツアーやレコーディングに参加し、国際的にも高く評価されている。1997年、トレヴァー・ピノックに招かれ、イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレス兼協奏曲ソリストに就任、ますます多忙な日々となった。2015年に英国王立音楽院(RAM)のバッハ賞を受賞。最近では2018年6月~7月開催の調布国際音楽祭2018に来日し、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番などを演奏した。
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クリストファー・グリン(Christopher Glynn,1974年9月~)はイギリス、レスター生まれのピアノ奏者。ライデール・フェスティバル(Ryedale Festival)の芸術監督も務めている。オックスフォードにあるニュー・カレッジにて音楽を学び、フランスでピアノをジョン・ストリート(John Streets)に師事。王立音楽院にてマルコム・マルティノー(Malcolm Martineau)に師事。多くのクラッシックの有名歌手とも共演し、ピアノを伴奏している。
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レイチェル・ポッジャー&クリストファー・グリンのコンビによる共演はこれに継ぐ2作目。
ヴァイオリンはセンター前寄りに、ピアノはセンターの奥寄りに定位している。ポッジャーの奏でるストラディバリウスはクリアで伸びのある響きを伴っている。教会での録音であるが、残響の影響はほとんど受けていない。ブックレットの収録風景の写真では、ヴァイオリンとフォルテ・ピアノにそれぞれ近接のステレオマイク、両者の中ほどの高い位置に2本のマイクを設置している。サラウンドスピーカーからの音にはアンビエンスな音を捉えている。録音場所はロンドン、、アッパー・ノーウッド、セント・ジョンズ教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(943) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Debussy Orchestrated.jpg
Debussy
Orchestrated
BIS2622
Pascal Rophé/Orchestre National des Pays de la Loire
録音 2020年10月,2021年1月
BIS

クロード・ドビュッシー:
・小組曲(H. ビュッセルによる管弦楽編)
・おもちゃ箱(A. カプレによる管弦楽編)
・子供の領分(A. カプレによる管弦楽編)

パスカル・ロフェ(Pascal Rophe,1960年~ )はフランス、パリ生まれの指揮者。パリ国立高等音楽院を卒業し、1988年ブザンソン国際コンクールに優勝してデビュー。その後アンサンブル・アンテルコンタンポランで修行を積み、現代音楽の権威としての地位を確立。ダラピッコラ、デュティユー、デュサパンなどの作品もレコーディングして高い評価を得ている。パリ管、BBC 響、サンタ・チェチーリア管などに定期的に客演している。オペラでも、リヨン歌劇場、ジュネーヴ歌劇場、ローマ歌劇場などで《ペレアスとメリザンド》《カルメル派修道女の対話》などを指揮している。
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フランス国立ロワール管弦楽団(Orchestre National des Pays de la Loire)は仏文化省の音楽部監督であった作曲家のランドスキが1971年に創設。歴代の音楽監督にはデルヴォー、スダーンらがおり、2014年のシーズンからにパスカル・ロフェが同ポストに就任した。母国フランスの作曲家はもとよりチャイコフスキーやマーラー、ストラヴィンスキー等も得意としている。
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母国フランスの作曲家を得意とするパスカル・ロフェ&フランス国立ロワール管の組み合わせの演奏はラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013の公演三日目でドビュッシーの牧神の午後への前奏曲、海、ラヴェルの高雅で感傷的なワルツ、同2017でストラヴィンスキーのバレエ「火の鳥」とラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲の公演第一日目ラヴェルのピアノ協奏曲 とボレロの公演三日目を計3回生で聴いたことがある。

1ポイントマイクをメインとし、スポットマイクを適度に配置した録音と思われる。ダイナミックレンジは大きく、各楽器間の音のバランスは良く、左右への広がり感がある。特に、金管はきらびやかな響きを伴い、打楽器はリアリティーのある音をしている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はフランス、le Centre de congrès d'Angers

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(942) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Schnittke Concerto For Piano and Strings & Prokofiev Symphony No. 2.jpg
Schnittke
Concerto For Piano and Strings
TCO0003
Yefim Bronfman (piano)
Franz Welser-Möst/Cleveland Orchestra
録音 2020年1月,10月
Cleveland Orchestra

シュニトケ:ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲
プロコフィエフ:交響曲第2番 ニ短調 Op.40


イェフィム・ナウモヴィチ・ブロンフマン(Yefim Naumovich Bronfman,1958年4月~ )は、ロシア系イスラエル人のピアニスト。ユダヤ系の両親の下に生まれる。母はヴァイオリニスト、父はピアニストであった。1973年、15歳でイスラエルに移住。現在は米国籍を取得している。1975年に、ズービン・メータが指揮するモントリオール交響楽団と共演して、国際的にデビューを果たした。カーネギー・ホールへのデビューは1989年であり、1991年にアイザック・スターンと一連の演奏会を行なった。1997年には、エサ=ペッカ・サロネン指揮のロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団との共演による、バルトークのピアノ協奏曲集の録音によって、グラミー賞を獲得。室内楽演奏でも活躍している。
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フランツ・ウェルザー=メスト (Franz Welser-Möst,1960年8月~)は、オーストリアの指揮者。14歳で地元の音楽高校に入学し、作曲家バルドゥイン・ズルツァーに学ぶ。当初の志望は、指揮者ではなくヴァイオリニストだったが、交通事故で背骨を3ヶ所も折る重傷を負い、ヴァイオリニスト志望の断念し、志望を指揮者に転向。ミュンヘン音楽大学でヘルマン・ミヒャエルに指揮法を師事。1979年のカラヤン国際指揮者コンクールでは参加者中最年少ながら、セミ・ファイナリストの一人に選ばれる。1990年、クラウス・テンシュテットの後任としてロンドン・フィルの音楽監督に就任する。1992年にはロンドン・フィルとともに初来日を果たす。1998年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演へのデビューを成功のうちに果たし、2002年からはアメリカの名門クリーヴランド管弦楽団の音楽監督を務めている。2010年にはウィーン国立歌劇場の音楽総監督に就任した。2010年、ウィーン国立音楽大学指揮科教授に就任した。2011年と2013年にはウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを指揮した。2023年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを指揮することも予定されている。
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クリーヴランド管弦楽団( The Cleveland Orchestra)は、アメリカ合衆国のオハイオ州クリーヴランドを本拠地とするオーケストラ。1918年にアデラ・プレンティス・ヒューズにより、ニコライ・ソコロフを常任指揮者に迎えて創立された。冬季はクリーヴランドのセヴェランス・ホールで、夏季はカヤホガフォールズのブロッサム・ミュージック・センターで、ジョージ・セルが1968年に創設した「ブロッサム音楽祭」のレジデントオーケストラとして演奏を行なっている。歴代指揮者としてジョージ・セル(1946年 - 1970年)、ピエール・ブーレーズ(1970年 - 1972年)、ロリン・マゼール(1972年 - 1982年)、クリストフ・フォン・ドホナーニ(1984年 - 2002年)などが、2002年から現在までフランツ・ウェルザー=メストが就いている。
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ブックレットにライヴ録音時の写真が掲載されているが、コロナ禍の中、ステージをいっぱいに使い、それぞれの演奏者間を離してフルオーケストラを配置している。シュニトケではピアノはセンター前寄りに定位しており、スポットマイクを多用したと思われ、2ch録音だが左右への広がり感のある録音になっている。
録音場所はシュニトケがクリーヴランド、セヴェランス・ホール。プロコフィエフがフロリダ、マイアミ、Knight Concert Hall

サラウンド・パフォーマンス  ーーーー
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          2ch


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SACDサラウンド・レビュー(941) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Sammartini Sonatas For Recorder and b.c. Volume 2.jpg
Sammartini
Sonatas For Recorder and b.c. Volume 2
AE10336
Andreas Bohlen (recorder)
Michael Hell (harpsichord)
Daniel Rosin (cello)
Pietro Prosser (lute)
録音 2019年7月
Aeolus

サンマルティーニ:
ソナタ ハ長調(シブリー第8番)S8
リコーダーと通奏低音のためのソナタ ヘ長調(シブリー第18番)S18
リコーダーと通奏低音のためのソナタ ヘ短調(シブリー第16番)S16
リコーダーと通奏低音のためのソナタ ハ長調(シブリー第26番)S26
リコーダーと通奏低音のためのソナタ ニ短調(シブリー第20番)S20
リコーダーと通奏低音のためのソナタ ニ長調(シブリー第17番)S17
リコーダーと通奏低音のためのソナタ ト短調(シブリー第14番)S14


アンドレアス・ベーレン(Andreas Bohlen,1983年~)はドイツ、ヴュルツブルク生まれのフランスのリコーダー奏者、ジャズ・サクソフォン奏者。バーゼル・スコラ・カントルムの教授も務める。音楽家の息子として生まれ、6歳からリコーダーを習い始めた。数年後にはアルト・サクソフォンを始める。2007年にアムステルダム音楽院を卒業後、バーゼルの音楽アカデミーでジャズ・サックスも専攻し、イタリアでキャリアを形成した。後年にはロンドンで多くのイタリアのバロック音楽家たちを指導した。現在は古楽、ジャズの両分野において即興演奏に力を入れている。
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リュートはやや左、リコーダーはセンター前寄り、チェンバロはセンター奥寄り、バロック・チェロはやや右寄りに定位しているが、横への広がり感はあまりない。サラウンドスピーカーからの音にはマイクを遠目にセッティングしてアンビエンスな音を捉えている。
録音場所はドイツ、ブランケンブルグ、マイケルシュタイン修道院

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(940) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Ravel La valse, M.72 & Other Works.jpg
Ravel
La valse, M.72 & Other Works
BIS-2438
Sakari Oramo/Royal Stockholm Philharmonic Orchestra
録音  2020年2月(Miroirs , valse )
    2021年3月(Le Tombeau de Couperin, Menuet antique)
BIS

モーリス・ラヴェル:
・クープランの墓(管弦楽版)
・クープランの墓 第2曲 フーガ(K. ヘスケスによる管弦楽編)
・クープランの墓 第6曲 トッカータ(K. ヘスケスによる管弦楽編)
・鏡(管弦楽版)(抜粋)
・亡き王女のためのパヴァーヌ(管弦楽版)
・古風なメヌエット(管弦楽版)
・ラ・ヴァルス(管弦楽版)

サカリ・オラモ(Sakari Markus Oramo,1965年10月~ )は、フィンランド、ヘルシンキ生まれの指揮者。シベリウス音楽院でヴァイオリンを学び、17歳でアヴァンティ室内管弦楽団の創設に参加する。その後、フィンランド放送交響楽団のコンサートマスターを務める。1989年から3年間、シベリウス音楽院の指揮者ヨルマ・パヌラのクラスに在籍した。1993年、フィンランド放送交響楽団の指揮者が病気のため公演の直前にキャンセルし、代役として指揮台に立った。この成功により、同交響楽団の副常任指揮者の1人となった。1999年、バーミンガム市交響楽団の音楽監督に就任、2003年5月、同交響楽団が主催するフルーフ音楽祭の芸術監督を務めた。2006年より、フィンランドのコッコラ歌劇場の首席指揮者。2008年より、ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を務めている。2013年のシーズンからはオストロボスニア室内管弦楽団の芸術監督に就任。
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ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Stockholm Philharmonic Orchestra)は、スウェーデンのストックホルムのストックホルム・コンサートホール(Konserthuset)を本拠地とするオーケストラである。ノーベル賞授賞式で演奏することでも知られている。1902年に設立される。1992年にそれまでのストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団(Stockholms Filharmoniska Orkester)から、「王立(Kungliga)」を冠した現在名となる。歴代の指揮者としてヴァーツラフ・ターリヒ、フリッツ・ブッシュ、ハンス・シュミット=イッセルシュテット、アンタル・ドラティ、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、パーヴォ・ベルグルンド、アンドルー・デイヴィス、パーヴォ・ヤルヴィらがいる。2000年から2008年までアラン・ギルバートが首席指揮者兼芸術顧問を務め、2008年からはサカリ・オラモが就任している。
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高域弦は伸びのある音をしており、各楽器の定位は良く、存在感のある音場を構成している。音響空間も左右、前後に広がっており、各楽器の音のバランスも良い。サラウンド・スピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はスエーデン、ストックホルム・コンサート・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(939) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Ludwig van Beethoven Piano Sonatas, Op. 31.jpg
Ludwig van Beethoven
Piano Sonatas,Op.31
BIS2607
Andreas Haefliger (piano)
録音 2021年1月
BIS

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番 - 第18番
・ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 Op.31,No.1
・ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 「テンペスト」 Op.31,No.2
・ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 Op.31,No.3

アンドレアス・ヘフリガー(Andreas Haefliger,1962年~)は、ドイツ生まれのスイスのピアニスト。父親はエルンスト・ヘフリガーである。ジュリアード音楽院に学び、1988年にニューヨークにデビューした後、欧米の主要なオーケストラの多くと共演してきた。1993年にウィグモア・ホールにおいてロンドン・デビューを果たし、翌1994年にはフィルハーモニア管弦楽団と共演してプロムスに初めて出演した。ルツェルン音楽祭やザルツブルク音楽祭、ウィーン音楽週間にもしばしば出演している。
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ピアノはセンターの少し下がった位置に定位している。使用ピアノのベヒシュタインの音色は、派手やかさはあまりないものの、美しい響きを伴っている。サラウンドスピーカーからの音は、マイクを遠目にセッティングし、アンビエンスな音を捉えている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch


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SACDサラウンド・レビュー(938) [サラウンド・サウンド・レビュー]

B-A-C-H Anatomy of A Motif.jpg
B-A-C-H
Anatomy of A Motif
CHSA 5285(2) 2Discs
Simon Johnson (organ)
録音 2021年5月,6月
Chandos

J.Sバッハの主題によるモティーフの解剖学

J.S.バッハ:フーガの技法 BWV 1080よりコントラプンクトゥスXIV(4声の未完のフーガ)、音楽の捧げもの BWV 1079より6声のリチェルカーレ
メンデルスゾーン: J.S.バッハのコラール《おお、血と傷にまみれし御頭よ》によるソナタ ニ短調(ルドルフ・ルッツによる補筆完成版)
シューマン:バッハの名による6つのフーガ Op.60
ブラームス:フーガ 変イ短調 WoO 8
リスト:B-A-C-Hの主題による前奏曲とフーガ S 260
レーガー:B-A-C-Hによる幻想曲とフーガ Op.46
ジークフリート・カルク=エーレルト:B-A-C-Hによるパッサカリアとフーガ Op.150

サイモン・ジョンソン(Simon Johnson)はセント・ポール大聖堂のオルガニスト兼音楽監督補佐であり、世界的に有名な合唱団に同行し、大聖堂コンソートを指揮し、幅広いオルガンプログラムを主導している。2008年の就任以来、セント・ポールで行われたすべての全国的な行事に関与してきた。これには、サッチャー男爵夫人の葬儀、グレンフェルタワー記念礼拝、ダイヤモンドジュビリー、女王陛下の90歳の誕生日のお祝いなどが含まれる。
Simon Johnson_1.jpg


セント・ポール大聖堂には3台のオルガンが設置されており、コンソールはチャペルのある一階に備え付けられている。1台のコンソールで3台のオルガンを演奏できるようになっている。
St Paul's Cathedral Organ Console.jpg

録音場所はイギリス、ロンドン、セント・ポール大聖堂

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(937) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Purcell Fantazias.jpg
Henry Purcell
Fantazias
BIS2583
Chelys Consort of Viols
録音 2019年8月
BIS

H.パーセル:ファンタジア集
・6声のイン・ノミネ ト短調 Z.746
・4声のファンタジア第4番 ト短調 Z.735
・4声のファンタジア第5番 変ロ長調 Z.736
・歌劇「妖精の女王」 Z.629 ロンドー
・4声のファンタジア第6番 ヘ長調 Z.737
・4声のファンタジア第7番 ハ短調 Z.738
・歌劇「妖精の女王」 Z.629 第5幕 シャコンヌ「中国の男女の踊り」
・4声のファンタジア第8番 ニ短調 Z.743
・4声のファンタジア第9番 イ短調 Z.740
・歌劇「預言者またはダイオクリージャンの物語」 Z.627 第3幕 グラウンドによる3声のシャコンヌ
・4声のファンタジア第10番 ホ短調 Z.741
・4声のファンタジア第11番 ト長調 Z.742
・4声ファンタジア ニ短調 Z.743
・4声のファンタジア イ短調 Z.744
・1音に基づく5声のファンタジア ヘ長調 Z.745
・3声のファンタジア第1番 ニ短調 Z.732
・3声のファンタジア ヘ長調 Z.733
・3声のファンタジア ト短調 Z.734
・シャコンヌ ト短調 Z.730
・7声のイン・ノミネ ト短調 「ドリア調」 Z.747

チェリス・コンソート・オブ・ヴァイオルズ (Chelys Consort of Viols)は5人のメンバーで構成されるイギリスのヴィオール・コンソート。「チェリス」という古代ギリシャの弦楽器をグループ名とする。ヴィオールにはガット弦を使用している。
Chelys Consort of Viols_2.jpg

このアルバムにはパーセルのファンタジアとイン・ノミネの全曲が収録されている。
最大構成時の演奏ではヴィオール7台を使用した演奏。ガット弦を使用しているせいか、バス・ヴィオールがすこしこもりがちに聴こえるが、音質は良い。大学のチャペルでの収録であるが、左右に広がり感のある音像である。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメインだが、直接音も含んでいる。録音場所はイギリス、ケンブリッジ、Girton Colllege Chapel

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch


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SACDサラウンド・レビュー(936) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Maurice Ravel Orchestral Works.jpg
Maurice Ravel
Orchestral Works
CHSA 5280
John Wilson/Sinfonia of London
録音 2020年1月,8月,9月
Chandos


ラヴェル:管弦楽作品集
・ラ・ヴァルス  M72(管弦楽のための舞踏詩)
・マ・メール・ロワ  M62(5つのタブローとアポテオシスによるバレエ/ピアノ・デュエットのための組曲から拡張&オーケストレーション/このエディションによる世界初録音)
・道化師の朝の歌  M43c(オーケストラのための/独奏ピアノのための 《鏡》より)
・逝ける王女のためのパヴァーヌ M19a(スモール・オーケストラのための/独奏ピアノのための作品より)
・高雅で感傷的なワルツ  M61a(オーケストラのための/独奏ピアノのための作品より)
・ボレロ  M81(バレエ音楽/このエディションによる世界初録音)

ジョン・ウィルソン(John Wilson,1972年~)はイギリスの指揮者、編曲家、音楽学者。1994年にジョンウィルソン・オーケストラ(John Wilson Orchestra)を創設。2007年にジョンウィルソン・オーケストラと共にBBCプロムスに出演。2016年よりBBCスコティッシュ・シンフォニーオーケストラ(BBC Scottish Symphony Orchestra)のアソシエイトゲストコンダクター。軽音楽や映画音楽も手掛ける。
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シンフォニア・オブ・ロンドン(Sinfonia of London)は映画音楽やレコーディング・セッションのための専門的なオーケストラとして1955年に設立された。2018年にジョン・ウィルソンが再結成し、その妙技を復活第1弾のアルバム「コルンゴルトの交響曲嬰へ調」で見せた。
Sinfonia of London_4.jpg


ダイナミックレンジの大きな録音になっており、1ポイントマイクがメインでスポットマイクは多用していないと思われる。音響空間は前後、左右にも広がっている。残響の豊かな教会での収録で、サラウンドスピーカーからの音は遅延がかなりあるが、低めに抑えられている。録音場所はロンドン、キルバーン、セント・オーガスティン教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(935) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Metamorphosen  Works By Mahler, Mendelssohn.jpg
Metamorphosen
Works By Mahler, Mendelssohn
ARS38328
Maiburg Ensemble
録音 2021年3月
ARS Produktion

メタモルフォーゼ

バルトーク(クリストフ・ケーニッヒ編):ルーマニア民族舞曲
ラフマニノフ(クリストフ・ケーニッヒ編):ヴォカリーズ
マーラー(クリストフ・ケーニッヒ編):アダージェット(交響曲第5番嬰ハ短調より)
メンデルスゾーン(クリストフ・ケーニッヒ編):スケルツォ(真夏の夜の夢より)
ラヴェル:2つのヘブライの歌-永遠の謎(パスカル・シュヴェレン編)、カディッシュ(アネッテ・マイブルク編)
ドビュッシー(パスカル・シュヴェレン編):シランクス・リローデッド(原曲:シランクス)
ショパン(パスカル・シュヴェレン編):フレデリックのダンス(原曲:ワルツ第7番 嬰ハ短調 Op.64-2)
アルメニア民謡(パスカル・シュヴェレン編):農民の訴え

マイブルク・アンサンブル(Maiburg Ensemble)はフルート奏者のアネッテ・マイブルクが率いるアンサンブル。他のメンバーはピアノのパスカル・シュヴェレン、コントラバスのマティアス・ハッカー、パーカッションのフェティ・アク。
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アネッテ・マイブルク(Anette Maiburg, 1963年~)はドイツのフルート奏者。デュッセルドルフのロベルトシューマン大学(Robert Schumann Hochschule)を卒業後、ハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団(Philharmonischen Orchester Hagen)でフルート奏者として演奏活動を開始、ツアーを完了後、WDRのバンベルク交響楽団(Bamberger Symphonikern)、ケルン放送交響楽団(Kölner Rundfunksymphonie Orchester)およびボン・ベートーヴェン管弦楽団(Beethoven Orchester Bonn)とCDを録音。ケルン音楽アカデミーとリューベック音楽アカデミーで教鞭をとっている。2005年にはニーダーライン音楽祭を設立し、それ以来芸術監督を務めている。
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トラック1のバルトークではフルートとベース、パーカッションの組み合わせでジャズ風にアレンジされたものがいきなり流れ出したので、ジャズのCDをかけ間違えたと錯覚させられたが、トラック7のラフマニノフではフルートとピアノの普通のクラシックの演奏になる。サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(934) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Orgelpunkt Beckerath-Organ opus 1.jpg
Orgelpunkt
Beckerath-Organ 'opus 1'
MDG9512227
Jens-Christian Ludwig (organ)
録音
MDG

オルゲルプンクト~ベッケラート・オルガン「作品1」~聖エリザベート教会ハンブルク
シャルパンティエ:前奏曲「テ・デウム」より ニ長調 H. 146
ヘンデル:シバの女王の入場「ソロモン」より HWV 67
ジェレミヤ・クラーク/ダニエル・パーセル:トランペット・チューン
ジェレミヤ・クラーク:トランペット・ヴォランタリー (デンマーク王子の行進曲)
ヘンデル:オンブラ・マイ・フ「セルセ」より
J.S.バッハ:トッカータ ハ長調BWV564
C.P.E.バッハ:ハンブルク・ソナタ ト長調 Wq 133
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ BWV147(デュリュフレ編)
テレマン:ヴィオラ協奏曲 ト長調TWV 51:G9
J.S.バッハ/グノー:アヴェ・マリア
J.S.バッハ:
・オルガン協奏曲 ハ長調 BWV 595
・目覚めよと呼ぶ声あり BWV 645
・トッカータとフーガ ニ短調BWV 565

イェンス=クリスティアン・ルートヴィヒ(Jens-Christian Ludwig)はドイツのオルガニスト。ロザリンデ・ハース(Rosalinde Haas)教授にオルガンを学び、イタリア・オルガン学院にてサン・ピエトロ大聖堂の首席オルガン奏者を務めたフェルナンド・ジェルマーニ(Fernando Germani)教授にイタリアのオルガン学校にて師事。また、ドイツおよび海外でさまざまなオルガンのマスタークラスを修了している。レパートリーは、バロックのバッハからフランスのロマン派時代のオルガン音楽という幅広い範囲をカバーしている。2016年からハンブルクの聖エリザベス・カトリック教会(der Kath. Kirche St. Elisabeth in Hamburg)のオルガニストを務めている。
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ドイツのマスターオルガン製作者のルドルフ・フォン・ベッケラート(Rudolf von Beckerath, 1907年2月~1976年11月)が制作したドイツ、ハンブルグにある聖エリザベート教会のオルガン。
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オルガンのソロの演奏と弦楽器、ハープ、フルート、ティンパニ、ソプラノの独唱が織り交ざった合奏。マイクをオルガンからかなり遠い位置に設置していると思われ、サラウンドスピーカーからの音もフロントからの音とはあまり差が感じられない。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          6ch(2+2+2方式)

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SACDサラウンド・レビュー(933) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Mendelssohn Symphonies Nos. 1 & 3.jpg
Mendelssohn
Symphonies Nos.1 & 3
BIS2469
Thomas Dausgaard/Swedish Chamber Orchestra
録音 2019年6月
BIS

メンデルスゾーン:
・交響曲第1番ハ短調 Op.11
・交響曲第3番イ短調『スコットランド』 Op.56

トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard, 1963年7月~ )はデンマークの指揮者で、トマス・ダウスガードとも記されることがある。コペンハーゲンに生まれ、同地の王立デンマーク音楽院、ロンドンの王立音楽大学に学ぶ。1997年よりスウェーデン室内管弦楽団の首席指揮者に就任、その後2004年8月にはデンマーク国立響の首席指揮者に就任した。その溢れんばかりのエネルギーと創造性のもと両オーケストラは目覚ましい変化を遂げており、2010年夏のBBCプロムスでは彼の指揮のもと、両オーケストラが出演し観客や評論家より絶賛された。最近では2019年10月に文化村オーチャードホールで行われたBBC Proms JapanのためBBCスコテッシュ交響楽団とともに来日し、マーラーの交響曲第5番などを指揮した。
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スウェーデン室内管弦楽団(Swedish Chamber Orchestra)はエーレブルー・スウェーデン室内管弦楽団(瑞: Svenska Kammarorkestern Örebro)とも呼ばれ、スウェーデン、エーレブルー市を本拠地とするスカンジナビアで唯一の専任の室内オーケストラである。1995年にエーレブルー室内管弦楽団(Örebro Kammarorkester)とエーレブルー管楽合奏団(Örebro Kammarblåsare)が合併して設立。1997年から現在までトーマス・ダウスゴーが音楽監督を務めている。
Swedish Chamber Orchestra_7.jpg


1ポイントマイクをメインとした録音で、スポットマイクは多用していないと思われる。コンサートホールの中程で聴く音に近い。高域弦の音の伸びが特に印象に残った。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はスウェーデン、エーレブルー、エーレブルー・コンサートホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(932) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Debussy Pelléas et Mélisande Suite.jpg
Debussy
Pelléas et Mélisande Suite
PTC5186782(2 Disc's)
Jonathan Nott/Orchestre de La Suisse Romande
録音   2020年11月(Debussy)
     2019年6月(Schoenberg)
Pentatone

Disc 1
ドビュッシー(ジョナサン・ノット編曲):交響的組曲『ペレアスとメリザンド』
Disc 2
シェーンベルク:交響詩『ペレアスとメリザンド』

ジョナサン・ノット(Jonathan Nott, 1962年12月~)イギリスの指揮者。当初ケンブリッジ大学で音楽学を専攻したのち、マンチェスターのロイヤル・ノーザン音楽大学で声楽とフルートを学ぶ。後に指揮に転向し、ロンドンに学ぶ。フランクフルト歌劇場などでカペルマイスターを務めた。2000年バンベルク交響楽団の首席指揮者に就任。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など欧州の主要オーケストラに客演している。幅広いレパートリーを持ち、現代音楽にも強みを発揮する。バンベルク交響楽団とはたびたび来日しており、2009年にはブラームス・チクルスを展開した。また、NHK交響楽団とたびたび共演している。2014年9月、東京交響楽団第3代音楽監督に就任。2017年1月からはスイス・ロマンド管弦楽団音楽監督に就任した。
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スイス・ロマンド管弦楽団( L’Orchestre de la Suisse Romande)は1918年エルネスト・アンセルメによってジュネーヴで結成された楽団。1938年にはローザンヌ放送管弦楽団を吸収し,発展した。アンセルメの指導のもとで繊細で透明な音質を特色とする独特の個性をもつ楽団に仕上げられた。1967年アンセルメの引退後,音楽監督に1970~1977年サヴァリッシュ,1978~1985年ホルスト・シュタイン、85~97年アルミン・ジョルダン、ファビオ・ルイジ、2005年より2012年までマレク・ヤノフスキが、2012年7月から2015年まではネーメ・ヤルヴィ、2017年1月からはジョナサン・ノット(Jonathan Nott)が就任した。2012/2013年のシーズンより2017年夏まで山田和樹が首席客演指揮者を務めた。
L’Orchestre de la Suisse Romande_9.jpg


ホールトーンの豊かな録音で、コンサートホールの中程で聴く音に近い。1ポイントマイクをメインとした録音で、スポットマイクは多用していないと思われる。特に低域弦は厚みのある響きを伴っている。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はスイス、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(931) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Francois Couperin Les Apotheoses.jpg
Francois Couperin
Les Apotheoses
AVSA9944
Jordi Savall(basse de viole et direction)
Ton Koopman(clavecin)
Monica Huggett(violon)
Chiara Banchini(violon)
Hopkinson Smith(théorbe)
Bernard Hervé (récitant)
録音 1985年3月
Alia Vox

フランソワ・クープラン:
・リュリ讃
・コレッリ讃

ジョルディ・サヴァール(Jordi Savall ,1941年~)スペイン東北部カタルーニャ州バルセロナ県イグアラダに生まれ、バーゼル・スコラ・カントルムでヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。1974年に器楽アンサンブルのエスペリオンXXを設立し、バーゼルを活動の拠点として数多くの録音を行ったが、1987年には合唱中心のグループであるレ・カペーリャ・レイアル・デ・カタルーニャを、1989年には管弦楽団ル・コンセール・デ・ナシオンを結成し、活動の中心をバルセロナに移すと共に、バロック期のスペインないしラテン系諸国の声楽、器楽作品を新鮮な解釈と表現のもとに演奏活動に取り組んでいる。2013年9月に久しぶりに来日し、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲などを演奏した。
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トン・コープマン(Ton Koopman, 1944年10月~ )はオランダのオルガン奏者、チェンバロ奏者、指揮者。古典学を修めた後、オルガン、チェンバロをアムステルダム音楽院でグスタフ・レオンハルト及びシモン・C・ヤンセンに師事し、音楽学をアムステルダム大学で学ぶ。オルガン演奏とチェンバロ演奏の奏法で優等(プリ・デクセランス)に輝く。1979年にアムステルダム・バロック管弦楽団を設立し、1992年にはアムステルダム・バロック合唱団を併設。わけてもバッハの宗教曲やモーツァルトの交響曲の演奏・録音を通じて、オリジナル楽器演奏運動の雄となる。
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モニカ・ハジェット(Monica Huggett,1953年5月~ )はイギリス、ロンドン生まれのバロック・ヴァイオリン奏者。6歳から初期のヴァイオリン教育を受け、16歳で王立音楽院ヴァイオリン科に進む。早くも音楽院に在籍中からバロック・ヴァイオリンとの関係を深め、とりわけこの楽器の研究に没頭する。1980年にトン・コープマンとアムステルダム・バロック管弦楽団を結成し、1987年までコンサート・ミストレスを務める。ソリストとしては、その他の古楽器オーケストラと共演して協奏曲を演奏・録音し、あるいは古楽器アンサンブルと室内楽演奏で共演を重ねてきた。チェンバロ奏者のジェイムズ・ジョンストーンらと古楽器アンサンブル「トリオ・ソネリエ」を結成している。ほかにも、数々の古楽器オーケストラや古楽器アンサンブルにおいて、客演指揮者や芸術監督としても活動している。デン・ハーグ王立音楽院とブレーメン芸術高等学校において、バロック・ヴァイオリンの教授を務めている。
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録音時期は1985年で少し古いが、音質はとても良い。特に高域弦の音の伸びが良い。各楽器間の音のバランスも良い。各曲の前に語りが入る。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はパリ、ラジオ・フランス

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(930) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Johannes Brahms Piano Sonata No.3.jpg
Johannes Brahms
Piano Sonata No.3
BIS2600
Alexandre Kantorow (piano)
録音 2021年3月
BIS

ブラームス:
・バラード集 Op.10
・ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
・左手のための「シャコンヌ」

アレクサンドル・カントロフ(Alexandre Kantorow, 1997年~)パリ生まれのロシアのピアニスト。名ヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフを父にもつ。5歳からピアノを習い始め、パリのスコラ・カントルム音楽院にてIgor Laszkoに師事。その後パリ国立高等音楽院にてフランク・ブラレイ(Frank Braley)、上田晴子(Haruko Ueda)に師事。 16歳のときにナントおよびワルシャワでのラ・フォル・ジュルネでシンフォニア・ヴァルソヴィアと共演し、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を披露し、抜群のテクニックと情感豊かな演奏で聴衆を熱狂させた。2019年チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門において優勝。
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収納ケースの左右の裏扉に収録風景の写真が載っているが、ステレオマイクを2組と少し下がった高い位置にサラウンド用マイクを2組設置している。ピアノは前面に押し出すことなく、少し下がった位置に定位している。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメインだが直接音も感じる。使用ピアノはスタインウエイD
録音場所はフランス、Guebwiller、La Nef des Dominicains

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(929) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Ravel & Bizet Orchestral Works.jpg
Ravel & Bizet
Orchestral Works
ARS38323
Uta Weyand(piano)
Yves Abel/Nordwestdeutsche Philharmonie
録音 2020年12月
ARS Produktion

ラヴェル:
・ピアノ協奏曲 ト長調
・亡き王女のためのパヴァーヌ(管弦楽版)
ビゼー :交響曲 ハ長調

ウタ・ヴェヤント(Uta Weyand)はドイツ、ロイトリンゲン、音楽一家生まれのピアニスト。フライブルク音楽大学(Freiburg im Breisgau)、ボルチモア大学院、マドリッドお音楽院で、エルザ・コロディン(Elza Kolodin),ヴィタリー・マルグリス(Vitaly Margulis)、リス、レオン・フライシャー(Leon Fleisher)、ホアキン・ソリアーノ(Joaquín Soriano)に師事。ロシア、ブラジル、キューバ、アメリカとほとんどのヨーロッパ諸国で数多くのピアノリサイタルを行い、オーケストラと共演し大きな成功を収めている。ベルリンで開催されたスタインウェイ国際ピアノコンクール第1位、1996年にバレンシアで開催されたホセ・イトゥルビ国際ピアノコンクール(José Iturbi Piano Competition)で最優秀賞を受賞。レパートリーはバロックから現代音楽まで多岐にわたり、特に、10年以上のスペイン居住経験から、スペイン音楽の解釈者・演奏者として定評がある。2000年には、スペイン、カステロン音楽院(Conservatorio Superior de Musica in Madrid)の教授に就任。2002年からは、王立マドリード音楽院(Madrid Royal Conservatory)でも教鞭をとっている。
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イヴ・アーベル(Yves Abel,1963年~)はカナダ、トロント生まれの指揮者。イタリアとフランスのオペラ中心に活躍しており、コベントガーデンのロイヤルオペラハウス、スカラ座、ミラノ、ニューヨークのメトロポリタンオペラなどで公演を行った。オペラ・フランセ・ド・ニューヨーク(Opéra Français de New York)の創設者兼指揮者。2015年より北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団(NordwestDeutsche Philarmonie)の首席指揮者。2020/2021年のシーズンよりSan Diego Operaの首席指揮者。
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北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 (Nordwestdeutsche Philharmonie)はドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州ヘルフォルトに本拠を置くオーケストラである。1946年にリンツ帝国ブルックナー管弦楽団とプラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の元楽団員によってバート・ピルモントに設立された団体を前身とし、1950年にヘルフォルト交響楽団と合併して成立。当初、都市同盟交響楽団(Städtebund-Symphoniker)を名乗ったが、1951年に現在名に改称した。歴代の指揮者にヴィルヘルム・シュヒター、ヘルマン・シェルヘン、上岡敏之、アンドリス・ネルソンスなどがいる。2015年よりイヴ・アーベル(Yves Abel)が首席指揮者に就いている。
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ラヴェルのピアノ協奏曲ではピアノはセンターの少し奥まった位置に定位しており、バックの演奏との音のバランスは良い。スポットマイクを適度に配置した録音と思われる。サラウンドスピーカーからの音は大きめで、直接音も入っている。録音場所はドイツ、ヘルフォルト、Stadtpark Schützenhof

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(928) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Bruckner Symphony No.3.jpg
Bruckner
Symphony No.3
BIS2464
Thomas Dausgaard/Bergen Philharmonic Orchestra
録音 2019年6月
BIS


ブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿・ノヴァーク版)


トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard, 1963年7月~ )はデンマークの指揮者で、トマス・ダウスガードとも記されることがある。コペンハーゲンに生まれ、同地の王立デンマーク音楽院、ロンドンの王立音楽大学に学ぶ。1997年よりスウェーデン室内管弦楽団の首席指揮者に就任、その後2004年8月にはデンマーク国立響の首席指揮者に就任した。その溢れんばかりのエネルギーと創造性のもと両オーケストラは目覚ましい変化を遂げており、2010年夏のBBCプロムスでは彼の指揮のもと、両オーケストラが出演し観客や評論家より絶賛された。最近では2019年10月に文化村オーチャードホールで行われたBBC Proms JapanのためBBCスコテッシュ交響楽団とともに来日し、マーラーの交響曲第5番などを指揮した。
Thomas Dausgaard_6.jpg


ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団(Bergen Philharmonic Orchestra)は、ノルウェーの都市ベルゲンに本拠を置くオーケストラである。1765年に音楽協会「ハーモニエン」(Musikselskabet Harmonien)として設立。1983年に現在名になる。歴代の指揮者として、エドヴァルト・グリーグ、カルステン・アンデルセン、アルド・チェッカート、ドミトリー・キタエンコ、シモーネ・ヤングらが務めた。2003年から現在までアンドルー・リットン(Andrew Litton)が首席指揮者兼芸術顧問を務めている。
Bergen Philharmonic Orchestra_3.png


ベルゲン・フィルとのブルックナーシリーズ交響曲第6番に次ぐアルバム。
ホールトーンの豊かな録音で、1ポイントマイクをメインとし、スポットマイクは多用していないと思われる。コンサートホールの中程で聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はノルウェー、ベルゲン、グリーグ・ホール

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch


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SACDサラウンド・レビュー(927) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Russian Mood.jpg
Russian Mood
ARS38310
Benjamin Kruithof(Cello)
Nordwestdeutsche Philharmonie
録音 2020年2月
Ars Produktion

ロシアン・ムード~ロシアのチェロ作品集
チャイコフスキー:
・カプリッチョ風小品 ロ短調 Op.62
・ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 Op.33
・6つの小品 Op. 19 - 第4曲 夜想曲(チェロと弦楽合奏版)
・アンダンテ・カンタービレ(弦楽四重奏曲第1番 Op. 11より)
カルル・ユーリエヴィチ・ダヴィドフ:4つの小品 Op.20 第1曲 日曜の朝(チェロと管弦楽編)
ダーヴィト・ポッパー :小さなロシアの歌による幻想曲 Op. 43 (チェロと管弦楽版)
ラフマニノフ:14の歌 Op. 34 - 第14曲 ヴォカリーズ ホ短調(チェロと管弦楽編)

ベンヤミン・クルイトフ(Benjamin Kruithof,1999年~)はルクセンブルグ生まれのチェリスト。母親がヴァイオリニスト、父親がヴィオラニストの音楽一家に生まれ、4歳でヴァイオリンを、5歳からはチェロを学び始め、12歳の時にオーケストラをバックにソロを演奏。ケルン音楽大学でカタリーナ・デセルノ(Katharina Deserno)とマリア・クリーゲル(Maria Kliegel)に、ベルリン芸術大学でイェンス・ペーター・マインツ(Jens Peter Maintz)に師事。これまでに、レオポルド・ベラン国際コンクール(第1位および審査員特別賞)や、ルクセンブルクで開催された若いソリストの為のコンクール(第1位、サセム賞)など、数々のコンクールで上位に輝いている。
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コンラート・ファン・アルフェン(Conrad van Alphen)は南アフリカ生まれ、育ちの指揮者。26歳でオランダに移住した後、オランダ放送交響楽団(Netherlands Radio Symphony Orchestra)とベートーベンアカデミーアントワープ(Beethoven Academie Antwerp)にてコントラバス奏者として参加しながら、エリ・クラス(Eri Klas)とロベルト・ベンツィ(oberto Benzi)に指揮を師事。ロシア国立サフォノフ・フィルハーモニー管弦楽団(Russian State Safonov Philharmonic Orchestra)の首席指揮者を歴任。その後、シンフォニア・ロッテルダム(Sinfonia Rotterdam)を設立し、首席指揮者兼アーティスティックディレクターを務めている。
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北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 (Nordwestdeutsche Philharmonie)はドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州ヘルフォルトに本拠を置くオーケストラである。1946年にリンツ帝国ブルックナー管弦楽団とプラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の元楽団員によってバート・ピルモントに設立された団体を前身とし、1950年にヘルフォルト交響楽団と合併して成立。当初、都市同盟交響楽団(Städtebund-Symphoniker)を名乗ったが、1951年に現在名に改称した。歴代の指揮者にヴィルヘルム・シュヒター、ヘルマン・シェルヘン、上岡敏之、アンドリス・ネルソンスなどがいる。
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ソロのチェロはセンターに定位しており、バックの演奏との音のバランスは良い。ロココ風の主題ではチェロの低域の響きが美しい。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はドイツ、 Stadtpark Schützenhof Herford

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5.1ch

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SACDサラウンド・レビュー(926) [サラウンド・サウンド・レビュー]

Beethoven String Quartets, Op. 18 Nos.1-3.jpg
Beethoven
String Quartets Op.18 Nos.1-3
BIS2488
Chiaroscuro Quartet
録音 2019年6月
BIS

ベートーヴェン:
・弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 Op.18 No.1
・弦楽四重奏曲第2番 ト長調 Op.18 No.2
・弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 Op.18 No.3

キアロスクーロ弦楽四重奏団(Chiaroscuro Quartet)は1stVnのロシア生まれのアリーナ・イブラギモヴァを中心に2005年に結成された。絵画の「明暗法」を意味する名の通り、現代楽器にガット弦を張り、チェロ以外の3人は立って演奏。近年の主な活動は、エジンバラ国際音楽祭のデビュー、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダの演奏会、ロンドンの新しい室内楽会場ワナメイカー劇場での演奏会。2013年、ブレーメン音楽祭に共催しているドイツのラジオ放送局のフェルデ賞を受賞、このブレーメン音楽祭には2014年夏にそのオープニングナイトコンサートで再出演が約束されている。この他に、ロンドンのウィグモア・ホール、ヨーク古楽センター、パリのルーヴル・オーディトーリアム、エクサンプロバンスのデ・ジュ・ドゥ・ポーム劇場、ディジョン劇場、リスボンのグルベキアン財団、オールドバラで演奏する。最近では2019年4月に来日し、王子ホールなどで演奏した。
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イブラギモヴァの弾く1st Vnはクリアーで伸びのある響きを伴っている。1st Vnは左に、Vcは右に定位しており、横への広がり感のある録音になっている。サラウンドスピーカーからの音は低めで、マイクを遠目にセッティングし、アンビエンスな音を捉えている。
録音場所はドイツ、ブレーメン、Sendesaal

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(925) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Beethoven
The Violin Sonatas Vol.3
BIS2537
Frank Peter Zimmermann (violin)
Martin Helmchen (piano)
録音 2020年8月
BIS

ベートーヴェン:
・ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 Op.30, No.3
・ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 「クロイツェル」 Op.47
・ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96

フランク・ペーター・ツィンマーマン(Frank-Peter Zimmermann,1965年2月~)はドイツのデュイスブルク生まれのヴァイオリニスト。ヴァイオリニストの母親から手ほどきを受け5歳からヴァイオリンを始める。なお父親はチェリストであった。1975年、10歳でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を弾いてデビュー。1976年にエッセンのフォルクヴァング音楽院に入学、ヴァレリー・グラドフに師事する。同年には全国青少年音楽家コンクールで優勝して「天才少年出現」として評判になる。その後、ベルリン芸術大学でサシュコ・ガヴリーロフに師事する。1979年、14歳でルツェルン音楽祭に出演。1983年、世界のメジャー・オーケストラや一流指揮者との共演を開始。2008年にはドイツ連邦共和国功労勲章一等功労十字章を受章。2013/14シーズンは、トーンハレ管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスとしてジンマンやフォン・ドホナーニと共にシーズンを通してコンサートを行うとともに、パーチェとのリサイタルやトリオ・ツィンマーマンの演奏会を行っている。使用楽器はPortigon AGのサポートにより、かつてクライスラーが所有していた1711年製ストラディヴァリウスLadyinchiquin
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マルティン・ヘルムヒェン(Martin Helmchen, 1982年~)ドイツのベルリン生まれ。6歳よりピアノを習う。ベルリン音大、ガリーナ・イヴァツォーヴァ氏に師事の後、2001年よりハノーファー音大、アリエ・ヴァルディ氏の元で学ぶ。2001年クララ・ハスキル・コンクール優勝。最近では2016年10月にヴァイオリニストのユリア・フィッシャーとともに来日し、東京オペラシティ、トッパンホールでブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番などを演奏した。
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ツィンマーマン&ヘルムヒェンによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲録音集第2弾に続く第3弾。
ヴァイオリンはセンター前寄りに、ピアノはセンターの少し下がった位置に定位している。
このシリーズに共通で、ピアノはベルギーのピアノ製作者クリス・マーネの平行弦ピアノ。ヴァイオリンはツィンマーマンの愛器、1711年製のストラディヴァリウス「レディ・インチクイン」を使用している。サラウンドスピーカーからの音はマイクを遠目にセッティングしてアンビエンスな音を捉えている。録音場所は第一弾と同じベルリン、シーメンス・ヴィラ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(924) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Js Bach
The Art of the Fugue
AE11291(2Discs)
Samuel Kummer (organ)
録音 2020年10月
Aeolus

J.S.バッハ:フーガの技法 BWV.1080



ザムエル・クンマー(Samuel Kummer ,1968年2月~)ドイツ、シュトゥットガルト生まれのオルガニスト。シュトゥットガルト・音楽演劇大学(State University of Music and Performing Arts Stuttgart)で教会音楽を学ぶ。1996年にマーストリヒトのヨーロッパ・オルガン・コンクールで第1位を受賞。2005年からはドレスデン聖母教会のオルガニストとなり、多くのヨーロッパ諸国、ロシア、アメリカ、中央アフリカ、そして日本でリサイタルを行っている。ドレスデン・教会音楽大学(Hochschule für Kirchenmusik Dresden)でオルガンの即興演奏と文学劇の講師を務めている。
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マイクはオルガンからかなり離れた位置にセッティングされているとみられ、教会の豊かな残響を伴っている。高域パイプで空気の漏れうような音がして、気になった。サラウンドスピーカーからの音はほぼ直接音。録音場所はドイツ、ナウムブルク、聖ヴェンツェル教会

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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2021年の走り納め [ランニング]

本日、今年の走り納めで約11キロのジョギングをしてきました。

今月の走行距離は163.5Km、年間走行距離は1856.2Km 、記録を取り出してからの総距離は62099Kmで、地球2周目の半ばを過ぎたところです。
今年は7月に妻が入院したことにより、また、退院後も介護に時間を取られることが多く、ジョギングに割く時間も限られ、長時間の外出もできていません。
今年で後期高齢者になり、ジョギングスピードも6分/Km~7分/Kmになり、老化と共に持久力はさらに落ちております。しかし、ストレスの解消と健康維持のため、可能な限り続けたいと思います。
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SACDサラウンド・レビュー(923) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Strauss
Eine Alpensinfonie
PTC5186802
Vladimir Jurowski/Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
録音 2019年2月(live)
Pentatone

リヒャルト・シュトラウス:アルプス交響曲 Op.64,TrV233

ウラディーミル・ユロフスキ(Vladimir Jurowski,1972年4月~)は、ロシア、モスクワ生まれのドイツの指揮者。父は指揮者のミハイル・ユロフスキ、祖父は作曲家で同名のウラディーミル・ユロフスキ。18歳でドイツに移住。音楽を学び、各地の歌劇場などで経験を積む。その後2001年グラインドボーン音楽祭の音楽監督に就任し、数々の上演を行う。2007年ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。ロシア・ナショナル管弦楽団の首席客演指揮者やエイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団の指揮者も務める。2011年10月、舌禍により解任されたゴレンシテインの後任としてロシア国立交響楽団の芸術監督に就任した。2017年10月にロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共に来日し、ツアー公演を行った。
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ベルリン放送交響楽団(独: Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin,英語: Berlin Radio Symphony Orchestra)は、ドイツの首都ベルリンに本拠を置くオーケストラである。略称はRSB。1923年に設立された。第二次世界大戦後は東ベルリン側に属し、DDRラジオ放送局(Rundfunk der DDR)の放送オーケストラとなった。ドイツ再統一後の1994年にRIAS室内合唱団、ベルリン放送合唱団、ベルリン・ドイツ交響楽団、ベルリン放送交響楽団の4団体を所有する有限会社(GmbH)である"Rundfunk Orchester und Chöre GmbH Berlin"が設立され、その傘下となった。主にベルリン・フィルハーモニーおよびベルリン・コンツェルトハウスで演奏会を行っている。
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ダイナミックレンジの大きな録音で1ポイントマイクをメインとし、スポットマイクは多用していないと思われる。コンサートホールの中程で聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音には直接音がかなり入っている。ライヴ録音であるが聴衆のノイズは消されている。録音場所はベルリン、コンツェルトハウス

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(922) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Saint-Saëns
Symphony No.3
BIS2470
Thierry Escaich (organ)
Jean-Jacques Kantorow/Orchestre Philharmonique de Liège
録音  2020年10月(Urbs Roma)
    2020年4月(Organ)
BIS

サン=サーンス:
・交響曲 ヘ長調 「首都ローマ」
・交響曲第3番 ハ短調 「オルガン付き」 Op.78

ティエリー・エスケシュ(Thierry Escaich, 1965年~)はフランスのオルガニスト、作曲家、即興演奏家。パリ国立高等音楽院(Conservatoire de Paris)でオルガン、即興演奏、作曲を学び、8つの最優秀賞を受賞。モーリス・デュリュフレの後任として、1996年にパリのサン=テティエンヌ・デュ・モン教会のオルガニストに就任。フランス楽派の即興演奏家の代表格でもあり、作曲家としての経歴は、オルガニストのそれと密接に関連している。様々なジャンル、構成の作品を書き、常に新しい響きを追い求め、これまで100以上の作品を作曲している。パリ・クラシック音楽大賞を受賞。1992年からパリ国立高等音楽院にて即興演奏と作曲を教えている。
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ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow,1945年10月~ )は、カンヌ生まれのヴァイオリン奏者、指揮者。アルメニア系ロシア人の両親の下に生まれた。ニース音楽院を経て、パリ国立高等音楽院を卒業する。1964年 第11回パガニーニ国際コンクール、1968年のティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。グレン・グールドにコンクール時の演奏を絶賛され、19歳にてカーネギーホールでデビューリサイタルを開いた後は、世界中でソリスト、室内楽奏者として活躍。オーヴェルニュ室内管弦楽団、フィンランドのタピオラ・シンフォニエッタの芸術監督を始めとし、グラナダ市交響楽団、パリ室内管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団の首席客演指揮者を経験。パリ国立高等音楽院のヴァイオリン科教授を務めるほか、世界中でマスタークラスを開き、教育にも情熱的に力を入れている。
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リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre Philharmonique Royal de Liège)はベルキー、リエージュ王立音楽院付属の国立の管弦楽団。1960年設立でリエージュを本拠地とする。2011年9月より2019年まではクリスチャン・アルミンク(Christian Arming)が、2019年からはゲルゲイ・マダラス(Gergely Madaras)が音楽監督に就いている。
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カントロフ率いるリエージュ・フィルのサン=サーンス交響曲シリーズ第1弾に続く第2弾。音響空間は左右、奥行方向に広く、適度なホールトーンを感じる録音。1ポイントマイクをメインとし、スポットマイクは多用していないと思われ、コンサートホールの中程で聴く音に近い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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SACDサラウンド・レビュー(921) [サラウンド・サウンド・レビュー]

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Ravel & Saint-Saëns
Piano Trios
BIS2219
Sitkovetsky Trio
録音 2019年9月
BIS

ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
サン=サーンス:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.92

シトコヴェツキー・トリオ(Sitkovetsky Trio)はイギリスのユーディ・メニューイン音楽学校(Yehudi Menuhin School)で学んでいたヴァイオリン奏者のアレクサンドル・シトコヴェツキー(Alexander Sitkovetsky)を中心に韓国系ドイツ人でチェロのイサン・エンダース(Isang Enders)、ピアノの韓国出身のウー・チェン(吴倩)とともに2018年に結成されたピアノトリオ。International Commerzbank Chamber Music Award 2008に優勝。
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アレクサンドル・シトコヴェツキー(Alexander Sitkovetsky,1983年~)はロシア、モスクワ生まれのイギリスのヴァイオリニスト。音楽一家の家庭に育ち、8歳でヴァイオリニストとしてデヴュー、その後ユーディ・メニューイン音楽学校(Yehudi Menuhin School)に招待入学し、ナタリア・ボヤルスカヤ(Natalya Boyarskaya)とフ・クン(Hu Kun)に師事。その後、同校のマスタークラスでメニューインやマキシム・ヴェンゲロフ(Maxim Aleksandrovich Vengerov)などに師事。さらにウイーンでパヴェル・ヴェルニコフ(Pavel Vernikov)の指導を受ける。
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各楽器とも前面に押し出すこともなく、少し下がった位置でヴァイオリンは左、ピアノはセンタ―奥寄り、チェロは右寄りに定位している。各楽器の音のバランスは良い。サラウンドスピーカーからの音はアンビエンスがメイン。録音場所はイギリス、ブリストル聖ジョージ

サラウンド・パフォーマンス  ☆☆☆
音質             ☆☆☆☆
チャンネル          5ch

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